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2019年6月

2019年6月30日 (日)

クリスチャン・ボルタンスキーの「アニミタス」シリーズ展

 今、東京でクリスチャン・ボルタンスキーの展覧会が二つ開催されています。一つは六本木の国立新美術館での大回顧展です。私はこの3月に大阪の国立国際美術館で開催された「ライフタイム」展を見て、このブログ2019.4.26付けで記事を掲載しています。
 もう一つがエスパス ルイ・ヴィトン東京で行われている新作映像インスタレーション「アニミタス」シリーズの「ささやきの森」と「死せる母たち」の2作品の展示です。ちょっとのぞいてきました。

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 アニミタスとは、スペイン語で「小さな魂」を意味する言葉だそう。
 場内は明るい静謐な森のイメージです。散歩道を歩くと聞こえてくるのは風鈴の音で、ささやくように鳴っています。風鈴は死者の魂を表現しているのですね。死者たちがレクイエムを奏でているかのようで、厳粛な気持ちになりました。
 忙しい日常を抜け出して、たまにはこのような静かなひと時に浸ってみるのもいいですね。

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2019年6月29日 (土)

髙田賢三が宮本亜門演出オペラ「蝶々夫人」衣裳をデザイン

 東京二期会によるオペラ「蝶々夫人」が、10月3日~6日に東京文化会館で上演されます。演出には宮本亜門さん、衣裳デザインには髙田賢三さんを迎えて、最高のスタッフとキャストで日本のオペラを世界に発信していくとのことです。

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  この12日、制作発表会が行われ、あの髙田賢三さんが登壇するというので、ファッション関係者も数多く集まりました。
1_20190630144301  演出家の宮本亜門さんは「蝶々夫人は以前から演出したいと思っていました。ドレスデンでも公演されると聞いて体が震えました。オペラは歴史的なもので、演出や出演者により様変わりします。人の心を揺さぶる芸術分野ですし、こんな風に見たら面白くなると思えるような作品を考えています。とくにこの蝶々夫人は全編で愛が奏でられています。ピンカートンや息子への愛など、愛に焦点を当て、国を超えた分断できない愛を世界中に広めたいと思っています」。また「ケンゾーの服はずっと愛用していて、引き受けていただけるかどうか、ドキドキしながらお願いしました」と語っています。
 その髙田賢三さんは、「昨年9月に話があり、やってみようという気持ちになりました。蝶々夫人はオペラの原点でもあると思っていますし、憧れの作品でもあります。この機会を逃してはいけないと引き受けました。オペラ衣裳の制作はパリ・オペラ座の魔笛以来2度目で、日本では初めてです。いろいろなシチュエーションがあり難しいですけれど面白いと思っています」。
 衣裳デザインについては「蝶々夫人というと着物姿ばかりを思い浮かべます。でも蝶々夫人はアメリカに憧れていました。ですから日本の着物地でつくった洋服のイメージも取り入れています」。さらに「本物の日本の美しさをどのように表現するか、伝統をきちんと守りながらもモダンに表現することにこだわっています。着物のモチーフを染めではなく織りで、金襴緞子や透ける素材なども使ってファンタジックにデザインしています」とコメントしました。
 これまでにない新しい視点の「蝶々夫人」です。どんな衣裳が出てくるのでしょう。楽しみですね。

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2019年6月28日 (金)

JAFIC懇親会 『CSR憲章』を基に社会的活動に取組む

 この13日、東京ミッドタウンで行われた日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)の総会後、開催された懇親パーティに参加しました。

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 まず今期の役員の方々の紹介がありました。
 次に再任された北畑 稔理事長が、「今期はSDG’sを目標に策定された『CSR憲章』に基づき、企業の社会的責任、つまりCSR活動に重点的に取り組んでいく。JAFIC参加企業は335社で中小企業が多い。その環境改善につながる活動に資するように努めていきたい」と挨拶。続いて岩田 功 CSR委員長が、『CSR憲章』の7つの指針―人権や労働慣行、環境、公正な事業慣行、消費者・顧客、コミュニティーへの参画と発展、組織統治について―を解説。
Img_29901  小池百合子東京都知事も来場し、「都としてデザイナーの人材育成を後押ししていく。来年の東京オリンピック・パラリンピックはスポーツの祭典であると同時に文化の祭典でもあり、この機会を活かして東京発信のファッションを世界に届けることを祈念している」とスピーチしました。
 最後にCSRの事例、たとえば会員企業のダイバーシティ推進活動や、衣服のリユース活動「ふくのわプロジェクト」などを映像で紹介。産地とクリエーターによるサステナブルファッションも披露されました。

 避けては通れないサステナビリティの課題を積極的に推進しようとしているJAFIC、その今後に期待しています。

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2019年6月27日 (木)

インテリアライフスタイル記者発表会 魅力的出展社勢揃い

 インテリア・デザインの国際見本市「インテリアライフスタイル」(主催 メッセフランクフルト ジャパン)が7月17日~19日に東京ビッグサイト西館で開催されます。これに先立つ記者発表会がこの5日、東京・南青山にて開かれました。
 会期が例年より約1カ月半遅くなっているのは、来年の東京オリンピック・パラリンピックの会場の都合によるもの。出展企業は、世界26か国・地域の760社(国内605社 海外155社)で、生活にまつわる様々な分野の商材を扱う、魅力的な出展社が勢揃いしているといいます。来場者は26,000人を見込んでいるとのこと。 

 中でも興味深いのがアトリウム特別企画です。今回のテーマは「The Corner Shop-How to make a market-」です。
Img_28071jpg  これは昨年の「FOR HERE OR TO GO? (店内でお召し上がりですか、それともお持ち帰りですか)」に続くもので、ディレクターを務めるのは、メソッド代表のフリーランス・バイヤー山田遊氏。インテリアライフスタイル史上初の2年連続とか。
 イギリスの街角にあるコーナーショップをイメージし、アトリウムを一つの街角や店舗に見立てることで、来場者にとって理想となるような商談の場を、さらに更新していくとのこと。
 アトリウム入口にはポップアップショップが設けられ、個性あふれるブースに誘導。出展社は51社で、その内新規は3社、昨年の出展社から過半数が入れ替わるといいます。

 またもう一つ、環境や社会を考慮した消費活動への関心の高まりから、エシカル商品が多数登場。その最大のトピックが「MADE 51」の初出展です。
Img_28141  これは難民支援の一環として、2016年に国連難民高等弁務官事務所により発足したプロジェクトで、守屋由紀広報官によるプレゼンテーションが行われました。
 これによると「MADE 51」は、従来各国・地域で独自に実施されていた難民による手工芸品の制作・販売活動の統一ブランドで、現在13か国・11の団体とパートナーシップを組んでいるとのこと。「難民がつくった」モノではなく、「顧客が欲しい」モノを生み出すことにこだわり、選りすぐりの商品だけをラインナップしているといいます。

 この他いろいろ、魅力的な出展ブランドが勢揃いする「インテリアライフスタイル」に注目です。

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2019年6月26日 (水)

合繊の新しい生地「カジフ」展 トークイベントに森永邦彦氏

 石川県の老舗テキスタイルメーカー・カジグループによる合繊の新しい生地ブランド、「カジフ(KAJIF)」の展示イベントが6月1日、東京・代官山TSUTAYAにて開催されました。

Img_27501  発表された「カジフ」は同社技術を駆使して開発された高機能素材です。究極の軽さを実現した超軽量生地「アルティメットライト」や、心地よいストレッチ生地の「ストレッチプレジャー」、独創的なハリ・コシのある風合いの高密度織物「コンパクション」、繊細な質感の「テーラードテクスチャー」など---。
  中でも注目されたのが、世界初のフリーカット織物「カッタブル」です。これは切りっぱなしでもほつれない特殊な生地で、これによりオリジナルなカットラインが可能になったといいます。

