« 2018年8月 | トップページ | 2018年10月 »

2018年9月

2018年9月30日 (日)

PVパリ⑷ 2019/20秋冬カラーは暖色系にシフト

 2019/20秋冬は、暖色系のカラーが広がりそうです。
 前シーズンの春夏は、ブルーやグリーンの爽やかな色調が多かったのですが、秋冬には、明度や彩度を少し落とした中間色へシフトしています。
Img_56841  
 上はプルミエールヴィジョン(PV)パリ全体のトレンドフォーラム、「PVパースペクティブ」の2019/20秋冬のシーズンカラーです。
 暖かな赤茶系から鉱物を思わせる微妙なニュアンスのニュートラルなど、まろやかな雰囲気のカラーが多くなっています。
 ここではカラーパネルがモビールのように吊り下げられ、揺れ動いていました。お互いに補完し合えるカラーレンジであることを視覚的に表現したインスタレーションで、興味深かったです。 

 またもう一つ、とくに会場内で目立っていたのが、紫系のスモーキーなカラーで、随所に散見されました。
Img_62231jpg  右は、プレスルームのインテリアです。モーブカラーの床に濃紫の椅子が配されていて、それを引き立てるように壁にはイエローの流れるラインが描かれています。このイエローはグリーン味の鈍い黄色で、ネームホールダーの紐にも使われていました。

 カラーハーモニーは、多少の不協和音はあっても総じて調和のとれた穏やかな方向へ動いているようです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月29日 (土)

PVパリ⑶ メインヴィジュアルからトレンドを読み解く

 プルミエールヴィジョン(PV)パリでは、毎シーズン、そのシーズンを象徴するメインヴィジュアル(主画像)を発表しています。今シーズンもこのヴィジュアルからシーズントレンドを読み解いていきましょう。

1 
 今季のメインヴィジュアルは上の画像です。オランダ人写真家Scarlett Hooft Graaflandによる超現実的な写真です。青空の下、真っ白な大平原が広がる塩湖のような場所で撮ったものと思われます。地平線も霞んで見えます。その湖面を白い巨大なバルーンを積んだトラックが走っている、夢のようなイメージです。
 PVアソシエート・ファッション・ディレクターのジュリー・グルーさんにこれについてお話しを伺いました。
 「トラックが運んでいるバルーンはクリエーションのメタファー。それは転がってすぐにも壊れてしまいそう。トラックはこのバルーンを2019/20秋冬に向かって大切に運ぶ旅をしているのです」。

 トレンドを語る上で、興味深いのがPVファッションディレクターのパスカリーヌ・ウィルヘルムさんによるトレンドプレビューです。パスカリーヌさんがマークしているのは“ポロシティ(porosity)”といいます。“小孔”とか“空隙”といった意味で、言い換えれば手薄になっている部分のことですね。メインヴィジュアルのトラックが積んでいるバルーンは、この隙間部分を埋めるものなのかもしれません。
 パスカリーヌさんは、「ポロシティは全体に無数に転がっていて、色にも、スポーツとファッション、ハイテクとエレガンスの間にもある」と語っています。「それらを見つけて前シーズンにはないシルエットをつくり出す、そんな衝動にかられて欲しい。今シーズンはそうしたある種ノンシャラン(無頓着)な気分が漂う、しかも持続可能性と強く結びついているシーズンです」とコメントしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月28日 (金)

PVパリ⑵ PVアワードで今年も日本が連続ダブル受賞

 プルミエール・ヴィジョン(PV)パリ9月展で、もっとも盛り上がりを見せるイベントがPVアワードです。とくに今年はスタートして10年目とあって、記念すべき授賞式となりました。

Capturedecran20180924a154639
 授賞式はPV初日の夕刻に行われ、ファブリック部門とレザー部門で、それぞれ4つの賞が授与されます。固唾を飲んで見守る中、またしてもファブリック部門で日本の2社の名前が上げられました。
 それはイマジネーション賞のスタイレム(STYLEM)と、スマートクリエーション賞の東レ(TORAY)です。これで二年連続のダブル受賞となり、またしても日本素材の優れた品質を世界に知らしめることになりました。
 Img_57421イマジネーション賞では大胆な独創性が評価されます。スタイレムの受賞作は「ゼン・キワミ」コレクションからのものです。
Img_57791 ビスコース100%のチェックで、トラッドとスポーツ感覚の独特の組み合わせが高く評価されました。 
 やや硬いプラスチック風のシャリ感と光沢は、シルクのようでもあり、またバルキーで軽い風合いは和紙のようでもあります。
 開発した同社テキスタイルデザイナーの川本健太郎氏は、「トレンドの先染めを追求するなかで、偶然が偶然を呼んで生まれた」そう。「生(なま)糸の、無撚りの糸を経糸と緯糸に用い、高密度で織り上げたら、このようなハリと反発感のある生地になった」といいます。

Img_57251 スマートクリエーション賞は、クリエーティブで持続可能性があると認められた生地に授与されます。受賞したのは東レの「ウルトラスエード・ヌー」でした。
 Img_57611銀面調の光沢とスエードタッチを兼ね備えたハイブリッド人工皮革で、 従来の「エクセーヌ」を改称した「ウルトラスエード」の通気性やストレッチ性、イージーケア性といった機能性に、これまでにない斬新な質感が加わっています。
 既に数年前から国内外で好評を博していて、今回とくに高評価されたのは、途中の工程で出る屑を原料にした再生ポリエステルを用いていることといいます。

