メゾン・エ・オブジェ パリ ⑶ 日本企業の「和」目立つ
「メゾン・エ・オブジェ パリ(M&O PARIS) 」は、毎回1月展の方が日本企業の出展が多いとのことです。ジェトロの支援があるからなのでしょう。とはいえ今回の9月展も、相当数の企業が出ていました。とくに「和」の打ち出しが目立ち、来年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、どこも人気を博していた模様です。
東京手仕事
東京都指定の伝統工芸品41品目の中から2018年度の支援商品として採択された18商品が参加して盛り上がっていました。
商品展示と併せて、三絃司きくおか、富田染工芸、サクラワクス、岡半、根岸産業、田房染織の実演も行われ、来場者の目を惹きつけていたのが印象的です。
上は、田房染織の日本伝統工芸士、田房剛章氏がまだら模様のカスリ糸をつくる作業をしているところです。
工房は、東京の武蔵村山市にあり、村山大島紬の伝統を1914年より、先祖代々受け継いでいるといいます。
特徴は板締め注入染色(夾纈染め)と呼ばれる染色法で、糸をいじめない分、艶とハリがある生地に織り上がるそう。
右は石原染色工房の墨染めです。
染めの匠、石原 実氏の手で染め上げられた墨染めは、単なるモノクロームではありません。ぼかした色味の幅は広くて深い。
江戸時代、庶民は鼠色を粋な色として愛したようです。墨の材料も様々で、紺鼠、藍鼠などいろいろな色があったのですね。
これは松を燃焼させてつくった煤の松煙墨による黒のグラデージョン、わずかに青色を感じる鼠色がシックなストールです。
生地は綿のガーゼです。
夏水組 (NATSUMIGUMI)
このブログ8月18日付けでご紹介した襖紙のブランド「夏水組」が、タイムレス・エレガントなブランドを集積したホール7の“フォレバー”ゾーンに出展していました。
迎えてくれたのは、坂田 夏水 さん(写真右)と大場 匠真 さん(写真中)、それに妹の大場麻美さん(写真左)のお三人です。
壁紙の人気柄、獅子地紋を注染染めした浴衣姿が小粋でおしゃれ!
新たな商談もいくつか持ち上がり、ビジネスは好評の様子でした。
アワガミ(AWAGAMI)
これはあわ(阿波)徳島のアワガミ・ファクトリーのブランドです。
アワガミ・ファクトリーというのは、2015年の夏に私が訪れた阿波和紙伝統産業会館を運営しているところで、その時のことを懐かしく思い出したことでした。(このブログ2015.8.20付け参照)
阿波の藍で染めたアートな壁紙は、こちらでも多くのファンを集めているようで、客足が絶えないようでした。
KYOGO (キョウゴ)
ホール5Aの中央に設置されたクリエイティブなクラフトアートゾーンで出会った、京都の西陣織のブランドです。
大自然をモチーフに、生命の息吹が聞こえてくるようなインテリアファブリックを提案。その優雅で洗練された雰囲気に魅せられました。
KYOTO T5 (京都T5 )
KYOTO T5(京都伝統文化イノベーション研究センター)によるスニーカーのアイデアにはびっくり!
何と下駄の鼻緒が付いているのです。
「京組み紐」は京都の伝統的工芸品ですね。その技をスニーカーに採り入れるとは。こういうミックスもありですね。
丸眞 (MARUSHIN)
タオルを中心とする名古屋発のメーカーで、日本のキャラクターをいろいろ訴求しています。中でも人気は浮世絵だそうで、とくに北斎シリーズが好調。先染めジャカード織りタオルで、世界初のフルカラーを実現したというアートタオルです。
最終日の午後で販売可能とあって、ブースは購入客でにぎわっていました。
原田テキスタイル(HARADA TEXTILE)
KIYOI(きよい)ブランドで、今注目のタオルやふきんを中心とするメーカーです。本拠地はパイル産地の和歌山県高野口とか。
ふわふわとしたマシュマロのようなボディタオルやあら生地ふきん、パイルやボアレンジのふきん、吸水マットなどが人気とのこと。
ニシグチクツシタ(NISHIGUCHI HUTSUSHITA)
コットンや麻、ウールなど良質な天然素材にこだわった靴下を生産している奈良県のファクトリー・ブランドです。
「はくひとおもい」で少しでも気持ちいいモノを目指して、つくっているそう。日本製ソックスは欧米でも上質でリーズナブル、と定評があります。
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