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2018年12月14日 (金)

庭園美術館 旧朝香宮邸からアール・デコを再考する

 東京都庭園美術館は旧朝香宮夫妻の邸宅で、1933(昭和8)年に建造されたといいます。
Exotic181006_5   内部のデザインは、壁飾りから家具、照明器具にいたるまで、アール・デコとよばれる装飾様式で統一され、まさに"アール・デコの美術品"! 訪れるたびにその優雅さに魅了されます。
 この美術館で今、特別展「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」が開催されています。

 先般この関連企画として服飾文化学会主催の講演会「旧朝香宮邸からアール・デコを再考する」が行われ、参加しました。講師は同美術館の学芸員 関 昭郎 氏です。
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 アール・デコとは、いうまでもなく両大戦間期のフランスに花開いた装飾様式のことです。 旧朝香宮邸の室内装飾を手掛けたのはアンリ・ラパン(1873-1939年)という人物で、1925年のアール・デコ博覧会ではフランス大使館の応接サロンをデザインするなど、活躍したといいます。作品は今と比べるとかなり装飾的で、繊細な家具の意匠など、ときに装飾過多と思えるものがみられたりもします。
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 関 氏は、アール・デコを理解するには、この時代の精神を探ることが肝要と、次の3つの要素を挙げて解説されました。それは「古典主義(クラシシズム)」と「モダニズム」、「エキゾティック」です。古典主義は、18世紀のロココに代表される装飾趣味、モダニズムは、技術革新に導かれた単純化への傾向で、アール・デコの前身であるアール・ヌーヴォーも、フランスにおける前衛美術と結びつく新様式だったといいます。エキゾティックは、話題のジャポニスムから1931年の植民地博覧会まで、異文化とのぶつかり合いがもたらした美意識です。
 アール・デコはこれら3つの要素が複雑に組み合わさったスタイルと指摘、その多様性を紐解いていく必要があると語られました。当時も今と同様、“ハイブリッド”が盛んだったのですね。

 なお展覧会は3章構成になっています。1章「モードのエキゾティシズム」、2章「装飾のエキゾティシズム」、3章「パリ国際植民地博覧会と植民地主義の表象」です。国の重要文化財となった優美な邸宅に、フランスの美術館所蔵の国内初公開作品を含む約85点が出品されています。

1  ファッション関連の作品も、ポール・ポワレの中近東風のガウン(右)やロシア・バレエをヒントにしたポショワール(ファッション版画)、1925年にアメリカからやって来て時代のアイコンとなったダンサー、ジョセフィン・ベイカーのポスターなど、興味深い展示品を多数見ることができます。
 アジアやジャポニスムへの関心が高まっている現在、本展で多彩なアール・デコの表現を見つめ直してみてはいかがでしょう。開催は来年1月14日までです。どうぞお見逃しなく。

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