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2018年10月30日 (火)

JFW-IFF MAGICセミナー「ビームスの海外戦略」を語る

 先般開催されたJFW-IFF MAGICでは、次代のビジネスを展望する多数のセミナーが行われました。その柱テーマの一つが「海外の市場開拓」でした。最終日にはビームス執行役員 経営企画室 室長金田 英治 氏が登壇し、「ビームスの海外戦略」と題して、ブランディングをはじめとする様々な事例を、繊研新聞の柏木均之記者との対談形式で語りました。
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 セレクトショップのトップを常に走り続けるビームスは、昨年英国と台湾に現地法人を立ち上げるなど、海外に積極的に打って出ています。
 中でも評価の高いブランドが「ビームスプラス」だそうです。これはアメリカのオーセンティック・カジュアルブランドですが、アジアよりも欧米で人気とか。アメリカの源流にこだわるブランドが本場米国では非常に少ない、というのも興味深いです。
 ヨーロッパ進出は、2014年のパリ、ボンマルシェが最初、2017年にはロンドンのハーヴェイニコルズに、いずれも期間限定でショップをオープン。スカジャンや吊編み機によるスエットから日本の玩具やこけしまで品揃えして、手応えを得たといいます。VMDや売場構成がヨーロッパでは新鮮に映ったこともあるそうです。しかし「何故?」と問われて、金田氏は「個人の感覚が盛り込まれていたから」といいます。ビームスでは店頭スタッフが自分なりのアレンジを自由に採り入れることができるのですね。個人の感覚を自由に出せるのがビームス流といいます。
 また英国の現地法人では、主にブランディングやPRなど日本ブランドの海外進出のサボートと、海外ブランドの日本市場参入のサポート、アーティストのマネジメント事業などを扱っているとのこと。たとえばフランス出身のアーティスト、ジャン・ジュリアンとコラボしたり、ミスターポーターと協業して日本ブランドをキュレートしたり、コペンハーゲンの国際ファッション展CIFFに出展して日本ブランドを紹介したり、ここでは会場をビームスのシンボルカラーであるオレンジ色に染めて盛り上げたエピソードも披露。
 このようにビームスの持ち味は編集型にあるといいます。日本のコンテンツ、伝統工芸などを海外発信するアシストもしていて、地方自治体からはビームスなら何とかしてもらえるのでは、と思われているとも。
 各所にネットワークを持つビームスの強みを活かした取り組みに花が咲きました。
 最後に小売業で重要なのは、「人」といいます。コミュニケーションをとってコミュニティをつくるのは人の魅力あってこそで、ビームスにはそうした魅力的スタッフがたくさんいるそうです。個々人がWEBサイトに登場して、フォロワー数を増やしている。そんなファンたちの要望もあって、昨年宝島社から、スタッフの家での暮らしぶりにスポットを当てた「ビームス・オン・ライフ」を出版、版を重ねているそうです。その人が次に何を着ようとしているのか、ファンはそれを参照して商品を購入するといいます。
 これはグローバルサイトでも同様だそう。商品紹介だけではなく、いかに自分流にアレンジするか、着こなし方も提案するなど、現在はファンづくりに注力しているといいます。
 小売りの真髄はモノ(=商品)でも器(=店舗)でもない、「人」であると改めて強調。日本でも海外でも評価されるビームスの強みは、「個人個人がブランドの形をつくっていること。規模を追うのではなく、小さなコミュニティを各都市に増やし、熟成させていく」と述べてセミナーを締めくくりました。

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