 さらにファブリック部門であと二つ、受賞した生地をご紹介します。

Img_58671  審査員大賞(グランプリ)は、イタリアのマリニ インダストリー(MARINI INDUSTRIE)による、レーヨン100%の繊細でコンパクトな織物です。
 極細のクリンプ糸使いで織り上げ、ウオッシュ加工したもので、気品のあるエレガンスとスポーティブな感覚が共存しています。

Img_58631jpg ハンドル賞もやはりイタリアで、テックスラヴァー(TEXLOVER)の植物繊維らしいツイルです。経糸がコットン、緯糸が リネンで、やわらかいふくらみのある温かい肌触りが心地よく感じられます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月27日 (木)

PVパリ⑴ イノベーションをテーマに画期的な会期

 2019/20年秋冬向けファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン・パリ(PREMIERE VISION PARIS 略してPVパリ)」が、9月19~21日、パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場で開催されました。
Pv
 今期は、イノベーションをテーマにした画期的な会期となったといえるでしょう。企業の社会的責任(CSR)を問う「スマート・スクエア」の拡大や、企業間取引(B to B)のデジタルプラットフォーム「マーケットプレイスPV」の始動など、既成概念にとらわれない様々な提案が見られました。

 初日の記者会見もいつものプレスルームではなく「スマート・スクエア」に移して行われました。これについて冒頭、ジル・ラスボルドPVゼネラルマネージャーは、「PVパリは責任あるクリエーションを重視している。同時にクリエーションにイノベーションは不可欠と考えていることを強調したかった」と語っています。
Img_55881_2  「マーケットプレイスPV」のローンチ、面積を1,000㎡に広げて、素材、最終製品、サービスを紹介する「スマート・スクエア」、「スポーツ&テックエリア」の新設、縫製・製造・ソーシング提案を充実させる新しい多様な試みの「ザ・ソーシング・コネクション」、レザー・マニュファクチュアリングでは、フォーカスカントリーとなった「ポルトガル」のノーハウについてのイベント、イエール国際モード&写真フェスティバルで審査員大賞を受賞した「ロシュミー・ボッタ氏らの特別展」、記念すべき第10回「PVアワード」など、その概容が解説されました。

 出展社数は6つの見本市全体で51か国から過去最高の2005社となり昨年同期比2.6%増、新規出展は190社で昨年同期比9.5%増です。(このブログ2018.9.4付けの見込みの数字よりも増えました。) その内訳は、主軸のファブリックに802社、ヤーンに63社、アクセサリーに311社、デザインに248社、レザー311社、マニファクチュアリングに251社となっています。
 来場者数は124か国から55,497名(73%が フランス以外の国々から来場)で、昨年同期比8.3%減でした。これについては、ユダヤ教の祭日であるヨムキプール (贖罪の日)と重なったことと、今期は特例的に、これまでと異なる水曜日~金曜日開催となった日程の変更が大きく影響したといいます。
 国別トップ10を見ると、第1位がフランスで15,160人、次にイタリア5,962人、イギリス4,118人とEU諸国が第3位までを占め、第5位スペイン3,021人、第7位ドイツ1,941人、第10位ベルギーとヨーロッパ勢が続きます。アジアでは中国が第4位で3,101人、日本は第9位で1,606人、また韓国も1,029人が来場。さらに通貨や経済問題の影響で揺れるトルコは減少しながらも第7位で2,528人、米国も微減し第8位で1,918人だったと発表されています。

 これまで以上に国際色豊かになりバラエティに富み、しかもより精鋭化された実働チームが派遣されたPVパリ、今期もまた総じて鮮やかな成功を収めたといってよいでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月26日 (水)

パリ テックスワールド 注目のアヴァンテックス

 (昨日のブログの続きです。)
 パリ テックスワールド(TW)が、このところ力を注いでいるのが“ファッション・テック (ファッションとテクノロジーを掛けあわせた造語)”です。
 メッセフランクフルト・フランスでは、このエリアを他に先駆けて発信しています。それがアヴァンテックス(Avantex)です。
 7回目を迎える今期は、最多の37社が出展していました。

 その中で、とくに注目したのがスウェーデンの「カラーリール(Coloreel)」です。
Img_53971 
 これは糸にオンデマンドで染色できるインクジェットプリントモジュー ルで、同社はこのユニットをブースに設置。刺繍糸を瞬時にカラフルに染めて、Img_53981jpg_3刺繍する実演を行っていました。
 データを送ると、糸がその指示通りに染色し刺繍してくれるのです。何とすばらしい技術!と感心しました。

 色もデザインも自由自在にできるので、刺繍の世界が一変しそうです。しかも糸の染色工程で発生する水の使用量も大幅に削減するのでサステナブルでもあります。

 今後幅広い分野に広がるものと期待されます。

 もう一つ、連日行われたファッションショーで着目したのが、「ト・エ・ギィ(TO&GUY)」です。
 バーチャル・ブティックを立ち上げているフランスのハイテク・ファッションブランドで、バーチャルでオーダーメイドの高級プレタポルテを制作しています。
Img_53461 Img_53481jpg  
Img_53591  今シーズンは“火の鳥” を思わせるシュールな3Dプリントデザインが印象的でした。

Img_53921  さらにもう一つ、目に付いたのが、「ウベカ (Euveka)」のスマートボディです。

 正確なサイズにカスタマイズする世界初のフランス発、ロボット化されたインテリジェントな人台です。
 様々な部位が縮んだり、膨らんだり----。
 生体模倣プロセスに基づくメカトロニクス、コンピュータおよび材料技術の粋が集まった、まさに驚き! の技術です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月25日 (火)

