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2019年5月28日 (火)

「ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」展

 今、アートの世界では、19世紀末から20世紀初頭にかけてのアールヌーボーと呼ばれる時代がクローズアップされています。 中でもこの時代、オーストリアの首都、ウィーンでは独自の装飾的で煌びやかな文化が花開きました。
 1_5_1 これを牽引したのがグスタフ・クリムトを中心とする美術家グループのウィーン・ゼセッション(ウィーン分離派)でした。彼らはファッションクリエーションにも大きな影響を与えているのですね。
  私はウィーンやパリで、彼らの作品を何度も見ています。それなのにまたしても東京・国立新美術館で「ウィーン・モダン クリムト、シーレ世紀末への道」展が開催されているというので、見に行って来ました。ウィーンがどのようにして世紀末文化を開花させていったのか、本展はその軌跡を探る、新しい切り口の展覧会でした。
 
 まずは、第1章「啓蒙主義時代のウィーン」です。
 始まりは18世紀のハプスブルグ家の女帝マリア・テレジアの肖像画(1744年)からです。マリア・テレジアとその息子、皇帝ヨーゼフ2世が統治したこの時代は、啓蒙思想に基づいた社会の変革が行われて、ウィーンがヨーロッパ文化の中心地へと変貌を遂げていく、そんな時代だった事がわかります。
  
 第2章は「ビーダーマイアー時代のウィーン」です。
 ウィ―ンの文化は、ナポレオン戦争終結後の「ビーダーマイアー」様式へ発展し、ウィーンのモダニズム文化の萌芽をつくったといいます。ここでは当時の絵画や実用的な家具とともに、何とシューベルトが愛用した丸縁の眼鏡も展示されていて興味深かったです。
 
 第3章は「リンク通りとウィーン」です。
 ウィーンの大動脈「リング通り」が開通するなど、ウィーンが近代都市へ移行する時代です。当時の都市計画が、日本の映像技術(DNP大日本印刷の高精細3Dデジタルアーカイブ技術)で再現されていのにも注目です。
 
 最後の第4章が「世紀末のウィーン」です。
 グスタフ・クリムトやエゴン・シーレなど、ウィーン・ゼセッション(ウィーン分離派)が登場した、まさにウィーン文化の黄金時代の作品が集められています。

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 上は、クリムトの「エミーリエ・フレーゲの肖像」(1902年の油彩画)です。本展のポスターにもなっている名画で、唯一、写真撮影可となっていました。
 装飾的で抽象的な表現にどこかジャポニスム、日本美術への関心が感じられるようです。
 

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 上は、エミーリエ・フレーゲのファッションにインスパイアされて制作されたドレスで、文化服装学院の学生による作品です。
  
2  もう一つ注目はエゴン・シーレのコーナーです。

 とくにシーレの自画像(1911年)は印象的でした。

 彫りの鋭い目、額のシワ、背後には描きかけの作品などがあり、内なる精神状態が表されているようで、どきっとします。

 右は、シーレをモチーフにした本展のポスターの画像です。

 ミュージアムショップでは、ウィーン世紀末のポスターなどから抜き出したアルファベット30文字を使った、マグカップやTシャツが販売されていました。

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 文字もこんな風に装飾的にデザインするとは! 世紀末のウィーンがいかにエネルギーに満ちあふれていたか、窺えるようです。
 
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  美術館のロビーにはグランドピアノが置かれていました。
 Img_18351 これは“ベーゼンドルファー 全世界25台限定モデル”だそう。裏面にクリムトの傑作「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」の原画が描きこまれていました。(今はもう展示期間が終了となりました。)
 
 なお展覧会は8月5日までとロングランです。お出かけしてみてはいかがでしょう。

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