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2018年11月

2018年11月30日 (金)

19/20秋冬T・N Japan東京展「キララつややか」テーマに

  2019/20年秋冬ものテキスタイルを発表する「テキスタイルネットワーク T・N Japan 東京」展が、この10月17~18日、渋谷文化ファッションインキュベーションにて開催されました。
 この展示会は小規模ですが、各産地の選りすぐり職人技を持つ企業の合同展です。今回の出展は13小間27社で、いずれも付加価値の高いこだわり素材を出品していました。とくに今シーズンはテーマが「キララつややか」“光の反射と深い色艶・贅沢のすすめ”とあって、高級感のある見た目と感触の生地が多く見られたのが印象的です。

古橋織布(静岡県浜松市)
 昔ながらの低速のシャトル織機を使って織り上げた綿織物が人気。今回は虹のような光りを発するラメ糸使いの綿ツィードや、ポリエステルのフィルムヤーンを使用した生地の提案が目新しく思えました。
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福田織物(静岡県掛川市)

 同社得意の超細番手糸使いで、上品なしっとりとした光沢のコットンサテンを前面に展示。綿100%のしなやかに流れるような風合いが美しい。

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播州の機屋(播州織工業組合) 遠孫織布
 カラフルなジャカード織物が得意とあって、今シーズンはラメ糸使いのさらにファンタジックな印象の生地を多数見せています。
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渡辺パイル

Img_77461  タオル織機でファッショナブルなものづくりに挑戦している同社。
 こだわりの素材にラメ糸をつかった贅沢なタオル生地が注目されます。

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2018年11月29日 (木)

第3回「ニ・ナウ」 若手テキスタイルデザイナー6人展

 「ニ・ナウ(NI-NOW)」展は、テキスタイル産地の技術を継承し、次代を担うテキスタイルデザイナーたちが、自ら企画運営するテキスタイルの合同展です。(このブログ2017.12.14付けで、第1回展の模様を記事にしています。)
 第3回を迎えた今回も、10月18-19日の2日間、東京・代官山で、「ニュー・クラシック」をテーマに新作が披露されました。
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 参加したのは、4産地から6人の若手デザイナーです。愛知県・尾州の小島日和さん(テリハエル)、兵庫県・播州の穐原真奈さん(大城戸織布)、小野圭耶さん(東播染工)、山梨県・郡内の井上美里さん(槙田商店)、群馬県・桐生の川上由綺さん(桐生整染商事)、それに初参加の愛知県・一宮の大井理衣さん(葛利毛織工業)。
 
Img_78821 右は、東播染工の小野さんのコーナーです。
 色合いに気を付けながら原料を吟味、シャツ生地を中心に様々な素材に取組んでいるといいます。

Img_78741jpg  上はデザイナーによるプレゼンテーション風景です。
 代表の小島さんがメンバーを一人ずつ紹介、それぞれが意見を述べ合い、頑張っている様子が伝わってきました。
 産地を盛り上げようとしている若い人たちの存在、ほんとうに頼もしいです。

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2018年11月28日 (水)

2019春夏「PR01. 」トレードショー 注目のブランド

 今回もアマゾンファッションウィーク東京(AFWT)と同時期に、「PR01. 」トレードショーが、東京・恵比寿で開催されました。

Img_78591  「ワンオー」が主催する本展には、国内外から厳選49ブランドが出展し、3日間で2,500人の来場があったと発表されています。
 全体にアジア系やメンズ、ストリートブランドが多かったようです。こうしたなか、注目したレディスブランドを3つ、ご紹介します。

ティート トウキョウ(tiit tokyo)
 ブランドを手掛けるのは、岩田翔さんと滝澤裕史さんのデザイナー・デュオです。テーマは「レトロフューチャー」で、ノスタルジックな要素を上手く組み合わせて、今風のファンタジーに仕上げています。その手腕は、さすがですね。
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 AFWTでのランウェイショーを見損なってしまったので、ここで見ることができてよかったです。

カッティーシオマラ(KATTYXIOMARA)
 1999 年に北ポルトガルの港町ポルトで創業したという、ポルトガルを代表するブランドです。
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 パリやニューヨークでもコレクションを発表しています。
Img_78701 今シーズンは目の覚めるようなクリアな色調のシンプルでスポーティな感覚のドレスを提案。構成主義のポスターにインスパイアされたというプリントのドレスもエレガントで人気を集めそうです。

Furugi ni lace Rowrunder
 古着のリメイク風コレクションを見せるブランドです。レースやシフォンなどロマンティックな雰囲気の素材を、ニットやスエット、デニムなどにあしらったストリート感覚なワードローブが目に付きました。
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2018年11月27日 (火)

鈴木啓太さん新作ガラススピーカーのインスタレーション

  今シーズンのアマゾンファッションウィーク東京の期間中、プロダクトデザイナー鈴木啓太さんがデザインした新作のガラススピーカーのインスタレーションが行われました。
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 会場となったのはフリッツ・ハンセン東京・青山本店です。私もコレクションの合間にのぞきに行ってきました。
 テーマは「60 sounds, 60’s spirits」です。フリッツ・ハンセンが60年代モダンを復刻したというテーブルの上に、そのガラススピーカーが置かれていました。
Img_76991jpg  シンプルな丸みのある形で透ける花瓶のようなオブジェです。真ん中が凹んでいて、そこにスマートフォンを入れると、その音が拡張される仕組みになっています。
 ガラススピーカーからサカナクションの山口一郎率いるNFの60年代気分あふれる楽曲が流れて、心地よい音の空間を演出していました。 
 ガラスなので音がクリアに響きます。制作のきっかけとなったのは、スマートフォンをワインクーラーの中に入れたら、上手く共鳴したことだったとか。菅原工芸硝子とコラボレーションし、試行錯誤して誕生したといいます。名前は「exponential(エクスポネンシャル)」で、「指数関数」という意味。金管楽器の指数的な変化を表す言葉です。金管楽器のように時代を超えた存在になれるように、との思いを込めて名付けたといいます。
 電源不要で、いつでもどこでも音楽が楽しめて、お部屋の彩りにもなるガラススピーカー、一つ持っているとセンスが光りそうですね。