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 「アンリアレイジ」のデザイナー、森永邦彦氏もこの生地を用いて、上の写真のようなドレスをデザイン制作しています。これはカット断面のみが装飾というドレスで、リボン状に45段の布が重なるディテールが特徴です。従来の生地はレーザーカットすると焦げ目がついたりするそうですが、この「カッタブル」ならこのようにすっきりカットできるといいます。まさにデザイナーの発想を広げてくれる生地ですね。

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 関連イベントでは、森永氏によるトークショーが行われました。「神は細部に宿る」という信念のもと、自身が立ち上げたブランド「アンリアレイジ」は、基本的に合繊と親和性の高い、テクノロジーや新技術を積極的に用いた服が中心です。その始まりから光を当てると色が変わる服をもってのパリコレ進出、光と影、プリズム、そして現在の「細部を纏う服」まで、コレクションの歴史を振り返りながら、未来への想いを語りました。
 とくに最後に紹介のあったブランド“エコー(echo)”は、暗闇の中で空間を知覚する服で、視覚障がい者にとってまさに朗報! また一つのカタチが温度変化によりいろいろな人体に合わせられる服のクリエイションについても触れられ、「あっ、これはまたしてもあの会社の技術」と思い、印象的でした。
 科学の進歩は着実にファッションを変えていきます。その伝道者、森永氏のコレクション、ますます楽しみです。

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2019年6月25日 (火)

2019秋冬プロスペール展示会 人気ブランドを集めて

  この4日~5日、プロスペールPR社が取り扱う、人気ブランドを集めた2019秋冬展示会が開かれました。
 窓越しの緑がさわやかなサロンには、チョノ(CHONO)カミシマチナミイエロー(KAMISHIMA CHINAMI YELLOW)ミドラ(MIDDLA)ライフウィズフラワーズ(LIFE WITH FLOWERS)といったブランドの今秋冬物が並んでいます。

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 中でも目に付いたのが、窓辺で展示されていたブティック(BOUTIQUE)のワードローブです。

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 これはパリで活躍されている小塩純正ディレクターと河村愛美デザイナーによるコレクションで、テーマは「インディヴィデュアル・ロマンス INDIVIDUAL ROMANCE」。菊の花のモチーフをあしらったモノトーンのジャケットなど、奥ゆかしいジャポニスムを感じました。

Img_28201  またミドラの新ブランド、キッズライン「ミニミドラminimiddla」も登場。ミドラのアイテムのミニチュアバージョンで、親子お揃いで着用できます。リースもオーダ―メイドも受けていただけるといいます。
 
 さらにもう一つ、以前から気になっていたバッグ&グッズの個性的なブランド、「itu' (イトゥ)」も注目です。

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 アーティストの伊藤 喜之さんが手がけるブランドで、全てのアイテムにアートが施されています。プロフィールによると、2014年にパリのマレ地区にギャラリーをオープンし、ブランドをスタート。真っ白なスニーカーにペイントする「ポップスター」が爆発的にヒット!したそう。
 こういうのがあるときっと心楽しくなります。色がないのもいいですが、こんなカラフルなのも身近に欲しいというのが、今の気分です。

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2019年6月24日 (月)

「コシノヒロコ × カジ・ギャスディン―時の旋律―」展

 今、KHギャラリー銀座で「コシノヒロコ × カジ・ギャスディン―時の旋律―」が、7月3日まで開催されています。先日このオープニングレセプションパーティが開かれ、参加してきました。

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 Img_31101 カジ・ギャスディン(KAZI Ghiyasuddin)さんはバングラデシュの画家です。1975年に来日して以来、バングラデシュと日本を行き来して活動されています。先月はバングラデシュで大規模な回顧展を行ったばかりとか。
 コシノさんとは2016年に展覧会をされたそうで、今回は2度目のコラボレーションです。カジさんは、時の流れを油彩や水彩で繊細に表現した抽象画を展示。コシノさんは音楽を聴きながら音にインスピレーションを受けて描いたという最新作を披露されました。

 オープニングでカジさんは「美術雑誌の紹介で知り合い、繋がりがある」と閃いたとコメント。コシノさんは「カジさんの絵は憧れの絵で、インスパイアされている自分に気づきます。根っこの部分が一緒」などと語られました。

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 そしてこの後、突然、衝撃的な発言があったのです。それは6年間続けたこのギャラリーを「7月いっぱいで閉鎖する」というお話でした。ブティックの方も銀座にはとどまるものの移転されるとのこと。「芦屋は住いというよりは本格的なギャラリーで、大きな壁を活かした展覧会など、これからもっともっと楽しい充実したものにしていきます。」と感慨深くおっしゃられたのが印象的でした。
 
 ともあれ、何事も永遠ではありません。関西方面へ行く楽しみが一つ増えた、と思ったことでした。

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2019年6月23日 (日)

クリヨウジのクレージーハウス展 驚きのユーモア溢れる世界

 久里洋二氏といえば、今や日本アニメーション界のレジェンドです。ずっと以前のことですが、パリの街角で声を掛けられたことがあって、日本アニメの一大ブームを予言されていたことが思い出されます。
 その久里氏の「クリヨウジのクレージーハウス展」が、21_21DESIGN SIGHT企画展「ユ-モアてん。/SENSE OF HUMOR」(このブログ2019.3.31付け参照)関連企画として、今月30日まで開催されているというので、行って来ました。

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 目に飛び込んできたのは、鮮明な色に満ちた、驚きのユーモア溢れる世界です。今年91歳を迎えられて、なお元気いっぱいでいらっしゃるのでしょう。そのパワフルなクリエーションに私も刺激されました。

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 上は「箱人間」シリーズです。酔っ払いなど、見ていると楽しくなってきます。

 会場では貴重な映像作品も見ることができます。強烈なインパクトに浸りに、訪れてみてはいかがでしょう。

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2019年6月22日 (土)

2020秋冬東洋紡「ファーム」地球の恵みテクノロジーで育む

 先月末、東京・浅草橋にて開催された2020年秋冬シーズンの東洋紡グループ繊維総合展を訪れました。

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 テーマは「FARM(ファーム)~地球の恵みをテクノロジーで育む~」です。水や太陽、植物、そして全てを結ぶ大地を中心に、保温・断熱系、ストレッチ系、発熱系、汗処理系、天然系、化学・技術系のテクノロジーで育まれた素材フィールドが広がる、といった構成になっていました。
 とくにスポーツやインナー向けに開発された素材の中から、目についた提案をご紹介します。

 まずアクティブスポーツ向けです。

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 ここでは上の写真の新素材「NEUTRON/ニュートロンTM」に着目しました。これはストレッチ性とキックバック性に優れたポリエステル綿紡績糸/生地で、ノンスパンデックスなので耐久性があり、また抗ピル性にも優れていて、繰り返し洗濯しても毛玉が出ないといいます。

 次にインナー向けです。

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 ここでは「速衣-mixTM」を興味深く拝見しました。これは超速乾ポリエステル糸「速衣Ⓡ」を内層に使い、外層をコットンで包み込んだ複合糸です。速乾性の実験も見せていただき、確かに超速乾なことにびっくり!

