« モード・イン・フランス展 ⑶ 初出展した好評レディース | トップページ | 「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン」展  »

2019年8月 9日 (金)

堀畑裕之著『言葉の服 おしゃれと気づきの哲学』を読んで

 ファッションブランド「まとふ (matohu))のデザイナー、堀畑裕之さんが、初の書籍『言葉の服 おしゃれと気づきの哲学』をトランスビュー社より出版されました。先月25日、この出版記念パーティが開催されるというので、表参道本店に行ってきました。
 アイコンの長着をまとった堀畑さんが、にこやかに迎えて下さり、本にすてきなサインもいただきました。ありがとうございました。
Img_53071    私は朝日新聞夕刊に堀畑さんが連載されていたコラム『言葉の服』の切り抜きを、今も大切に保存しています。「まとふ」の創作の秘密がちりばめられたファッションの哲学が書き綴られていました。

   本書は、このコラムなどを全面的に加筆、新たに書き下ろしたものを加えたエッセイ集です。最終章は哲学者 鷲田清一氏との対話篇になっています。D4607013156140 本の装丁も、朝焼けのような重ね色目のグラデーションに、ロゴマークの「千鳥」を浮かび上がらせた美しいデザインです。優美な和の伝統を重んじる温かな心が伝わってきます。
 拝読して、『言葉の服』の意味が分かりました。最初に「言葉」があって、それがコレクションという「創作」を規定しているのですね。この本にはそんなメモしておきたい名言があふれています。
 例えば「服は、人のうつわ」。料理を引き立てる「器=服」と捉える考え方です。服はかけがえのない「私」を彩るものです。私も自分のクローゼットを見直そう、と思ったことでした。
 「おしゃれ」についての考察も、大変興味深かったです。「おしゃれとは何だろう」と、私はいつも考えていました。その語源がドクロの「しゃれこうべ」だったとは!「晒されて、--- 素のままが格好いい。それが『しゃれる』ということ」とあり、やっと合点がいきました。
 また古い日本語で「うつくし」は「美しい」ではなく、「愛らしい」、「かわいい」を指す言葉だったということも、目からウロコ!でした。 だから「かわいい」には、人を惹きつける力、すなわち強さも備わっているのですね。
 副題が『おしゃれと気づきの哲学』となっていて、美意識を読み解く哲学書のようですが、ページを開いてみると文章が実に読みやすく書かれています。日常の中で通り過ぎていく何気ないものに気付き、そこに美を感じる、そんな感受性を呼び覚ましてくれるような本です。日本の美ってほんとうに奥が深い、ですね。
 傍に常においておきたいと思う一冊です。

|

« モード・イン・フランス展 ⑶ 初出展した好評レディース | トップページ | 「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン」展  »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« モード・イン・フランス展 ⑶ 初出展した好評レディース | トップページ | 「マリアノ・フォルチュニ 織りなすデザイン」展  »