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2018年11月26日 (月)

国際福祉機器展 骨折を防ぐ「プロテクト介護機能衣料」

 先般、東京ビッグサイトで開催された国際福祉機器展で、ユニフォーム類の企画販売を手がけるメーカーのユニコ(UNICO)が出展し、「プロテクト介護機能衣料」を提案していました。
 これは、転倒で起こり得る骨折などの発生を低減・軽減することで二次的問題を予防することを目的とした、新しい発想の「転倒時衝撃軽減服」です。
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 デザインを手掛けたのは、小林由則さん。大手アパレルでパターンやデザインに従事し、中国企業のディレクターを務めた後、帰国して介護資格を取得。現在、介護の現場で介護機能衣料の研究開発を行っているそうです。
 企画構想4年、介護現場4年、サンプル開発2年を費やし、今回初出展したといいます。

 介護機能衣料といっても、見た目は普通のジャージ上下、つまりスウェット(トレーニングウェアともいう)です。生地は綿/ポリエステル混。
 ですから普段着として、いつでもどこでも昼夜を問わず、Img_72391jpgまた男女両用で着用することができます。東日本大震災の際、被災された方々にとってもっとも重宝した服は、ジャージだったという話を伺ったことを思い出しました。

Img_72321  プロテクトとあるのは、保護機能のあるパッド(右写真)が、肩や肘、膝、でん部、大腿骨部に縫い込まれているからです。これにはバイクなどのモータースポーツで使用されている保護ウェアのノウハウが取り入れられているそうです。シンプルで格好良く仕上がっているのは、この手法にあるようです。
 パッドは低反発性のあるウレタンのような素材でパンチング(穴あき)されていてしなやか、もちろん家庭で洗濯可能です。その衝撃吸収力については、伊藤忠ファッションシステム繊維技術室の落下衝撃試験で確認されており、現在特許出願中といいます。

 超高齢社会となり、思わぬ転倒で高齢者の約1割が骨折するというデータも出ています。大腿骨骨折で寝たきり----というのも他人ごとではなくなりました。
 この「プロテクト介護機能衣料」は、骨折を防ぐ必要最低限の保護を実現するもの。しかもスマートに見えます。誰もが「あったらいいな」と思うような服になるに違いありません。
 今回、出展して高評価が得られたという小林さん。今後の商品化や販路開拓への取り組みを期待しています。

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2018年11月25日 (日)

国際福祉機器展 信州大“着る”ロボット「クララ」4号機

 先般開催された国際福祉機器展H.C.R.2018で、信州大学繊維学部の“着る”生活支援ロボット「クララ (curara)」の最新モデル、4号機を発表する講演会が開かれました。
 講師は、2008年から長年にわたり開発に携わられている同大学繊維学部の特任教授橋本稔氏です。従来のモデルよりも軽量化、また小型化されてよりスタイリッシュに進化したクララ4号機がデモンストレーションを交えて紹介されました。
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 自分の足でもう一度歩きたい――。クララはそうした高齢者や障がい者の願いをかなえるロボティックウェアです。
Img_72021  右はそのスタンダードモデル(装着型)で、重量約4kgを実現。リハビリなどの施設での利用に向いているといいます。

 もう一つはパンツモデル(衣服型)で、パンツ部にロボットが内蔵されています。重量は約5kgですが、機器を装着しているとは思えないスマートな外観で、一度位置調整を行なえば、次回からは調整不要といいます。衣服のように穿くことができるので、住宅などでの個人利用におすすめだそう。
 (なおこの後聞いた話ですが、パンツモデルについて、フレックスジャパンが縫製をサポートするとのことです。)
 ともに専用のモバイル端末で簡単に操作でき、装着も専用の椅子に座って楽にできるようになり、一人でも使用可能になるように改良されているといいます。

 この“着る”ロボットの特徴は次のようです。
・身体を支えることはしない。支えると人はそれに頼って逆に歩けなくなる。支える機能がないことにメリットがある。
・軌道制御することで正しい歩き方を教示する。
・人の歩き方に合わせる。
・着脱が短時間でできるなど、使い勝手に優れている。
・拘束が少なく装着感がよい。
・ロボットらしくないので、生活環境に取り込みやすい。

 信州大学では昨年、このロボティックウェアの製品化と事業化を目指して、橋本稔教授を代表取締役に大学発ベンチャー「アシストモーション」を立ち上げています。医療機器としての臨床試験も始まっているそうです。今後は、さらなる軽量化と安全性、装着性に優れた量産化モデルのクララ5号機を開発し、2019年にモニター販売を行い、2020年から量産する予定であると語られました。

 今回も病院や福祉施設などから大きな手応えがあったというクララ。リハビリに取り組まれている患者さんたちに明るい希望をもたらしてくれるツールになることでしょう。ますます期待が高まります。

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2018年11月24日 (土)

「神々のやどる器―中国青銅器の文様―」展

 先日16日、東京・六本木 泉屋博古館分館にて「神々のやどる器―中国青銅器の文様―」展の内覧会が催され、タイトルに「文様」とあるのにつられて参加しました。中国文明にはなじみが薄かった私ですが、拝見して中国を身近に感じるようになりました。

