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2019年2月

2019年2月28日 (木)

PVパリ⑸  キー・カラーはインパクトの強い“赤”

  PVパリの会場の随所で目立ったのが、インパクトの強い“赤”でした。

Img_04562jpg_4  右はプレスルームです。
 鮮烈な赤を基調にピンクやオレンジで彩られた、温かい雰囲気のインテリア、ネームホルダーの紐の色も赤でした。
 

Img_00501jpg  上はPVパリの2020年春夏の提案色です。
 それぞれ特徴のある、4つのストーリーで構成されています。左からエアリー(空気のように軽やかなストーリー)、アクアティック(水のストーリー)、トゥルー(真実のストーリー)、インクレディブル(信じられないようなストーリー)。

 カラーハーモニー見ると、赤系が色濃く打ち出されています。“レッド・インパクト”のパワーで楽しい夏を迎えよう、ということのようです。
 なおここで一つ忘れてはいけないのが白です。白はパワフルなサーチライトといいます。

 そういえば来夏は東京オリンピック・パラリンピックが開かれます。日本が世界の注目を浴びる季節ですね。このシーズンのトレンドカラーに、日本を代表する色である赤が選ばれるなんて! これで日本がますます元気になるといいですね。

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2019年2月27日 (水)

PVパリ⑷ キー・ヴィジュアル“未来への責任”をイメージ

  PVパリはシーズン毎に、そのシーズンを一目で表現するヴィジュアルを掲げています。

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 上が2020年春夏を開く鍵となるキー・ヴィジュアルです。ちょっと異様な感じがしますね。春らしい明るい陽射しが降り注ぐ菜の花畑にヌッと現れた黒っぽいオブジェは何でしょう?
 PVパリのトレンド委員に伺いましたら、これはファッション産業に対し、地球の“未来への責任”をイメージしているとか。シーズン全体のトレンドが“アーティスティック”な方向に傾く中で、地球にコミットする、つまり責任を持つことを伝えたいという思いが込められているといいます。

 黒っぽい物体は、ふくらませた大小のビニール袋を重ねてつくった“案山子(かかし)”のようにも見えます。“人”のように、大きく手を広げて「こちらに来て」と呼んでいる姿を思わせます。大地に立つ“木”、 あるいは“矢”という人もあるそうですが---。
 人によって見方はいろいろ。要は、環境にコミットしながら、ときに調和を乱すものも参入してくる、これはそんなファッションのシーズンを思う存分楽しんで、と呟いているのかもしれません。

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2019年2月26日 (火)

PVパリ⑶ 「ウェアラブル・ラブ」“人間拡張”をテーマに

 PVパリでは、第3回目となる「ウェアラブル・ラブ WEARABLE LAB」が開設されました。
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 ここは、ファッション業界における実験的な材料や製品、サービスの国際的なセレクションを紹介するファッション・テック・エリアです。今回はパートナーとしてフランスオートクチュール及びファッション連盟を迎えて、“人間拡張(ヒューマン・オーグメンテーション)” をテーマに開催されました。
 出展したのは革新的なテクノロジーやプロトタイプ、スマート・マテリアルなどを手掛ける17社です。日本企業の姿がなかったのが少し残念でした。コンフェランス・スペースでは専門家によるセミナーやパネルディスカッションなども多数行われて、来訪者が絶え間ない様子でした。

Premierevision12fevrier2019alexgall  中でも私が注目したのが実験的な企画展、スキル(SKILL 2)です。VRによる拡張現実の体験コーナーや、有力デザイナー4人による人間の能力を拡張する衣服、4点が展示されていて、見る者を刺激していました。

 ここで披露されていた作品の一つが、あの森永邦彦が手がけるアンリアレイジ(ANREARAGE)の2018年春夏コレクションです。
Img_02841_2  右はその「パワー」と題されたテープがポイントの作品です。軽やかな素材で作ったガーリーなドレスがテープでグル巻きされています。
 このテープは力を加えると発光する「応力発光」素材です。
 ライトダウンすると暗闇から、発光したテープのみのシルエットが浮かび上がるというのですから何とも神秘的!
 テキスタイルも力を加えることで、服全体が神々しく光輝く、そんな新しい形のファッションが生まれているのですね。

 またセミナーで知ったMatériOの未来的な素材の展示も興味深かったです。
Img_04362   MatériOは、革新的な材料の資料館です。

Img_03991_3   ここでは樹脂や石など、およそ「信じられないような資料」が提案されていました。
 中でもおもしろく思ったのが、右の写真のコンクリート・レースです。リサイクリングのコンクリートが使われています。

Img_04321jpg  これは文字通りコンクリートの破片をつないでつくったレースです。何とシャネルの作品にも使われていて、びっくり! でも着用するとかなり重いそう。

 なおこのMatériOですが、科学や産業、材料、デザインそしてイノベーションに関心のあるフランスの若いチームが2000年に設立した組織であるとのこと。パリやブリュッセル、プラハ、ブラチスラバにライブラリーがあり、建築家やデザイナーなど、あらゆるクリエイティブなスペシャリスト向けに、特殊で変わった革新的な素材を提供しているといいます。
 日本人デザイナーも相当数メンバーになっているようです。ちょっと気になる存在ですね。

Img_04091_2  出展ブースでは、またしてもEUVEKAのロボット・マネキン(人台=ボディ)が出ていました。
 これはプロトタイプ作成のすべてのステップを制御し、モデルを正確なサイズにカスタマイズする、フランス発のインテリジェントダミーです。
 ボディが身体に合わせて伸縮するとは何と不思議!
 ラスベガスのCESにも出品して大きな話題となったといいます。

 来場者が足を止めてじっと見ていたのが印象的です。
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2019年2月25日 (月)

PVパリ⑵ PVマーケットプレイス 取り扱い商品広がる

 PVマーケットプレイスは、昨年9月に始動したBtoBプラットフォームです。当初はPVファブリックのみでしたが、今期はPVレザーもスタートし、取り扱い商品の幅がどんどん広がっています。次期9月展からはPVアクセサリー(服飾資材)にも採り入れられる予定といいます。
  見本市会場では体験スペースも設けられ、来場者の関心を集めていました。

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 このWEBサイトには企業プロフィールと素材写真を6点、無料で掲載するオンラインサービスと、サンプルの受注が可能な有料(200 <約¥26,000>/月)のアクティブショップが設定されています。この半年でPVファブリックの約750社がこのサービスに参加。その内150社がアクティブショップのユーザーとなり、この数字は今期、PVレザーの導入もあり、ますます増えています。出展企業のオンライン登録は950社を超えたといい、アクティブユーザーも倍増しているようです。
 一方、バイヤーも順調に増えている模様で、カスタマーアカウントは2,200、ビジターは17,000、ページヴューは105,000と発表されていました。

 細分化され多様化される市場を受けて、見本市も今や曲がり角を迎えています。バイヤーも新世代が台頭してきました。彼らに向けて365日いつでも、どこからでも、誰もがアクセス可能な新ビジネスの場がPVマーケットプレイスです。
 PVマーケットプレイスは出展社にとって、見本市への出展を補完する新しい営業ツールとなっていくことでしょう。さらなる充実が図られるという次回が楽しみです。

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2019年2月24日 (日)

PVパリ⑴ 出展社数増もブレグジットの影響で来場者数減

 2020年春夏向けファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン・パリ(PREMIERE VISION PARIS 略してPVパリ)」が、2月12日~14日、パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場で開催されました。