 Img_27291 さらに「AirExceed/エアーエクシードTM」(右写真)。高い吸湿発熱機能を持った綿を、空気を包み込むように紡績した糸で、綿100%の素材です。
 
 高機能性と心地よい快適性にこだわった東洋紡の新開発素材に注目です。

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2019年6月21日 (金)

2020クラボウ繊維展「ヒューマン・フレンドリー発想」

 2020クラボウグループの繊維展が5月28日~29日、開催されました。今回は会場が東京・北青山のTEPIA(テピア)に移転し、全体に広くなって客足もよい様子でした。

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 Img_27121 コンセプトの「ヒューマン・フレンドリー発想~人にやさしく、地球にやさしく~」を基に、開発された素材の概容が発表されました。
 そのいくつかを取り上げてご紹介しましょう。
 まずは、愛知県安城市に設立された次世代向け研究・開発拠点、「テキスタイルイノベーションセンター(TIC)」です。
 TICは、サステナブルをキーワードに、これまでのような工場単独ではない一元化を実現するスマートファクトリー構想を実現するもので、最新のデジタル技術を活用し、モノづくりの見える化や自動化を推進する新たな価値の提供を目指す事業といいます。
Img_27031jpg  とくに注目は、徳島工場の活動と開発商品です。
 同工場では、環境保全に向けた4つの目標、つまりCO2排出や排水、埋め立て廃棄物削減、指定化学物質を含まない管理を掲げ、SAC(サステナブル・アパレル連合)のHIGGインデックス登録による環境負荷低減へのさらなる取り組み、既に生産の9割を取得しているエコテックススタンダード認証、2030年までに有害化学物質排出ゼロへのチャレンジなど、環境配慮型のモノづくりを積極的に推進していくといいます。
 開発商品としては、綿の持つ風合いを損なわずに(綿100%も可能)シワの発生を抑えるノーアイロンの「リンクルマジック」や、フッ素非含有の撥水加工「アクアマジック」、同じくフッ素非含有の防汚加工「ステインマジック」を打ち出し、成果をアピールしていました。
 

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 次に着目したのが新素材「ネイテック NaTech」(上の写真)です。中でも「ネイテック ウォーム NaTech warm」はコットンに発熱機能を付与したもので、温かさは合繊に負けないといいます。しかも洗濯・耐久性に優れているとのことで、これからの冬物インナーやレッグウェア、セーターに必須の機能素材になってきそうです。

 「アクアティック AQUATIC」(このブログ2017.6.12付け参照)コーナーでは、国産初のデニムを誕生させた1970年から次世代デニム「アクアティック」までのデニムファッションの変遷と、新分野への提案が行われていました。

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 上の写真のように、1970年代の初の国産デニム生地『KD-8』誕生」から、1980年代「洗い加工による表情変化の時代」、1990年代「原点回帰・本物志向の時代」、2000年代「多様化・レディスファッションの時代」まで、デニムファッションの歴史をまとめて展示。

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 またアウトドアからワーキングやサービス分野、さらにビジネスまで、「アクアティック」の新しい用途をマネキンを用いたディスプレーで分かりやすく表現していました。

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 「ループラス L∞PLUS」(このブログ2017.6.12付け参照)も、アイテムを拡大して展示。裁断くずを廃棄処分させないアップサイクルの仕組みとここから生まれる製品を総称した取り組みとあって、一枚布風のパターンを工夫したり、ホールガーメントのニットを取り入れたり、廃棄物を極力出さない製品づくりを提示していたのが印象的です。
 
 さらにユニフォーム向け新素材として、働く人の職場環境に合わせた快適なユニフォーム素材を提案。
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  左は、最高レベルの防汚効果を発揮する「ソイルスウィープSOIL SWEEP」と、右は強力な消臭効果のある「ストロングデオ STRONG DEO」です。
 

 この他、様々。SDG’s達成に向けて着々と前進していることが伝わる展示会でした。

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2019年6月20日 (木)

ヴィクター&ロルフ2019春夏オートクチュール・コレ展示

 今、銀座のドーバー ストリート マーケット ギンザ1Fエレファントスペースで、ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)の2019春夏オートクチュールコレクションが展示されています。
 通りかかりましたら写真を撮っている人がちらほら。SNSにでもアップするのでしょう。
 このコレクションは今年1月に発表されて話題を呼んでいたものです。当時インスタグラムを席巻したといいます。

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 テーマは「ファッション・ステートメント」です。ドレスには大きな文字のメッセージが刺繍されてペタッと貼り付いています。現在のファッションを取り巻く空気感、気分を皮肉るようなキャプションがみられるのもおもしろいです。
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   チュールレースの装飾たっぷりのドレスに「LESS IS MORE 飾りがない方がいい」とか、「NO PHOTOS PLEASE 写真を撮らないで」、大麻の葉モチーフに「AMSTERDAM」、ドクロに「GO TO HELL」、また「「I AM MY OWN MUSE 私のミューズは私」、「LEAVE ME ALONE(私にかまわないで)」など---。   
 4F売り場ではカプセルコレクションが販売されています。
 開催は25日まで。ヴィクター&ロルフという稀代のデザイナーのクリエイションを間近で目にできるチャンスですね。

 

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2019年6月19日 (水)

遠諱記念特別展 鎌倉禅林の美「円覚寺の至宝」展

 先日、三井記念美術館で開催されている遠諱記念特別展 鎌倉禅林の美「円覚寺の至宝」展に行ってきました。

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 知っているようでいて、実はほんとうは知らなかったことがたくさんありました。
 最初の展示室は開山箪笥のコーナーです。ここには円覚寺開山の無学祖元により伝来した宝物が展示されています。元の時代のものとみられている椿梅竹堆朱盆などの漆工芸が見事で、これを基に現在の鎌倉彫ができたといいます。
 南宋時代の青磁袴腰香炉には金継ぎも見られました。
 次の大きい展示室では、宝冠釈迦如来坐像が鎮座していて、その一つが実は私もよく行く雲頂庵のご本尊でした。普段は暗いところに安置されていて様子が分からなかったのですが、ティアラのような冠をつけたこれほどの美仏だったとは!裾が下に垂れているようにつくられているのが南北朝の頃の仏像の流行だったといいます。錆びた光を放つ金色も印象的でした。
 さらにその真正面に、本展のハイライト、「蘭渓道隆」と「無学祖元」の座像が展示されています。このように二つ並べて置かれるのは、初めてのことだそうです。「無学祖元」は円覚寺舎利展にあって、普通は誰も見ることができないものとか。貴重な機会に見せていただき、まさに眼福。
 この他、様々な至宝が集められています。すばらしい展覧会でした。なお会期はもう終盤、23日までです。

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2019年6月18日 (火)

「ミカコ ナカムラ 美のミュージアム」展 “エレガンスの真髄”

 「ミカコ ナカムラ 美のミュージアム」展を見て来ました。
3  オートクチュールとセミオーダーのブランド「ミカコ ナカムラ」を手掛ける中村三加子デザイナーの15年の軌跡と2019秋冬コレクションを展示するもので、今銀座・和光ホールで開催中です。会期は19日までですから、ギリギリのタイミングでした。
 出品されたのは、アーカイブの中から選ばれたという約110点・80体です。
 それらがテーマ別に集められていて、順番に巡っていきます。タイトルの通りミュージアムに入ったような感覚になります。
 一つひとつの服は、どれをとっても“エレガンスの真髄”を究めたといったような逸品ぞろいです。「捨てる服はもういらない」がコンセプトというように、余計なものをそぎ落としたシンプルなデザインで、一針一針丁寧なつくり、とくに素材は最上級の質感のものばかりです。学生時代はテキスタイルデザイナーを目指していたそうで、“素材は原点”といいます。
 またこのブログ2019.6.10付けで掲載したインコントロ代表の赤峰幸生氏のブランド「GLENOVER」で仕事されていたことを後で知りました。その美の秘密、「less is more=デザインしないことが私のデザイン」の一端を垣間見た気がしました。

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 上は唯一、写真撮影が可能だった「ホワイトキャンバス」のテーマです。

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2019年6月17日 (月)