パリ テックスワールド 来場者減も出展社増 盛会裏に終了

 パリでメッセフランクフルト・フランスが主催する「テックスワールド(TW)」見本市に行って来ました。会場はいつもと同じル・ブルジェで、プルミエールヴィジョン・パリより2日早い9月17日からの4日間の開催でした。
 総合テーマは「ファッションのためのフェアリーランド (The Fairyland for Fashion )」です。TWとTWデニム、アヴァンテックス、アパレルソーシング、ショール&スカーフの5つの展示会に、今期からもう一つ、新たに皮革及び合皮のレザーワールドが加わっています。
 出展社総数は1,850社で、その約半数が中国です。主軸のTWとTWデニムへの出展は約1,100社で、昨年同期比10%増、総床面積も72,000㎡に増床したといいます。
 42096571_10155999669789773_844388_2来場者は15,075人と微減しましたが、これは天候や為替などの影響によるものとみられています。フランス以外の国々からの来場は80%超となり、来場国ランキングでは、1位がフランス、2位イギリス、3位スペイン、4位イタリア、5位トルコとなっています。
 アジアでは、急速に発展する市場であるインドが17%増、韓国は15%増、レバノンは14%増。中国、香港、パキスタン、インドネシアが、出展社の増加とは裏腹に減少。
 アメリカでは、米国が安定した数字を維持、カナダ7%増、アルゼンチン8%増、コロンビア7%増。逆にブラジルは24%減で、経済・政治情勢からくる景気後退を反映して大きく落ち込みました。

42132049_10156001651554773_89578692  上はTWデニムの商談風景です。

 ともあれ総じて活況で、盛会裏に終了したと発表されています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月24日 (月)

パリの老舗百貨店 ボン・マルシェで「ロサンゼルス」再発見

 パリの百貨店では左岸にある老舗「ボン・マルシェ」を見て歩くのも私の楽しみです。この時期、9月は毎年何かしら興味深い催事が行われているからです。

 今回はカリフォルニアの大都市ロサンゼルスがテーマになっていました。その名も「ロサンゼルス リヴ・ゴーシュ」です。ロサンゼルス(LA)という街が、パリ左岸(リヴ・ゴーシュ)に移転してきたといったイメージで展開されていました。パリっ子にとってはまさに「ロサンゼルス」再発見といったところでしょう。

 ファッションもこのところトレンドとして注目されているのがアメリカです。それもウエスタンなど西部開拓時代にスポットが当てられています。ボン・マルシェはそうした流れにも目をつけたのではないでしょうか。

 館内は陽光に照らされた明るいピンクやブルーに彩られ、西海岸の明るい陽気なムードにあふれていました。
Img_50691
 売場はヘルシーなLAライフスタイルにヒントをとったような品揃えです。アスレジャーやビーチ、ヨガウェア、自然派化粧品から自転車、サーフィン、スケートなどまでディスプレーされていました。

Img_50911  吹き抜けのエスカレーター付近では何とスケボーの実演が始まってびっくり。
Img_51241jpg  LAはボーダーのメッカのようなところと思っていましたが----。それにしてもあんなに高く飛び上がるとは!
 プロのスケーターによる演技はもう離れ技の連続でした。

Img_51641jpg  3階に上ると、巨大な幌馬車?を思わせる古めかしいドーム型の売場が現れます。
Img_51591_2  すべては夕陽のオレンジ色に染め上げられていて、まるで古き良きフロンティア時代にタイムスリップしたかのようです。
 ガンマンやインディアンたちも出てきそうな感じでした。

 そこにはジーンズやレザージャケットなど、ロックンロールやアウトドア、ヴィンテージテイストが満載です。
Img_51651jpg


 レッド・ツェッペリンのTシャツなど、歴史的資料の展示も見られました。




 とことん大掛かりなイベントに、圧倒させられたボン・マルシェ。さすが一流百貨店の催しは違います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月23日 (日)

パリのプランタン 秋一番はファッションで女性を支援

 パリの大手百貨店「プランタン オースマン」旗艦店では、この秋一番のファッションとしてフランス革命モードを打ち出していて、正直びっくり!しました。
Img_49941jpg
Img_50071  店頭の目立つ場所に立っているマネキンたちは、フランス革命の有名なスローガンである「自由」、「平等」、「博愛」、それに加えてもう一つ、「女性性(フェミニテ Feminite) 」と書かれた旗や幟を手にしていたのです。その何とも勇ましい、颯爽としたコーデが印象的でした。
 今シーズンのプランタンは性差別に反対し、女性の権利拡張を主張する思想・運動などを支援する、そして専制的なやり方を覆し、それを大声で明確にしていくことを、鼓舞している様子です。

Img_50001  この革命のパートナーに選ばれたブランドが、モンクレ・ジーニアス(Moncler Genius)です。
 プランタン オースマン地下のホールでは、このブランドの販促イベントが華やかに展開されていました。

 さらにもう一つ、今季目立つキャンペーンがピンクリボン運動を応援する活動です。
   カロリーヌ・ド・メグレら有力アーティストやデザイナーによるTシャツやスウェットシャツ、トートバッグ - バッグ、マグカップなどを購入すると、利益の100%がピンクリボン協会に寄付される仕組みを構築し、がん患者の支援に取り組んでいるのです。
1

 ファッションで女性をサポートするプランタン、その姿勢に好感しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月22日 (土)

「ラファイエット アンティシパシオン」新たなアート空間

 ギャラリー・ラファイエットグループがこの春、パリ・マレ地区に創設した新たなアート空間「ラファイエット アンティシパシオン(Lafayette Anticipations)」を訪れました。
Img_54711
 19世紀の5階建ての建物を改装し、現代アートやデザイン、モードのためのギャラリーとして再生、オープンさせたといいます。タイトル文字のレタリングからしてスタイリッシュ!