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 出展社数は6つの見本市全体で世界50か国から1,782社(うち日本は55社)と、昨年同期比3.3%増。とはいえ来場者数は127か国から53,156名で、昨年同期比2.3%減だったといいます。私もエントランスホールでの混み具合がいつもより少ないと感じていたのですが---。これについて指摘されたのがブレグジットの影響でした。実際、イギリスからの来場者は16%減少したそうです。とはいえ全体の約70%はフランス以外の国々からの来場者で、世界の市場が不安定な状況に直面する中、この見本市は堅調に推移しているといいます。
 来場者の内訳を国別に見ると、トップはフランスで前年同期比1%微増の15,924人。次いでイタリアが5,985人、イギリスが4,446人となっています。イギリスは減少したものの、前回同様第3位です。続いてスペイン、トルコ、ドイツ、アメリカ、ベルギー、そして中国が第9位に上昇、日本は1,421人で第10位にランクインしています。

 初日、恒例のジル・ラスボルドPVゼネラルマネージャーによる記者会見が行われました。今回はプレスルームではなく、新エリアのウエアラブル・ラブにあるコンフェランス・スペースが会場となりました。
 語られたのは昨年9月にスタートしたBtoBプラットフォームImg_00401の「PVマーケットプレイス」やファッションテックにフォーカスした「ウエアラブル・ラブ」、8回目を迎えた「」メゾン・デクセプション」などの展示内容や多彩なイベントプログラム、今後の展開などでした。
 これらについてはこのブログで少しずつ紹介していきます。

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2019年2月23日 (土)

「アール・デコを再考する」寄稿

 このところファッションは「ハイ・ブリッド」がキーワード。過去を振り返ってみると19世紀末のアール・ヌーヴォーに続く「アール・デコ」の時代もそうだったのですね。そこで一般財団法人日本綿業振興会発行の機関紙「COTTON PROMOTION コットンプロモーション」(2019年冬号)のコラム「マーケティング・アイ」に、「アール・デコを再考する」と題して寄稿しました。
 本紙と併せてご覧下さい。
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2019年2月22日 (金)

パリ装飾美術館で「ジャポニスムの150年」展

 今回パリへ行き、一番見たかったのがルーブル美術館に隣接する装飾美術館の「ジャポニスムの150年」展でした。
 本展は日仏友好160年を記念して開催されている日本文化と芸術の祭典「ジャポニスム2018:響きあう魂」の公式企画の一つです。
 展示会場は3フロア、2,000㎡を超えるという大規模なものでした。大きく「発見者」、「自然」、「時間」、「動き」、「革新」という時代にとらわれない5つのテーマで区分けされていて、そこにフランスと日本の相互交流の歴史を伝える工芸、デザイン、ファッションが横断的に展示されています。
 膨大な展示資料の中、私の興味はやはりファッションでした。そこでここではファッションをピックアップし、そのいくつかをご紹介します。

 まず「発見者」のコーナーでは、19世紀後半、日本美術に出会ったコレクターたちが集めた室内装飾や工芸品が展示されています。
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Img_09071  当時、日本趣味がブームのように広がっていったことがわかります。

 右は1889年のパリ万博の目玉となったエッフェル塔が描かれた扇です。

 次に「自然」では、竹や藤、菊の花などの植物からツバメなどの鳥、虫など、日本の四季折々のモチーフを取り上げ展示。

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 左上は本展のアドバイザーを務めている コシノ ジュンコの作品、竹製のビュスチェ(1998年)です。
 右上はケンゾー タカダよる竹をイメージしたコットンプリントのシャツとロングスカートのアンサンブル(1974年春夏コレクション)です。 

Img_09541  上の写真中央の衣裳は、ジョン ガリアーノによる「ボヘミアン レディさん」と題された作品(1998年春夏コレクション)です。

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 左上はキャロ姉妹のクレープデシンのコート“カサノバ”(1925年)。
 右上はポール ポワレによるシルクタフタのアフタヌーンドレス(1922年)。

 「時間」では江戸時代にタイムスリップします。

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 ここではクジャクの羽根をあしらった華やかな陣羽織や西陣織 友禅染めの着物、裃など---、多種多彩に出品されています。ヨーロッパの作家のものも多数見られて、日本人顔負けの優れた技量に驚かされたりしました。

 「動き」では琳派をイメージさせるものが目につきました。

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 左上は、ジュンコ コシノによるラッカー加工のシルク地“リンパ”のドレス(2015年)。
 右上は、ピエトロ セミネリの“よろい” (1968年)の作品。

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 上の写真は、左がジュンコ コシノの“墨流し”によるダイナミックな動きを表現した手描きの着物(2015年)、右がイッセイ ミヤケの“コロンブ(白い鳩)”と名付けられたドレス(1991年)です。

 最後の「革新」では、イッセイ ミヤケ、コム デ ギャルソン、ヨージ ヤマモトのご三家とともに、ユイマ ナカザトやソマルタなど有力若手ブランドの作品もマネキン展示されていました。

Img_10151  イッセイ ミヤケの田中一光の作品をモチーフにしたシリーズです。

Img_10291  右はコム デ ギャルソンの川久保 玲による“よろい”を思わせる作品(2016年秋冬コレクション)です。

 この他様々。それにしても素晴らしい作品の数々でした。

 パリの装飾美術館には1万点を超える日本のアートのコレクションが所蔵されているといいます。これはその厳選された作品と日本から貸し出された作品、日本の影響を受けて欧州で制作された作品で構成された展覧会でした。会期は3月3日までです。
 これでもう「ジャポニスム2018:響きあう魂」の企画は打ち止めです。でももしまた今度どこかで---と、期待しています。

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2019年2月21日 (木)

パリの「メルシー」10周年記念で“メルシー・ラ・ローブ”

 パリで必ず訪れるのが「メルシー (Merci=“ありがとう” の意味)」という北マレにあるセレクトショップです。 毎月特定の分野の商品に焦点を当て、それにより装飾が変わります。ですからいつ来ても新鮮な感覚で刺激されます。
 このメルシーも今年で早くも創立10周年を迎えるそうです。そこでこれを記念して、今月は“メルシー・ラ・ローブ(Merci la robe)”をテーマに、女性らしい自然な魅力や繊細さ、自主性を称えようと、ローブ(ワンピース・ドレス)をクローズアップしていました。
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 正面に設置された大型の円形ベールの内側には、明るく楽しい、軽やかなドレスがいっぱい。プリントなどちょっとレトロな柄物も豊富です。
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 今春夏、ファッションの主役は陽光に映える美しいドレスといえそうです。

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2019年2月20日 (水)

パリ百貨店 現代アート展や趣向を凝らしたイベントが人気

  パリの百貨店は毎シーズン、現代アートの展覧会や趣向を凝らしたイベントを無料で提供するなど、集客に余念がありません。

 まずは左岸のル・ボン・マルシェで行われていた現代アート展です。ポルトガル人の女性アーティスト、ジョアンナ・バスコンセロス(Joana Vasconcelos.)の作品が、本館吹き抜けの空間全体を占拠するように悠々と展示されていました。
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 これは北欧神話の「ヴァルキリー(Valkyrie)=戦場で生きる者と死ぬ者を定める女性、およびその軍団のこと」を表象したものだそうです。「シモーネ」という女性の名前が付けられています。
 今月はこの百貨店創業以来の「Mois du Blanc (白いホームリネンの月)」。それもあって、白いアートを創作したといいます。使用された白い布はすべて手作業でつくられていて、手織りや手刺繍、かぎ針編み、パッチワーク---、その気の遠くなるような手仕事の技にも圧倒されました。

 次にギャラリーラファイエット・パリ・オースマン店です。昨年クリスマスシーズン以来行われているという、「グラスウォーク」が来場者の人気を集めていました。

Img_22201jpg  これは地上からの高さ16mに設置された長さ9mの空中通路です。

Img_22161jpg 私も歩いてみましたが、中央部が透けていて、下を覗くとやはり怖い。高所恐怖症の方は無理でしょう。でも最先端から眺めたアールヌーボー調の丸天井はさすがに見事でした。

 さらにパリではないのですが、ロンドンでもセルフリッジで、アートストアを期間限定で出店。アートを創ったり、集めたりしませんか、とクレヨンなどの文房具からギャラリーの限定版までディスプレーしてアピール。とくに草間弥生の“パンプキン”が展示販売されていたのが印象的です。
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2019年2月19日 (火)

ロンドン“カナリーワーフ”ショッピングモールを訪れて

 ロンドンに来て初めて“カナリーワーフ”ショッピングモールを訪れました。ウォーターフロントの再開発地域です。私が歩くのはいつも中心部ばかりでしたから、これも一つの冒険でした。

Img_20611  駅を出ると、そこはまさに英国の摩天楼! 

