PVパリ⑶ メインヴィジュアルからトレンドを読み解く
プルミエールヴィジョン(PV)パリでは、毎シーズン、そのシーズンを象徴するメインヴィジュアル(主画像)を発表しています。今シーズンもこのヴィジュアルからシーズントレンドを読み解いていきましょう。
今季のメインヴィジュアルは上の画像です。オランダ人写真家Scarlett Hooft Graaflandによる超現実的な写真です。青空の下、真っ白な大平原が広がる塩湖のような場所で撮ったものと思われます。地平線も霞んで見えます。その湖面を白い巨大なバルーンを積んだトラックが走っている、夢のようなイメージです。
PVアソシエート・ファッション・ディレクターのジュリー・グルーさんにこれについてお話しを伺いました。
「トラックが運んでいるバルーンはクリエーションのメタファー。それは転がってすぐにも壊れてしまいそう。トラックはこのバルーンを2019/20秋冬に向かって大切に運ぶ旅をしているのです」。
トレンドを語る上で、興味深いのがPVファッションディレクターのパスカリーヌ・ウィルヘルムさんによるトレンドプレビューです。パスカリーヌさんがマークしているのは“ポロシティ(porosity)”といいます。“小孔”とか“空隙”といった意味で、言い換えれば手薄になっている部分のことですね。メインヴィジュアルのトラックが積んでいるバルーンは、この隙間部分を埋めるものなのかもしれません。
パスカリーヌさんは、「ポロシティは全体に無数に転がっていて、色にも、スポーツとファッション、ハイテクとエレガンスの間にもある」と語っています。「それらを見つけて前シーズンにはないシルエットをつくり出す、そんな衝動にかられて欲しい。今シーズンはそうしたある種ノンシャラン(無頓着)な気分が漂う、しかも持続可能性と強く結びついているシーズンです」とコメントしています。
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