 日本がまだ縄文の頃、中国では3,500年以上も前から青銅器がつくられていたといいます。その悠久の昔、青銅器は中国最古の王朝といわれる殷、その後を継いだ周の時代に、複雑な造形へ発達していくのです。
 施されている装飾は彫刻ではなく、すべて鋳造で、鋳型の凹みによるものであることにも驚嘆しました。精密さにおいて、それはまさに超絶技巧!そのものです。古代中国の工人たちの技術は、後世の中国のみならず日本の伝統的な金属工芸品にも大きな影響を与えているのです。

 本展の会場は大きく2つ、殷・周そして商の青銅器と秦・漢以降の青銅の鏡に分けられています。
   (写真の単体撮影は、今回特別に許可していただきました。)

  まず青銅器です。
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  青銅器は先祖を特別な器で手厚くもてなすために、儀式や祭祀用としてつくられたものだそうです。
 そこにあしらわれている文様は、獣を象ったものが多いのですが、単なる動物ではなくて、神の化身として表現されたものといいます。実在しない想像上の生き物、龍とか鳳凰のモチーフもたくさん見られます。

Img_87331 右は、「虎卣(こゆう)」で、商時代後期 前11世紀頃のもの。卣(ゆう)とは酒器のことで、この時代、食器が頻りにつくられたようです。
 これはトトロのような耳をした虎で、口の中に人が入っています。虎型の神様に人間が守られている様子を表したものといいます。脇には皇帝の象徴といわれる龍、把手はバクのような動物、象の鼻の形の尻尾が付いているのもおもしろいです。

Img_87231  右は、「戈卣(かゆう)」という背中合わせの二羽のミミズクを表現した器です。ちょっと内股気味なのもカワイイ。商後期の紀元前12世紀頃のもの。
 ここにも龍などいろいろな動物がいて、何がいるのか観察するのも楽しいですね。

 他にも鼎(かなえ)など様々な青銅器が見られます。

Img_87751  上の「鐘」は、西周~戦国時代にかけて制作されたもののレプリカです。叩いて音を楽しめますよ。

 次に銅鏡の展示です。
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 秦の始皇帝の時代から漢代に流行したのが、青銅の鏡だそうです。持っていると幸運が訪れるとのことで、当時のラッキーアイテムだったといいます。

Img_87971  右は、神人竜虎画像鏡という後漢中期1~2世紀のものです。外側四方に二神二獣が並んでいます。青龍と白虎が対置し、人物像は仙人への憧れを表しているとか。

Img_87901  右は、唐代8世紀頃の貼銀鍍金舞鳳凰八稜鏡です。鳳凰は徳の高い賢人を表す吉祥文様だそう。

 見終わって、十二支に見る動物など、改めて日本と中国の繋がりの深さに気付かされました。

 なお開催は12月24日までです。ご興味のある方はどうぞお早めに。詳細はWEBサイトhttps://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/ でご確認ください。

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2018年11月23日 (金)

「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」 内覧会

 今、東京・丸の内の三菱一号館美術館にて「全員巨匠!フィリップス・コレクション展」が開催されています。この1日、内覧会があり参加しました。
 フィリップス・コレクションは、1921年に開館したワシントンD.C.にある私立美術館で、米国で最も優れた美術館の一つといわれています。中核をなすのが、裕福な実業家でコレクターだったダンカン・フィリップス氏のコレクションです。その4,000点以上にも上る作品の中から、今回印象派以降の秀作75点が来ているのです。

 最初に案内されたのは、いつもと勝手が異なるミュージアムストアでした。ここの目玉となっているのが何とドールハウス---。フィリップス・コレクションのメインギャラリーを12分の1に縮小したミニチュアです。
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  このミニチュアは、モノクロの写真を基にミニチュア作家のHIROYUKI & KYOKOのお二人が制作したとのことで、内部の絵画も12分の1でつくられていて世界最小とか。精巧にできていて、まずはびっくり!

 ストアではポストカード64種類を用意。一枚150円(税込み)で、セット価格5,000円で販売もされています。

 館内ホールでは安井裕雄 学芸員と青い日記帳のTakさんによるトークが行われました。
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 興味深かったのは展示順で、ここでは作品が購入年順に展示されています。展示は一般に、画家順や風景画順などというように見せていくものだそうです。ところが本展ではフィリップス氏の目線に立って、現場をもろに体感していただきたいとの思いから、購入した年代順に、色彩や色調の似たもの同士を並べられているのです。

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 最初は1920年代で、モネに始まり、ドーミエやクールベ(上は1924年収蔵されたギュスタフ・クールベの「地中海」)、マネなどを見ることができます。

Img_84951jpg_2  ホールにはボナール作品が集められていて、上は1928年収蔵の「棕櫚の木」。ボナールの真骨頂といわれる絵ですね。フィリップス氏はこの頃、ボナールを好んで購入したといいます。
 フィリップス・コレクションはオルセー美術館に次いで世界第二番目に多くボナールを所蔵しているそうです。国立新美術館で現在開催中の「ボナール展」も見ておくといいなと思いました。