 Img_20641jpg高層ビルが立ち並ぶ新ビジネス街で、見慣れたロンドンとは違う空間が広がっていました。
 右は超モダンな“カナダ”広場です。地下がモールになっていて、何でも一通り揃っていました。

Img_20691  ジュビリープレイスの地下では、「アシックス(ASICS)」のショップやH&Mの姉妹ブランド「COS」など、ファッション関連ショップが軒を連ねています。

 とはいえここは私には巨大過ぎ、早々に引き上げたことでした。今後起こるとみられる“ブレグジット(Brexit)”の影響を思いながら---。

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2019年2月18日 (月)

ロンドン「スウィンギングロンドン ライフスタイル革命展」

 ロンドンでは今回、ファッション&テキスタイルミュージアムに行ってきました。訪れたのは初めてでしたが、ロンドンブリッジ駅から徒歩5分、ピンク色の目立つ建物でわかりやすかったです。ここは英国パンクのアイコン、デザイナーのザンドラ・ローズ(Zandra Rhodes)が2003年に立ち上げたミュージアムだそう。行ってみるまで知りませんでした。

 ちょうど企画展「スウィンギングロンドン:ライフスタイル革命/Img_21301テレンス・コンラン―マリー・クワント Swinging London: A Lifestyle Revolution / Terence Conran ― Mary Quant」がスタートした日で、小さな館内は人でいっぱいでした。

 20世紀英国の歴史の変革期、“スウィンギングロンドン”と呼ばれた時代、とくに1952年から1977年までを取り上げ、当時ライフスタイル革命を起こしたテレンス・コンランとマリー・クワントにスポットが当てられています。
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 テレンス・コンランはサーとして叙勲された家具・インテリアデザイナーで、ザ・コンランショップの生みの親です。またマリー・クワントは1960年代にミニスカートで一大ブレークしたファッションデザイナーです。この二人は親交が厚く、マリー・クワントの物議をかもした「バザー Bazaar」に続くセカンドショップのデザインはテレンス・コンランが手がけたといいます。またテレンス・コンランは、1964年に初のライフスタイルショップ「ハビタHABITA」を立ち上げました。
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 本展は、ショッピングに革命を巻き起こした二人の仕事を軸に、当時の生活スタイルを掘り起こす興味深い展覧会でした。今人気のライフスタイルショップのルーツを探る良い機会にもなるのでは---。なお会期は6月2日までです。

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2019年2月17日 (日)

ミラノ「フォンダシオン プラダ」でもう一つのバロック体験

 ミラノに来て、話に聞いていた「フォンダシオン プラダ Fondazione Prada」を訪れました。2015年にオープンしたプラダの複合文化施設です。
 地下鉄ロディ駅から寂れた道を歩き、10分ほどで目印の金色の建物がある場所に到着しました。Img_19121 ここはレム・コールハス率いる建築事務所OMAが元蒸留所をリノベーションしたものだそう。新×旧や人工×自然の対比が巧みで、いかにも現代アートの発信拠点らしく思われました。

Img_19621  エントランスは、まさにその金色に塗られた建築物です。「ホーンテッドハウス Haunted House」と呼ばれているとのことで、今思うと、地下のクロークからして静かで薄暗い、神秘的な雰囲気でした。

 展覧会場はいくつかに分かれています。その内、メイン会場のポディウムとトーレ(タワー)での展示をご紹介します。

 ポディウムでは、「Sanguine:バロックのLuc Tuymans」展が開催されていました。  
Img_19221jpg  Sanguine(サンギン)とは、「赤」、「暴力」、「活力」を意味する言葉です。絵画では残酷さと演劇化を際立たせる技法をこう言うそうです。これはベルギーのアントワープで活動しているアーティスト、Luc Tuymans(リュック・タイマンス)のグループによる企画展でした。

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 見ていると茫漠とした不安感に襲われる、ときにおどろおどろしい、グロテスク極まるといった作品も---。現代社会の深層に存在する何か訳のからないものを代弁しているでしょうか。
 もう奇怪そのもの、バロックのもう一つの側面を体験させられました。

 トーレ会場は、敷地の一番奥にある昨春公開されたというビルです。ここでは明るいモダンな印象のインスタレーションが展示されていました。
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 プラダのモードの発想源かと思えるような作品も見られました。

 このところエルメスやルイ・ヴィトン、シャネルなどアートに誘うラグジュアリーブランドが多くなっています。プラダもその一つ、アートに力を入れていることを今更ながら印象付けられたことでした。

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2019年2月16日 (土)

ミラノ・ウニカ⑻ 併催された小さなアフリカン・アート展

 ミラノ・ウニカ(略称MU)では毎回、テキスタイル見本市とは別にイベントや展示会が併催されています。今回も次期7月展を予告する小規模の「オリジン&パッション・ビリーフス展」や、学生のインキュベーション・プログラム「アイズ・オン・ミー」などが開かれていました。

 中でも今回、私が注目したのが小さなアフリカン・アート展です。パスケール・マーサイン・タイユー(Pascale Marthine Tayou)というアーティストが手がけた作品展で、この作家は1967年カメルーンのヤウンデ生まれ、現在はベルギー在住といいます。

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  目を奪われたのは、カラフルな布を接いでつくった巨大なオブジェです。まるで太った大蛇がとぐろを巻いているように見えます。とはいえ愛嬌があって、ユーモラス。手づくりの温もりが伝わってきます。

1 アフリカにルーツがあって、ヨーロッパにもアイデンティティを持つ人らしい作品、と思って見ていましたら、それらはすべて廃棄された布や糸を利用したリサイクルアートだったことがわかりました。

 彼は日常生活の中で出会った様々なもの、電車や航空券の半券から不要となった電池、ビニール袋のラベルや包装などまで収集して、再利用しているのです。
 その彫刻のような作品に、グローバル化する世界の中で失われつつある故郷アフリカへの思いを感じ、胸が熱くなりました。

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 これもMUが掲げるサステナビリティに通じるアート作品! 現代の過剰消費や無駄を警告するようなインスタレーションでした。

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2019年2月15日 (金)

ミラノ・ウニカ⑺ 日本パビリオンの注目企業

 今季ミラノウニカ(略称MU)の日本パビリオン=ジャパン・オッセルヴァトーリオ (略してJOB)に出展した企業から売れ筋動向などを伺いました。
 そのいくつかをご紹介します。

宇仁繊維
  美しい色彩が輝く生地を前面に押し出して、楽しさをアピール。
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 一番人気はドレープ性のある軽やかなポリエステルのクレープ生地とか。
  また表面効果のある先染めや花柄プリントなども。

Img_18401  同社のオリジナルはおよそ35,000点もあるといいます。
 ブランドの納期がますます短縮化している折、このストック販売は大きな強みとなっています。
 来場者はもうひっきりなしの賑わいぶりでした。

