モード・イン・フランス展 ⑶ 初出展した好評レディース
今回のモード・イン・フランス展では、レディースも8ブランドが初出展しています。中でも注目はシャネルのミューズとして知られるイネス・ドゥ・ラ・フレサンジュが立ち上げたイネス・ドゥ・ラ・フラサンジュ・パリです。またすでに日本支社も有するコテラック、レジーヌ製ジュエリーのトム・エ・エマも良い結果を残したといいます。
初出展したレディースブランドから、好評を博した5社を紹介します。
イネス・ド・ラ・フレサンジュ・パリ INES DE LA FRESSANGE PARIS
元モデルのイネス・ド・ラ・フレサンジュが1991年に創業、パリのモンテーニュ通りにブティックをオープンすると、瞬く間にヨーロッパやアメリカ、日本などで成功を収めた有名ブランドです。とはいえ2000年にイネスがブランドを離れると休業状態に陥ったそう。再スタートしたのは、ファブリス・ボエ氏を社長に迎え、イネスもアートディレクターとして復帰した2015年でした。 日本ではユニクロとの協業もあり知名度が高いブランドと思っていました。それが「どうして初出展?」と社長のファブリス・ボエ氏に伺いますと、「高島屋で取り扱われているものの、本領を発揮できていません。知名度はまだまだ。日本には愛着を感じていて、ダイレクトに日本の反応を知りたいのです」。
またブランドの本質を「パリジェンヌのライフスタイルのエッセンスを幅広いラインナップを通して提供していくこと」と話します。基調はイネスらしいエフォートレス(リラックスした感覚)なナチュラル派エレガンス。今シーズンもこれを基に、南仏へのバカンスをテーマにしたコレクションを提案しています。
ファッションが目まぐるしく変わる時代、シックなパリジェンヌは、世界中の女性がお手本にしたい普遍的なシンボルですね。イネスはまさにそれを体現する存在に思われます。
エシャペ・ベル ECHAPPEES BELLES
ブルターニュ地方のモエラン=シュル=メールで2000年に誕生したブランドで、ブランド名のようにチャーミングな驚きに満ちた魅力を持つブランドです。 使用されている生地の4分の3は日本製とのこと。コットン素材のものもたくさん見られます。丸みを帯びたボリューム感と温かみのあるフォルムが特徴で、年齢を問わず着こなせるデザインと思いました。
また今シーズンのテーマは“自転車”だそうです。アクティブで動きやすいカッティングやディテールにこだわった新作を見せてくれました。ファッションをさりげなく着こなしたい女性のための、一挙一動を美しく個性的に演出するコレクションです。
エキオグ EKYOG
2003年に創業した、人と環境にやさしいエシカルファッションブランドです。全工程において、労働者や女性の健康、環境問題に配慮し、有毒物質の使用禁止やGOTS認証など、徹底したトレーサビリティシステムを導入しているといいます。 素材は中国やインドなどを中心に、適切に管理された環境のものを調達しているそう。“エシカルデニム”と名づけたデニムは、レーザープリンターシステムで従来のものに比べ95%節水していると話していました。
アコテ ACOTE/コテラック COTELAC
コテラックは1993年の創業で、アコテは2004年に誕生した、その妹ブランドです。
コテラックは、素材の美しさを最大限に引き出す緻密な加工作業を得意としていて、プリーツや圧縮加工などに日本の技術が採り入れられているといいます。 アコテは、ヴィンテージファッションにロックとボヘミアンテイストを融合した、トラディッショナルなスタイルで、コテラックよりも若い感覚のブランドです。2020年春夏は、アメリカ西部への旅をテーマに、エアリーで軽いワンピースや、ほどよく中性的なシルエットのアイテムを提案しています。
フィアンディーズ FILLANDISES
今回、唯一のランジェリーブランドとして参加。大人の女性の身体へと変化していく自分の娘のためにブラジャーを作ろうと、母親が立ち上げたというブランドです。とはいえ大人の女性に向けて、幅広くサイズ展開しています。
1つ、気になったのは、パッドが付いていないブラが多く出ていたこと。日本と違って、ヨーロッパではワイヤレスとともにパッドレスが普通なのです。でも日本ではワイヤレスはよくても、これは難しそう。日本と欧米、ボディへの考え方の違いを改めて感じさせられました。 楽しいイラストのTシャツも提案していました。パリっぽくてカワイイです。
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