Img_85011_2  その横に1930年所蔵のゴッホの「アルル公園の入口」が展示されています。

Img_85041_2  1939年所蔵では、セザンヌの有名な「ザクロと洋梨のあるショウガ壺」もあります。

Img_85081  右は、Takさんおすすめのスーラの「石割り人夫」です。スーラっぽくないところがいいとか。
 1940年所蔵のものです。

Img_85351jpg_2  晩年には、1966年に購入したというブラックの「鳥」も見られます。本作はフィリップス氏にとって最後のブラックの作品となったとか。

Img_85321  フィリップス氏の死後、コレクションに加わったというピカソの三点の絵画と「女の頭部」(右)、ロダンの彫刻も展示されていました。

 この他、ユトリロやデュフィ、モディリアーニ、コロー、ゴーガン、アングル、ジャコメッティなど、一つひとつが全員巨匠! 見応えのある展覧会でした。

 なお写真は、撮影不可のものもありましたが、今回は珍しく一点ずつ必ず額縁込みで撮影する許可をいただきました。

 会期は来年2月11日まで。詳細はWEBを参照してください。https://mimt.jp/pc/

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2018年11月22日 (木)

19春夏AFWT アンリアレイジ「クリア」15周年の集大成

 パリに発表の場を移していたアンリアレイジ(ANREALAGE)が、ブランド立ち上げから15周年を迎え、AFWTの一環としてのプログラム、アット東京(AT TOKYO)に参加し、4年ぶりに東京でコレクションを発表しました。
 テーマは「クリア」です。ブランドを手がけるデザイナーの森永邦彦さんは、暗雲が晴れて澄み切ったクリアな心境で、これまでの仕事を見つめ直し、コレクションを制作したといいます。15周年を記念する集大成となるようなショーでした。
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Img_81711 アンリアレイジといえば、光と影をライトモチーフに、ハイテクノロジーをモードに採り入れた実験的クリエーションを展開しているブランドです。
 今シーズンも光を使った仕掛けによるショー構成でした。
 会場には巨大な壁が設置されていて、この壁の前にモデルが立ち、フラッシュが照射されると、色が黒から透明に変わり、影が壁に移るのです。光の当たり方で色や柄の見え方、また素材までもがハードからソフトヘ、少しずつ変化し、陰影に富む表情が引き出されていきます。
 その繊細で精巧な装飾も見事!
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 ショーの後半になると、ブランドの原点まで遡る全ルックが登場。その独創性に改めて感銘しました。
 進化するテクノロジーをファッションに落とし込む、森永さんの類まれな技量、これからもますます期待されます。

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2018年11月21日 (水)

19春夏AFWT リロト 甘さに辛口のスパイスを効かせて

 デザイナーの富塚尚樹さんが手掛けるリロト(liroto)は、昨シーズン、スタートしたばかりの新ブランドです。今シーズンもAFWTに参加して、2019春夏コレクションを北青山の小さな会場で開きました。
 薄暗い光の中、シンガーソングライターのカネコアヤノさんの弾き語りにのって、モデルたちが次々と登場します。
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Img_80911  ピュアな白の少女のようなスタイリングがあったかと思うと、黒や赤でちょっとセクシーな女性らしさを表現したものも。甘さに辛口のスパイスを効かせているところが、このブランドらしいところなのでしょう。
 フリルやギャザー、プリーツの入ったロングドレスをまとっていたり、トップスに幅広いパンツ姿だったり。
 オーガンジーやチュール、レースなどの透ける素材も多用されています。
 詩情あふれるカネコアヤノさんのやわらかな歌声が、今も心に残るすてきなショーでした。
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2018年11月20日 (火)

19春夏AFWT ミューラル「クリムト」の金箔と透ける魅惑

 ミューラル(MURRAL)が、AFWTの期間中、東京・代官山で2019年春夏コレクションを発表しました。手がけるのは、村松祐輔さんと関口愛弓さんです。
 ブランドネームのようにコンセプトは「壁画のように空間を包み込める服」といいます。いつもアートに因んだファッションを提案されているお二人が、Img_80541今シーズン選んだテーマは「クリムト」の絵画とか。
 とくにクリムトの名画「接吻」をイメージさせる金箔が多用されていたのが印象的です。
 その魅惑的ムードを強調するように、光りを放つ軽やかな素材や、PVCのような透ける素材、それにレースが、コントラストをつけて組み合わせられています。透けるポケットに花が入っているのも絵画的です。
 唇からはみ出すように塗られていたリップグロスのブルーも何とも妖艶で、独特な雰囲気をかもし出していました。
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2018年11月19日 (月)

19春夏AFWTメアグラーティア「不完全」な花に魅かれて

 AFWTの初参加したメアグラーティア(meagratia)が、渋谷ヒカリエで2019年春夏コレクションを発表しました。
 メアグラーティアは2011年にデザイナーの関根 隆文さんが立ち上げた新進メンズブランドです。
 今シーズンのテーマは不完全(incomplete)」で、花を題材に自然の中に生きる植物の魅力をクリエーションに落とし込んだといいます。
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 Img_80071無数のドライフラワーが垂れ下がり、スモークがたきしめられた神秘的な雰囲気のランウェイに登場したのは、花の精のようなモデルたちです。頭や顔、首などに花のモチーフを飾ったユニセックスなルックで、小花プリントのシャツやパンツ、ブルゾンなどを着こなしています。
 カラーは大自然の彩りを連想させるブラウンやカーキ、ブルーを中心にヴィンテージ感あふれる色あせた色調です。
 自然の温もりにしばし癒され、余韻に浸ったコレクションでした。
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2018年11月18日 (日)