福田織物
Img_18131  薄く軽く、超ファイン、120番手糸使いといったコットンのローンやボイルは同社の独壇場です。

 それとは別に注目されるのが、日本の伝統織物を現代風に表現した綿織物です。
Img_18121_2  今シーズンはとくに“刺し子”を訴求しています。
 といっても厚地のものではなく、軽やかで繊細な刺し子風織物です。
 微妙な表面感が懐かしさをそそります。

古橋織布
 天然素材であることから、エコ・フレンドリーをアピールしていのが目新しく映りました。
Img_18191jpg 低速のシャトル織機で、高密度に織り上げたタイプライタークロスやバフクロスは、好調に推移している様子です。
 さらっとしたさわやかな風合いは、ヨーロッパでも好まれていることがわかります。

八木通商
Img_18471  生地商社ならではのユニークなコレクションが好評です。
 何と昆虫、蜂やカブト虫などのモチーフがぞろぞろ---びっくり! メッシュ地への加工も見られます。
 バッグなどアクセサリー雑貨向けによさそう。
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 また右のような個性的なカットジャカードへの関心も高かったです。
 これらのサンプルはトレンドエリアでも展示されて、人気を集めていました。

吉田染工
 毎回、デザインを変えて、横編みなのにジャカード織物のような生地を発表しています。横編み機は島精機のスライを使用。
 編みと織りの両者の良いとこ取りをしたような風合いがバイヤーに受けているといいます。
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Img_17211  上は吉田染工のグループ会社、貴志川工業の「綵(あやぎぬ)」の展示です。これはドレープ性があって、しかも適度なハリ感やコシのある風合い加工です。

北高
 大胆な和柄プリントやカモフラージュ柄、インディゴプリントなど、伝統的なハンドプリントから最新のデジタルプリントまで、とくにメンズシャツ向けのプリントの提案が注目されます。

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サンウェル

 日本の職人技でつくられるオリジナル生地を提案。豊富なストックも魅力です。
 とくにサステナブルを訴求していたのが印象的です。
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辰巳織布
Img_18251  コットンをベースにキュプロやリネン、ポリエステルなど、長短複合織物も訴求。
 クチュール感覚の非常に洗練された高密度織物を提案しています。

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2019年2月14日 (木)

ミラノ・ウニカ⑹ 日本パビリオンの新規出展企業

 今シーズンのミラノウニカ(略称MU)で、第10回目となる日本パビリオン=ジャパン・オッセルヴァトーリオ (略してJOB)が開設されました。節目の回とあって、記念のイベントが開催されたことは、このブログ2019.2.10でもご紹介した通りです。

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 上の写真は、毎回好評のトレンド&インデックスコーナーです。今回は「近未来」をコンセプトに、2020年春夏に向けて、明るい楽しい未来が連続するようにとの願いを込めて施工されたといいます。出展した31社・団体の一押し素材は次の4つのテーマ、「未来派=時間旅行」、「おもちゃ箱×玉手箱」、「じゅもん÷安堵感」、「新定義+方程式」で分類展示されました。 
 またMUトレンドエリアには164点、さらにサステナビリティ・プロジェクトには93点の生地サンプルがピックアップされたとのことです。

 まずはJOBに新規出展した企業をご紹介していきましょう。

ブルールーム
 播州産地の播、尾州産地の御幸毛織、遠州産地の成和第一産業と児島産地企業による日本の織物産地プロジェクトが「ブルールーム」です。2019年秋冬PTJ(このブログ2018.12.21付け参照)で始動した産地間のコラボコレクションで、今回MUに初出展しました。

Img_17321  新しく目立った提案は「Mr. セルビッチ」をブランドコンセプトにした生地で、すべてシャトル織機にこだわった素材です。バイヤーの反応は上々のようでした。

森川レース
 福井市を本拠とするラッセルレースのメーカーです。
Img_17381 世界に一台しかない日本マイヤーのラッセルレース機によるオリジナルのレースを開発されています。
 この機械でないと出せないソフトな風合いが好評だそう。右はビロードのような表面感のレースです。
Img_17391_2  テキスタイルデザイナーの梶原加奈子さんも企画に携わっているとか。

 他にないビンテージ調のレースが印象的です。

渡縫織物
Img_18671  富士吉田産地の婦人服地メーカーで、シルク絡みの春夏物高級素材を得意としているといいます。
 これまで輸出は問屋経由で行ってきましたが、新たな販路開拓につながればと、MUに初出展したそうです。
Img_18661_2  今回は「ビッグ・ホール(大きい穴)」をテーマに、「こもれび」ジャカードを提案。
 ぼんやりとした木の影やこぼれ落ちる太陽の光をイメージした透け感とマット感のコントラストが興味深いジャカードです。

山陽染工
 JETROの欧米向けテキスタイル輸出商談会に参加し、Img_18911今回初めてMUに出展したといいます。
 強みはインディゴデニムの抜染技術です。
 カラーデニムでは、日本独自の弁柄染め(右写真)や柿渋染めが人気だったといいます。

篠原テキスタイル
Img_18791  テンセルデニムなど、きれい目系のデニムを中心に、MUでも評価を得たいと初参加したとか。
 ドビーデニムや合繊混の高密度なものなど。
 右はトレンドエリアに出品した綿100のパイルデニムです。

東紀繊維
 Img_17431ローゲージのビンテージ調のカットソーが得意で、吊編み機使いも特徴です。
 長年PVに出展していて、MUは初出展です。今回はPV出展のものとは異なる生地、たとえばスポーティな合繊混やインディゴ染めなどを出品していました。

日本綿布
 PVにも出展していましたが、MUは初出展です。

Img_18941jpg  人気のセルビッチデニムを中心に、同社得意のジャカード・デニムも提案。リサイクルデニムなどエコ関連のものなど、幅広い品揃えです。

ヤギ
 今回MUに初出展し、PVにもそのまま出展するとのこと。

Img_18771  サステナビリティを意識して、リサイクルコットンやオーガニックコットンなどエコなカットソーや布帛を披露していました。

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2019年2月13日 (水)

ミラノ・ウニカ⑸ 「サステナブル・イノベーション」

 今期ミラノ・ウニカ(略称MU)では“サステナビリティ・プロジェクト”がメインテーマとなりました。これはMU会長のエルコレ・ポッド・ポワーラ氏が開幕式で述べた通りです。とくにこの2月展は「サステナブル・イノベーション(SUSTAINABLE INNOVATION)」をテーマに、「プロセスの革新」、つまり環境保護を目指す生産組織の役割をクローズアップしています。
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 このプロジェクトは2017年に構想され、2018年2月展で「地球を守る (Save The Planet)」、2018年7月展で「我々の未来は持続可能か (Is our future sustainable?)」に続くものです。トレンドエリアに隣接して設けられたエリアでは、昨年同期比約3倍の約120社700点の生地サンプルが展示されました。来訪者の関心も高く、ブースではサステナブルな素材を求めるバイヤーが目立ったといいます。

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 それではサステナブルな素材とはどのようなものなのか、「プロセスの革新」へと進化した「サステナブル・イノベーション」の展示内容を、テキスト資料を基にまとめてみましょう。

