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2019年10月

2019年10月31日 (木)

2020春夏RFWT 勢いのある4つのフィリピンの新進ブランド

 今シーズンも「アジアンファッションミーツトーキョー フィリピン(ASIAN FASHION MEETS TOKYO PHILIPPINES)」が開催され、勢いのある4つのフィリピンの新進ブランドが参加しました。
 
ベンチ(BENCH/)
Img_94631  1987年Ben Chanによって創立されたライフスタイル・アパレルブランドです。
 当初はメンズのカジュアルファッションブランドだったそうですが、その後コスメやサロン、カフェなどを展開しマーケットを拡大。今では世界各国で約650店舗のショップを展開しているとのこと。「BENCH/ファッションアワード」を通じてフィリピンの若手デザイナーへのサポートなども行っているといいます。
 夏らしい明るい色使いがフレッシュです。
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ジェイス・キアンバオ(JACE QUIAMBAO)
1993年生まれ。マニラ にあるInstitute of Creative Entrepreneurship でデザインを学び、卒業後1年で、自身のブランドを設立。
 今シーズンは“蝶”がポイントのコレクションを見せています。
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アントニーナ(ANTONINA)
Img_94321  1996年生まれのデザイナー、アントニーナ・アバド・アモンショAntonina Abad Amoncioが手掛けるブランドです。

 フィリピン大学卒業で、フィリピンを始め様々な社会問題をデザインを通して表現することに努めているといいます。

 
 ステッチなど、手仕事風のデザインに独自性を感じました。


ハンセン(HANSEN)
 ボン・ハンセン・レイエス(Bon Hansen Reyes)が手がけるブランドで、シャープな直線的カットが印象的です。刺繍のデザインにも注目です。
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2019年10月30日 (水)

2020春夏RFWT「ノントーキョー」強く可憐“愛の戦士”

 2020春夏RFWTで、デザイナーの市毛綾乃が手がける「ノントーキョー(NON TOKYO)」が、初のランウェイショーを開催しました。
 テーマは“愛の戦士”で、幼少期に憧れた女の子のヒーロー、セーラームーンやプリキュアなどにみられる“強さと可憐さ”を表現したといいます。
Img_93921  登場したのは、このブランドの重要なファクターとなっている“カワイイ”をベースにした、戦士らしいモデルです。ミリタリーディテールや迷彩柄を採り入れ、フェミニンなオーガンジーやキラキラ光るストーンなどとミックス。
 またしっかりした天竺や裏毛といったカジュアルなデイリーウェアも。
 さらにリバーシブルや袖などのパーツが取り外せるツー・ウエイのアイテムも見せていました。
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 ダイバーシティやサステナブルなど社会問題にも焦点を当て、モデルのキャスティングでは多人種を意識、リサイクル素材も多く使用したというのも印象的で、今後が楽しみなブランドです。

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2019年10月29日 (火)

2020春夏RFWT「タチアナ・パルフェノワ」“黒いトンボ”

 2020春夏RFWTにロシアのファッションブランド「タチアナ・パルフェノワ(TATYANA PARFIONOVA)」がロシア人として初めて参加し、コレクションを発表しました。
Img_93471jpg  今回はドレスのみ37点のコレクションで、テーマは“Black Dragonfly (黒いトンボ)”です。
 “黒いトンボ”は幼少期の思い出のキーワードといいます。
 ランウェイには透明なトンボの羽根のような色彩にあふれた絵のようなドレスが多数登場しました。
 水に浮かぶ睡蓮やシダ、白鳥の羽根も。
 生地や刺繍はすべて自身の工房で手作りされたものだそう。

 
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 自然への憧憬と郷愁に満ちたコレクションでした。

 

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2019年10月28日 (月)

2020春夏RFWT 「ティート トウキョウ」 霞む都市に着想

  「Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S」の初日、主会場の一つ、表参道ヒルズにて岩田翔と滝澤裕史が手掛ける「ティート トウキョウ(tiit tokyo)」が2020年春夏コレクションを発表しました。
Img_93311  テーマは霞む都市空間に着想した「Blurs」。水たまりに映ったマンションや雨露越しにぼんやり見える街路樹、ビルの窓に映る都市風景など、見慣れた都市の景色に着目したストーリーです。
 誰もが目にしたことがある都会の風景にインスパイアされたオリジナルプリントやディテールが散りばめられています。
 ランウェイには市松柄を様々なニュアンスでリデザインしたテキスタイルやグラーションカラーのラミネートニットなど、様々なテクニックと素材を上品に組み合わせたモデルが登場。しっとりとした情緒を漂わせていました。
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Img_93401jpg  「日常に描く夢」というブランドコンセプトを、これまでにない新しい視点で再解釈した叙情的コレクションでした。

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2019年10月27日 (日)

2020春夏RFWT「ディスカバード」音楽ライブと共に発表

 「Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S」の初日、バンドの音楽ライブパフォーマンスと共に2020春夏コレクションを発表したのが、ディスカバード(DISCOVERED)です。
Img_93051  ブランドを手掛けるのは、デザイナーの木村多津也と吉田早苗です。「孤独なハイキング、気になるクツずれ、ジャングル色のアスレチック」をテーマに、異なる素材、相反するテイストが融合したラインナップをインスタレーション形式で披露。
Img_93121  デザインソースとなったのは、現代芸術家の政田武史の絵画作品「ESQUISSE」です。
 オーバーサイズの白いブロードシャツに水彩画風にプリントされているのは、警察官や仮面などのアートワークで、デモに揺れる香港情勢を思わせられ、心が痛みました。

 反骨精神あふれる躍動感に満ちたコレクションでした。

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2019年10月26日 (土)

2020春夏RFWT 「ヨシキモノ」着物への愛あふれて

 今シーズンも東京ファッションウィークが10月14日~20日の7日間にわたり、渋谷ヒカリエや表参道ヒルズを主会場に開催されました。冠スポンサーはこれまでのアマゾンから楽天に変わり、「Rakuten Fashion Week TOKYO 2020 S/S (略してRFWT)」となっています。初日のショーには三木谷浩史会長兼社長も顔を見せていました。
 
Img_92481  開幕を飾ったのはアーティスト、X JAPANのYOSHIKIが手掛ける着物ブランド「ヨシキモノ(YOSHIKIMONO)」です。
 ファッションショーは今回で3回目、またしても着物愛あふれるステージが展開されました。
 序盤に登場したのは、ドレスのように装った着物です。
 それは肩を出したミニ丈のベアドレスで、着物に新しい命が吹き込まれたかのよう。
 テーマ通り「伝統と革新の融合」そのものでした。
 
Img_92681jpg  中盤からは伝統の着物が続々。とはいえプリントには「進撃の巨人」など人気アニメのモチーフが使われています。
 
Img_92821  終盤、YOSHIKIのピアノ演奏にうっとり。その美しい調べに合わせて、闇の中から幻想的な白い着物姿のモデルが浮かび上がります。裏地が真紅の打掛をまとい、ランウェイを歩き、花吹雪が舞うフィナーレとなりました。
Img_93021jpg  
 すべてが美しい、着物への愛いっぱいのコレクションでした。

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2019年10月25日 (金)

