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2019年1月14日 (月)

リシュモン ジャパン「ラグジュアリービジネスのこれから」

 リシュモンといえば、「カルティエ」や「ヴァン クリーフ&アーペル」「ピアジェ」「ジャガー・ルクルト」「IWC」「モンブラン」「ダンヒル」「クロエ」などのビッグブランドを傘下に持つグローバル企業です。売上は全世界の9%、LVMHに次ぐ第2位で、その半分はアジア市場に依存し、日本はその内の9%を占める重要な市場といいます。
 その日本法人、リシュモン ジャパンの代表取締役社長 三木 均氏による講演会が、先月初め、東京・渋谷のカラート71にて行われました。Img_92801jpg_3テーマは「ラグジュアリービジネスのこれから」で、ラグジュアリーマーケットはどう変化していくのか、普段は耳にできない貴重なお話しでした。要旨を簡単にまとめてみましょう。

 まずラグジュアリーブランドとは? からです。1990年代頃から高級品・高級ブランドに使われ出した言葉で、とくに定義はないそうです。とはいえそこには、①歴史があること、②世界流通していること、③アイコン商品や技術意匠があることの、3つの要素があることを指摘。ラグジュアリーブランドにはこれらが三拍子揃っていてそれ故に差別化されていると位置づけました。
 次にリシュモングループの現状についてです。同グループには現在、ファッションや宝飾品、時計類などのラグジュアリーブランドが20社あり、中でももっとも力を入れているのがハイジュエリーのビジネスであるそう。ハイジュエリーは今、資産価値として見直されているといいます。そこで顧客が期待する以上の豪華なイベントや贅沢なVIP向け企画を打ち出し、その魅力をアピールしていると実例を紹介。ブランドビジネスでは、必要性に駆られての“ニーズ”よりも、理屈ではない感情、“ウォンツ”を満たすことが肝要と強調しました。
 さらに今後の見通しです。
 一つはデジタル化で、米国ではラグジュアリーブランドの11%がE-コマースなのに対し、日本では1%にも満たないとのこと。これからは日本のE-コマース市場が飛躍的に伸びるとみているそうです。3年から5年以内にはすべてがバーチャル化する近未来の世界を予測、ビジネスの可能性はますます広がるといいます。
 もう一つはハイジュエリーのオートクチュール化です。ハイジュエリーもオートクチュールとほとんど同じ仕組みになり、その客にしか提供できない一つだけのモノをつくって、1対1で取引する時代になってくるといいます。これはまさにラグジュアリービジネスの究極の世界ですね。このためこれからはラグジュアリービジネスがサプライビジネスからデマンドビジネスになる、新しいリテールが予想されると言及しました。
 そこで浮上してくるとみられる2次流通にも触れられ、車における中古車市場のようなことがハイジュエリーのビジネスでも確立していくといいます。レンタルシェアもブランドのよさを認識できるという意義があり、それによりウォンツが生まれるとみているそうです。サステナビリティが話題の昨今、印象的なお話でした。
 この他ブランドの規模では、1兆円を目指すとしながらも、クオリティを担保しながら成長を促す、また中国市場もターゲットであり続けるなど、ラグジュアリービジネスの動向をつぶさに語られました。
 今後のヒントとなるキーワードも多く、予想以上に内容の濃い講演会でした。

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