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2018年10月17日 (水)

「ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」内覧会

 先月末の28日、パナソニック汐留ミュージアムで特別展「ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」のプレス内覧会に参加しました。本展は同ミュージアム開館15周年、ルオー没後60年を記念した展覧会です。ルオー財団理事長ジャン=イヴ・ルオー氏も来日され、監修者の後藤新治氏(西南学院大学 教授)、担当学芸員の萩原氏とともにギャラリートークをしていただきました。

 ルオーといえばフランスを代表する宗教画家です。とはいえその宗教画は当時としてはさぞかし革新的だったことでしょう。宗教という古典的画題でありながら、それを実に現代的(モデルニテ)に表現しているのですから。そこで副題が「聖なる芸術とモデルニテ」なのですね。
 この聖なる芸術を軸に作品を生み出していったルオー。その一つ一つに当時の社会に対する「祈り」が込められているようです。展覧してみて心にジンと来るものを感じました。「愛のすべて。」というタイトルコピー、まさにぴったりです。

 展示されているのは約90点で、4章立て構成になっています。
 (なお画像は特別な許可を得て写真撮影しております。)

第1章 ミセレーレ:蘇ったイコン
 「ミセレーレ」とは、ルオーの銅版画集で、慈悲と戦争をテーマにした作品です。
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 「生きる苦悩」と「愛の救済」が、沈鬱なモノクロームを通して伝わってきます。

第2章 聖顔と聖なる人物:物言わぬサバルタン
 ルオーは最晩年まで、「聖顔」を描き続けたといいます。このキリストの顔の正面だけを描いた「聖顔」には、サバルタン(被制圧者)たちへの思いも表象されているのですね。
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 慈愛に満ちた優しい表情の中に、虐げられた人間の苦悩が込められているように思われ、本当に印象的でした。

Img_69661jpg  上右は「ヴェロニカ」という作品。ポスターやちらしにも掲載されています。潤いを湛えているような大きな瞳が美しい!

Img_69381  上左は「サラ」です。ジャン=イヴ・ルオー氏が、ルオーのオフィスに長年架かっていたルオー最後の作品の一つと、紹介してくださいました。

第3章 パッション:受肉するマチエール

Img_69781  上は「受難(エッケ・ホモ)」。荘厳な気持ちになります。

 この頃からルオーは「削り取る」から「積み重ねる」手法へ技法を変化させていったことがわかります。

第4章 聖書の風景:未完のユートピア

Img_69911jpg  ここではルオーがイメージする理想の社会を描いた絵が展示されています。そこには人々が佇む広場があり、三角形の道の奥には建物が建っていて、周りは海だったり、木々の向こうに山々が連なっていたり、天空には必ず太陽か月が描かれています。
 これはルオーの理想郷だったようです。理想ゆえに現実との落差がより強調されている、神秘的で奥深い絵です。

 この他にも興味深い作品が多数ありました。
 開催は12月9日まで。詳細はhttps://panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/18/180929/にてご確認ください。

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