パリのブールデル美術館で「背中側のモード」展

 この9月のパリで、ファッションで話題の展覧会が開催されていました。それがモンパルナスのブールデル美術館で行われていた「背中側のモード」展です。
 ブールデル美術館は彫刻家アントワーヌ・ブールデルのアトリエだったところです。ブールデルの彫像とともに、有力デザイナーのドレスが展示されている光景は圧巻でした。
 ドレス作品は約100点あり、改装中のガリエラ美術館所蔵のものだそうです。道理で素晴らしい名品揃いでした。
 本展はタイトルのように「後ろ姿」がテーマです。背中の見せ方をデザイナーの作品と写真で紹介しています。
Img_69791  上はグランドホールの展示風景です。

Img_69771  このホールの最奥に一点設置されていたのが、ビジュアルにも使われているマルティーヌ・シットボンのドレス(1997-98秋冬コレクション)です。アシンメトリックなカットのシンプルなシルエットにハッとさせられます。肩甲骨をなだらかなカーブで美しく見せています。

Img_69861  手前はヨージ・ヤマモトのドレスとスカート(1996-97秋冬)です。これは前からですが、後ろ側も見事なカッティングでした。

Img_69891  右はバレンシアガのオートクチュールコレクションからイブニングドレス(1961-62秋冬)です。

 さすが、裁断の魔術師、本物はすばらしいです。
 背中を膨らませたドレープの美しさは、もう匠の技!


 
Img_70151  コム・デ・ギャルソンの有名なコブドレス(1997春夏)、「Body Meets Dress」の作品もブールデルの工房に静かに佇んでいました。隣にはブールデルの名作「瀕死のケンタウロス」があって、その首を不自然に傾けた造形と呼応しているようでした。
 理想の身体は人それぞれで、違っていいということでしょうか。
 
Img_70121  右の背中に鳥の翼を付けた造形もシュールです。
 これは作者不詳でした。
 
 この他、様々な背中に焦点を当てたモードがあり、紹介しきれません。

 メンズ作品も充実していて、一つひとつが興味深かったです。






 展覧会を見て、西洋人の背中の美しさに改めて感動しました。背筋がピシっとしていて姿勢のよい人がほんとうに多いのです。だから背中の意匠にもこだわるのでしょう。
 それにひきかえ、我が日本人には猫背が何と多いことか。日本人の約8割が猫背で、世界中の猫背の6割は日本人という統計も出ているそうです。
 骨格が異なるとはいえ、私も背中をきれいに見せたいですが---。それには背筋を鍛えなければなりません。歩くときも胸を張って肩を後へ引いて歩こうと思います。でももう手遅れかな。そんなことを思った「背中側のモード」展でした。

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2019年10月24日 (木)

パリのプティ・パレ ロマン主義時代のパリ1815-1848 展

 この9月、パリのプティ・パレで開催されていた展覧会「ロマン主義時代のパリParis Romantique, 1815-1848」を鑑賞しました。9月15日が終了日でしたので、ギリギリのタイミングで間に合いました。 
 ロマン主義時代というのは19世紀前半の時代です。タイトルにもあるように、1815年から1848年まで、ナポレオン失脚から2月革命まで、短期間に多くの政変が起きた不安定な時代でした。

 会場では当時の様子を伝える資料が多数(約600点)展示されていて、服飾資料も少しでしたが、見ることができました。
Img_70221jpg  
 この時代はブルボン王朝による第2次王政復古が始まり、ロココ趣味に変貌していく頃です。
Img_70231  女性服はウエストが自然の位置になり、スカートが広がって、羊の脚型袖が大流行します。
 コルセットも復活し、清純でか細い少女のような女らしさが求められるようになり、女性たちはそうした偶像化された理想の美を目指して身をやつしたといわれています。
 右はその頃の花柄プリントのコットンドレスです。
 
Img_70261  男性服はダンディズムの一層の高揚をみた時代です。
 
  右は白で統一したダンディなスタイルです。ベストにあしらわれた花の刺繍が男性なのに女性的に見えます。

 この時代は男性もコルセットを着けたといわれていて、その有名な風刺画も展示されていました。


 
Img_70311jpg  このロマンティック時代と言えば、ショパンとジョルジュ・サンドが活躍した時代でもあります。上は二人の肖像画です。
 私はパリのロマンティック美術館にも行っていますので、同じものを目にしているのですが、今回は全体の雰囲気も手伝って印象に残りました。

Img_70341jpg  ショパンが 弾いたというピアノも見ることができました。さぞかし優雅だったでしょう。ため息が出ます。
 
 先般のパリコレクションでは、服飾史を紐解くようなクラシカルなドレスが有力デザイナーたちにより現代風にデザインされています。来春夏のトレンドの一つにもなっている、ピュアな白いレースや透けるような薄い生地を使ったフリルやラッフルの可憐なドレスは、もうまさにロマン主義時代のパリジェンヌ---です。
 歴史はカタチを変えて繰り返すことを改めて実感します。

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2019年10月23日 (水)

パリ新スポット「ギャラリーラファイエット」シャンゼリゼ

 この9月に訪れたパリで、話に聞いていた「ギャラリーラファイエット」シャンゼリゼに行って来ました。この3月末、シャンゼリゼ大通りのど真ん中に開業したパリの新しいショッピング・スポットです。新店舗は百貨店としてはコンパクトですけれど、 シャンゼリゼ大通りでは最大級の6500㎡とか。大理石のラグジュアリー感あふれるコンセプチュアルなつくりで、円形の吹き抜け構造は、オスマン通りと似ています。 

 このときのテーマは映画の「バットマン」でした。
Img_71571  1階の広場には「バットモービル」が設置されていて、ファン、とくに子どもたちか喜んでいました。これはバットマンが運転する架空の車です。
 Img_71541 階段に並んでいた今秋の最新ファッションに身を包んだマネキンも、バットマンのような頭飾りです。こうすると強そうに見えますね。

 ストアコンセプトは、来店客との関係を大切にすることとか。Eコマースは目立たず、リアル店舗での買い物の楽しさを考えている様子が分かります。
 ショッピングをアドバイスするパーソナルスタイリストも300名いるそうです。以前のパリの百貨店では考えられないサービスです。

Img_715912階はセレクトショップ風で、ポップアップショップがいっぱい。

Img_71661  有力ラグジュアリーブランドコーナーは、まるでセレクトショップのようです。好きなアイテムを選んでコーディネイト、そんなブランドミックスを楽しめるのもいいですね。
 
Img_71691  ジュエリーコーナーは何ともエレガントな空間! ここにはドーバーストリートマーケットが扱っているジュエリーも販売されているそう。
 
 ギャラリーラファイエットグループは、この春、マレ地区にイタリア食材の「イ―タリー・パリ」もオープンさせています。確かに勢いがありますね。 
 日本の百貨店も元気を出して、です。

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2019年10月22日 (火)