2020/21秋冬ミラノウニカJOBに日本30社・団体が出展

  早くも世界の素材展示会を牽引する第29回ミラノウニカ(MU)が、7月9日~11日、ミラノのロー・フィエラミラノにて開催されます。
 同展示会には11回目を迎える日本パビリオン「The Japan Observatory(JOB)」(主催 日本ファッションウィーク推進機構、日本貿易振興機構)が参加するとあって、先般、記者発表会がJFW事務局にて行われました。
009_japan_4500px_mu28_ph_erdna1jpg  (右写真は2019.2月展のJOB)
 JOBへの出展企業は前年の秋冬展を上回る30社・団体です。うち新規出展はショーワ、東播染工、豊島、中外国島、織工房、風美舎の5社。出展規模は前年を大幅に上回る482㎡とのことです。
 MUではここ数シーズン、世界的課題となっている「サステナビリティ」を強く打ち出すなど、「変革のMU」路線を突き進め、成功を収めています。MUに来場するバイヤーも、その多くが商品の差別化を図るため、回を増すごとに日本製テキスタイルを集積したJOBに数多く来場しています。今回も、活発な商談が進むものと期待されます。
 
 なお、2020/21秋冬MUのトレンドも下記のように発表されています。
 テーマは "エコロティカ Ecorotica" (エコ + エロティシズムの造語)で、次の3つのストーリーが提案されています。
 ◇エコロティック・ドラマEcorotic Drama (ドラマティック)
 ◇エコロティック・サーカスEcorotic Circus (シュールレアリズム)
 ◇エコロティック・エデンEcorotic Eden (スーパーナチュラル)
 
 このMUの7月展を私も取材しに行きます。詳細はそのときまたご報告いたしましょう

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2019年6月16日 (日)

PTJ 2020春夏 ⑹ 進化する高機能加工とニット生地

 先般のPremium Textile Japan(PTJ)で注目されたのが、天然素材への高機能加工です。意匠性に加えて快適性や機能性、環境配慮など、さらなる進化で差別化する傾向が強まっているのです。従来の殻を破る画期的なニット生地の提案も焦点です。

鈴木晒整理
 遠州産地で創業以来60年余りも、天然繊維を中心に染色、整理を行っている加工場です。多数の仕上げ風合いのバリエーションと、革新的な機能加工、例えば非フッ素撥水加工やイージーケア加工の「クリーズケア」などを展開する中、今回はとくに「ソイルクリーン」をアピールしていました。

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 これは吸水性があるのと同時に撥油性をも併せ持つ加工なのですね。汗などの水分を吸収する一方、皮脂汚れは撥油性により繊維内部への浸透を防ぐことができるため、しつこい油汚れも洗濯で容易に除去できるといいます。
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 パンツの左側はレギュラー、右側はソイルクリーン加工で、右の方が明らかに白くなっているのが分かります。またシワも抑えられています。

シマダテキスタイル
 栃木県佐野市のニット生地メーカーです。「いかに高付加価値のあるモノをタイムリーに提供していくか」をコンセプトに研究開発に取り組まれているとか。「コンピューター編機用デザインシステム」もいち早く導入したといいます。

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 今シーズンの一押しはストレッチ素材だそう。他には無いオリジナルのベア挿入ジャガード、メッシュ等を提案。
   様々な高機能加工を展開している中で、とくに注目したのが、“トランスドライ” です。
Img_23881  これは米国コットン・インコーポレイテッド社が開発したモイスチャーマネジメント特許技術で、汗をよく吸い取る、優れた速乾性で、汗をかいても生地のべたつきを軽減する加工です。
 私もお馴染みのコットン・インコーポレイテッド社の技術が使われていることを知り、うれしくなりました。
 
カネマサ
  和歌山が本拠地の日本有数の丸編ニット生地とアパレル製品の企画、製造、販売会社です。  
  中でも一押しはニットなのにまるで織物のような薄地の生地。 連続出展しているパリのプルミエール・ヴィジョンでも、人気商品となっています。Img_24041 同社独自の36Gから46Gのスーパーファインゲージジャカード機により編み出され、「marudeorie(まるで織り)」と名付けてブランド化しているとのこと。
  商談も活溌の様子でした。

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2019年6月15日 (土)

PTJ 2020春夏 ⑸ 新しいレースの提案に注目

 透けるチュールのスカートが流行るようになり、レースが復活しています。とはいえ従来とは一味異なる美しさのあるレースです。Premium Textile JapanPTJ)でも、そうした新しいレースの提案が注目されます。

落合レース
 東京・日本橋でレースを扱う老舗です。“温故知新”という言葉がぴったりなレースを訴求していて魅せられました。

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Img_24401  それは大きな穴あきが特徴の日本を象徴するコットンレースです。
 失われつつある日本のレースの魅力をもう一度見直そうと、現代の職人たちが工夫して仕上げたもので、すばらしい!と思いました。 

森川レース
 この2月のミラノウニカで日本パビリオンに新規出展していた福井のラッセルレースメーカーです。(このブログ2019.2.14付け参照) 
Img_24481  レースとはいえ、これまでのエレガントなレースから逸脱した発想でつくられている、新感覚なテキスタイルです。ですからミラノウニカでも注目の的になったのでしょう。
  レースの広がり、その可能性を期待しています。

リリーレース
 京都のレースメーカーで、プルミエール・ヴィジョン・パリでもお馴染みの顔となってきました。
Img_24561  今回はこの2月のパリ展で好評だったハンガー中心の展示で、和紙使いやプリーツ加工レース、箔プリントなど。
 レースであってレースらしくないモダンなファンタジーにあふれたコレクションです。

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2019年6月14日 (金)

PTJ 2020春夏 ⑷ プリントや染色加工でデザイン力を訴求

 Premium Textile Japan(PTJ)で、目を惹きつけられるのがプリントや染色加工です。デザイン力を訴求する意欲的なメーカーの提案をご紹介します。

北高
 「プリントデザインで人々の心を豊かにし、社会を明るくする」をヴィジョンに掲げる、国内外ともに人気のテキスタイルメーカーです。毎年約1,000柄のプリント生地をつくりリスクしているといいます。

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 今シーズンはトレンドカラーの温かな赤を採り入れたシックな小柄プリントを前面に打ち出していたのが印象的です。

丸増
 1949年創業以来のアーカイブをヒントに、時代に沿ったテキスタイル・意匠を提案している京都のコンバーターです。
Img_24641jpg_1  今シーズンは美しい光沢のある先染めのような生地に目が留まりました。フィルム綿チェックのスリットクロスです。
 昨年は無地でしたが、二浴染めにより表現の幅が広がりました。

協友
 初出展した京都のコンバーターで、理念は「高級婦人服販売、サービスを通して幸せを創りだしその幸せを共有する」だそう。

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 ブースでは斜行をおさえるニットSZ編みに京都伝統の手捺染プリントを施したドレスを展示。エレガントな中花模様が人目を惹いていました。
 
イマダ
 大阪発オンリーワン企画のプリントメーカーです。

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Img_24301_1  プリントのソフトならどこにも勝ると自負しているといいます。
 華やかな花柄があふれるなか、目新しく映ったのが、右のようなプリントに刺繍を加えて立体的に見せたデザインです。

グローブ
 オリジナル企画にこだわる大阪のテキスタイルコンバーターです。そのアートな柄行きに引き寄せられました。

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 手捺染やオートスクリーンプリントまで、あらゆるニーズにクイックに応えるといいます。

近江織物
 滋賀県東近江市で、織物の企画・デザインから製織・整理加工及び、その販売を一貫して行なっている老舗のメーカーです。
Img_25041  ブースでは、右のダークな地色にのせた美しい花柄プリントが目立っていました。
 素材は透ける強撚オーガンジー加工の綿100%です。

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2019年6月13日 (木)

