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2019年7月 3日 (水)

循環型社会セミナー「ファッションとサステナブル」

 先月初め、「ファッションとサステナブル~これからのアパレル企業が目指すもの~」と銘打った循環型社会セミナー(繊研新聞社主催)が、東京・渋谷で開催されました。
 冒頭、主催者から在庫を扱う物流会社からの提案で企画されたセミナーであるとの趣旨説明があり、その後、業界を代表する4名の識者が次々に登壇。在庫をつくらない方法や滞留在庫の循環方法などを語りました。会場は満席で、アパレル企業のサステナビリティへの関心の高さが伺われました。
 最初は基調講演で、演壇に立ったのはディマンドワークス代表の斎藤孝浩氏です。Img_28461 在庫コントロールを生業にされてきたご自身の経験から、小売り目線でアパレル在庫をどうしたら最適化できるかを話されました。
 売れ筋と死に筋について、よく売れているからといって売れ筋とは限らない、在庫過多なら過剰分は死に筋商品で会社に損失をもたらすなどといったことから、勝ち組企業の代表としてZARAの商品企画―基本色に対し絞り込んだ色や柄をコーデイネイト提案する―や、ZARAが仕掛ける店頭マジックなどを紹介。毎シーズンのリスク回避や分散方法を解説し、最後に在庫を売り切る原則として、商品計画や販売計画を全社で共有すること、そして週毎に進捗確認・軌道修正して販売終了週までに全社協力して売り切ることが重要であると強調しました。

 休憩をはさんで次に講演したのが、アイコレクトジャパン取締役 田中秀人氏です。アイコレクト、通称アイコ(I:CO)は繊維リサイクル世界最大手、スイスのソエックスグループに属し、元はソーラーパネルを生産していた会社だったそう。2009年にドイツで不要な衣類を店頭で回収する事業を立ち上げ、アメリカ、フランス、中国そして日本にも拠点を構えて、世界中で活動しているといいます。目指すのは循環型アパレル産業の構築(CLOSED LOOP)で、パートナー企業が続々増加。今では60か国以上、H&Mやアディダスなどの小売業中心に50社以上に上っているそう。 
1img_2840  右はこのブログ2014年1月30付けに掲載したときの「アイコ」のブースです。回収箱は企業ごとに様々。当時も色々な彩りのボックスが並んでいました。
 回収された衣服は、リ・ウェア(再着用)されるものが60%、残りの40%が反毛して自動車用などに、リサイクルされるそうです。
 今後の課題は、環境への負荷をできる限り無くすこと、その上で古着をポジティブに使っていくことに焦点を当てると述べ、締めくくりました。

 3番目に登場したのが、ウィファブリック代表取締役社長 福屋剛氏です。在庫「デッドストック」を資源とみなし、企業間で簡単に取引のできる企業間マッチングプラットフォーム・スマセル(SMASELL)を運営し、循環型社会を目指していくとのこと。「オンラインプラットフォームで滞留在庫の販売機会を最大化し、廃棄の無い循環型社会を目指す!」をテーマに、スマセルの今後の可能性を熱くスピーチしました。

 トリを務めたのが、NHN SAVAWAYのTEMPOCLOUD事業部事業部長 安達友昭氏です。「プラットフォームが考える循環型マーケットのご提案」と題して、今年4月にリリースしたクラウド型ECプラットフォーム「TEMPOCLOUD(テンポクラウド)」を活用した循環型マーケットのお話をプレゼンしました。

 今や、良いものを作って売れればよいでは済まされない変革期です。セミナーを終えて、在庫削減と同時に廃棄処分後の循環過程まで、切実に考えていかなければいけない、そんな時代に突入したことを改めて痛感しました。

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