パリでアライア×タチ展 別の視点からファッションを見る

 この9月、パリのマレ地区にあるアライア・ギャラリーで、アズディン・アライア(Azzdine Alaia)が手がけたタチ(Tati)のコレクションを見てきました。タイトルは「Another Way to Look at Fashion / 別の視点からファッションを見る」です。
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 アズディン・アライアと言えばチュニジア出身の偉大なクチュリエですね。2017年に逝去して、去年、多くの回顧展が開催され、私もこのブログ2018.3.19付けで「私はクチュリエ」展の記事を載せています。
 このアライアが1991年、ディスカウントストアのタチとコラボレーションしてコレクションを発表したときは、ほんとうに驚きました。ビッグネームが安売り専門のタチと組む、なんて想像もつきませんでしたから。タチのオーナーもチュニジア出身で、同郷の誼もあったのでしょうか。コラボ話をもちかけたのは、アライアの方だったといいます。「タチの客はファッショナブルな服を買えない。だからデザインしたかった」と述べているそう。
Img_86641jpg  今では最高級ブランドもごく普通に格安ブランドと協働する時代になりました。シャネルの亡きカール・ラガーフェルドも2004年、「H&M」とデザイナーコラボを始めました。その後次々と現れるようになり、もう当たり前の現象と化しています。
 その先鞭をつけたのがアズディン・アライアだったのです。「お金がなくてもファッションを楽しめる」、そんなファッションの民主化を果たしたデザイナーでした。「別の視点からファッションを見る」というタイトルの意味もここにあったのですね。

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 会場には、タチのトレードマークであるギンガムチェックのプリントドレスがズラリと勢揃いしていました。白とフーシャピンク、白とブルー、白と黒のコントラストを効かせた大柄ギンガムがフレッシュで目に鮮やかです。しっかりした厚みのあるコットンの生地が使われています。ボディラインを美しく見せるボディ・コンシャスな裁断はアライア独特のもので、見る者を刺激せずにはいられません。さすがボディコンで一世を風靡したデザイナー、迫力があります。


  この庶民に愛されたタチも今年2月に閉店しました。アズディン・アライアといい、タチといい、ファッションの歴史に刻まれるブランドです。本展で、私もその歴史の一つに立ち会えたことを、ほんとうにうれしく思ったことでした。

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2019年10月21日 (月)

 パリのマレで 黒い法服のデモ行進の一コマから

  この秋、「黄色いベスト」運動はようやく下火になりましたが、「マニフェスタシォン(デモ行進)」とストライキは、もうパリ名物です。
 先月、パリに到着した日の夜、空港のタクシー乗り場は長蛇の列でうんざり。何でもこの日は交通ストライキのため電車もタクシーもなく、タクシーしか足の便がなかったのです。

Img_72991  街の中ではマレ地区で黒い法服をまとった大集団に遭遇しました。弁護士や医師、パイロットなど専門職の年金改革反対のデモンストレーションでした。Img_72951 黒服がこれだけたくさん集まると異様でびっくり! 黒はどの色にも染まらないから公平に忠実に裁くという意味があるそうです。
 デモ参加者に若者や女性が多いのも目につきました。
 
 パリではこの後も気候対策と社会公正、反核平和を求めるデモが行われて、5万人が参加したといいます。日本では考えられない規模でほんとうに驚きです。
 
 折しもこの時期、北マレの人気セレクトショップ「メルシー」では「リサイクル」をテーマに、リサイクルとアートを一体化させたデザイン雑貨を打ち出していました。Img_73041jpgImg_73021jpg

 右は、メルシーの廃プラスティックでつくられたアップサイクルのマークです。
 これもユニークですね。
 

 国連ではスエーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんという16歳の少女の演説が話題になりました。「あなたたちはその空っぽの言葉で私の夢を、私の子ども時代を盗んでいる」と、涙ながらに力強く訴える姿に感動した人は多かったと思います。
 若者たちを中心に大きなうねりとなっているこのムーブメント「グローバル気候マーチ」は、日本でも9月20日に行われて、東京や大阪、京都、名古屋、福岡、札幌など26都市で約5千人が参加したといいます。まだ少ないですけれど、社会の空気がようやく少しずつ変わり始めているのを感じます。若者たちのエネルギー、改めて心強く思ったことでした。

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2019年10月20日 (日)

ノートルダム大聖堂 大火災後の修復工事を遠望

 パリで一番好きな場所といえば、ノートルダム大聖堂です。それが大火災に遭うとは、にわかには信じられませんでした。あの4月15日夜、そんな無残なことが起こってしまったのですね。炎に包まれたノートルダム・ド・パリの光景をテレビで見て、胸を傷めていました。
Img_73171jpg  上は9月半ばにパリに行った時に撮った写真です。
 近づけませんので、セーヌ河岸から遠望するだけでした。正面の外観はそれほど変化していないように見えたのですが、横から見るとシンボルだった尖塔が崩壊したことがはっきりわかりました。修復工事が進められているようです。
 再建をめぐって、マクロン大統領は5年以内を目指すと言っていましたが---、倒壊の恐れもあり、危ぶむ声も聞かれるといいます。保全作業が長引いていることから、本格的な修復作業は再来年の2021年から始まるとか。
 美しいランドマーク復活の日を、私も気を長くして待っています。

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2019年10月19日 (土)

2020/21年秋冬コットン素材傾向―PV 及びMUより

 一般財団法人日本綿業振興会のHP内、「プレスリリース」に、柳原美紗子が寄稿した「2020/21年秋冬コットン素材傾向 PREMIERE VISION PARIS 及び MILANO UNICAより」の記事が掲載されました。http://www.cotton.or.jp/pr2019-10-15.htmlをクリックしてご覧ください。

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2019年10月18日 (金)

コットン・ファッション・セミナー開催のお知らせ

 台風19号の被害の状況が次々に明らかになり、心が痛みます。心よりお見舞い申し上げます。

 こうした中ですが、恒例のコットン・ファッション・セミナーのお知らせをさせていただきます。今シーズンもまた、下記の通り開催いたしますので、皆様のご参加をお待ちしております。

 なお、一般財団法人日本綿業振興会のHP内、「イベント」ページで、「コットン・ファッション・セミナー開催」の記事が掲載されています。http://www.cotton.or.jp/seminar.htmlをクリックしてご覧ください。

                   記

テーマ:「2020/21秋冬~2021春夏コットン・ファッションと素材の傾向」
講 師:柳原美紗子(ファッション・ディレクター)

日程および申し込み先
■ 大阪 11月6日(水) 2:00P.M~4:00P.M. 大織健保会館8階
  主催/協同組合 関西ファッション連合 
  申し込み先/電話06-6228-6525

■ 東京 11月8日(金) 1:30P.M~3:30P.M.  東京ウイメンズプラザホール
  共催/東京織物卸商業組合、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会
  申し込み先/一般財団法人日本綿業振興会 電話06-6231-2665

* 大阪と東京の各セミナーは主催団体が異なります。お申込み・お問合せは、必ず直接それぞれの団体にお願いします。

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2019年10月17日 (木)

PVパリ⒇ PVファブリックのジャパンクオリティ その2

(昨日のブログの続きです)

<スポーツ&テック>
小松マテーレ
 今シーズンのテーマは“アップサイクル”です。ナイロンやポリエステルのリサイクル素材にタマネギの皮から抽出した成分などで染めた合繊染色の“オニベジ”加工や、バイオベースのラミネーションを施したものを前面に打ち出していました。
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 またPFOAフリーの超耐久撥水素材“ダントツ撥水”も。
 新触感のレザー“コマスエードImg_76441jpg ”やウール調の“カール カール”、プリントによるナチュラルな感覚のシワ加工“ウエービー”など、同社の染色加工技術の粋を集めた素材を多数出展、その数600点だそうです。

<テイラーリング>
ニッケ
Img_76751  ニュージーランド・メリノウールをアピール。ニュージーランドでは国をあげて“ミュールジング”を禁止しているのです。同社は“ノン・ミュールジングZQメリノ”を4割にまで引き上げたといいます。ウール混ポリエステルもリサイクルのものを使用し、サステナブルを強調していました。