Img_54721jpg  この日は、上のフロアーでダンスが行われていたようで、時折ミュージックが鳴り響いていました。
 カフェは、抹茶入りもあるなど、ナチュラルでさりげない、パリらしい雰囲気です。

Img_54801  ショップはうなぎの寝床型の細長いスペースで、反対側に通り抜けられる構造になっています。

Img_54751  洗練されたアクセサリー雑貨が中心で、モードでは、右のラ・ルドゥート(LaRedoute)×コーシェ(Koche)といったちょっと小粋でエレガントなファッションブランドが見られたりします。

 近くには同グループが手がけるBHVマレーもあり、この辺り一帯がギャラリー・ラファイエット化している、と思ったことでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月21日 (金)

ギャラリーラファイエットの「ゴー・フォー・グッド」

 秋一番、パリの百貨店「ギャラリー ラファイエット」のスローガンは、「ゴー・フォー・グッド(Go for Good いつまでもずっと)」です。これは同百貨店が長年続けている、最も公平で持続的な製品を提供するサステナブルなプロジェクトの一環で、今シーズンは売場全体で展開されていました。
 参加ブランドはファッション・雑貨から美容関連、グルメまで400以上に上るといいます。 

Img_49611 Img_49611_2  上はそのグッド・スポットの一つです。

 このプロジェクトのアンバサダーが、ファッションデザイナーのステラ・マッカートニーです。
 イベントスペースでは、ステラのディレクションによる「サンクチュリー・オブ・スティルネス(Sanctuary of Stillness 静けさの聖域)」展が行われていました。

Img_49551  上は、その一つで、メディテーション空間のインスタレーションです。
Img_49401jpg_2  
 左はステラのコレクションです。

Img_49411_2  ソックスもリサイクル素材を用いているとのことです。


 また本館3階には「ゴー・フォー・グッド」の約300㎡に及ぶメインエリアも新設されていました。
Img_49741
 カフェもあり、ゴー・フォー・グッドに関するトークショーなどもここで行われているようです。

Img_49691_2  上は、このエリアに入っているサン・ジェームズ(Saint James)アトリエのミシン職人さんです。フレンチカジュアルの不朽の定番、ボーダーシャツの縫製を実演して見せてくれました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月20日 (木)

パリ初のデジタルアートセンターで「クリムト」展

 パリの「アトリエ・デ・ルミエール(Atelier des Lumieres 光りの工房)」で、「クリムト」展を見て来ました。ここはこの春オープンしたパリ初のデジタルアートセンターです。話題のスポットで、しかも今年は没後100年のクリムトというだけに、行列ができていて私も30分くらい並びました。
Img_52781jpg
 内部は暗がりです。
 Img_52801_2そこに七色の光りが走り、美しい 色彩に彩られたクリムトやシーレの作品、 世紀末のウィーンの風景や自然が3次元映像で次々と映し出されていきます。
 それが終わるとやはりウィーンの芸術家で自然を愛したフンデルトヴァッサーの短編、さらにポエティックAIのプログラムが自動再生されます。

Img_52761_3  実に幻想的な音と光のプロジェクションでした。

Img_53071_3
 ここは元鋳造工場だったそうで、スケールは広大です。それだけに一面に広がる異空間に没入していくような不思議な感覚がありました。
 おなじみの作品も、こんな風に壮大なスペクタクルショーにして見せられると、また全く違って見えます。動く映像の中に入り込んで、まるでタイムスリップしているかのようにも思えたりして---。もう見るというよりも体感すると言った感じでした。

 これも最新のデジタル技術がもたらした新しい美術の楽しみ方ですね。時代に合わせて美術館も変化しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月19日 (水)

パリ公文書館「運命の糸に導かれて 永遠のための願い」展

Img_52291_2 パリでの日曜日、日本人刺繍作家Rieko Kogaさんの 「運命の糸に導かれて 永遠のための願い (<Sur le fil>  Un voeu pour l'eternite)」展に行ってきました。

 場所はフランス国立公文書館(Archives Nationales)です。 
  ここはマレ地区にある貴族館で、ヨーロッパ文化遺産の日ということで一般公開されていました。

 一番奥のロココ様式の部屋に鎮座していたのが、Kogaさんの作品「永遠のための願い」です。

  Img_52261_3  それは巨大な白い布のオブジェです。
 そこには絵馬のような形をした小さな布がたくさんはりつけられています。この布には、黒い糸で“お願い”の言葉が刺繍されているのです。この“お願い”は、公文書館の投稿ボックスやSNSなどを通じて呼びかけて集めたものといいます。 
 日本では七夕の短冊などに“お願い”を書く習慣があります。でもこちらでは逆に、それを文字にするとその願いは消えてしまうといわれているそうです。
Img_52241 当初は書いてもらえないのでは、と心配したといいますが、約2か月でフランスをはじめ世界中から、もちろん日本からも全部で600もの“お願い”が集まったとか。Kogaさんはその文字を一つひとつ、糸と針で丹念に手刺繍し、古布を張った木のフレームに取り付けて、作品に仕上げました。
 古布は“過去”、刺繍した布は“現在”を表します。そして運命の糸に導かれて、“未来”に願いが叶うように、フレームの形も縁起の良い8角形に仕立てたそう。八という漢数字は末広がりで、数字の8にも、西洋でも横にすれば∞(無限大)“宇宙に無限に広がる”という特別な意味があるのですね。この部屋も8角形でした。

