国際文具・紙製品展 ⑴ 文具業界の「サカナクン」が講演
少し前のことになりますが、第30回「国際文具・紙製品」(通称 ISOT)展が、ライフスタイル総合エキスポ2019夏展の一つとして、6月26日から28日、東京ビッグサイトにて開催されました。これは日本最大の文具・紙製品・オフィス用品の展示会です。来場者数も約5万人と発表されています。
関連セミナーもいろいろ開かれました。
中でも興味深かったのが、文具業界の「サカナクン」、こと高畑 正幸さんによる「文具の歴史&最新トレンド」をテーマにした講演会です。
高畑さんは、テレビ東京の人気番組「TVチャンピオン」の「全国文房具通選手権」に出場して、1999年、2001年、2005年と3連続で優勝し、「文具王」と呼ばれているそうです。そのユーモアたっぷりのお話をまとめてみましょう。
題して「ISOTと文具の30年とこれから ~平成とともに歩んできたISOTと文具の変化を振り返り、この先を考える~」です。
今年30周年を迎えたISOTの歴史はまさに「文房具の歴史」ということで、まずは平成を振り返ります。
平成は文具業界にとって試練の時代だったといいます。インターネットの普及により、この30年間で文具店は激減したのです。売り上げの4割は今やECだそう。平成7年(1995年)ウインドーズが登場した頃までは、手帳も皮革製が売れていたのですが、スマホ時代の現在は手帳もデジタル化しています。筆記具も同様に変化して、紙のノートは不要といった言葉も飛び出すなど、文房具はその役割を終えつつあるのではないかと言われているのです。
次に、今後の文房具についてです。
ネットで何でもできるようになった現在、これからどうなっていくのでしょう。「文具王」は次の4つの項目を紹介しました。①紙信仰の崩壊とさらなるデジタル化の加速、②消える紙と残る紙の二つに分かれる、③効率以外の軸に移行する動き、➃存在そのものが重要になる。
デジタルが進化した結果として、逆にアナログが見直されていると指摘します。たとえば手書きです。書く人の気持ちや想いが伝えられるとあって、毛筆や万年筆に再び関心が集まっているのです。ロックフェスや見本市も盛んで、リアルなものへの人気は衰えていません。アナログには意味がある、と強調します。
最後を締めくくったのは「文房具は残って欲しい」という「文具王」らしい言葉でした。
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