瀧定名古屋
 環境への責任に応える姿勢をさらに強めていた同社。
  この9月にグローバルリサイクルスタンダード(GRS)認証を取得したといいます。
  ブースでは再生ポリエステルとウール混のテクノウールを強化。
Img_86291  また新しく“ウエアラブル・コスメティック“を発表していました。これはシルクを加水分解して得られるパウダーを練り込む加工です。様々な繊維に加工可能で、しっとりと保湿力の高い風合いになるといいます。

東レ
 エコ・ファブリックのシリーズを前面に展開していました。
Img_76591   ペットボトルやフィルム屑からのリサイクルポリエステルやリサイクルナイロンが中心です。引き合いも圧倒的に多いのがこのような再生合繊で、とくに薄地のタフタが人気といいます。

チクマ
Img_76671  以前から取り組む再生ポリエステルやキュプラなど、サステナブルコーナーをさらに充実。
   作業服やユニフォーム地が目につきました。

<ニット>
エイガールズ
 重みはそのままに軽量化したボリューム感のあるジャージーを中心に展開。
Img_76181  スポーツのエッセンスを取り入れたハリ・コシのあるストレッチニットを訴求。見た目以上の軽さにこだわったといいます。
 繊細なシルキーウールのTシャツ生地も好評とのこと。
 キルティング風やスエード調など、クリエィテイブな新作とともに、オーガニックや再生素材使いのコーナーも強化も印象的です。

モリシタメリヤス工業
Img_76141  ウール/シルクの裏毛起毛をアピール。シルクは野蚕100%のカサっとしたタッチのものといいます。
 キッズモヘアのガーゼも人気商品。

紀南莫大小工場
 2度目の出展とあって、ブース面積を4~5㎡広くしたそう。前回よりゆったりと見やすくなっていました。
 エーゲ海コットンのピケニットなど。
Img_77121  またペーパーライクなハリ感のあるTシャツはPU混でストレッチ性を強めたものが好評とのこと。

カネマサ莫大小
 織物のようなハイゲージニットが好評です。
Img_86241jpg  ポリエステル/綿のリバーシブルなど、ドレープ性があって布帛の落ち感があるジャージーなど。
 繊細な編地を布帛のように仕上げる独自の技術は、同社ならではのもの。バイヤーの一番の関心の的になっています。

東光商事
 オーガニックコットンやリサイクルコットンのものが好調。 Img_83831jpg  とくにニットデニムが、裏毛デニムやパイルデニムを中心に人気といいます。

宮田毛織
Img_83961  布帛とはとは思えないしっかりとしたニットが好評。
 ブークレ五輪カラーのツィードや、シャギーのように毛足の長いやわらかなニット、コーデュロイのような編地のものも。
 
ミナミ
Img_84061jpg  落綿のリサイクルニットに引き合いが多くなっているとのこと。
 絞り風のむら染めや、シャギーのような毛足の長いニットパイルも人気。

<プレミアムリラックス>
シバヤ
Img_76781  一押しの生地は“天日干し”シリーズだそう。
リネンやリネン/コットン混です。
またウール/コットンのビンテージ加工、コットン100%先染めギンガムに人気といいます。

<シャーティング>
桑村繊維
Img_77211  人気はネル系のもの、またモール糸や太番手糸を織り込んだしっかりした風合いの先染めに引き合いが多かったとのこと。



<アパージーンズウェア>

日本綿布
Img_76301  リサイクルコットンやオーガニックコットンのサンプルを増加したといいます。
 また大柄のオリジナル・ジャカードデニムが好調。150cm幅のここまで大きい柄のものをつくれるのは同社だけといいます。
  
クロキ
 今期は予想よりも客が少ないとのことで残念そう。
 Img_76321 とくにオーガニックコットンデニムの動きがよく、ライトオンス、セルビッチも人気。
 また今後はストレッチをより強化していくとのこと。

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2019年10月16日 (水)

PVパリ⒆ PVファブリックのジャパンクオリティ その1

 今シーズン、PVファブリックには日本から39社が出展しました。今回はPVアワードこそなりませんでしたが、日本企業は10社がノミネートされ、各フォーラムでは創意に富んだジャパンクオリティに賞賛の声が上がっていました。
 ここでは素材グループ別に、各社の動向や人気素材などをご紹介します。

<ハイ・ファンシー>
タキヒョー
 サステナビリティに強力に取り組む同社。天然繊維やリサイクル合繊、グリーンな生産工程にさらにこだわっています。
 今シーズンは希少なイギリス式紡績機を備えた紡績工場、1751 FACTORY (一宮英式工場)でつくられたウールツィードやカルゼ組織のものが好評で、いずれも密度のしっかりとした織り組織のものです。
 またコットン/テンセル混のチェックやリサイクルウール使いのものも引き合いが多いといいます。
Img_77721 Img_77691jpg    
スタイレム (ZENコレクション)
 オーガニックやリサイクル原料を全体の2割超に拡大。無地を中心にサステナブルに力を入れるとともにクリエイションにも底力を発揮しています。
 カレンダー加工のサテンやビンテージ調のコーデユロイなど、とくに光沢のあるものが好評とのこと。薄地のウールチェックも人気といいます。
Img_80801jpg Img_80821








<プリント>

北高
Img_75981  ペーズリーやカムフラージュ柄のプリントが好調。

 またナイロン100%のリップトップも。

コッカ
Img_76041  花柄に引き合いが多く、とくに小花柄のレトロなタイプが人気。
 とくに小花のオパール加工が好評といいます。
 また塩縮加工で大胆な立体感を出したものも。いずれも綿100%。

<刺繍/レース>
リリーレース・インターナショナル
Img_83811jpg  プリーツ加工を施した立体感のあるチェック柄のチュールレースや、リバーシブルのふくれ加工のレースなど、ファンシーなものが人気。
 とはいえエコも意識も、和紙との複合で見せていました。

<シルキー>
宇仁繊維
Img_75901  前回より盛況だったといいます。
 エコへの流れに合わせて、再生ポリエステルを充実。
 ウールのように見えるポリエステル100%のリバーシブルが人気だったそう。

坪由織物
 Img_77761jpg メタリックに光る、ソフトでドレープ性のあるシルキーな織物が高い評価を得ているメーカーです。
 今シーズンはとくに塩縮プリントで立体的な表面感を出したものが好調だったとのこと。

サンコロナ小田
Img_86001  今シーズンは季節的な関係もあり、これまでのオーガンジーからサテンのような少し肉厚なものへシフトしていたのが目新しく感じました。
 バイヤーとの商談も前回同様、盛況の様子でした。

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2019年10月15日 (火)

PVパリ ⒅ PVアクセサリーも“エコ・リスポンシブル“

 PVアクセサリーはアパレル製品に欠かせない服飾資材の見本市です。
 今回はフランスG20の前夜に署名された環境協定「ファッション・パクト」を受けて、このコミットメントを遵守する“エコ・リスポンシブル”への動きがそこかしこで見られたのが印象的です。
Pvparisaccessoriessept19caroledesheulles  とはいえクリエーションへの道を走るのがファッションです。一部では環境への影響を最小限に抑えながらブランドのテイストを最大限に高めることができると考えるメーカーもあり、装飾性への流れも見られます。
Pvparisaccessories08951  しかしながら多くのデザイナーたちは計算されたシンプルに惹かれたようです。今シーズンは控え目なデザインで完成度を高めたものが多数出ています。色やソフトな質感、優れたパフォーマンス性など、そこには目に見えないテクノロジーのマジックが隠されていたりもします。