PTJ 2020春夏 ⑶ デニムはますますバリエーション豊かに

 Premium Textile Japan(PTJ)に出展した企業ではデニムメーカーも多数出ています。今シーズンはベーシックで機能的なものから売れ筋のきれい目デニム、さらに装飾的なジャカードやプリント仕上げを施したものなど、デニムのバリエーションがますます豊かになってきました。サステナビリティの潮流から、環境に配慮したものづくりへの動きも顕著です。

カイハラ
 日本を代表するデニムのメーカーで、年間800~1000種類もの生地開発を行っているといいます。Img_2392
 ブースではデニムの短所を克服する様々な機能素材を展示していました。
 またとくに今回、環境問題への取り組みも紹介。精錬剤を使用しないインディゴ染色や、フッ素を使わない撥水加工など、環境負荷を低減する徹底した品質管理で高品質な素材を提供しているといいます。

ダックテキスタイル
  岡山県から広島県東部の織物が盛んな三備地区の機屋と直結して、デニムを中心とするテキスタイルを生産しているメーカーです。
 ブースではエスニック調のジャカード織デニムが目につきました。とはいえ一押しは40番手コーマ糸を使用した光沢のあるキレイ目ライトオンスのデニムだそうです。

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ジャパンブルー
  デニムの街として知られる倉敷市児島から世界に発信しているデニムブランドです。
 伝統技法と現代の最新技術の融合による、既成概念にとらわれないものづくりを訴求。今シーズンは大胆なプリントものを多数打ち出していました。

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シバタ
  広島県福山市が拠点。ベーシックだけではないところを見せつけるように、ジャカードデニムを全面に展開。光沢のあるカラーの柄行きが印象的です。この生地によるバッグも製品化し提案していました。

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2019年6月12日 (水)

PTJ 2020春夏 ⑵ 様々な表情の先染め

 Premium Textile Japan(PTJ)に出展した企業の提案素材から、まずは先染め関連で目新しく感じたものをご紹介します。
 糸使いや仕上げ加工など、様々な表情を見せるデザイン性豊かなものが多くなっています。 

浅記
 創業150年の中で培ったノウハウを生かし、生地を一貫生産している新潟県見附産地の老舗です。
 今季は「メイキング テクスチャーズ」をテーマに、綿や麻、ポリエステル複合素材で、糸強撚やドビー織、スペックムラ染やシャーリング加工などにより、表面変化とテクニカル感を演出した先染め織物を多数提案していました。
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カゲヤマ
 兵庫県西脇市に本社を構える、先染め織物で有名な播州織の産元商社です。ストック商品は常時300柄以上を取り揃えていて、1反から購入可能だそう。
 今シーズンは大胆な大柄ストライプボーダーや、ボタニカルジャカードギンガムなど旬のオリジナルを前面にプッシュし、人気を集めていました。
Img_25001 Img_24981jpg  

 1968年の創業以来、播州織を生産、販売している産元商社で、社名の読み方は「バン」ではなく「ボン」なのです。(私もずっと間違えていました。)
Img_24451  日本でのものづくりにこだわり、積極的に新しい素材を開発・提案していて、新たに開発したインディゴ染色機によるデニム“へそデニム(heso denim)”をアピール。色使いを変えるなど、前シーズンよりも種類が増えていたのが印象的でした。

イチメン

 PTJに復活出展した、テキスタイルを創り続けて50年という生地商社です。綿を中心に天然繊維を駆使した布帛がメイン。メンズ、レディース共に多種多様な商材を揃え、今季は蛍光ライン入りを打ち出すなど、トレンドにも敏感。生地のストックも行っているそうです。別注依頼も多いといいます。

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2019年6月11日 (火)

PTJ 2020春夏 ⑴ 大雨でも素材重視のバイヤー増で賑わう

 2020年春夏向けテキスタイルビジネス商談会「Premium Textile Japan(PTJ) 2020Spring/Summer」(主催 JFWテキスタイル事業)が、5月21日~22日、東京国際フォーラムで開催されました。
 川島 朗 事務局長の記者会見によると、初日は大雨に見舞われて来場者が減少したものの、2日目には多数来場し、2日間の来場者数は5,911人(昨年5月展5,987人)と、ほぼ前年並みになったとのこと。
 出展企業は94社と発表されています。その内新規は7社、復活出展は6社で、展示内容はより新鮮さを増し、素材を重視するバイヤーも増えて、活発な商談が行われ賑わったといいます。国内だけではなく中国、韓国、米国などからも多くのバイヤーが来場し、日本素材への関心の高さが裏付けられたとも。
 またとくにサステナブル(持続可能な)素材を集めたコーナーへの要望があったことから、今後運営委員会で検討していくとのことです。
 
 提案素材では、総じて意匠性に加えて快適性や機能性、環境配慮と、商談に結び付く要素を訴求。各社得意の技で差別化している様子が目立っていました。
 
 会場入り口のトレンドコーナーでは、「時代に根付く」をコンセプトに下記の4つのテーマを掲げ、それぞれ生地を展示していました。

   未来旅=時間飛行

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 おもちゃ箱×玉手箱
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じゅもん÷安堵感
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新定義+方程式
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2019年6月10日 (月)

FB学会東日本支部講演会 赤峰幸生氏「美しいとは何か」

 ファッションビジネス(FB)学会東日本支部で、先月25日、定期総会に続いて講演会が行われました。講師として登壇したのは(株)インコントロ代表取締役社長の赤峰幸生氏です。「美しいとは何か」をテーマに語りました。
 赤峰氏は、ジェントルマンにふさわしいクラシックなスタイルを模索しているメンズファッション界のオーソリティです。
Img_25411  幼少の頃から絵を描くことが好きで、社会学者の伯父「清水幾太郎」の薫陶を受けて、デザインの世界を志し、桑沢デザイン研究所に入学。卒業後の1968年から服づくりを始め、良いものはメイド・イン・イングランドであることに気づき、74年に「WAY OUT」を設立。これはマンションメーカーの走りだったそう。82年に「GLENOVER」を立ち上げ、90年に現在の(株)インコントロを創業。2007年に「Akamine Royal Line」をつくり、オンワード樫山の「五大陸」には当初から関わってこられたとか。現在も百貨店やセレクトショップなどの企業戦略やコンセプトワークのコンサルティング活動を行っているといいます。  
 まず現代という時代性についてです。物事をしっかりとした“楷書体”で見ることのできない若者が増え、メーカーは普遍的に着用できるトレンチコートやレザー、スラックスが出せていない。百貨店は四面楚歌にあると憂えます。バーバリーと三陽商会のライセンス契約が終了したように、今後「ライセンスブランドは消える」と予言。アメリカの見様見まねでやってきた日本のファッションビジネスは終焉し、戦後のビジネスを見直すときが来ている、とメッセージを送りました。
 次に「良い服は何か」について。例えばイタリアのサルトリア、アントニオ・リベラーノのスーツは30年も着続けているそう。このように時代を超えて受け継がれる服は、時間をかけて労力を惜しまずつくられているといい、良いものは手間暇かけてつくったもの、ときっぱり。
 この日の服装も、20年前のイタリア製コットンのジャケットで、ナポリでメンズファッションショーがあった時に見た服にインスパイアされてデザインしたものだそう。売れるものをつくるのではなく、連綿と存在させたいものをつくり続けることが大切と強調しました。
 最後に本題の「美しいとは何か」について。民藝運動の父と呼ばれる柳宗悦の思想を紹介。民芸品の定義 (柳宗悦の美思想「美の法門」) ―実用性、無銘性、複数性、廉価性、地方性、分業性、伝統性、他力制 ―を掲げて、講演を締めくくりました。

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2019年6月 9日 (日)