 まずその主要分野となっているのは、人間の健康に有害な化学物質の除去です。展示されたサンプルの67%は、製造工程からの有害化学物質の除去に関する主要な認定、規格、またはプロトコルに準拠した工程で製造されているといいます。また企業別にみると、出展した4/ 3以上の企業が、有害化学物質の除去に関する認証要件を満たす1つまたは複数のサンプルを提示していて、これにより多くの企業が化学プロセスに注意を払っていることがわかりました。
 次に循環型サンプルでは、リサイクルに由来するものが30%、オーガニック材料によるものが25%となっています。循環型生産モデルに沿うビジネスを行っている企業の59%がリサイクル材料を使用し、またほぼ半分の47%が有機材料で製造されたサンプルを提案しているといいます。
 これらの中でとくに重要とみられているのが、持続可能な統合的プロセス管理です。23%の企業が、潜在的な不適合を改善するための監視、報告およびプロセスを含む企業管理システムを導入し、21%がエネルギーまたは水効率システムを導入しているといいます。こうしたシステムにとくに注意を払っている出展社は、全体の3分の1に上るそうです。 Milano_unica_28_sustainability_pr_4
 さらに主な基準やプロトコル、認証で、もっとも多いのが有害化学物質の除去で、Oeko-Tex®認証および有害化学物質排出ゼロ(ZDHC)グループの基準です。次いで有機材料に関するGOTS(グローバル有機繊維標準)認証、それに続くのがリサイクル由来の材料に関するGRS(グローバルリサイクル標準)認証です。企業の持続可能性を重視した管理システムを備えた事業の認証では、ISO14001、Step by Oeko-Tex®およびEMAS認定が採用されているといいます。

 またしてもサステナビリティの重みが増したMU。革新と責任ある未来に向けた各社の取組みとそのさらなる進展が注目されます。

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2019年2月12日 (火)

ミラノ・ウニカ⑷ 20年春夏「ミュージック・メニュー」

 「“心地よいミュージックに美味しい食事” で人生を楽しく!」 今回のミラノ・ウニカでは2020年春夏シーズンに向けて、そんなちょっと快楽主義的とも思えるファッション・メッセージが発信されています。
 「ミラノ・ウニカ  ミュージック・メニュー」と題された、そのコンセプトは二つ、すなわち音楽と料理です。両者が伝統との強い絆を守りつつ、イマジネーションあふれる未来へ飛び出していくというものです。
 ミラノ・ウニカ(略してMU) アーティスティック・ディレクターのステファノ・ファッダ氏は次のように語っています。「未来の大都会で幸せなひとときを空想してみましょう。そこにはリズムと味覚が溶け合うおもてなしのシーンが広がります。料理という幾千年もの歴史をもつ文化と新しい世代の音楽が一つの共通した次元で出会うことで、これまでに見たことがないようなクリエーションがつくられるでしょう。」

 MUトレンドエリアでは、音楽から閃いたという料理のイメージから、伝統と実験、過去と未来を融合させる重層的なトレンドが3つ、提案されていました。テーマにはいずれも100年後を連想させる名称が付けられています。未来のファッション・シーンへのストーリーが広がって、印象的です。

<2080 クスクス・ラップ>
 80年代のラップミュージックと北アフリカ料理のクスクスの豊かさを結びつけたもの。
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<2070 ファンキー・タブーリ>
 70年代のディスコミュージックとレバノンのもてなし料理からの発想。
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<2050 ボンボン・ジャズ>
 50年代のジャズクラブとフランスのボンボン菓子からのアイデア。
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2019年2月11日 (月)

ミラノ・ウニカ ⑶ イタリアのテキスタイル産業は安定基調

 この2月、日欧EPA(経済連携協定)が発効されました。これにより繊維製品では輸出入における関税が即時撤廃されたのです。EUとくにイタリアと日本の距離がより近くなりました。
 そこでイタリアのテキスタイル産業の動向を、ミラノ・ウニカ(略称MU)のリリースに掲載されたイタリア総連盟ファッション研究センターが行った推計から簡単にお伝えします。

 イタリアのテキスタイル産業の2018年売上高は78.6億ユーロで安定基調にあるといいます。それは輸入が減少(5.9%減)し、輸出が微増(0.3%増)したからで、これにより貿易収支の黒字額が5.5%増と大きく増えたことが挙げられています。
 イタリア製テキスタイルの輸出相手国では、香港と中国が経済の鈍化の影響はあるものの、それぞれ6.1%と3.0%増加して、トップの座を守っています。日本も11位で8.6%増、逆に減少したのはアメリカやドイツ、スペイン、英国などです。
 イタリア製テキスタイルの輸入相手国では、中国とトルコが減少しています。とはいえ両国だけで45%以上を占めるそうです。日本からの輸入は15.5%増と大幅に増えていて、全体の12位です。今後さらに増えることを期待したいですね。

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 上は調査した部門ごとの生産高を、図に表したものです。
 全体にイタリアは毛織物の割合が大きく、テキスタイルの輸出でも毛織物が梳毛・紡毛とも伸びているといいます。綿織物はニット生地と同様、減少していて減少幅も二桁台とか。イタリアは毛織物の国であることを改めて理解しました。

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2019年2月10日 (日)

ミラノ・ウニカ⑵ 日本パビリオン出展10回目記念イベント

 今期ミラノ・ウニカ(略称MU)で、ジャパン・オブザーバトリー(日本パビリオン)は出展10回目の節目のシーズンを迎えたといいます。あれから5年の歳月が流れたとは、月日の経つのは早いものです。今ではMUの顔の一つとしてなくてはならない存在になっています。
 これを記念して初日の5日、次の二つのイベントが行われました。
 一つは連続出展者へ表彰式です。
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 宇仁繊維、スタイレム、東レ株式会社、古橋織布、八木通商の5社に、それぞれトロフィーが贈られました。

 もう一つはこの日の夕べに開催されたMUと共同企画のレセプションです。
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 冒頭、スライショーで過去9回を振り返りながら、和太鼓が演奏されました。
 和太鼓のパフォーマンスは力強く、なかなか格好良かったです。

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 この後、ポワーラMU会長や三宅理事長ら、関係者全員が法被をまとって登場。樽酒鏡開きが催されました。
 祝杯を上げ、つめかけた大勢の来場者に和テイストのフィンガーフードと日本酒がふるまわれ、日本ならではのひとときを楽しみました。

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2019年2月 9日 (土)

ミラノ・ウニカ⑴ 開幕式 サステナビリティとe-milanounica

 2020年春夏ファッションテキスタイルの見本市、第28回ミラノ・ウニカ(MILANO UNICA  略してMU)が、この5~7日、ミラノのフィエラ・ロー会場にて開催されました。
Img_13021jpg  出展社は421社でそのうちの約20%にあたる80社がイタリア以外の外国企業とのことです。これに日本と韓国の出展社、それぞれ31社と15社を加えると、参加出展社の総数は昨年2月展並みの467社、また来場社数も約6,000社と昨年2月展とほぼ同じレベルと発表されています。(雰囲気としてはこの数よりも少ない感じでしたが---。)

 開幕式では、MU会長のエルコレ・ポッド・ポワーラ氏が挨拶、その後シンポジウムが行われました。モデレーターはポワーラ氏、パネリストはEuratexサステナブルビジネスの責任者マウロ・スカーリア氏、ピッティ・イマージネ代表取締役ラッファエッロ・ナポレオーネ氏、ICE理事長ロベルト・ルオンゴ氏の各氏です。
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 シンポジウムでは大きく二つのテーマが取り上げられました。
 一つは、前回から続くサステナビリティを掘り下げた“プロセスの革新”です。とくに今回は環境保護を目指す生産組織の役割がクローズアップされました。そのポイントは、これまでの製品の持続可能性を追求する段階から、より発展した経営プロセスや機能の持続可能性という総合的な追求へと舵を切ることといいます。

