企画展「コシノヒロコ 中原淳一へのオマージュ」
今、東京・銀座のKHギャラリー銀座にて11月4日まで、企画展「コシノヒロコ 中原淳一へのオマージュ」が開催されています。
この9日、レセプションパーティが行われ、コシノヒロコさんと ひまわりや代表の中原利加子さんにお祝いのご挨拶をしてきました。
コシノさんは数年前から中原淳一展を開きたいと願っていらっしゃったそうです。それがようやく実現したのですね。
中原淳一は言うまでもないのですが、昭和初期に少女向け雑誌の挿絵画家として一世を風靡し、戦後は『それいゆ』や『ひまわり』をはじめとする雑誌編集や服飾デザインなども手がけた画家、編集者、ファッションデザイナーです。
本展では中原淳一のイラストの原画5点と、コシノさんが中原淳一へのオマージュを捧げて描いたという女性の肖像画が多数展示されています。
中原利加子さんとは2010年に出版された「中原淳一の『女学生服装帖』」で私がコラムを書いたことでお目にかかったことがありました。広尾商店街にあったショップ「ひまわり」は昨年、広尾ガーデンヒルズ入り口へ移転したそうで、また行ってみなくてはと思ったことでした。
中原さんは、「コシノさんの熱い思いをいただき、幼い頃から『ひまわり』に触れていたと伺って、とても感慨深い。今回展示されている5点はコシノ先生が選ばれたもので、雑誌掲載用の版下です。和装の女の子のペン画もあってバリエーションを見ていただくことができます。」などと話されました。
コシノさんも、少女の頃“ヒマワリっ子”と呼ばれていたというエピソードを楽しそうに語られました。「中学1年生の入学式で、母が中原先生の雑誌を見て作ったヒマワリ柄の服を着て、学校へ行ったことで、“ヒマワリ”をつけた女の子になってしまったのです。お裁縫が嫌いでしたので絵描きになりたいと言ったら反対されてしまいました。でも『それいゆ』のスタイルブックを見て、絵はファッションの世界で活かせると理解しました。文化服装学院で学び、ファッションで仕事ができているのは中原先生のおかげです。」
ファッションデザイナーとして成功されたコシノさん。背景には、いつも絵を描くことがあったといいます。絵は、シーズンごとに変わるファッションの大きな発想源なのですね。
来月といえばもうすぐですが、11月からニューヨークで初の個展を開かれるそうです。「もう忙しくて死んでいる暇ないの(笑)」とは、ほんとうにすばらしいです。
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