ミラノのギフト・インテリア見本市「ミラノ・ホーミ」視察
ロンドンからミラノに飛び、以前から話を聞いていたミラノのギフト・インテリア見本市「ミラノ・ホーミ(MILANO HOMI)」9月展を視察してきました。ミラノといえば世界最大のデザインイベント「ミラノ・サローネ(MILANO SALONE)」が毎年4月に開催されています。「ミラノ・ホーミ」も39か国から1,100を超える出展者、世界91か国から80,000人が集うといいます。そこで期待しながら、ミラノ・ウニカと同じ会場のフィエラミラノに足を運びました。
会場は大きく二つあり、「ホーミ・アウトドア(HOMI OUTDOOR)」と「ホーミ・ファッション&ジュエル(HOMI FASHION &JEWELS)」に分かれています。
「ホーミ・アウトドア」では、目新しかったのが、2020年10月から始まるドバイ万博「デザインコンペティション」の展示エリアです。35歳以下の受賞者による作品展で、ドバイ万博で展示されることになっています。
作品は、万博のコンセプトである「心をつなぎ、未来を創造する」に沿い、若いデザイナーや企業が「コネクティング・スペース(Connecting Spaces)」をテーマに制作。イタリアの伝統的な工芸品を革新的な手法で、デジタル接続したIoT空間がデザインされていて、近未来のライフスタイルを変える興味深いヒントを感じました。
上はACELL ITALY社の「CO-SITE」。モジュラー・エレメンツを組み合わせた空間で、人間の感覚を刺激する楽しいアプローチ。
右はF-EDという作品。マットレスになり、カーペットにもなる、バックパック。内部にはポケットがたくさん付いています。とくにトラベリング(旅行)には欠かせないアイテムになりそう。この他いろいろ。
またマリークレール・メゾンの「都会のオアシス」をテーマにしたオープン展示も、すばらしかったです。
“砂漠のティータイム”といった風情で、くつろぎの空間を演出していました。砂漠の砂に、グリーンをあしらい、畳のようなマットを敷いて、ナチュラルな雰囲気たっぷりです。
日本のセレクトされた和食器を中心にインテリア雑貨を出品していたのが、ソフィア・ディフュージョン(SOPHIA DIFFUSION)。スイスのジュネーブが本拠地で、和食器が人気といいます。
ホームパーティを頻繁に開いているヨーロッパの人たちは、テーブルアートにこだわります。洗練されたエキゾティックを演出するのに、和食器はぴったりなのでしょう。
「ホーミ・ファッション&ジュエル」では、新規出展ブランドが604ブランド、その内イタリア以外が29%と好調の様子でした。ファッションよりもジュエリーなどアクセサリー雑貨のブランドが多く、ファッションショーも行われていました。
上はローマ発のファッションブランド「Antica Sartoria」です。バックミュージックが流れて華やか!
とくに目が向いたのが、上の「スプリメンタ・ファッション(SPRIMENTA FASHION)」のエリアでした。ユニークなオリジナリティや手工芸を訴求する実験的なブランド、60社が集結していました。
中でも注目は「楽 (raku)」というブランド。日本人でイタリア側のスイス在住、Keiko CARMINEさんが、ヴィンテージキモノの生地を利用してハンドメイドのバッグ、例えば風呂敷バッグなどのアクセサリーをつくっています。すてきな日本人がここにも活躍していました。
さらにもう一つ、上の写真のような「#IAMTHEMAKER (私はメーカー)」というイベントも行われていました。これはミニインタビューを放送するプロジェクトで、出展者やバイヤーらが、ここでの体験を生で話すことで、展示会を活気づけようというもの。
好況とはいい難い状況の中、様々な企画でビジネスを盛り上げようと取り組む姿勢が目立った見本市でした。
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