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2019年5月 4日 (土)

キャリアミセス 『ミモレ』編集から見えてくる婦人のホンネ

 アパレルの中で売上が最も大きいのが、仕事をもつ女性や大人の女性を主なターゲットとするキャリアミセス市場です。先般の「ファッションワールド東京2019春」では、このキャリアミセスのトレンドにスポットを当てたセミナーが開催されました。登壇したのは講談社のWEBマガジン『ミモレ (mi-mollet) 』編集長 大森 葉子氏と、ファッションビジネスジャーナリストの松下 久美氏です。大人世代の女性たちが求めているものや本音、悩み、価値観を語り合うという、大変興味深い対談でした。

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 ところで『ミモレ』とはどのような媒体なのでしょう。お話によると創刊は2015年1月で、会員はうなぎ上りに増えて現在6万人、PV/月900万、UU/100万とのこと。読者層は2018年のアンケートによると30~40代が最も多く、既婚75.6%、未婚24.4%、有職者は81.7%と高く、世帯年収は1,000万円以上が37.7%、600~1,000万円が30%で富裕層向けメディアということが分かります。ミモレ限定8万円のボックスを出したら即完売したそうです。
  ファッションメディアとしては大人世代ナンバーワンのスナップサイトが人気で、“なに着る”や“今日、なに着てる”で検索して入って来る人たちの、コーデを見たい、着たい、探したいという欲求に応えているといいます。これまでのスナップアーカイブ数は約12,000体とスゴイ数字になっているとか。スナップを自動解析しタグ情報を返すAIを搭載しているとも。ファッションはトレンドよりもいかに着こなすかをポイントに、自分らしさを表現したい読者にコミットしているといいます。
 コミュニティづくりも行っていて、もう一度学び直したい、同じ志を持つ人と友達になりたい、という声があることから有料講座を実施。東京や京都の大学で開講し、応募者が殺到しているそう。修了者数は延べ220名で受講生からは満足の感想を得ているそう。

 サイトを毎日訪れる層が全体の70%もある、というのにも驚かされます。それだけ多くの読者を生み出せている理由は、記事の作り手が全員顔を出し、背景にある思考のストーリーを体感できているからではないかと分析。365日毎日届くコメントは必ずバックし、次の記事づくりにつなげているとか。一人の意見の後ろにあるサイレントマジョリティの声を拾うことを常に心掛けているそうです。
 企画をリードしているのは、コンセプトディレクターの大草直子さん。例えば「大人の女性は“脱ほっこり”であか抜ける!」と“ほっこり”婦人にならないためにできることをアドバイス。この“婦人”という言葉を発案したのも大草さんで、女子カルチャーへのカウンターもあって“大人女子”ではない“婦人”にフォーカス、これで押し切ったといいます。“婦人”とは乙女心を否定しない存在、その代表が大草さんであり『ミモレ』のシンボルともなっているそう。
 たくさんの興味深いお話しの後、まとめとして下記を紹介。
 一つは女性を楽にしてあげるコンテンツであること。仕事を持ち母でもある女性は忙しい。ファッション関連が多いのは、そうした女性たちが自己表現に悩む代わりに記事を役立てて欲しいから。
 二つには「年齢を重ねることは楽しい」と思える社会を一緒につくっていくこと。若見えではない、気持ちを上げてくれるようなスタイル中心の構成はそのためといいます。
 最後に記事は中立であること。編集を手掛けているのは『ミモレ』世代で、純粋な気持ちで正直に書かないとバレることを知っている人たち。おしゃれ感度も読者とそれほど差はない。だからコスパのよいブランドなど、本当の意味で気に入ったと思うものだけを掲載しているそうです。
 女性たちの人生後半戦を応援する『ミモレ』。WEBサイトを拝見し、“婦人”の気持ちに寄り添う提案が満載、と改めて感じ入ったことでした。

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