 次にPVアクセサリーが発表している2020/21秋冬 服飾資材トレンドの一部をご紹介しましょう。
インスピレーション
 ◇アールヌーボー ― 曲線的なラインやアラベスク風。
◇バロック ― 複雑なメタル細工や装飾的な仕上げ。
◇ワークウエア ― 実利的なものやサイネージ(記号やマーク)入りのもの。

ハイライト
◇生分解性 ― 生分解性プラスチックや堆肥化可能な付属品こそエレガンスの縮図。
◇バロック ― 複雑なメタル細工や装飾的な仕上げ
◇驚異的な軽さ ― メタルのレースや中空のチューブ、透かし模様など、重量を増やさないでボリュームをつけたアクセサリー。
◇植物ベースの染料 ― 高麗人参の葉、穀物の包含物、小さな花や草だけでない様々な植物から抽出した色素にスポットが当てられる。
◇不完全の美 ― 霜降り、不鮮明な色、不規則な構図、木目模様、波紋など、自然界に由来するユニークなアイテム。

 ここからはPVアクセサリーに出展した日本企業の動向です。
 出展は全部で325社あり、うち日本からは常連のシンドーやユタックス、日東ボタン、また新規に落合レース(SAKURA LACE)など8社が参加しました。
 私は毎回PVパリに来ているのですが、PVアクセサリーの方はいつも後回しになり時間切れでした。そこで今シーズンは、これまで取材したことのなかったメーカー、アイリス、清原、島田商事を訪れてみました。

 アイリスは、エコを前面に押していました。 ポリエステル廃材を粉末にし、そ の板材から開発したリサイクルボタンを訴求、生分解性ボタンやバイオマス・プラスティック・ボタンなども見せていました。
  Img_86501 トレンド提案も今季トレンドカラーの“パープルアディクト”を基調にしたボタンをアピールし、素敵なプレゼンテーションでした。

 
Img_86411jpg  清原
も右のように、 エコを意識したナチュラルなパーツを打ち出していました。
 





 島田商事も、アウトドア向けパーツを中心に革新的なテクノロジーによる機能的かつエコな製品を提案していました。Img_86381jpg
 日本の環境に配慮した革新的な技術が、服飾資材においても高く評価されていることを改めて再認識、市場拡大へますます期待しています。

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2019年10月14日 (月)

PVパリ⒄ PVデザイン 創造の鍵握るテキスタイルデザイン

 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリの6つの見本市の中で、創造の鍵を握る要素となっているのがPVデザインです。

Pvparisdesignssept19francoisdurand284821  上は「デザインサーカス」というスペースで、2020/21秋冬の意匠トレンドを発見する場となっています。この名のように、サーカスをテーマとしたお祭り気分のカラフルな演出で、曲芸師がいたり、占い師がいたりします。
 
 出展したのは、デザインスタジオと独立系のテキスタイルデザイナー合わせて247社。日本からも京都の工房、NIX(ニックス)とアトリエ・ミネエダの2社が新規出展しました。
  いずれもホームテキスタイル向けが多い様子で、ハイムテキスタイルなどに出展してきたそうですが、Img_76841 最近はインテリアとファッションがボーダーレスになっていることもあり、初参加を決めたといいます。
  右は、水墨画のような日本らしいデザインを提案していたNIXのブースです。
 
 シーズンのトレンドは自然に導かれたテーマが中心。
◇魔法の夜 ― 夜の奇妙な風景。月の光に照らされた植物の空想的なイメージ。
◇軋む花柄 ― 超常現象、ハイブリッド、奇妙にリアル。
◇スタイライズドされたリーフ柄 ― 葉や枝、木全体も。
◇夜の森に潜む動物のモチーフ ― エキゾティックな夜行性の鳥など。
◇カラフルなウエーブ ― 抽象的なマーブル模様も。

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2019年10月13日 (日)

PVパリ ⒃ 「ヤーン&ニットウェア」 個性的で独創的

 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリのPVヤーンとニットウェアのトレンドは、今回も1つのフォーラムで一緒に展示されました。2020/21秋冬に向けたキーワードは次のようです。Pvparisyarnssept19alexgallosi70931
PVヤーン
 テーマは「エゴ」。個性的でよりヒューマン、よりセンシブルな素材で、しかも環境への負荷を最大限に抑えた素材が中心。

SELF EXPRESSION(自己表現)
見た目革新的で個性的。テキスタイルをリッチに見せるファンシーヤーンが充実。マルチカラーやカラーと素材のブレンド、ノップヤーンやブークレヤーン使い。

SELF EXPANSION(自己拡張)
 寒さから身を守る温かい素材。ボリュミナスなパフィー糸や、リッチな毛足や毛羽。シェニールやモヘア、エアリーウールなど。心地よいハイパフォーマンスなプロテクション。

SELF CONSCIOUS(自己意識)
 環境にやさしい、追跡可能な生産プロセスによるサステナブルな開発。リサイクルやバイオソース、オーガニック、害の少ない原料など。持続可能なものとして設計された製品。


ニットウェア
Pvparisyarnssept19alexgallosi74181  テーマは「エゴ・エキセントリック」。2020/21秋冬に向けた提案は、個性的かつ独創的。個性を引き立てる、表現力豊かなニット、ときに奇抜なものも。

SELF EXPRESSION(自己表現)
 ポジティブで見た目も魅力的なニット。個性的な形状の編地、ジャカードやインターシャ、マキシ(大柄)なモチーフ、幅広のコントラストをつけたストライプ、エキセントリックなステッチも。

SELF EXPANSION(自己拡張)
 ふくらんだボリュームの丸みのある温かいニット。3D構造、身体を包むボリューム、表現力豊かなコクーニングのアプローチ。プラッシュやファーの効果、誇張されたマクロなステッチ、ブレードも彫刻的に。

SELF CONSCIOUS(自己意識)
 体を包み込むドレープや、細かいレイヤーで構成されるシルエット。しなやかな編み組織、波状のリブ、ストレッチするマイクロキルティング風の編地、繊細でセンシャスなテクスチャーのステッチプレイ。

 日本からは丸正ニットファクトリーが唯一一社、出展していました。(このブログ2019.3.6付けも参照)
Img_75081
Img_75101  素材は深喜毛織の最高級ウールやカシミアです。
 今シーズンは新しく絞りのグラデーションが美しい、ホールガーメントのセーターを提案していたのが印象的です。
 

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2019年10月12日 (土)

PVパリ⒂ スポーツ&テック 防護とイノベーション前面に

 今シーズン、PVパリのスポーツ&テックフォーラムは、「ア・マター・オブ・プロテクション(防護するもの)」をテーマに展開。最近は異常気象や災害が目立って多いことがあるようです。
 防護とイノベーションというコンセプトを前面に打ち出し、とくに風雨などの気象条件から着る人を守る服に光を当てていました。
 出展したテキスタイルメーカー80社からは、身体を守る服のための新製品や技術が多数展示され、素材だけではなくウエアも多数披露されたのが印象的です。
 サンプルは大きく5つのコーナ ー アウトドア、アクティブウェア&スノースポーツ、アーバン&ライフスタイル、ランニング&アスレジャー、スマートクリエーションで分類展示され、とくに新しい目となったのがスマートクリエーションです。リサイクル合繊が多く見られました。
Img_81131  
Img_81301  「おやっ」と思ったのは、VR(仮想現実)による没入型体験が実施されていたことです。さまざまな環境や自然条件(寒さ、風など)をVR体験する試みで、見ている方もなかなかおもしろかったです。
 