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 トレンドエリアに隣接して開設された“サステナビリティ・プロジェクト”はそのライトモチーフ(上の写真)です。3回目を迎えて、約120社から総数約700点のテキスタイルと服飾付属品のサンプルが展示される中、長期的な目標や改良の課題、モニタリングやレポート計画の設定、持続可能な統合的経営システムの採用を進めている企業にスポットが当てられました。データによるとそうした企業は、危険な化学物質を用いない生産工程(65%以上)や、循環的な生産モデルの採用(20%以上)、生産プロセスやエネルギー、水の節約の統合的管理への先進的取り組み(33%以上)を実施しているといいます。
 ここではサステナビリティを広義でとらえることの重要性が改めて指摘されました。オーガニック素材やリサイクル合繊とかバイオ合繊の使用は、サステナビリティの一部として大切です。しかしそれ以上に肝要なのが、原料から製品に至るまでの工程や透明なトレーサビリティ(追跡可能性)、労働環境などを含む全体への考慮といいます。
 これからは循環型社会という考え方を、つくり手から使い手まで、広く認識していく必要があると強調し締めくくりました。

 もう一つは 、新たに立ち上げたマーケットプレイス“ e-milanounica”のトピックです。いつでもどこでもどんなデバイスからもアクセス可能なデジタル・プラットフォーム で、このプロジェクト自体は2年以上前にMU365として構想されていました。このほど改めて、MUとピッティ・インマージネの間のシステム・パートナーシップのもとで実現したものといいます。
 サイトはMUの今会期終了後の8日、パイロット版がスタートし、2019年7月には完全版が公開される予定になっています。eコマースではありませんが、B to B(企業間取引)の情報ツールとしてバイヤーが事前に生地をチェックできるメリットがあります。
 現在60社が参加しているとのこと。MU出展社を対象に、オンラインへの生地サンプルの掲載は一社20点まで、また撮影も無償で行われるといいます。日本の出展企業はまだ準備不足のようでしたが、マーケティングやプロモーションなどあらゆる側面からバックアップが得られそう。今後の展開が期待されます。

 最後に、日本ファッションウィーク推進機構(JFW)の三宅正彦理事長が登壇しました。
043_cerimonia_inaugurale_4500px_mu2 今回で出展10回目を迎えた日本パビリオンへの感謝の念を述べられ、「日本はハイテクとローテクの高い複合技術を持っています。日本人の繊細な感性や生産現場のモラルの高さに支えられてつくられた日本独自の生地を触りに、日本パビリオンにぜひ足を運んでいただきたい」と語られていたのが印象的でした。

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2019年2月 8日 (金)

世界最大級のスポーツ見本市 ISPOミュンヘンを訪れて 

 今、スポーツが世界的なムーブメントを起こしています。そこで今回の欧州出張ではミラノへ行く前日の4日、ミュンヘンに立ち寄りました。ちょうどこの時期、世界最大級のスポーツ用品の見本市「ISPO(イスポ)ミュンヘン」が開催されていたからです。
 ミュンヘン空港は大雪が降った後で、一面の銀世界でした。雪をかぶった木々が朝日で輝いて見えました。
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 会場のメッセ・ミュンヘンはモダンなつくりで、何といってもその巨大さに圧倒されます。総面積は34万㎡(東京ドーム7個分、パリ・ノール見本市会場をすべて使ったときより広い)とか。ここに昨年実績で世界の50ヶ国以上、約2,800ものブランドが出展し、84,000人が来場したといいます。(なお終了後のプレスリリースによると今回の来場者は80,000人と発表されています。)場内にはスノースポーツ、アウトドア、ヘルス&フィットネス、アーバン、チームスポーツ、ビジョン、トレンド、イノベーション&インダストリーサービス、製造&サプライヤのエリアがあり、出展社のブースも一つひとつが大きいのです。初めて訪れた私でしたが、とうてい一日では回り切れません。面白そうなところを覗いてみただけでしたけれど、話に聞いていたこのスポーツイベントISPOのスゴさを体感しました。

 私の興味はやはり日本のメーカーです。全体に日本からの出展が目立っていました。入口付近にかかっていた大型ポスターも、日本企業のものが多かったです。

Img_06411  東レのDermizax(ダーミザックス 高機能膜により最高レベルの防水性、透湿性、低結露性を達成したラミネート素材 <写真上>)や、Img_06151jpg 帝人のNanofront(ナノフロント 髪の毛の7500分の1の細さのマイクロファイバー<写真右の手袋は本物のスエード革そっくり!>)、旭化成のROICA(ロイカ  ストレッチファイバー)、YKKのファスナー、島精機の横編み機が目につきます。シンドークラフトエボ田村駒なども大きなブースを構えて最新素材をアピールしていました。

 中でも私が注目したのがISPOアワードです。ゴールドウインがスノースポーツ分野でISPOアワード金賞を受賞しました。これは昨年に続いて二度目の受賞です。
 Img_06401  ゴールドウインのエントランスでは、受賞した女性用スキージャケット「G-Fides Jacket(ジーフィーデスジャケット)」が展示されていました。襟元を包み込むような前立てなど、体を守る信頼感のあるデザイン性と、インナー素材に環境負荷の少ないリサイクルダウン「グリーンダウン」を使用していることも高く評価されたようです。

 またデサントの「水沢ダウン」もアーバン分野でまたしても2019ISPOアワード金賞を受賞しています。これはISPOでもう何度も金賞を受賞している有名なジャケットです。

  さらに釣り具のダイワのファッションブランド、ディーベック(D-Vec)のレインジャカードジャケットも、アウトドア部門アパレルでWINNERを受賞しました。これは同社初の快挙です。日本の技術の高さを世界にまたしても知らしめたと言えるでしょう。

 もう一つ、ブースで目にしたのが、J-ヴィレッジです。
Img_06561  ここではタキヒョーが、アウトドアスポーツ素材としてエコ・フレンドリーを打ち出していました。コットンや麻、ウールといった自然素材使いで差別化をアピールしていたのが印象的です。

Img_06551  J-ヴィレッジではもう一つ、ミツヤコーポレーションのTriporous(トリポーラス)にも目がいきました。これはSONY(ソニー)が稲の籾殻(もみがら)から開発した多孔質炭素材料で、真っ黒なワタ状の繊維も展示されていました。活性炭以上に強力な消臭効果があるそうです。しかも原料は廃棄された籾殻ということで、環境配慮も訴求していました。

 ISPOの新しい取り組みとしてE-スポーツの展示ホールも、人気を集めていました。

Img_06871  上はその一つで床のマッピングをプレーヤーが追いかけるゲームです。E-スポーツにもいろいろあるのですね。ほんとうにびっくりです。

Img_08301  トレンドエリアのテックストレンドコーナーも充実した展示内容でした。
 ここではシーズン別にメガトレンドのテーマだけお伝えします。ISPOのHPではカラーやテキスタイルが詳細に紹介されています。
 2020春夏は、エモーション(EMOTION)、ビッグバン( BIG-BANG)、オールド・スクール(OLD SCHOOL)。
 2020-21秋冬は、スマート(SMART)、ビリーブ(BELIEVE)、エモーション(EMOTION)。

 早くも2021年に向けたトレンドも出ていました。
 2021春夏は、ストリーム(STREAM  AIやロボテックス)、サイケ(PSYCHED  サイケデリック調)、バリュー(VALUES  ビンテージの価値)。
 2021-22秋冬は、コード(CODE  デジタルなライフスタイル)、モジョ(MOJO  サステナビリティへの新しいアプローチ)、フリー・フロー(FREE FLOW  国を超えてシェアリングへの潮流)。

Img_07991  上は今季2020-21秋冬トレンドのトップ10コーナーです。白木の舟型の台がセクター別に10台並び、その上にトレンド・ベストと思われる生地が展示されていました。セクターは次のようです。ベース・レイヤー、セカンド・レイヤー、アウター・レイヤー、インシュレーション、エコ、ストリート・スポーツ、メンブランス&コーティング、ソフト・エキップメント、トリム&アクセサリー。
 全般に、サステナビリティやハイブリッド・ナチュラルファイバー志向で、カラーやプリント、テキスチャーでクリエーションをアップデートする方向。温度・湿度の調節や消臭・抗菌、パワーストレッチ、強度、速乾など様々な機能でパフォーマンス性を上げたテキスタイルが人気となっていました。
 Img_07311_2 ものづくりの現場を再現したコーナー展示も見られました。

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2019年2月 7日 (木)

目白ファッション&アートカレッジ 80周年記念パーティ

 学校法人ミネルヴァ学園目白ファッション&アートカレッジが創立80周年を記念して、この2日、華やかなパーティを東京・青山スパイラルホールにて開催しました。ドレスコードが設定されたこともあり、会場は普段と違って、イブニングドレス姿やタキシードスタイルの紳士・淑女でいっぱい!