TOKYO FANTASHION 2019 May 東京の新しい才能一堂に

 CREATORS TOKYOからご案内で、5月25日、東京国際フォーラムにて開催されたファッションのイベント、「TOKYO FANTASHION 2019 May」に行ってきました。
 これはTokyo新人デザイナーファッション大賞プロ部門の審査を通過し、ビジネス支援を受けている若手デザイナーたちによるイベントで、会場には、東京の新しい才能が一堂に集結しているといった感じでした。

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 ポップアップショップは23ブランド、開設されていました。
 
Img_25561  ファッションショーもあり、東京コレクションでおなじみの顔ぶれの、rikolekt、RIEKA INOUE GNU、The Bleu、NAPE、divka、Ventriloquist、ユキヒーロープロレスの7ブランドが参加。
  
   来場者は気に入った服をその場で購入できるようになっています。

 右は、divka (ディウカ)です。

 

 

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  テキスタイルの産地とのコラボ展も行われていました。

 服が売れないといわれていますが、人の入りは良い様子で、盛況のように思われました。

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2019年6月 8日 (土)

「ゆかた 浴衣 YUKATA すずしさのデザイン、いまむかし」

 今、東京・六本木の泉屋博古館分館で開催中の「ゆかた 浴衣 YUKATA すずしさのデザイン、いまむかし」展の内覧会に参加しました。
 このところ夏になると若い人に人気の浴衣ですが、その始まりは「湯帷子(ゆかたびら)」といいます。これは平安時代の上層階級、とくに男性が入浴(といっても蒸し風呂)の際に着用した麻の着物だったそうです。それが江戸時代、和木綿の登場で庶民の夏の衣装として定着し、現代に至っているのです。

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 主催者から、本展を機により多くの和装の魅力を知って欲しいとのメッセージがありました。
 (なお写真は、主催者の許可を得て撮影しています。)
 

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 上は展示室1で、最初に拝見した浴衣です。
 手前は17世紀後半の白麻地の葵紋散らし模様浴衣で、水戸徳川家の分家筋に伝来した甲冑に付属していたものだそう。この頃の浴衣は上流武士が蒸し湯の後、バスローブのように着たものだったことがわかります。

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 型染めの浴衣です。手前は18世紀前半の白麻地紅葉筏模様浴衣です。染めは、表側だけではなく、表裏ともに型染めされているもののほうが、裾がめくれても格好いいとされていたといいます。

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 手前は19世紀後半の紺木綿地源氏香桜花模様浴衣です。

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 町方女性の大胆な意匠の浴衣や、江戸から明治にかけての「いき」の美意識を感じさせる様々な浴衣が並んでいます。

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  浴衣の型紙も展示されています。

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 江戸時代の浴衣を注文するときの型染め見本帳や型染め見本裂のコーナーです。この時代はレディメイドなどありませんでしたから、浴衣に限らず衣服は自作するか、注文して仕立ててもらうしか選択肢がなかったのですね。
 
 続いて展示室2です。大正から昭和にかけて流行ったしぼりの浴衣や、昭和モダンな浴衣、清水幸太郎や松浦定吉といった人間国宝の浴衣が展示されています。
 岡田三郎助の浴衣美人の絵「五葉蔦」(明治34年)も掛かっていました。

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 上はこの部屋で、唯一写真撮影可の現代の浴衣です。
 右はベージュ木綿麻地源氏香模様浴衣(十代目山口源兵衛 平成30年)と、左は紺絹紅梅織地水玉模様絵羽浴衣(竺仙 平成29年)。

 人間国宝による長板中形のビデオ上映もあり、浴衣の技法も学べるようになっています。
  
 開催は7月7日まで。詳細はホームページhttps://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/index.html
をチェックしてください。

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2019年6月 7日 (金)

講演 パリコレ エシカル・サステナブルファッション考現

 ファッションの絶対的ミッションとなってきた「エシカル」や「サステナブル」。パリコレの常連も「サステナブルでなければファッションではない」という認識が当たり前になってきているといいます。 
 こうした中、去る5月18日、新宿の文化女子大学にて開催されたファッションビジネス学会特別講演会で、この問題を語るにふさわしい講師が招かれ、多くの関心を集めました。
Img_22071jpg   登壇したのはパリコレ取材で活躍されている朝日新聞社 東京本社報道局 文化くらし報道部 編集委員の高橋 牧子さんです。「パリコレクションにおけるクリエーションの傾向―エシカル・サスティナブルファッション考現―」と題して、ラグジュアリーブランドの世界で今、何が起こっているのか、語られました。
 
 お話の中で驚かされたのは、パリの気候があまりにも極端になっていることです。昨年は3月なのにマイナス12度にもなったそう。また7月には37度の高温で体調を悪くする人が続出したとも。自然環境問題はもう避けて通れないと、多くのデザイナーたちがメッセージを発しているようです。
 
 まず注目の若手から。真っ先に挙げたのがマリーン・セールです。2017年のLVMHプライズでグランプリを受賞し、廃棄された素材を利用したコレクションで頭角を現しているデザイナーです。 今秋冬コレクションは核戦争による地球滅亡をテーマに、核シェルターに見立てた洞窟を設け、そこからガスマスクをつけたモデルを登場させたといいます。
Img_22111  右は、この洞窟の中で光っていたアクセサリーで、インビテーションとともにプレゼントされたものだそう。
 このマリーン・セールの才能を引き出したのがバレンシアガのデムナ・ヴァザリアです。地球の危機を訴え、3Dプリンターで型をつくり、針と糸を極力使わない立体的な構造の、無駄のないミニマルなシルエットを提案しています。とはいえ、そこには伝統を大切にするオートクチュール・メゾンの、精緻な職人の手仕事との複合があることもポイントです。
 またエシカルでサステナブルといえば、その代表はステラ・マッカートニーでしょう。菜食主義者の両親に育てられたこともあり、社会活動を志し、ファッションデザイナーとなっても、ファーやレザー、シルク、ラムウールを拒否し、動物愛護活動にも熱心です。
 
 次に超巨大資本、昨年度の売上げ5兆8千億円のLVMHグループと1兆7千億円のケリンググループの取り組みについてです。両者はともに、サステナビリティの分野でも競争しているようです。つい先頃も火災に遭ったノートルダム寺院への支援で、ケリングが120億ユーロ出すなら、LVMHは250億ユーロ拠出すると言っています。
 LVMHは、2020年までに輸送にかかるCO2排出量をパッケージの縮小などにより、25%削減すると宣言。素材もサステナブルなものに変えていくとのこと。
 ケリングは動物福祉の改善が業界の急務と、新たな規定を公開。また18歳未満のモデルの起用を禁止すると表明しています。 
 もう一つ、リシュモングループでは、昨年時計の「ボーム」を誕生させています。これはストラップがコルクやコットン、レザーなど生分解性のある素材で製造されるなど、あらゆる面でエコを追求した新ブランドです。ショパールも、時計とジュエリーに「エシカルゴールド」の使用を決定したと発表しています。
 
 さらにファーやレザーについても、グッチやジバンシーなど多くのメゾンがリアルファーそっくりのエコファーへの切り替えを進行中。その方が表現の幅が広がるという利点もあるようで、本物のファー使いのブランドは減少しているといいます。
 シャネルは、元々ファーは使っていないそう。昨年末、他ブランドに先駆けて、ワニやパイソンなどのエキゾティックレザーの不使用宣言をしています。
 この他、ダイバーシティ(多様性)やインクルージョンにも触れ、人種差別や年齢、性別、体型の枠を取り払うブランドのさらなる増加が顕著になってきたといいます。
 