Img_52381jpg  その横の床に展示されていたのが、Kogaさんのこれまでの作品です。古い箱に立てかけられていたのは、壁に架けることができないからなのですが、こんな風に設えるのも重みを感じてなかなか壮観でした。

Img_52401  また同館二階には「未来日記」と題したロール式の置き物がインスタレーションされていました。これは糸で表現した、ちょっと哲学的な人生スケッチです。未来への道は必ずしもまっすぐではなくて、角張っていたり、丸みを帯びていたり---。
 Kogaさんはこれらを下絵なしに即興的に刺繍していくそうです。イマジネーションが湧き出てきて、それをそのまま大切にして表現しているとか。
 もうまるで人生絵巻のような作品でした。

Img_52531  Kogaさんは、文化服装学院デザイン専攻科を卒業しパリに移り住んでまだ10年ほどだそう。この若さでフランス公文書館から作品を依頼されるとは、それだけでもすばらしいです。お父様が書道家で、幼い頃から文字を書くことが好きだったとか。
 ここでは公文書館にふさわしい文字をテーマにした作品でしたが、フランス中央部にあるクレルモンフェラン教会でも現在、「平和」を主題に藍染作品を展示中とのことです。

 日本の若い才能がフランスでその芽を伸ばしていることに感動し、頼もしいな---と思ったことでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月18日 (火)

「ピカソとダンス展」パリオペラ座でピカソ作品を見て

 パリに来て、オペラ座で開催されていた「ピカソとダンス展」を見ました。
Expo_picasso_et_danse_gd_2   その日は文化遺産の日でまた本展の最終日でもあり、混んでいるかと思いましたが、それほどでもなく入場できました。
 展覧会を見て、ピカソのキュビズムがダンスの動きに影響されていたことに、改めて納得しました。キュビズムは 動くはずのない絵に動きを導入した絵です。
 左は、ちらしに使われていた「裸のダンサー」(1962)です。

 見どころは、やはりピカソが関わったバレエ衣装です。

Img_5216j1pg 右は、1917年にパリで初演された「パラード 1917」の衣装です。(ただしこれは1979年のレプリカです。) ブリキと分厚いボール紙でつくられていることを確認しました。
 ピカソはこの衣装をジャン・コクトーのイメージをもとに制作したといいます。
 ピカソらしい前衛的な作品です。
 このときピカソは緞帳や舞台装置も手がけているのですね。

 最初の妻となるバレエ団のダンサー、オルガ・コクローヴァと知り合ったのもこの舞台だったといいます。 

Img_52151
Img_52051    バレエ「三角帽子」の衣装も展示されていました。(これも1992年公演のレプリカです。)

Img_51951  「ダンスを描く」ではダンスにまつわるピカソの作品が、サーカスや闘牛、エロティックなものまで展示。ピカソ自身が踊っている写真もあって興味深かったです。ピカソは相当なダンス好きだったのですね。

 ダンスを通して、様々な角度から見たものの形を一つの絵の中に収めていったピカソ。キュビズムの創始者といわれる偉大な画家の秘密が少しわかった気がしました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月17日 (月)

アラブ世界研究所で「マウリッツィオ・ガランテ展」

 パリに来た週末は、普段は入れない施設が無料公開されるヨーロッパ文化遺産の日でした。
Img_50671   そこで以前から行ってみたいと思っていたアラブ世界研究所を訪れました。
  セーヌ川沿いでひときわ目立つ、イスラム風の窓が神秘的な建造物です。

 このミュージアムでは今、パリ オートクチュールのクチュリエ、「マウリッツィオ・ガランテ(Maurizio Galante)展」が開かれています。館内は広くて迷路のよう。常設展示と現代アート展を抜けた階下のフロア奥で、マウリッツィオ・ガランテの今秋冬コレクションが展示されていました。

Img_50441jpg
Img_50401  その展示方法が上の写真のように、無造作でびっくり! 
  18点のドレスが天井からぶら下げられています。

 そしてそれ以上に驚かされたのが、マウリッツィオ・ガランテその人がそこにいて、私の顔を見てざっくばらんに話しかけてくれたことでした。
 彼はイタリア人ですが、今シーズンはテーマがモロッコとあって、ここを会場に選ばれたようです。
 刺繍のワークショップも行っているといいます。

Img_50361 Img_50281








 








 作品は、いずれも熟練の職人たちによる手織りや刺繍など、美手仕事の妙を見せるものばかりでした。さすがオートクチュールの手技と、感銘しました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月16日 (日)

「エッフェル塔特別ライトアップ」を見てきました!

 ロンドンからパリに戻った日の夜、「エッフェル塔特別ライトアップ」を見てきました。エッフェル塔を眺める最高の場所はトロカデロ広場とあって、広場には人がいっぱい。お祭りのようににぎわっていました。

Img_48871jpg

 このライトアップは、日仏友好160周年記念「ジャポニスム2018」の公式企画の一つとして行われたものです。(このブログの2018.5.13付け参照)手掛けたのは日本を代表する世界的照明デザイナーの石井幹子氏と同氏の長女でパリを拠点に活躍されている石井リーサ明里氏です。
 「エッフェル塔、日本の光を纏う」をテーマに、 闇夜に照らし出されたエッフェル塔は幻想的な美しさを湛えていました。

Img_48741 雅楽や琴の響きとともに、エッフェル塔が七色の色彩に染められていきます。富士山や黄金の塔、光琳の燕子花図が現れる光景も目にし、日本らしさは最高潮!さすがにすばらしかったです。

 フィナーレは、下の写真のように光の放射で幕を閉じました。

 繰り返し流れる10分間の映像はまさに 一大スペクタクルでした。これを支えた日本のプロジェクション・マッピング技術にも大きな拍手!