 PVパリでは、この8月にアメリカのオレゴン州ポートランド「スポーツPV」を開催するなど、このところスポーツに力を注いでいて、このイベントは来夏も続くとのことです。
 来年はオリンピック年でもあり、スポーツのファッションへの影響はますます強まりそう。素材も進化しています。どのようなカタチのものが出てくるのか、楽しみです。

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2019年10月11日 (金)

PVパリ ⒁ 「ファンシー・セレクション」 一見シンプル

 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリの「ファンシー・セレクション」フォーラムは、プリントや刺繍、レースなどファンシーな素材を集めたフォーラム(このブログ2019.10.3付けも参照)です。
 今シーズンは、一見シンプルで実は凝っているパターン、目に錯覚を起こさせるようなトリッキーなデザインが目新しく感じられます。柄が二重に重なっていたり、モチーフが部分的に隠されていたり。また柄をざわつかせる光の効果もあちらこちらで入り乱れるように見られます。さらに環境にやさしい染色仕上げ加工の提案も多くなっています。

Pvparisfabricssept19alexgallosi76721
魅惑する自然

 様々な自然のモチーフをシンプルなグラフィックで刷新。アールデコやアールヌーボー、日本の花の影響も。

謎めいた花
 花らしい花ではないものへ。ダークな背景に浮かび上がる花やネガのように反転する花など。

メタリックの交錯
 メタリックがモチーフや織りをぼかすように使われる。断続的にマスキングしたり、露出したり。入り混じる光がパターンを意味不明のものに。

マテリアルとアブストラクト
 霜降りが広く見られ、大理石など鉱物を連想させるアブストラクトやリ・デザインされたカモフラージュも。

迷路のようなジオメトリック
 チェックや円形など一見シンプルだが、より複雑になっている。パズルや波模様、3Dの錯覚を呼び起こすものなど。

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2019年10月10日 (木)

PVパリ⒀ 「エッセンシャル・セレクション」緻密・構築性

 シーズンの“エッセンシャル(欠くことのできない素材)”を展示する、プルミエール・ヴィジョン(PV)パリの「エッセンシャル・セレクション」フォーラムの様子をお伝えします。(このブログ2019.10.3付けも参照)
 今シーズン、“エッセンシャル”は、より密度が高く、より構築的な方向へ動いています。それはしなやかな感触であっても、テーラードな仕立てに適した風合いであるということです。また環境への懸念のないものを求める志向も強まっています。

スーツやジャケット
 シックが復活し、構築的で硬くない生地を主体に、バランスの取れた質感、コントロールされた光沢感。
◇アップデートされた光沢
◇洗練された繊細な感覚
◇ラフなウール-ドライ&モダンタッチ
◇超シック綾織

カジュアルコットンやデニム
Pvparisfabricssept19stephanekossmann9176  カジュアルウェアにボリュームをつけるビロードのようなきちんとした緻密さとしなやかさ。
◇しなやかな肉感
◇ベルベット調
◇インディゴ・ジャカード

コート
 手触りがよく、ボディに快適な丸みを帯びたシェルターのような生地。
◇心地よい厚み
◇フリースのようなウール
◇動物の毛を思わせるヘアリー
◇スエットシャツ・スタイル

ドレスやパンツ
 マットな流動感のあるシルキー・スパン。
◇情感のあるフリューディティ
◇光や光沢感

トップス/シャツやニット
シャツ
 スポーティなウェアをよりエレガントにリフレッシュさせて見せるシャツ生地。温かみのあるダークな色調でシティ調よりもカントリー風のパターンが主。
◇メンズ調フリュイド
◇カジュアル・シックなビロード感覚
◇グレイッシュなトーン

ニット
 サステナブルへの提案があらゆるニットでみられる。密度の高いしっかりとした編地が広がりを見せる。
◇高度な組織編み
◇布帛スタイル
◇広がるフリース

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2019年10月 9日 (水)

PVパリ ⑿ スタッフの新ユニフォームは 綿100%ツイル

 今シーズン、プルミエール・ヴィジョン(PV)パリでは、スタッフたちが活き活きと活動する姿がフレッシュでした。
Img_86531  それは新調されたスポーティなユニフォームにあったようです。今も明るいブルーが目に鮮やかに焼き付きいています。黒とのツートンカラーになっているのも、スマートで恰好よかったです。
 このユニフォームを手がけたのはデザイナーのコラリー・マラベル(Coralie Marabelle)さんです。遊び心のあるモダンなデザインが得意で、服のボリュームと色をいじるのが好きといいます。
 デザインは着用するスタッフのホストやホステスたちの使いやすさと快適さを一番に考えたそう。バルーンスリーブのボリューム感を重視したフォルムで、生地はこのシルエットに最適な綿100%ツイルを選んだとのこと。ポルトガルの生地メーカー、リオペレ(riopele)で見つけたという、軽くてしなやかなコットン地で、縫製もポルトガルです。 
 ちょっとしたフォーマルにも、どんな場面でも対応できそう。着心地もラクチンそうで、いいなと思いました。

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2019年10月 8日 (火)

PVパリ ⑾ PVデザインでテックスセレクト2019表彰式

 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリ9月展のPVデザインで、テックスセレクト2019コンクールの授賞式が行われました。
 テックスプリントは、毎年開催されている英国における最も優秀なテキスタイルデザイン卒業生を認定するプログラムです。2019年は、各大学から選ばれた200名以上の候補者の中から、選び抜かれた最終選考の24名を選出、PVデザインの会場で、各賞が授与されました。

Img_76901  右写真の左が、テックスセレクト・プリントパターン賞のソフィア・グレイ(Sophia Gray)さん。 
 下はその受賞作の一つです。
 「(禁断の酒)アブサン旅行のベルサイユ」のような物語を語る絵柄がフレッシュです。
 色彩も美しい!
Sophiagray_00961040x6401  
 今回も受賞者に日本人が一人もいなくて、残念でした。
  
 なお、このテックスセレクトは次回、2020年9月より、プルミエール・ヴィジョンがその指揮を執ることになり、名前も「PV Awards NextGen」と変わり、PVアワードに組み込まれることとなったといいます。来年もいろいろ変化が起こりそうです。

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2019年10月 7日 (月)