 ファッション産業は、2番目に環境を汚染している業界とも言われています。これを打開するために求められるのが、まさに産業の変革で、その要になるのがグローバルに展開するブランドやビッグなコレクションブランドです。
 今回の講演でパリコレに参加しているクリエイティブなブランドが、いかにサステナブルに注力し始めているか、その事例を多数伺い、希望のようなものを感じました。但し危機を煽って、偽善に陥ることがないように---。この路線を前向きに進んでいってくれることを願っています。

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2019年6月 6日 (木)

眞田塾展「Sense of color 色の触感」色の新たな知覚を提案

 先月半ば、衣服造形家・眞田岳彦氏が主宰する眞田塾の特別展が、六本木のAXIS GALLERYにて開催されました。題して「Sense of color 色の触感」、「色」の新たな知覚を提案しようという試みです。

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 会場には、ずらりとインスタレーションが並んでいました。いずれもテーマは「色」。とはいえ視覚だけではない、いわゆる5感とは違う感覚で色を捉え直した作品です。発表したのは、ファッションやテキスタイル、パッケージ、染色、ジュエリー、ボタンなど多様な分野に身を置くクリエイター12名です。

 クリエーターズ・プレゼンテーションも行われ、作家一人ひとりが創作の意図などを語りました。
 楽しかったのは土井直哉さん(新・入れ物作家)のプレゼンで、タイトルは「空の輪郭」。

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Img_23011jpg  土井さんは、色とは仮に与えられた目に見えるイメージであるといいます。
 その姿は流動的で常に別の何かになる可能性を秘めていて、一時的な状態にあるImg_23031 ものの表面が見えてきたとき、 色がつき始めて、空の入れ物となるそう。
 このことを実演して見せてくれました。卵型の布の塊をほどいて開き、梯子に乗って壁に張るまでのパフォーマンスで、あれよあれよと思う間に変化していく色とカタチがおもしろかったです。
 
Img_22961  また永井俊平さん(衣服作家)の「血液」というインスタレーションも印象的でした。
 あるとき突然出血したことがあって、流れ出たその赤い色が語りかけてきたといいます。
 色としての振舞いを自分自身に託されたと感じ、赤をモチーフに制作したそう。
 右は、赤い液体を布に流し、そこに切れ込みを入れた作品です。

 このアイデアを取り入れた丸い形の可愛いバッグ製品も展示していました。

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 関 美来さん(染色家/美術家)は、植物の色素である緑をモチーフに「葉緑装置」を演出。カラーは装置であるといいます。
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 大豆を育てた経験から、植物が上を向くのは植物の内部にある色素が太陽の方向に向かわせているから。現代人はスマホに夢中になって下ばかり見ているけれど、それでいいのかと、問題提起しました。
 
 また久保田玲奈さん(ジュエリーアーティスト)の肌の色から着想したという「フェイスマスク」も興味深かったです。皮膚の色の違いは遺伝子を解析すれば些細な差でしかないのですが、このことに気付いた久保田さん、自分の中に人種を超えたたくさんの人がいることを感じるといいます。

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 さらに佐藤 綾さん(美術作家)は、様々なものが混じり合う「ホコリ」をテーマに、シリコンによる立体作品を制作。歩くたびに移り変わる風景のカケラから発想したといいます。よく見ると詰まっているのは廃棄物のよう。ゴミもアーティストの手でアップサイクルされると、こんなにも美しく見えるのですね。Img_23361
 この他いろいろ。若い作家さんたちの心象風景が生んだアートの数々、なかなか刺激的でした。眞田塾、応援しています。

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2019年6月 5日 (水)

服飾文化学会大会 最先端技術に関わる研究に注目!

 今年の服飾文化学会大会は、日本女子大学目白キャンパスで5月18日と19日に開催され、私も研究発表に耳を傾けてきました。

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 上は本大会のために特別に開館された成瀬記念館分館(旧成瀬仁蔵住宅)です。創設以来の歴史資料の展示や、2015年のNHKの朝ドラ「あさが来た」のモデルになった実業家の広岡浅子が演説した講堂、その趣のあるステンドグラスも拝見しました。明治の洋風建築がこんなところにも残っていたのですね。
 
 そのレトロな余韻を残しながら、新泉山館大会議室では先生方の最新の研究が次々と発表されました。
 中でも興味を惹かれたのが、この学会では珍しい最先端技術に関わる研究で、注目は徳島文理大学短期大学部准教授 藤本和賀代さんによる2つの発表でした。
 1つは「着用者に無理なくフィットする呼吸計測可能なスマートウェア」です。これは呼吸計測に焦点を当てたスマートウェアで、プリンテッド・エレトロニクス技術を用いた身につけられるウェアラブル・コンピュータが使われています。  
Img_22661  右は、その完成したスマートウェアです。着用者に無理なくフィットして呼吸動作など体の動きに合わせて柔軟に伸縮し、印刷したセンサにて的確に計測できるといいます。
 パターンメイキングでは縫合部を極力少なくし、身体を覆う部分が多くなるように工夫、またフィット性を重視して仕上げたそう。
 布は密着度や動きやすさ、着心地のよさを評価し決定したとか。
 さらにウェアには碁盤の目状の模様を描いて、最適な位置にセンサを印刷してあるといいます。
 実証実験も呼吸器専門医の立ち合いのもと実施。その結果、従来型の医療機器である鼻フローカニューラと比較しても遜色のないデータが得られることが確認できたそう。しかも鼻フローカニューラでも判断が難しいといわれる睡眠時無呼吸症候群の特徴的な呼吸を捕捉することも可能なことがわかったといいます。
 このウェアなら、もう病院へ行かなくてもより手軽に生体情報の取得や管理ができるようになるとのことで、期待されます。人の命を救う画期的な研究と思いました。
 
 もう1つはポスター展示で、テーマは「IoTロボットナースの衣服とインタラクションにおける印象評価」です。
Img_22711    これは小型ロボットを使用し、ロボットサイズで5つのイメージの異なる衣服を制作、それらの服を着たものと着用なしの6タイプを用意して、印象などを評価した実験研究です。好まれた服は、20代女性では、右写真(ピンぼけですが---)のナース服、男性はストリートファッション、60歳以上の高齢者にはドクター服や着用なしが好評だったとか。
 性別や年齢により好みに違いがあったという結果で、納得です。
 ロボットも個性をファッションで楽しむ、今やそんな時代になってきているのですね。

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2019年6月 4日 (火)

“パーソナルモビリティ” WHILL モデルCとは

 先般開催の「意匠デザインを実現するものづくり技術2019」で、WHILLのデザイナー、鳥山 将洋 氏の講演があり、拝聴しました。
 WHILLというのは4輪駆動のスタイリッシュな次世代電動車椅子です。2014年度の日本クリエーション大賞を受賞し、そのときの表彰式には私も参加させていただきました。その後2015年度のグッドデザイン大賞を受賞し、大きな話題となったことは記憶に新しいところでしょう。
 このときのWHILLはモデルAで、その後モデルCが登場しました。今回の講演は、このWHILLモデルCをデザインした鳥山 氏が、その開発ストーリーを語るというものでした。テーマは「この世にまだない“パーソナルモビリティ”をデザインするということ」です。
 元マツダで自動車デザインを手掛けていたという鳥山 氏。ある日、電動車椅子には選択肢がほとんどないことに気付き、移動がもっと楽しくなるスマートな“パーソナルモビリティ”をつくりたいと思うようになったそうです。2017年にWHILLに入社し、手作りで試作を繰り返し、モデルCを世に送り出しました。