Img_49081

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月15日 (土)

ハラ・カルクソーのサステナブルなファッション展

 ロンドンのヴィクトリア&アルバート・ミュージアムでは、「ファッション オブ ネイチャー展」の他に、もう一つ、無料の展覧会「ハラ・カルクソー(Hala Kalksow)展」が行われていました。

 ハラ・カルクソーは、バーレーン出身の女性ファッションデザイナーです。2016年にロンドンでサステナブルをコンセプトにファッションブランドを立ち上げたとのこと。
 テキスタイルはバーレーンで手織りされたもので、職人技を守り、継承することに貢献しているそう。使われなくなった布地をアップサイクリング(廃物をより価値の高いものに再利用)する実験的な試みにも挑戦しているといいます。

 コレクションでは仕事着を基調に、ひねりを加えて現代感覚に落とし込んだモデルを発表していて、着る人の身体を守る制服のような衣服を考えてデザインしているとか。

 ステージでは静かな存在感のあるワードローブのインスタレーションを展示。
Img_48581
 ドレスはキモノをイメージさせる直線的な構造です。
 キモノジャケットと名付けたジャケットにはプリーツのカートリッジが取り付けられていて、これはキプロスの羊飼いたちのバッグに使われているものだそう。
 織りにはラテックスを採り入れ、シルエットを保持するともに、心地よい着用感もあるのだとか。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月14日 (金)

「ファッション オブ ネイチャー展」服飾と自然界を考える

  ロンドンに来ています。来週行われるパリのプルミエールヴィジョン取材が目的で、パリ経由でロンドンに入りました。
 いつものようにファッションリサーチをするかたわら、ヴィクトリア&アルバート・ミュージアムで開催中の「ファッション オブ ネイチャー展」を見てきました。
 これは17世紀から現在に至るまでのファッション(服飾)と、自然の関係を探る展覧会です。人間はファッションのあらゆる要素を自然界から得ています。それなのに人間はこのことに気を留めずに、あまりにも無頓着だったようです。ファッション業界もここで立ち止まって、自然界に与える影響やエコロジーについても考えなければならない、そう喚起させられる展示構成でした。

  1階は17世紀から20世紀初頭の服飾エリアになっています。
Img_47371
  花や動植物から発想したモチーフの何と多いことでしょう。 人間は自然の恩寵を実に豊かに受けてきたのですね。
Img_47251jpg シルクやウール、コットンの歴史衣装をはじめ、今はもうない鯨骨のコルセットや、鳥の羽根の帽子や扇、アイボリーや本物の玉虫を使ったアクセサリーなど珍しいものもたくさん展示されています。

 本展の見どころは2階の展示です。
Img_47531pg
 現代のデザイナーたちによる自然環境に配慮したファッションを多数見ることができます。

Img_47481jpg  グリーンの向こうにすっくと立っているのがカルヴァン・クラインがデザインしたドレスです。エマ・ワトソンが2016年のMETギャラで着用したものといいます。

Img_47831  SDGs( 国連の持続可能目標)の5つの「P」を考える展示コーナーもありました。5つの「P」とはPeople 人間、Prosperity 豊かさ、Planet地球、Peace 平和、Partnership パートナーシップです。これらをバランスよく考えてものづくりすることが重要なのですね。

Img_48041  地球環境保護プロジェクトのコーナーです。

Img_47981  ヴィヴィアン・ウエストウッドのクライメイト・レボリューション(地球温暖化革命)からのモデル展示も見られました。

Img_47781 人工蜘蛛糸も登場しています。
 微生物を利用してつくられる注目の新素材です。
 右はステラ・マッカートニーのコレクションからのもの。

 この他、興味深い展示がいっぱい。
 なお、開催は来年の1月27日までです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月13日 (木)

2019春夏サポートサーフェス 「軌跡のデザイン」テーマに

 ファッションデザイナーの研壁宣男さんが手がける「サポートサーフェス(support surface)」の2019春夏コレクションが、10日、上野・東京国立博物館 表慶館で発表されました。
 表慶館は、重要文化財に指定されている由緒ある建造物です。服を着る女性の表情や立ち居、振る舞いをより美しく見せるサポートサーフェスのショー会場として、まさに格好の場所と思いました。

 テーマは「Motion 軌跡のデザイン」です。
Img_44921jpg  軽やかな素材の流れるような動き、ドレープやフレアー、バイアスカット、丸みを帯びたラインなど、動の軌跡をつくるフォルムに惹きつけられます。

 素材は上品な透け感やしっとりとした光沢の無地、ハニーゴールドやオレンジの花柄プリント、爽やかなブルーやベージュ基調のストライプなどが目につきました。

 スポーティで心地よいリラックスした雰囲気を漂わせながら進行。エレガントで気品あふれる洗練されたシルエットが印象に残るコレクションでした。
Img_45081

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月12日 (水)

「ルームス エクスペリエンス37」⑶クリエイションの祭典

 「ルームス エクスペリエンス37」は、まさにクリエイションの祭典でした。
 ブースでは他に類をみないユニークなファッションを発信しているブランドがたくさんあって、ここではもう書ききれないほど----。その中で写真を撮らせていただいたいくつかのブースをご紹介します。

◇サボカン sabokan
 二人のアーティスト、一人はたまきのこ洋装店の環(たまき)さん、もう一人はアトリエ・サボの崎久保 愛さんによるアートなブランドです。
Img_43691
 自然をテーマにした幻想的なコスチュームのデザインがお得意だそう。森に潜む妖精のような有機的なモチーフのドレスに魅せられました。