PVパリ ⑽ COTTON USAの「コットンの新機能展」

   今期PVパリのプルミエール・ヴィジョン(PV)ヤーンでは、前回同様、アメリカ綿のCOTTON USA(CCI国際綿花評議会 本部:ワシントンD.C. )が「WHAT’S NEW IN COTTON? (コットンの新機能)展」をテーマに出展していました。  
  ここでは既にこのブログでご紹介したORITAIN、37.5、SOLUCEL、InTech、またTencelとコットンのコラボ以外の新しい技術をご紹介します。 Img_74781jpg
グリーンファースト GREENFIRST ®ANTI-MOSQUITO
  フランスBreyner 社のブランドで、植物ベースのアンチ・モスキート(防蚊)コットンです。
Img_74971  蚊やチリダニ、ナンキンムシ、ガなどの害虫に対して最も環境に優しい効果的な防虫加工を実現しているメーカーで、その活性物質は、100%植物起源のゲラニオールという精油に含まれる芳香成分の一つ。ラベンダーやレモン、ユーカリのエッセンシャルオイルなどの抽出物で構成されているそう。
 従来の農薬を始め、内分泌かく乱物質、化学マイクロカプセル、ホルムアルデヒドまたはその誘導体は全く含まれていないといいます。

Img_74911jpg ブルッ Brrr゜
  米国アトランタが本拠のbrrr°社が開発した画期的な冷却技術によるコットンです。
 手触りも良く、肌の温度を積極的に下げてくれるといいます。
 
 涼しく保つことは実証済みだそうです。
 これはもう、日本の暑い夏に打ってつけの素材ですね。





Img_74941 ビーシャイン ♯BeShine
 フランスのマルセイユが本拠地のバイオテクノロジー・メーカー、プロニーム PRONEEM社のブランドで、肌の保湿を促す新しいテクノロジーを用いたコットンです。

 シアバターやココナッツオイル、ヒアルロン酸、レチノールといった成分により、肌にやさしいシルキーなフィーリングが得られるといいます。

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2019年10月 6日 (日)

PVパリ⑼ イエールPVグランプリ クリストフ・ランフ展

 今年もまたプルミエール・ヴィジョン(PV)パリの5ホールで、イエール国際モード・写真フェスティバルの審査委員大賞(プルミエール・ヴィジョン賞)グランプリ展が行われました。受賞者は、弱冠25歳(オーストリア)のクリストフ・ランフ(Christoph Rumpf)さんです。ランフさんは今回のPVアワードで審査員も務めました。 
  テーマは、“ジャングルで育った王子”で、人間のいないジャングルで育ち、長く失われた王子であることが判明した少年という、ファンタジックなストーリーです。
Img_76991 Img_76981






 







Img_77051jpg
 制作にあたって、贅沢という言葉に疑問を抱いたというランフさん。現代の贅沢とは、社会的および環境的に責任を持つことと考えるようになり、環境フットプリントを可能な限り低く抑えることを重視したといいます。
 このためウィーンのノスタルジックな古物マーケットに通い、テキスタイルのほとんどはそこで調達したとか。様々な時代や文化の中に見られるカーペットやカーテン、ベリーダンスの衣装、スカーフやファブリックに新しい命を吹き込んだといいます。見つけたアイテムは貴重な贅沢品そのもので、価値ある布地を無駄にすることなく細心の注意を払って作業したそう。
 ランフさんは「私の服を着ることで、これまでにない新しい王子の存在を夢見て欲しい。コレクションの一部はリサイクルで、古いカーペットやカーテンなどを修復し、より持続可能なファッションを目指して創作しました」とコメントしています。
 そのアンバランスなフォルムは、大人と子どもの間をさまよう不安定で繊細な内面を表しているようです。
 さて次はどのようなコレクションをつくられるのでしょう。楽しみです。

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2019年10月 5日 (土)

PVパリ⑻ スマートトーク エコ・ファッション消費調査

 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリのスマートクリエーションエリアでは、スマートトーク(Smart Talks)が連日行われました。
 その一つ、「エコ・ファッション の消費に関する研究」というテーマで、IFM(フランスモード学院)のジルダ・マンヴィエル氏とトマ・ドラットル氏により発表した調査結果は、大変興味深いものでした。フランス、イタリア、ドイツ、USAの5,000人を対象にアンケート調査したもので、PVジェネラルマネージャーのジル・ラスボルド氏も「この研究は、責任あるファッション市場とその製品に対する消費者の認識を理解し、購入動機やその障害となっているモノやコトを除去するのに役立つ」と述べています。
Img_75791  その概略をまとめてみましょう。

 これによると、ヨーロッパの消費者のほぼ50%が2019年に環境に優しいファッションアイテムを購入したと報告し、フランスでは消費者の46%がリサイクルやオーガニック、フランス製、古着などを購入したといいます。とはいえファッションは食品やビューティなど他のセクターに遅れをとっています。特にフランスとイタリアでは、オーガニックビューティー製品が大きな成功を収めており、2019年、フランスの消費者の57%がオーガニックビューティー製品を購入したといいます。
 またフランスでは、環境に配慮したファッション製品を購入した消費者の46%が、2019年に平均370ユーロをファッション製品(衣類と靴)に費やすと予測されています。フランス国内では、環境保護意識の高まりを背景に、衣類と靴の平均予算の約25%をエコに消費するとみられていて、有毒化学物質の不使用にも特別な注意を払っているとのことです。今夏、ビアリッツで開催されたG7への準備段階で開始されたファッション協定などのイニシアチブを反映しているともみられています。
 
 素材については、消費者はより責任のあるファッション製品を材料で選択することも示していて、表示されれば、天然繊維とリサイクル原料を好みます。環境に良くないと答えたのはトップからポリエステル、アクリル、ポリアミド、および皮革です。ここで環境に良いとされるオーガニックコットンへの強い懐疑論が飛び出したことも印象に残りました。これには先入観の問題や、情報の欠如も大きく影響しているようです。実際、消費者は、エコ責任(その定義と基準)に関する知識が不足していると感じていて、フランスの消費者の約50.4%が、適切な製品を選択するのに十分な知識がないと認めています。さらにもう一つ、困難にしているのがブランド側の透明性の欠如や環境認証の不足です。責任あるファッションブランドを知っていると報告したフランスの消費者は23%と少なく、価格も33%が障壁とみています。このため二次流通による中古品の購入が増加し、2019年にアメリカ人女性の56.1%、フランス人女性の42.2%が中古品を購入したといいます。
 
 環境に配慮したファッション製品をどこでつくるかでは、フランスでは自国が80%、46%がヨーロッパ生産と答え、イタリアでは65%、ドイツでは71%と国内生産に対する好みが依然として強く出ています。「輸送の悪影響を可能な限り減らすために、製品はできる限り近くで製造されなければならない」とフランスの消費者は主張していますし、また社会的責任のある生産のために従業員の健康と安全への敬意を強調しています。
 
 この研究成果は、市場拡大を目指す業界やブランドに正しいキーを提供するものとみられています。「ここ数年のうちに、環境に責任を持つ商品の生産を尊重する新システムの導入を見ることになる」と、PVジェネラルマネージャーのジル・ラスボルド氏も語っていました。
 エコ ファッションへ向けて、世界が大きく動き出したのを感じさせたスマートトークでした。

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2019年10月 4日 (金)