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 その特徴は、ユーザー目線に徹底的にこだわったデザインです。重さはモデルAの半分で軽く、また工具を使わずに3つに分解できるので車に積むことができます。しかも説明書なしでも簡単に操作できる設計になっているとのことで、確かに見た目も部品が少ない感じです。さらに車椅子として初の通信機能を内蔵し、遠隔確認などのサービスも提供できるといいます。カラーは写真の白だけではなく、青や赤、ゴールド、黒も揃っていて、好みに合わせて選べるのも魅力です。
 開発にあたって、もっとも大切にしたのは安全性で、いくら格好良くても、まずは安全を念頭に置いていることを強調されていたのが印象的でした。それでいて価格は45万円という普及価格帯!
 2年前に発売をスタートして、今や3,000台を売り上げる、ヒット商品になっているそうです。
 私も実際に乗らせていいただき、乗り心地を確認しました。すばらしい発明、と改めて感心したことでした。

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2019年6月 3日 (月)

付加価値ある意匠デザインを実現するものづくり技術2019

 「付加価値ある意匠デザインを実現するものづくり技術2019」が去る5月17日、ベルサール汐留で開催され、高付加価値のものづくりに直結する技術を見てきました。参加した47社による素材や加工、成形、加飾技術の展示は興味深く、見ごたえのあるイベントでした。
 
 とくに注目した技術を3つ、ご紹介します。
 
JSR Carbonのラティスイノベーション
 JSR のCarbon事業推進室では、米Carbon社の革新的な高速3Dプリンター技術によるラティスによる製品、あのアディダス(addidas)のシューズやリデル(Riddell)のプロアメリカンフットボール用ヘルメットを始め、たくさんの樹脂成型サンプルを展示していました。

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Img_21871  アディダスは、シューズのミッドソールを「Futurecraft 4D」で量産するのに、米Carbon社の3Dプリンターを取り入れていたのですね。
 素材もウレタンベースにエボキシ系やシリコン系、生分解性のあるものなど、広範囲なラインナップを揃えているとのこと。
 ハイエンドな3Dプリンター市場は、オンデマンドやカスタマイズ、少量多品種、金型では実現不可能な形状などデザインの最適化への流れもあり、ますます成長が見込まれています。今後の展開が期待されます。
 
三井化学 形状記憶シート・ネット
 手に触れると、どんどん柔らかくなり、触れた手にあっという間に馴染むという、不思議な感触のプラスチック新素材です。

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 これは今年1月のウェアラブルエキスポで、出展していた同社ブースで展示されていたアブソートーマー(ABSORTOMER)を基に開発されたものだそう。このときも取材していますのでこのURL http://m-yanagihara.cocolog-nifty.com/blog/2019/01/index.html
をクリックしてご参照ください。
Img_21851  この形状記憶シートは、いろいろな素材(天然素材を含む生地やシート)と張り合わせたり、縫い合わせたりすることができるそう。感温性があって、高温では柔らかく、低温では硬くなるというように、温度により柔軟性が変化し、しなやかで伸縮性もあります。
 もう一つ、形状記憶ネットは通気性を望む顧客の要望に応えて開発されたとのこと。
 デザイナーのデザイン・クリエイションを刺激する素材、と思いました。

東レ 不織布構造からなるスエード調人工皮革
 これは東レがグローバルに展開するスエード調人工皮革のブランド「ウルトラスエード UltrasuedeⓇ」です。上質でなめらかな風合いと高度な品質、また持続可能な社会の実現に向けた植物由来原料を使用したものも展示。
Img_21781Img_21791  人工皮革の裂織や裂編など、多彩なデザインバリエーションを提案していたのが印象的でした。

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2019年6月 2日 (日)

映画「マックイーン モードの反逆児」を見て

 先日やっと暇をみつけて、アレキサンダー・マックイーンのドキュメンタリー映画「マックイーン モードの反逆児」を見てきました。ロードショーはもう終盤で、館内はほぼ満席でした。
58edc1d3c4aa3a1c   見終わった後、感動のあまり席を離れたくない気持ちにおそわれました。こんなこと初めてです。アレキサンダー・マックイーンは、まさに真の天才デザイナーでした。
 実は私はアレキサンダー・マックイーンのランウェイを見たことがありませんでした。この映画で、彼のショーがいかにドラマティックな物語に満ちたスペクタクルなものだったかを得心しました。彼は偉大なショーマンでもあったのですね。2台のロボットがスプレーで人形のようなモデルの白いドレスに色を吹き付けていくパフォーマンスや、幻想的なケイト・モスのホログラム投影、モデルによるチェスゲーム、セントマーティン卒業以来ずっと支援してくれたイザベル・ブロウへのオマージュ、プラトンのアトランティス---と、まるで夢でもみているような印象的な場面が続々。会場の熱狂ぶりはいかばかりだったでしょう。
1_8  それにしてもこれほどまでに惹きつけられてしまうとは! そこには華麗なモードの裏に人間の暗い影の部分、死や暗黒の世界が横たわっているのを感じるからなのかもしれません。彼のデザインの原点は中世衣装にあるとよく言われます。そういえば“スカル”のモチーフを流行らせたのも彼でした。 
 サヴィルロー仕込みのテイラーリングの技術と、クチュールメゾンの職人技で、プレタポルテでありながらオートクチュールのような作品を送り出したアレキサンダー・マックイーン。商業主義に流されず、常に反骨精神をもって、この世にないものを生み出そうとした、衣服の「彫刻家」でした。
 映画では、天才ならではの苦悩がにじみ出ているようで、胸が傷みました。ファッションとは何か、クリエイションすることの意味を突き詰めようと最後までもがき続けていた姿が描き出されていました。40歳の若さで自死を選んだのは、このためだったのでしょうか。それは母の葬儀の前日でした。
 私たちもファッションについて改めて問い直してみる必要がありそうです。

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2019年6月 1日 (土)

ここのがっこう ファッション&ニュークラフツ修了展示

 「ここのがっこう」のファッション&ニュークラフツコースの修了展示が5月中旬、浅草橋のCPK GALLERYで開催され、11日に行われたトークセッションにも参加してきました。
 「ここのがっこう」は、ファッションブランドの「リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)」を出がける山縣良和さんが主宰する学校です。
 ファッションクリエイションに特化しているのがユニークなところで、新人の登竜門といわれるイタリアの「itsイッツ」では毎年受賞者を輩出、LVMHコンテストでもノミネートされるなど、世界で活躍するデザイナーを多数、世に送り出しています。
  中でもファッション&ニュークラフツコースは、ファッションデザインと伝統技術の可能性を創造するコースです。
 Img_21521 今年度の修了展示では9名が作品を発表していました。
  右は正面に大きく飾られていた作品です。まるでゴツゴツとした樹皮と見紛う表面感で、見る者に迫ってきます。
 

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 水溶性繊維を用いて、ほつれた味わいを表現した粗いレースのようなタペストリーです。
 

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 トークセッションは、「ここのがっこう」代表の山縣良和さんと、TREND UNION 日本支社代表でファッション&ニュークラフツコース講師の家安 香さん、ユナイテッドアローズ 上級顧問 栗野宏文氏が、これからのファッションデザインについて語る座談会形式で進められました。 
 印象的だったのは、クリエーションはどのようにして生まれるかというお話です。いかにAIやテクノロジーが進化しても、最終的には原初的な部分、一本の糸や織り・編み、組み、また不織布や皮革などに戻ることが重要で、クリエーションはそこから始まるといいます。
 要はハイテクとローテクの組み合わせで、素材とどう向き合うか、サステナビリティであることも、欠かせない要件となってきます。
 今回の展示でも、棄てられていた石や流木、布団の中綿などといった何の変哲もないものを材料にした作品が多々見られ、いずれも現代の最先端技術により命が吹き込まれている力作揃いでした。

 なお、これまでのファッション&ニュークラフツコースは、2020年度から「マテリアル&マター(MATERIAL & MATTER)」コースに改称されるそうです。マテリアルとよりしっかりと対面し、問題を解決する、そうした意図を込めての変更といいます。
 今後も様々な素材に導かれた、表現力豊かな人材教育を期待しています。

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