◇フナタビ m.Funatabi
  テキスタイルデザイナーの大木もと子さんによるバティック/ろうけつ染めを中心とするブランドです。
Img_43761jpg
 手描き墨染や草木染なども手掛けられていて、布はすべて手作業による一点ものだそう。

◇ユイ・マツダ YUI MATSUDA

  高知を拠点に活動しているというテキスタイルデザイナーの松田 唯さんが手がけるプランドです。
Img_43801jpg
 目が覚めるような鮮やかな色彩が混ざり合い、滲む、美しい反応染めによるボーダープリントが印象的でした。

◇Dr. まあや Dr. MAAYA
 何とカラフル!いろいろなものが混ぜこぜになっている驚きのブランドです。
Img_43821  
 ブランド名がDr.(ドクター)というように、本業は脳外科医,つまり脳外科医兼デザイナーの折居麻綾さんによるファッションブランドです。超LLサイズが多く、モデル役もご自身でこなしています。ショップはあの“おばあちゃんの原宿”巣鴨にあるとか。こういう方もいらっしゃるのかと、楽しくなりました。

◇アタラシ ATARASHI
 デザイナーの新 賢さんのブランドです。ピンタックや細いプリーツのディテールを曲線状にあしらったデザインのドレスを見せています。
Img_43531
 ブース前面に、今年の第92回装苑賞でコシノジュンコさん選出作品を展示して、人目を引いていました。

◇ザ・スタジオ・ケー THE STUDIO K
 韓国人デザイナーのHyeJin Hongさんが手がけるブランドです。
Img_43641
 コートは両面リバーシブルで、どこか未完成なタッチが魅力です。非対称のテープをアクセントにしたアイテムにもオリジナリティを感じました。

Img_43841jpg  最後に、今回、何よりもびっくりさせられたのが、「けけの子族」の出現でした。
 噂には聞いていましたが、こんなところで出会うとは思ってもいませんでした。

Img_43931  この「現代版竹の子族」たち、ダンスしながら練り歩いて、場内を大いに盛り上げていました。

 楽しいイベントが盛りだくさんだった展示会、次回も期待しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月11日 (火)

「ルームス エクスペリエンス37」⑵ 持続可能な取り組み

  今回の「ルームス エクスペリエンス37」では、時流を反映するように持続可能(サステナブル)な取り組みを打ち出すブランドも多く見られました。とくに目新しく感じたものをご紹介します。

◇七彩 NANASAI
 マネキンやボディ、什器などを扱う七彩の新作は、100%紙を使用したペーパーボディ「ペーパー・ナチュラル・ボディ(PNB)」です。
Img_44011jpg
 紙は環境負荷を減らした再生紙を使用しているそうです。自然の色合いが混ざり合う外見は、温かくてやさしい雰囲気にあふれています。肩肘張らない自然体が大切な価値になってくることを象徴するようなボディです。

◇イー・ベーシックス e-basics 
  アッシュ・ペー・フランスがプロデュースしているブラジル発オスクレン(OSKLEN)のブランドです。
Img_43401
 シンプルなリラックスウェアは、残布を利用したコットンやオーガニックコットン、リサイクルペットを使用しているといいます。
 ファッションブランドとして持続可能な姿勢を貫いていることをアピールしていました。

◇ウールド WOOLD
 若手美術家でテキスタイルデザイナーの渋木智弘さんによる新ブランドです。
Img_44071
 日々生み出される不要物、新聞紙やレシート、コンビニのビニール袋や食品のビニールパッケージなどを、羊毛でフエルト化したテキスタイル「裾を眺め入る」から発足したブランドとか。バッグなど小物を提案していました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月10日 (月)

「ルームス エクスペリエンス37」⑴ 篠原ともえに注目!

  この5日から7日、「ルームス エクスペリエンス37」が五反田TOCビルで開かれました。これはアッシュ・ペー・フランスが主催する合同展です。エクスペリエンスというように現代の新感覚なトレンドを体感できるように工夫されている展示会で、一般公開もされていて、約2万人もの来場者があったといいます。 
 出展したのは、服飾小物を中心に、手芸から陶芸など美術工芸品など、約300の個性的なブランドです。全体に手工芸的なものが多く、シンプルでエコ・フレンドリーなデザインがあったかと思えば、逆にアヴァンギャルドなスタイリングがあったり、装飾過多なコスプレ風のものや、古着をリフォームしたような即興的ファッションが見られたり、ときにダンスやお笑いも入り混じって、実に多彩、楽しさいっぱいのイベントでした。

 とくに今回、注目されたのはアーティスト・デザイナーとして活躍するタレントの篠原ともえさん。アートディレクターの池澤樹氏とともに創り上げた特別なアートワークが目を惹いていました。
Img_44221jpg_2 左は本展のメインヴィジュアルで、篠原さん自身がモデルになった作品です。
 (写真が光って上手く撮れなくて残念!)

Img_44191jpg  「篠原ともえ150の原画展 emotion in motion」も開催されていました。感情のままに描き続ける“emotion in motion”は、ご自身の軌跡そのものといいます。

 また阿波藍 徳島のブースでは、篠原さんデザインのドレスがお披露目されていました。テーマは「天の川」で、藍職人の伝統の技と篠原さんのしなやかな感性が重なり合う、現代的で美しい銀河の意匠です。
Img_44151  ワンピースやシャツ、Tシャツが展示販売されていますが、生産数は限られているそう。まさに本格的な阿波藍染めの希少価値の高い逸品です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 9日 (日)

あの慣れ親しんだ曲のふるさとはドイツだった!