19春夏AFWTヒロコ コシノ テーマは「変幻自在」

 「ヒロコ コシノ(HIROKO KOSHINO)」の2019年春夏コレクションが、AFWTの期間、恵比寿ガーデンホールにて発表されました。ファッションデザイナーのコシノヒロコさんは、アーティストとしても著名で、現在ニュ―ヨークで初の個展を開催中です。
 そんなコシノさん、継続的に新しいクリエーションを見せていますが、今シーズンも存在感のあるファッションで魅せられました。
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 テーマは「変幻自在」です。
Img_78931  登場したのは平面と立体、裏と表、男と女と相反する属性をもったものを一つに同居させたユニークなルックです。円形のランウェイ上に投影されたプロジェクションマッピングとも相まって、不思議な違和感のある「美」をつくり出していました。
 ファスナーを開くと真逆の世界が現れたり、布をねじり結んで歪んだ表情をつけたり、コートやジャケットをアシンメトリーに構成したり----。
 また山水画を軽やかな遊び心でキッチュに表現したプリントのドレスも印象的です。日本の伝統というと、お決まりの堅苦しいイメージがありますが、これはそうした閉塞感のようなものを打破しようという意図が込められているようです。
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 「違和感は違いを和にする感性」から生み出されたコレクション。モードに新風を呼び込もうというデザイナーの創造力に感服しました。

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2018年11月17日 (土)

19春夏AFWTトクコ・プルミエヴォル「ウルグアイ」の旅

 トクコ・プルミエヴォル(TOKUKO 1er Vol)のデザイナーの前田徳子さんは、毎シーズン旅での出来事を発想源にコレクションを展開しています。
 その旅するクチュリエ、前田さんが今回旅したのは、「ウルグアイ」。世界で一番長いカーニバルが行われる国です。
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Img_77991jpg  ショーはそのカーニバルのハッピーなムードにあふれていました。ウルグアイの国旗の太陽が掲げられたランウェイの下、モデルたちは楽しそうにウオーキング。ダンスでもしているかのようでした。
 伝統衣装や自然にインスパイアされたという美しいドレスが次々に登場し、街で見かけたというグラフィティ風なプリントやポップなモチーフからも、華やいだ街の空気感が伝わってくるよう。黒に赤やピンク、ブルー、グリーン----と、カラフルな色使いにも魅了されました。
 終盤にはガウチョも登場し、ウルグアイの雰囲気を盛り上げていました。
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2018年11月16日 (金)

19春夏AFWT グローバル・ファッション・コレクティブ

 今回も海外ブランドのランウェイが目立ったAFWT。コレクションウィークの4日目には、グローバル・ファッション・コレクティブ(GLOBAL FASHION COLLECTIVE)が2回、開催されました。これはバンクーバー・ファッション・ウィークを主体とする合同ショーで、参加ブランドは国際的です。いずれもオリジナリティ豊かな個性派揃いでした。

Atelier M-A(日本)
 小出 真人/小出 梓の日本人カップルによるブランドで、2019春夏は「全ては一つ」をテーマに、多様性の共存をイメージしたコレクションを発表しています。
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The House of AmZ (USA)
 3年前に創業した米国のブランドで、エコなスローファッションを展開しています。
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Annika Klaas (ドイツ)
 デジタル編み機による縫い目無しのニットウェアのコレクションです。イエローが印象的でした。
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2018年11月15日 (木)

19春夏AFWT マラミュート 郷愁を誘う「Re:」テーマに

 マラミュート(malamute)が初のランウェイショーを渋谷ヒカリエで開催しました。デザインを手がけるデザイナーの小髙真理さんは、ミキオサカベとジェニー ファックスでニットを担当し、4年前にマラミュートを立ち上げたといいます。

 2019年春夏のテーマは「Re:」で、そのキーワードは“不確かな記憶”であるそう。Img_7728クリストファー・ノーラン監督の映画「memento」と川上未映子の詩「まえのひ」に着想して制作、どこかノスタルジックな郷愁を誘うコレクションでした。
 ニットを強みとしていることもあり、フェイラーのハンカチにあるような花柄のニットドレスやリブ編みドレスなど、フェミニンなドレスが多数登場。
 デニムもニット風です。
 とはいえ布帛のシャキッとしたパンツスタイルやスカーフプリントのスポーティなルックも提案、透ける素材も多用されています。

Img_77131 Img_77181jpg_2Img_77321jpg_2 女性の優しさと強さをヴィンテージ調の魅惑的なスタイリングで表現したマラミュート。今後ますます注目のブランドとなりそうです。

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2018年11月14日 (水)

19春夏AFWT アクオド バイ チャヌ 「おもちゃの夜会」

 アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)の2019春夏コレクションが、東京・表参道で行われました。
 ブランドを手がけるデザイナーの李燦雨は人の心を大きく揺さぶることこそブランドの使命といいます。この彼が今シーズン選んだテーマは「フォーエバースリル(forever thrilled)」です。子どもの頃、ワクワク・ドキドキしながら遊んだ玩具、絵本やアニメ、漫画、ゲーム、プラモデル、電車、スポーツカー、ロボットなどをヒントに、「おもちゃの夜会」をイメージして制作したといいます。
 ランウェイを闊歩したのは、ぜんまい仕掛けの人形を模したモデルたち。Img_76921jpg頭にレゴのヘッドピースをのせています。モデルには俳優で歌手の城田 優も登場しました。
 ブランドを象徴するキーパーツ、ジップもそこかしこに用いられて、開放したときの思いがけない楽しさを演出。特大のボール状のネックレスはジップを開くとバッグに変身するなど工夫されています。プリントも消防車や機関車をイメージさせるグラフィックがメカニカルな感覚を強調。
 全体にこれまでよりも明るいポジティブなムードが漂うコレクションに仕上がっていました。
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2018年11月13日 (火)