Img_0580  何と言ってもパーティのピークは小嶋昭彦理事長・校長ご夫妻のダンスでした。
 相当練習されたのでしょう。ライブバンドのミュージックに乗ってダンスされる姿は、ほんとうにすてきでした。

 同校の卒業生で「モトナリオノ(motonariono)」ブランドを手掛ける、ファッションデザイナーの小野原誠さんのコレクションも披露されました。
 女性心をくすぐるような素晴らしいドレスが次々と登場し、さすがの実力!
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 冒頭に行われた学生作品も、そのクオリティの高さにびっくり!
 アートなオリジナリティにあふれていると同時に、実際の商品として扱えるリアルクローズに仕上がっていました。
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 これも小嶋先生を始めご関係の皆様のご努力の賜物です。80周年、心より祝福申し上げます。
 思い出に残るスペクタクルな夜を堪能し、お招きに感謝しつつ---、ますますの発展を祈って会場を後にしました。

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2019年2月 6日 (水)

大阪・泉州こだわりタオル展 「アクア・フィニッシュ」訴求

 大阪・泉州の最高級タオルが一堂に勢揃いする「大阪・泉州こだわりタオル展」が、この1日と2日に東京駅前の丸キューブで開催されました。
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  この泉州・泉佐野市周辺は日本タオル産業発祥の地であるそう。今回はその伝統を改めて打ち出していました。それは泉州ならではの後晒しタオルで、豊かな伏流水を使って繰り返し洗浄し、高吸水なタオルに仕上げるという製法です。「アクア・フィニッシュ」の名称で訴求していたのが印象的です。

Img_05101  大阪府出身で2019準ミス・インターナショナル日本代表となった寺西麻帆さんとのミニトークも開催されました。寺西さんは、タオルの始まりが手ぬぐいにあったことに驚かれていた様子でした。泉州タオルを実家に持ち帰って手ぬぐいとサイズを比較したら全く同じだった、などと楽しそうにタオル談義されていました。

Img_05021  会場で目に付いたのがツバメタオルのコーナーで「ファノン」。水溶性ビニロンを用いない無撚糸で織り上げたという、ふわふわの肌に優しいタオルです。

Img_05131jpg  また「クレディア」は、スーピマ綿を使用した、精紡交撚の極甘撚り糸使い。軽くボリュームがあって、機能的な使いやすさと優美さのあるタオルです。

 この他様々な新作が展示されていました。
 アンケートに答えるとタオルをプレゼントしてもらえるサービスもあって、にぎやかな会場風景でした。

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2019年2月 5日 (火)

文化ファッション大学院大学ファッションウィーク

 今年もファッション分野に特化した独立大学院、文化ファッション大学院大学のファッションウィーク(BFGU FW)」にご招待していただきました。
 まずシンポジウムが行われ、「変革するファッション・プラットフォーム」をテーマに、話題のプラットフォーム・ビジネスを展開する企業の代表や、モデレーターの文化ファッション大学院大学ファッションマネージメント専攻教授 首藤眞一氏が登壇しました。
Img_04241_2  パネリストはアマゾンジャパンのバイスプレジデント、ファッション事業部門 統括事業本部長のジェームス・ピータース氏、エアークローゼットの代表取締役兼CEOの天沼 聡氏、それにシタテルの代表取締役兼CEOの河野秀和氏です。
 最初にジェームス・ピータース氏が、アマゾンの3つの柱という、品揃えと価格、最高のカスタマーサービスについてスピーチ。ファッション分野での成長も著しく、取引ブランドは2018年、1,000社以上といいます。
 次に天沼 聡氏が、これまでにない洋服と出会うシェアリングの楽しさを、最後に河野秀和氏が衣服生産のプラットフォームについて述べられ、近未来のファッションビジネスの世界をディスカッション。
 時代は今、大きく変わろうとしていることを改めて感じさせられました。

 次にファッションデザインコース2年次修了のファッションショーが行われました。
 一人ひとりがテーマを持ち、作品を発表するランウェイ形式です。10名のうち9人が外国人で、日本人デザイナーは、唯一人、石川智弘さんだけでした。

Img_04631 上は石川智弘さんの作品、“IF I MOVED ME”。不完全のバランスが見事でした。

Img_04781jpg  上はペンウォンシリペンワディさんの“KINOKO”テーマの楽しい作品です。

Img_04911  全体にレベルの高い、素晴らしいコレクションで、感銘しました。

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2019年2月 4日 (月)

播州織総合素材展2019 ⑵ 播州織コレクション・ショー

 先般の「播州織総合素材展2019」では、ブース展示ともに「播州織コレクション2019」のファッションショーが行われました。
 デザイナーは、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会に所属する3名です。播州織を使用した製品を試作し、発表しました。

ELZA WINKLER(エルザ ウィンクラー) 中井英一朗
 古典的、伝統的な視点に立ち、服としての完成度に最大級のこだわりを持っているというデザイナーの中井氏です。先染めのストライプ地をエレガントで美しいシルエットのドレスに仕上げていました。
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ARCH∧BES(アークビス) 丸谷 宏

 播州織のアーカイブ作品を基に現代的に再構築した新しいスタイリングを提案しています。
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∧TSUSHI N∧K∧SHIM∧(アツシ ナカシマ) 中島 篤

 伝統的な生地にモダンなデザインを掛け合わせたり、反対に近未来的な生地にクラシックなパターンを用いたり、オリジナリティを彷彿させるコレクションでした。
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  さらに、もう一つ、繊維産学協議会の産学コラボレーション事業で播州産地が取り上げられたことから、審査を通過した学生作品も披露されました。
Img_04141  上は最優秀賞に選ばれた文化服装学院のアスク/ASKと題したコレクションです。異常気象など最近の環境の変化を警告していました。このブログ2018.12.22付け記事もご参照ください。

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2019年2月 3日 (日)

播州織総合素材展2019 ⑴ 「先染めに魅せられて」

 兵庫県北播磨地域(西脇市、加西市、加東市、丹波市、多可町)で江戸時代から育まれてきた先染め織物が「播州織」です。その「播州織総合素材展2019」が、1月29日~30日、東京・秋葉原のアキバスクエアで開催されました。22社・団体が「先染めに魅せられて」をテーマに出展し、ブース展示とともに、ファッションショーを併催、産学コラボレーション事業の学生作品展もあり、産地の総力を結集して見せた展示会でした。

Img_04101  上は、播州織の新商品試作生地コーナーです。「進化 evolution」と題して、サステナブル(持続可能)、かつクリエイティブ(創造的)な新作が展示されていました。たて糸やよこ糸で変化をつけたり、ドビーやジャカード、ファンシーカットなどで表面感のある織組織にしたり、加工技術を駆使したり、一点一点に、表情にこだわりが感じられて印象的でした。