PVパリ⑺ スマートクリエーション 革新的素材がいっぱい

 今や、ファッションファブリックもサステナブルが絶対的ミッションとなってきました。今回のPVパリでは、責任あるクリエーションへのニーズに対応する素材を集積したエリア、「スマートクリエーションエリア」を1,200 m2に拡大し、出展企業はイタリア、ドイツ、フランス、ポルトガル、アメリカ、 ブラジル、香港、日本、ギリシャ、イスラエル(初参加国)など 16の国と地域から、新規出展企業30社を含む50社となり、昨年9月展の28社と比べ大幅に増加しています。
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 ここではこれまで見たことのないような革新的な素材がいっぱい。
 中でも注目は、サーキュラーシステムズ・アグラループ Circular Systems' Agraloop(米)の食用作物の廃棄物で作られた低コストで拡張性の高いコットンによく似たバイオ繊維や、キュイール・マリンCuir Marin(仏)の漁業廃棄物となった鮭の皮でつくった皮革、またシャルジュール・グループのオーガニカ Label Organica, groupe Chargeurs (仏)による、動物福祉の精神でつくられ、完璧な製品トレーサビリティを誇るハイエンド・メリノウール、それにコクーンCocoon(印)の蚕を殺さないアヒンサーシルクなど。

 日本企業では、旭化成が世界で唯一生産するキュプラ素材“ベンベルグ(BEMBERG)”と 環境負荷低減スパンデックスの“ロイカ(ROICA)”をブース展示。
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Img_74191  ベンベルグは裏地ですが、右のように、表地の“ベルティーンエボ(Velutine Evo)”のドレスも紹介。
 しなやかで流動感のあるサンドウオッシュ加工の風合いがエレガントです。
 
 この他スマートインデックス・コーナーでは、YKKグループ東レのウルトラスエードが生分解性素材をサンプル展示していました。

 さらに最終製品のスマート・ワードローブ(Smart Wardrobe)コーナーも展開。ここでは責任あるソーシングプロセスと製造によって作られた、デザイナーたちによるウエアやバッグ、シューズなどが展示されていました。
Leathertaneka18sept20192701  上は、サンフランシスコ出身のデザイナー Spencer Phipps(スペンサー・フィップス)ブランドのもの。アトリエ・クラフト(Atelier Craft)の宇宙をイメージしたデザインが印象的です。



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2019年10月 3日 (木)

PVパリ⑹ ファブリックのキーワードは「エコ」と「エゴ

 今や、ファッションファブリックもサステナブルが絶対的ミッションとなってきました。とはいえそれは変わらないというのではなく、変化への欲望も渦巻いています。
 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリで、ファブリックに秘められたキーワードは「エコ」と「エゴ」です。
 「エコ」はナチュラルファイバーやリサイクルなど、環境への責任を考慮した素材で、今シーズン大きく打ち出されました。サステナビリティへの関心の高まりはファッション市場を活性化させるとの考えから、発信が強化されているのです。
 「エゴ」は自我、つまり一人ひとりの個人です。購買の動機はかつてのように「誰かが持っているから」ではなく、個人完結型となり、マス・カスタマイゼーションが広がり始めています。またスピリチュアルな世界への興味も高まっています。そうした個性を求めるオリジナリティやファンタジーへの欲求も強まっているのです。
 2020/21秋冬のファブリックは両者が複雑に絡まり合いながら、一新されていくシーズンとなりそうです。
 
 その主な特徴を挙げてみましょう。
◇ニュー・テイラリング ― より構築的、高級素材への関心。堅牢かつしなやかな薄地。
◇ストリートウエア ― 高級感を増す一方、リラックス感は維持。再解釈されたフリースや心地よいデニム。
◇スポーツとシティファッションの結び付きは不可欠。

 PVパリでは前シーズン同様、下記二つのフォーラムを設置し、出展各社の素材を分類展示していました。
 
 「エッセンシャル・セレクション」
 無地や無地調のシーズンに欠かせない素材を集積したフォーラムです。
Img_83741  全体により密度の高い、構築的な外観への動きが顕著で、テーラードな仕立てに適したハリとコシ、とはいえ決して硬くはない、しなやかな感触のものが多くなっています。
 スーツやジャケット、ドレス、パンツ、シャツやニット、デニムなど用途別に提案されています。

 「ファンシー・セレクション」
 プリントや刺繍、レースなど装飾的な素材を集めたフォーラムです。
Img_85961  視覚的にトリックを感じさせるような柄、二重に重なっていたり、見え隠れしたり。
 妖艶な自然を表現したものや、謎めいた花柄、メタリックな光り、岩石や鉱石のようなアブストラクト、迷路のような幾何学模様など。

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2019年10月 2日 (水)

PVパリ ⑸ 新しい彩りの主役 “パープルアディクト”

 今期プルミエール・ヴィジョン(PV)パリで、新しい彩りの主役となったのが“パープルアディクト”です。濃い紫色で、会場の什器など至るところに、ネームホルダーのコードにも使われて目立っていました。

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Img_74541jpg  初日、PVアワード終了後に開かれたパーティも“パープルアディクトパーティ”でした。場内はもうパープル尽くし。フレッシュな果物入りカクテルも振舞われて、夕べの一時を楽しみました。
 
Img_77831  またこのレンジで基調色として浮上しているのが、ピンク系のスキンカラーです。上はプレスルームのインテリアで、優しいピンクや淡い緑味のブルーでまとめ、エコのイメージを印象づけていました。
 
Img_76251  上はPVパリの2020/21秋冬カラーです。横に3つのラインで提案されています。上段からミステリアスなダーク、人間の豊かな感情表現に由来するピグメント(色味)、肌の色を思わせるニュートラルです。
 中でも注目は、“パープルアディクト”と神秘的なブルー。配色は抑えたトーン・オン・トーンの無地調が中心です。

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2019年10月 1日 (火)

PVパリ ⑷ 20/21秋冬トレンドムービー VRで夢の森を体感

 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリのトレンドエリアは「パースペクティブ」と呼ばれるフォーラムです。
   今期は森をイメージしたつくりになっていました。森といっても深くて暗い森に迷い込んだようなイメージです。
Pvparisfabricssept19francoisdurand106544     
 ここでは毎回シーズンを象徴するショートムービーが上映されます。Pv 今シーズンは、それが新次元に突入したといった印象でした。というのも、バーチャル・リアリティ(VR 仮想現実)で見せてくれたからです。ヘッドヘッドを着装するとそこはもう3次元の世界です。

 右は今シーズンのトレンドヴィジュアルです。このムービーのトップもこれですし、ポスターをはじめあらゆる場面でこの画像が使われています。
 PVのトレンド解説によると、これは人間が不安な森から新しい世界へ飛び出していく姿を暗示しているといいます。そしてその先にあるのが20/21秋冬です。このシーズンはより次元の高いクリエイションへ跳躍する時であることを示しているのです。

Pvparisfabricssept19alexgallosi76111  VRでは夢でも見ているかのように森へと導かれていきます。そこで私たちは次々と幻想的な体験をしていくのです。
 “エコ・リスポンシビリティ”を前提にした新しいアウトドア素材への挑戦から、“ミューテーション(突然変異)"へ。これはノージェンダーの暗喩でしょうか。男女が溶け込み合う奇妙な姿に惑わされます。続いて現れるのが“ナイトドリーム゛です。夜の帳が降りると、闇の中から光のバイブレーションが浮かび上がります。最後は“ニューネイチャー”です。20/21秋冬の注目ファブリックを連想させる荒々しい自然のキー・ヴィジュアルで幕を閉じます。
 
 この映像は、PVアワードの審査委員長を務めたオランダのアーティストでデザイナーのバート・ヘス(Bart Hess)氏によるものです。
 創造性とエコ意識が新たなターニングポイントになってくる2020/21秋冬を、美しくシンボリックに表現されています。しかもそれをVRで体感できるとは! しばし浸ったエキサイティングな没入感、その試みに拍手です。

 

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