19春夏AFWT ミドラ ドレスとストリート二部構成で展開

 ミドラ(MIDDLA)は、「とある日の東京の日常」をコンセプトに、デザイナーの安藤大春が手がけるブランドです。その2019年春夏コレクションが渋谷ヒカリエにて開催されました。
 テーマは「STILL IN BLOOM」です。街に埋もれそうな可憐な「忘れな草」の花をシンボルモチーフにブランドの空気感を表現したといいます。
 今シーズンは、コレクションが非日常的な「ドレススタイル」と日常的な「ストリートスタイル」の二部構成で展開されていたのも目新しいところでした。これにはいつものリアルクローズから離れたラインを見せたい、というデザイナーの思いがあったようです。

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 上は前半の「ドレススタイル」です。ブライダルのようなフォーマルな雰囲気のイブニングドレスは、ため息の出るような美しさで魅了させられました。

 後半はロックのリズムに乗って、ブランドの日常的世界観を伝えるモデルが登場。マニッシュな要素にフェミニンなエレガンス、ストリートにモードな気分をとりこんだスタイリングが続々。その豊かな才能と幅広い実力に、改めて感動です。
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2018年11月12日 (月)

19春夏AFWTコトハヨコザワ お気に入りの日用品に着目

 AFWTに初参加したコトハヨコザワ(KOTOHAYOKOZAWA)の新作を久しぶりに拝見しました。ブランドを手がけるのは横澤琴葉さん。実験的な一点ものを即興的に制作することで知られるデザイナーです。 

 ランウェイには、背景に可動式パネルが設置され、日常のシーンが映し出されました。Img_76041今シーズンは、家でふと目にしたものや、古着ショップの掘り出し物などお気に入りの日用品に着目したといいます。
 ランジェリーやストッキングのパーツをアシンメトリックにデザインしたり、スカートにTシャツを重ねたり、上下逆さまにしても着用できたり。
 また洗濯バサミをブローチのように飾ったり、ポケットティッシュをペンダントにしたり、チラシや新聞紙をそのままプリントのモチーフに採り入れたり。目に飛び込んできたものを思いのままに取り込んで組みあわせたといった感じです。

Img_76261 Img_76211 Img_76351 遊び心あふれる、ポップな作風が印象的なコレクションでした。

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2018年11月11日 (日)

19春夏AFWT ユキトリヰインターナショナル 春の花々

 ユキトリヰ インターナショナル(YUKI TORII INTERNATIONAL)の2019年春夏コレクションが、東京・恵比寿のザ・ガーデンホールで発表されました。手がけるのはもちろんファッションデザイナーの鳥居ユキさんです。
Img_75711jpg  パリムードあふれるランウェイの幕が開くと、登場したのは美しい花々をあしらったプリントドレスです。それは咲き乱れるアイリスのフラワー柄でした。花と色とりどりのパステルカラーとのコーディネートが続き、それはもう春爛漫といった趣でした。 
 中盤に差し掛かると、カーディガンジャケットに透けるチュールやレース、オーガンジーのロングスカート、また小紋風のプリントのワイドパンツとの組み合わせや、明るい色をのせたトラッドなチェックの装いも。デニムもシンプルに小粋にデザインされて、すべてがこのブランドらしい優美なエレガンスをまとっていました。

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  春の花々に囲まれて幸せそうな、パリジェンヌを思わせるコレクションでした。

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2018年11月10日 (土)

19春夏AFWT「まとふ」“手のひらの旅 ― 小さき衣”

  堀畑裕之さんと関口真希子さんの二人が手がける「まとふ(matohu)」は、2019年春夏に向けて新しいシリーズ“手のひらの旅”を打ち出しています。その第一弾が“小さき衣”と題したコレクションです。今回は映像とプレゼンテーションを組み合わせた新しいインスタレーション形式で発表されました。

 旅の舞台は青森県の津軽地方です。この土地の農家の作業着は「小衣(こぎぬ)」と呼ばれていたといいます。この小衣を大切に長く着続けるために、人々はびっしりと刺し子を施したのですね。これが江戸時代から伝わる伝統技術の「こぎん刺し」です。

 Img_75481冒頭、この「こぎん刺し」の映像が流れ、その後、3体のモデルが登場しました。

 右はブランドのアイコン的アイテムの長着です。繊細な幾何学模様の刺し子があしらわれています。
 また左下の白いジャケットの胸には、赤い糸でこぎん刺しが縫い込まれています。
 そして右下が最後に現れたモデルで、こぎん刺しのひし形模様をアレンジしたカットジャカード生地が使われていました。
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  さらにこの3体を囲むように、新作20体の展示も行われました。
  いよいよスタートした“手のひらの旅”、次シーズンも楽しみです。

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2018年11月 9日 (金)

19春夏AFWT タエアシダ スポーティからエレガンスまで

 ファッションデザイナーの芦田多恵さんが手がけるタエ アシダ(TAE ASHIDA)のコレクションは、今シーズン、国立新美術館に会場を移して行われました。

Img_74851  長さ90mものランウェイを35名の多数のモデルが往復するという、大がかりなショーで、その数字だけでももうびっくり!でした。
 ファーストルックはスポーティなテイストで、軽やかな透け感素材をまとい、足元も軽快なスニーカーです。これまでのブランドのイメージを一新する颯爽としたクリエーションで目が点になりました。
 ショーの中盤は、アニマルモチーフやジャングルを思わせる植物柄など、遊び心たっぷり。次は何が出てくるのか、ワクワクさせられました。
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Img_75241  最後はエレガントなロングドレスを揃えて、締めくくりました。スポーティからエレガントまで、さすがの幅広いデザイン力に、すっかり圧倒させられたコレクションでした。
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 右はフィナーレのウェディングドレスです。胸の十字が光っています。

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 左は、ショーを終えて、お披露目されたアンドロイドのアオイエリカさん。
 実はこのエリカさんは、ランウェイのフロントロウに座って見ていたそうなのです。(私には見えなかったのですが---) この4月から日本テレビのアナウンサーとなり、会話のテクニックを学んでいるところとか。瞬きして微妙に反応するところなど、ほんとうに人間のようでした!

