“パーソナルモビリティ” WHILL モデルCとは
先般開催の「意匠デザインを実現するものづくり技術2019」で、WHILLのデザイナー、鳥山 将洋 氏の講演があり、拝聴しました。
WHILLというのは4輪駆動のスタイリッシュな次世代電動車椅子です。2014年度の日本クリエーション大賞を受賞し、そのときの表彰式には私も参加させていただきました。その後2015年度のグッドデザイン大賞を受賞し、大きな話題となったことは記憶に新しいところでしょう。
このときのWHILLはモデルAで、その後モデルCが登場しました。今回の講演は、このWHILLモデルCをデザインした鳥山 氏が、その開発ストーリーを語るというものでした。テーマは「この世にまだない“パーソナルモビリティ”をデザインするということ」です。
元マツダで自動車デザインを手掛けていたという鳥山 氏。ある日、電動車椅子には選択肢がほとんどないことに気付き、移動がもっと楽しくなるスマートな“パーソナルモビリティ”をつくりたいと思うようになったそうです。2017年にWHILLに入社し、手作りで試作を繰り返し、モデルCを世に送り出しました。
その特徴は、ユーザー目線に徹底的にこだわったデザインです。重さはモデルAの半分で軽く、また工具を使わずに3つに分解できるので車に積むことができます。しかも説明書なしでも簡単に操作できる設計になっているとのことで、確かに見た目も部品が少ない感じです。さらに車椅子として初の通信機能を内蔵し、遠隔確認などのサービスも提供できるといいます。カラーは写真の白だけではなく、青や赤、ゴールド、黒も揃っていて、好みに合わせて選べるのも魅力です。
開発にあたって、もっとも大切にしたのは安全性で、いくら格好良くても、まずは安全を念頭に置いていることを強調されていたのが印象的でした。それでいて価格は45万円という普及価格帯!
2年前に発売をスタートして、今や3,000台を売り上げる、ヒット商品になっているそうです。
私も実際に乗らせていいただき、乗り心地を確認しました。すばらしい発明、と改めて感心したことでした。
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