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2019年6月 6日 (木)

眞田塾展「Sense of color 色の触感」色の新たな知覚を提案

 先月半ば、衣服造形家・眞田岳彦氏が主宰する眞田塾の特別展が、六本木のAXIS GALLERYにて開催されました。題して「Sense of color 色の触感」、「色」の新たな知覚を提案しようという試みです。

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 会場には、ずらりとインスタレーションが並んでいました。いずれもテーマは「色」。とはいえ視覚だけではない、いわゆる5感とは違う感覚で色を捉え直した作品です。発表したのは、ファッションやテキスタイル、パッケージ、染色、ジュエリー、ボタンなど多様な分野に身を置くクリエイター12名です。

 クリエーターズ・プレゼンテーションも行われ、作家一人ひとりが創作の意図などを語りました。
 楽しかったのは土井直哉さん(新・入れ物作家)のプレゼンで、タイトルは「空の輪郭」。

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Img_23011jpg  土井さんは、色とは仮に与えられた目に見えるイメージであるといいます。
 その姿は流動的で常に別の何かになる可能性を秘めていて、一時的な状態にあるImg_23031 ものの表面が見えてきたとき、 色がつき始めて、空の入れ物となるそう。
 このことを実演して見せてくれました。卵型の布の塊をほどいて開き、梯子に乗って壁に張るまでのパフォーマンスで、あれよあれよと思う間に変化していく色とカタチがおもしろかったです。
 
Img_22961  また永井俊平さん(衣服作家)の「血液」というインスタレーションも印象的でした。
 あるとき突然出血したことがあって、流れ出たその赤い色が語りかけてきたといいます。
 色としての振舞いを自分自身に託されたと感じ、赤をモチーフに制作したそう。
 右は、赤い液体を布に流し、そこに切れ込みを入れた作品です。

 このアイデアを取り入れた丸い形の可愛いバッグ製品も展示していました。

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 関 美来さん(染色家/美術家)は、植物の色素である緑をモチーフに「葉緑装置」を演出。カラーは装置であるといいます。
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 大豆を育てた経験から、植物が上を向くのは植物の内部にある色素が太陽の方向に向かわせているから。現代人はスマホに夢中になって下ばかり見ているけれど、それでいいのかと、問題提起しました。
 
 また久保田玲奈さん(ジュエリーアーティスト)の肌の色から着想したという「フェイスマスク」も興味深かったです。皮膚の色の違いは遺伝子を解析すれば些細な差でしかないのですが、このことに気付いた久保田さん、自分の中に人種を超えたたくさんの人がいることを感じるといいます。

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 さらに佐藤 綾さん(美術作家)は、様々なものが混じり合う「ホコリ」をテーマに、シリコンによる立体作品を制作。歩くたびに移り変わる風景のカケラから発想したといいます。よく見ると詰まっているのは廃棄物のよう。ゴミもアーティストの手でアップサイクルされると、こんなにも美しく見えるのですね。Img_23361
 この他いろいろ。若い作家さんたちの心象風景が生んだアートの数々、なかなか刺激的でした。眞田塾、応援しています。

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