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2018年11月 8日 (木)

19春夏AFWT IHNN(イン) 雨の中の鮮烈デビューショー

 IHNN(イン)は韓国出身の印致聖(イン チソン)が手がけるブランドです。その初めてのコレクションが、母校の文化服装学院構内で行われました。
 会場は屋外とあって、あいにくの雨の中、鮮烈のデビューショーとなりました。
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Img_74211  今シーズン、インスパイアされたのは、ペドロ・アルモドバル監督のスペイン映画「私が、生きる肌(The Skin I Live In)」とか。
 「肌」がテーマということもあって、男女のボーダーは取り払われ、男性モデルが女性服を着装したり、化粧したり、女性モデルがスポーツタイツやミニボトム、ブラトップなど大胆なカットのアイテムで現れたり、透ける布を多用したり----。
 赤がポイントのグリーンやブルーの強烈な色彩のコントラストにもクラクラさせられました。
 パンキッシュでセクシーなコレクションでした。
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2018年11月 7日 (水)

19春夏AFWT ディーベック 水しぶきも楽しいウェアたち

 ディーベック(D-VEC)は、釣り用品のDAIWAが手がけるアパレルラインです。今シーズン、発表の舞台に選んだのは、東京・赤坂のアークヒルズ アーク・カラヤン広場でした。
 ルーフトップからは滝のように水が流れ落ち、水しぶきが飛び交う中、ショーが行われました。
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Img_73871jpg  「雨が降ってもファッションを楽しもう」というブランドのメッセージが伝わってくるようです。モデルたちは飛び散る水をものともせずに、ランウェイを歩きました。それだけ機能的につくられている、ということでしょう。
 そのスポーツウェアの機能性に、ブラトップやプリーツスカートを組み合わせたり、長いスリットを入れたり、ドローストリングで絞ったり、フェミニンな要素がそこかしこに組み込まれています。
 “ 雨の音を感じ、風を楽しむ ”、そんな エスプリに満ちたコレクションでした。

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2018年11月 6日 (火)

19春夏AFWT アカリミヤヅ「生命」テーマにデビュー飾る

 アカリ ミヤヅ(AKARI MIYAZU)も、今シーズンAFWTでデビューを飾ったニューフェイスです。

 デザイナーは宮津明理さん。
Img_73451  今シーズンのテーマは「生命」で、女性らしさの奥に秘められた生きるエネルギーのようなものを表現したといいます。
 登場したのは、しなやかに流れるようなドレープやギャザー、アシンメトリックなカットのロングドレスたち。一見、ランジェリーを思わせるシルエットも見られました。
 素材は、透けるシフォンや艶やかなサテン、繊細なレースなど。カラーはスモーキーピンクやブルーの優しい彩りが中心です。
 神話の中の女神のような女性らしいコレクションでした。
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2018年11月 5日 (月)

19春夏AFWT ドレスドアンドレスド「レストラン」テーマに

 デザイナー・北澤武志さんが手がけるドレスドアンドレスド(DRESSEDUNDRESSED)の2019年春夏コレクションは、インスタレーションを採り入れた新感覚のショーでした。

 テーマは「レストラン」で、渋谷ヒカリエホールの会場には、「最後の晩餐」のような横長のテーブルが置かれていました。
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 登場した男女のモデルたちはランウェイをウオーキングした後、このテーブルに静かに着席していきます。(実は私が座っていた位置はテーブルより後方でしたので、モデルが着席すると後ろ姿しか見えなくて、大変残念でした。)
 どうやらこのインスタレーションは、レストランでの恋の物語を表現していたようです。
Img_73011 右は、最初に登場した女性のモデルです。
 白いテーラードジャケットの胸ポケットの部分に「YOU ARE PRETTY」と手書きした文字が見えます。誰かがこの美しいモデルに恋をしたといった設定なのでしょう。
 肌を隠したり見せたりのテクニックも恋の駆け引きなのかもしれません。
 ブランドを立ち上げて早くも10周年というドレスドアンドレスド。今季はストーリー仕立てのコレクションで、節目のシーズンを印象づけていました。
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2018年11月 4日 (日)

19春夏AFWT アオイワナカ「菜虫化蝶」テーマにデビュー

 AFWTに初参加して、ランウェーのトップを飾ったアオイワナカ(AOI WANAKA)。今年2月にブランド名を、前身の「AH」からデザイナー自身の名前である「和中碧」の「AOI WANAKA」に改称したといいます。

Img_72721 今シーズンのテーマは「菜虫化蝶」。 青虫のさなぎが羽化して、蝶に生まれ変わる、「菜虫、蝶となる」春をイメージしてデザインしたそう。

 ファーストルックは鹿の子絞りをあしらったドレスで、衣擦れの音までもが聞こえてきそうでした。透けるシルクタッチの素材はひらひらと舞い、蝶のようです。ドレスに描かれた草花模様は水彩のような優美な趣で、蝶を誘っているかのよう。
 やわらかなパステルカラー使いも春らしくて好感しました。

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Img_72971 春の妖精のようなデビューコレクション、すてきな出来栄えに喝采です。

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2018年11月 3日 (土)