 出展企業のブースをいくつかご紹介します。
ozawa (オザワ)
 創業100年を節目に「オザワ繊維株式会社」から「株式会社ozawa」に社名を変更。これをきっかけに、新しい発想の商品づくりにチャレンジされています。それが播州織のストールで、テーマはフランスのワインの銘醸地「テロワール(Terroirs )」。世界最高峰と評されるワインの産地であるフランス・ブルゴーニュとシャンパーニュの巨大な地図をプリントした大判ストールが所狭しとディスプレーされていました。素材はシルク/綿のちりめんのような表面感のある生地で、何とも優美! 価格は48,000円で、国内でもまたフランスでも人気とのことでした。
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服部テキスタイル
 350cmを超える広幅の高級ホテルリネンを国内で一貫生産している、日本で数少ないホテルリネンのメーカーといいます。高級細番手高密度の綿100%ベッドリネンや、先染めヨーロッパリネンなど、想像を超える超高級品を生産されていて、ラグジュアリーなホテルに製品を供給しているとか。エジプト超長綿の「410TC」と表示された80番手糸使い、密度250×80の生地は、ほんとうにしなやかでびっくり!しました。
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東播染工
 若手テキスタイルデザイナー6人展「ニ・ナウ」(このブログ2018.11.29付け参照)でおなじみの同社です。今回は「アース&クラフツ」をテーマに、オリジナリティの高い生地を見せていました。とくに生成りを活かしたものや染色加工にサステナブルを意識した提案が興味深かったです。
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カゲヤマ
 同社オリジナルのストック生地は、約400品番(2,000点)あり、1反から販売・出荷が可能だそう。Img_04021「展示会ベースで数量が見込みにくい」、「基本ロットに満たない」といった悩みを抱えたバイヤーに、それぞれのニーズに合った生産システムを提案しているといいます。
 右は今季人気というアフガンチェックジャカードです。綿100%。

島田製織
 綿細番手のバリエーションの豊かさで定評のある同社。 今回は日本の職人の技が詰まった伝統的な素材、Img_03461jpgよろけ織やしじら織などをベースに開発した新素材が注目されます。またファクトリーブランドの”hatsutoki”も新作を発表。
 生地は全てバイオーダーでの生産だそうで、オリジナルを一緒につくっていきましょう、と呼びかけています。

桑村繊維
 多彩な先染めを提案されています。
Img_03951  今回は、製品の写真付きサンプル・シートを使って紹介していたのが目に留まりました。バイヤーにとってわかりやすい、これも一つの良い方法ですね。

藤井福織布
 創業75年を越えるジャカード織を中心とした織物工場で、宇仁繊維と提携して生地を販売されています。
Img_03511 今シーズンはとくにカットジャカードが人気のようです。
 右のような洗練された小粋な葉柄など、ドレスにぴったりなものがたくさん展示されていました。

丸和商事
 同社グループの元となる植山織物の創業から70周年を迎えたシャツ生地メーカーです。プルミエールヴィジョン・パリに出展し、Img_03561jpg表情豊かな風合いで人気を集めています。
 今回も伝統のチェックに刺繍を施すなど、仕上げに工夫を凝らした先染めの提案が人目を惹いていました。

丸萬
 明治34年の創業といいますから播州産地ではスゴイ老舗。様々な試練を乗り越えて現在、播州織をリードする素晴らしい素材を生み出している注目のメーカーです。

Img_03371  今回もブースでは、クリエイティビティあふれる大胆なジャカード織を多数揃えて提案していました。

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2019年2月 2日 (土)

第5回ウェアラブルEXPO⑷ AIはビジネスをどう変えるか

 先般開催されたウェアラブルEXPOでのセミナーで、日立製作所フェロー 理事 矢野 和男氏による特別講演が行われました。
Img_01501  テーマは「AI(人工知能)はビジネスをどう変えるか」です。最近、AIで仕事がなくなるなどと言われるようになり、この問題への関心が高まっています。私も興味津々、受講しました。

 前半はAIの本質についてです。これまでは全てにおいて標準化が重要なテーマでしたけれども、これからは「ルール志向からアウトカム志向へ」変化する時代となっていく。こうした様々な変化に適応するにはAIがもっとも適しているといいます。
 アルファ碁が人間を制したように、AIは自ら学習して進化する頭脳になっていくというのです。ブランコや鉄棒をするAIなど、そのいくつかの例を動画で見せていただき、その能力に驚嘆させられました。倦まず弛まず同じことを繰り返していくうちに、あるときからAIは人間が思いつかないようなことを見つけて実行していくのです。スゴイ学習能力です。それまでのルールを置き換えていくとは! ちょっと空恐ろしくなります。
 後半はこのAIが人をルールから解放し、人を幸せにするというお話しでした。「えっ、それほんとう?人の幸せを測れるなんて」とびっくりです。でも実際、矢野氏のチームでは、職場で働く人たちのハピネス度を測っているそうです。そうすることで、仕事の効率がよくなり、業績が上がったといいます。
 元半導体の研究をされていたという矢野氏、ご自身の手首にリストバンドセンサーを着けて9年間、身体運動を計測して、楽観的なときと悲観的なときを比較したそうです。幸せの感じ方というのは、人によって違いますけれど、不幸せなときというのは身体行動が似通っていることを発見。その組み合わせ方で幸せ度を測ることができるといいます。それを画像で紹介していただき、なるほどと思ったことでした。

 これから人はAIで気づきを与えられ、ビジネスで成果を出せるようになるのかしら---。ハピネスは伝染するそうです。みんなハッピー、そんな風になれるといいですね。

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2019年2月 1日 (金)

第5回ウェアラブルEXPO ⑶ 繊維素材メーカーの新技術

 第5回ウェアラブルEXPOでは、着衣型ウェアラブルで繊維素材メーカーがさらに進化した新技術を発表していました。

帝人
 関西大学との協働により誕生した圧電組紐(このブログ2017.1.26付け参照)は、飾り結びや刺繍など、楽しいファッションアクセサリーとして大活躍しそう。

Img_00881  胸元の組紐はスマホと連動していて、紐を引っ張ると自撮りシャッタ―になるとか。紐の中に一本、色の無いセンサーが組み込まれているのです。この組紐のブレスレットなどもあり、脈拍などを計って体調管理をしてくれるといいます。
 それにしてもこんな小粋なセンサーなら、機械らしくないので、お年寄りでもそれほど抵抗なく身に着けられそうですね。

Img_00901jpg  またこの紐状のセンサーはとにかく強靭なので、サッカー用のスパイクシューズにも使われているそう。シューズが様々なキックごとに、その撃力をセンシングするので、トレーニングに役立っているようです。
 テニスラケットのガットにも使用されるなど、広がりを見せています。

 さらに「スマート消防服」も展示。断熱性に優れた同社のアラミド繊維使いで、センシングデバイスを内蔵した消防服です。消防士さんたちのリスクが少しでも取り除かれるといいなと思います。

東洋紡
Img_00971  
Img_01021jpg  以前から手がけているフィルム状導電素材「COCOMI」を訴求。厚さが0.3mmと極薄で、伸縮性に優れていて曲面にもフィットします。眠気検知システムや見守りシステムなど、心電図や呼吸状態、筋電図などを計測するウェアを展示。「爽快コット」など綿に対応するものもあって、充実した提案を見せていました。

クラボウ
Img_01041jpg 作業現場で働く方たちのリスク管理をサポートするシステム「スマートフィット (SmartFit)」を大きく展示していたのが印象的です。

 リアルタイムで“リスクを見える化”し、リスクを予防する様々な取り組みを拝見しました。技術の進歩に驚かされます。

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