2019春夏AFWT シーズンテーマ「欲望を、恥じるな。」

 2019春夏向けファッションイベント「アマゾン ファッション ウィーク東京 (Amazon Fashion Week Tokyo 略してAFWT)」が先月半ばの一周間、連日開催されました。参加ブランドは計51で、その内初参加は20以上と、若手ブランドが目立っていたのが印象的です。

 1今シーズンのテーマは「欲望を、恥じるな。」という、ショッキングなコピーです。
 キービジュアルは右のような衝撃的なものでした。
 開幕初日、中心会場となった渋谷ヒカリエで、このキービジュアルを制作したアートディレクターの大島慶一郎氏とAFWTフィシャルアンバサダーのハリー杉山氏によるトークショーが行われ、興味深く拝聴しました。
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 大島氏は、このコピーから「魅力的な女性は欲望に忠実」をイメージし、大都会をジャングルに見立てて、現代に生きるワイルドな女性を演出したといいます。情熱的な赤は、その燃えるようなエネルギーを感じさせます。緑のジャングルジムをつたう女性は、アニマル感たっぷり! ここには「女性たちよ、規範にとらわれないで、もっと強くタフにいこう」というメッセージが込められていました。

 この尖ったビジュアルは、社会的プレッシャーの多い現代人への警告に思えました。

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2018年11月 2日 (金)

ベストジーニスト2018 ファクトタムの有働幸司さん受賞

 ベストジーニストは、日本ジーンズ協議会が主催するジーンズの似合う有名人を表彰するイベントです。
 第35回目を迎えたベストジーニスト2018は、アマゾンファッションウィーク(Amazon Fashion Week TOKYO 略してAFWT)の初日、10月15日に開催され、久しぶりに行ってきました。というのも今年度から「Amazon Fashion Week TOKYO×協議会選出部門」が新設され、ファクトタム(FACTOTUM)のデザイナー、有働幸司さんが受賞したからです。

1 有働幸司さんは「15年間ブランドを担ってきて、デニムはメインアイテムです。これからも産地に出向いて、日本の職人たちの熱意を世界に伝えたい」とコメントしました。AFWTアンバッサダーのキャメロン・ダラスさんもサプライズゲストとして登場し、「水害に遭ったデニム産地を応援している」などと語り、会場を盛り上げていました。(右写真はAFWT提供)

 消費者による一般選出部門では、男性がHey!Say!JUMP・タレントの中島裕翔さん、女性が女優の菜々緒さんが選ばれ、中島さんは2度目、菜々緒さんは何と3度目の受賞で、ベストジーニストの殿堂入りとなりました。
 協議会選出部門では、歌手の荻野目洋子さん、俳優の高橋一生さん、モデルの長谷川潤さんに賞が贈られました。

Img_73191jpg  高橋一生さん(上)は、メガネにデニムのジャケット、黒いワークパンツ、ブーツの普段着スタイルで、このまますぐにスタジオに行くと話していました。「自分にとってデニムは肌の一部のようなもの。デニムは経年劣化していくが、劣化する部分に価値を見出している。そこに自分を重ねて、精神を保ち続けていきたい」の言葉が印象的でした。

Img_73371_2 上は受賞者全員が揃った、インタビュー風景です。

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2018年11月 1日 (木)

第56回全国ファッションデザインコンテスト            日本綿業振興会賞は「千人針」への思いをこめた作品に

 第56回全国ファッションデザインコンテスト(一般財団法人ドレスメーカー服飾教育振興会・学校法人杉野学園主催)が、先月13日開催され、新潟県の田中夏芽(なつめ)さんによる「千人針」への思いをこめた作品に日本綿業振興会賞が贈られました。
 今回のコンテストは応募総数1,733点のデザイン画から40名の方が入選、実物制作を経て最終審査のファッションショーに臨まれたのは37名でした。私も審査員の一人として参加し、日本綿業振興会賞の選考をさせていただきました。

56designcontest04691 日本綿業振興会賞を受賞した田中夏芽さんは、新潟県長岡市出身で現在新潟市内の国際トータルファッション専門学校の3年生です。毎年このコンテストに応募して今回ようやく賞をつかんだそうです。うれしさがいっぱいにあふれていました。
 受賞作(右写真 杉野学園提供)は「千人針」への思いをこめた作品です。「千人針」とは兵士の無事を祈り千人の女性がひと針ずつ赤い糸で縫い玉を作って送った御守りです。まだ21歳という若い女性が、「千人針」とは何と古風なところに目を付けたのでしょう。これについて伺うと「制作過程に興味があったのです。千人針は、ごく普通の人たちが針を持って身近な人を守るため、もともとあった服に刺繍したもので、服の原点に立ち返るものと思いました」。

Img_72711jpg  元来刺繍好きだったという田中さん(左写真)。長岡で刺繍を学び、最初は繊細なオートクチュール刺繍に惹かれてシンデレラのようなウエディングドレスをつくっていたそうです。しかし千人針に出会ったことをきっかけに、もっとリアルな服づくりを考えるようになったといいます。
 制作された白いドレスは、赤い玉をつくる素朴な感覚を現代に昇華、シンプルな今を感じる作品に仕上がっていました。
 苦心したのは手作りの味でこれをどのように表現するか、だったそうです。自然素材が好きなので、コットンメッシュ風の生地を用い、穴の隙間に赤い糸を通して編み物のような模様を浮き上がらせたとか。また袖の前振り部分の自然なボリューム感にもこだわったといいます。
 将来はファッションデザイナーになるのが夢で、独立してブランドを持ちたいと話してくれました。若さ弾ける田中さん、今後の活躍を期待しています。

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