 昨日は湘南日独協会20周年記念講演会で、若林 倖子さんが講演されるというので、藤沢ミナパークに行ってきました。若林さんは、外交官夫人として長年ドイツに在住され、オペラアンサンブル「カンタンテ」を設立されてコンサートを開いたりもされている方(このブログ2015.6.1付けも参照)です。
 テーマは「ドイツ生まれ日本育ちの歌」で、お話しと歌の楽しい会でした。「ちょうちょ」とか「かえるの合唱」など、あの慣れ親しんだ曲のふるさとがドイツだったとは、ほんとうにびっくり!しました。

Img_44681_2
 ドイツのフォークロア衣裳をチャーミングに着こなした若林さん。講演にあたり、日本で親しまれているドイツの歌や民謡を探されたそうです。すぐに見つかったのはざっと50曲で、今回はその内の14曲を披露されました。歌を一緒に歌って下さったのは、湘南日独協会合唱団「アムゼル」の方々です。さすがのドイツ語で、すばらしい合唱でした。

Img_44691  
 まずはおなじみの「かすみか雲か」から。これはドイツでは小鳥の歌だったのですね。「ちょうちょ」は、ドイツ語では「幼いハンスが一人で旅に出た」という歌詞で、ドイツ語の歌詞と日本語歌詞が、まったく違っているとか、「かえるの合唱」や「ローレライ」は、ドイツではもうほとんど歌われなくて、日本の曲になってしまったことなどを、ユーモアを交えて語られました。
 最後を締めたのは、宝塚の曲?と思われていた「すみれの花咲く頃」でした。皆で日本語の歌詞を合唱したり、輪唱したり。こんなこと私も久しぶりで、懐かしさに目元もうるんできました----。
 すてきな午後のひと時、すっかり楽しませていただき感謝です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 8日 (土)

バイオアート展 「2018年のフランケンシュタイン」

 バイオテクノロジーが進化し、アートの世界でもバイオアート展が開催されるようになっています。その一つが東京・表参道のEYE OF GYREで開催中の「2018年のフランケンシュタイン バイオアートにみる芸術と科学と社会の今」展です。
 「フランケンシュタイン」は英国の小説家メアリー・シュリーによる小説で、今年は発表されてから200年になるそうです。生命の謎を解き明かそうと死者の断片をつなぎ合わせて怪物を生み出してしまう科学者、フランケンシュタイン。それが想像から現実のものになりつつあるのが現代です。
 ファッションの世界でも細胞や微生物のモチーフなどの表現が注目されていますし、またフランケンシュタインという怪奇な人物への好奇心もあって、開始早々、見に行ってきました。

Img_44491  まず目に飛び込んできたのが、平野真美さんの「ユニコーン」。架空の生物に生命を吹き込んで蘇生させようという作品です。ほんとうに生き返るかも、と思わせられます。

Img_44581  次に興味深かったのが、水槽の中のやどかりです。最初死んでいるのかと思いましたが、生きていました。透明な貝殻を背負って動いていてびっくり!
 これは「やどかりに“やど”をわたしてみる」というアキ・イノマタの作品です。3Dプリンターを駆使して樹脂素材によるやどかりの家をつくった、といいます。

Img_44421jpg  その向こうの壁には3つの人の顔が架かっています。「ストレンジャー・ヴィジョンズ」というタイトルのこの作品は、髪の毛などを基にそのDNAを持つ人間の顔を再現したものだそう。DNA鑑定もここまでくるかと思うと、そら恐ろしくなります。

Img_44482jpg  一番奥のコーナーに置かれているのは、アーティストグループ「BCL」による「DNAブラックリストプリンター」。延々とプリンターが打ち出しているのは、危険なウイルスのDNA配列とか。

 この他にも考えさせられる作品が展示されています。開催は10月14日までです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 7日 (金)

2019年春夏「エズミ」“デコンストラクション”をテーマに

 ファッションデザイナーの江角泰俊さんが手がける「EZUMi(エズミ)」の2019年春夏もの展示会が東京・神宮前で開かれ、そのフレンズデーに行ってきました。
 エズミは「理/LOGIC」をコンセプトに、エッジの効いたデザインを導き出す個性的な東京ブランドです。 

 Img_44301今季のテーマは“デコンストラクション=脱構築・再構築”で、発想源となったのは、英国で出版された現代アーティストのトッド・マクレラン(Todd McLellan)の本「Things Come Apart」だそう。日常よくあるオブジェの内部を分解、ピースを美しく配列して表示した写真集です。
 これをヒントに、クラシックなアイテムを再解釈。とくにトレンチコートやデニムのコート、ジーンズといった定番ベーシックに焦点を当てて、それらを解体、分解、修復、組み立てたコレクションを見せていたのが印象的です。

Img_44281Img_44341













 目立っていたのは、アシンメトリーやワンショルダーのカット、プリーツテクニックなど、エズミらしいシャープなスタイリング。カラーはネイビーやベージュを中心に、白、ピンクやグリーン、がアクセントです。

Img_44331  上は今シーズンからスタートしたという、きりりとクールなメンズライン10型で、こちらも好評の様子。
 パリコレと同時期に始まるパリの有力ブランド合同展にも出展するとのことで、将来がますます楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 6日 (木)

2019春夏ユキコ ハナイ 「宇宙の和音」響く大人スウィート

 花井幸子デザインチームが手がける「ユキコハナイ (Yukiko Hanai)」の2019年春夏展示会が4~5日、東京・千駄ヶ谷にて開催されました。

Img_42901  2019年春夏のメインテーマは「Cosmic Chord―宇宙の和音―」。宇宙から響いてくるような美しい神秘的な音楽を表現したといいます。その象徴が、透き通る光りに包まれて舞う不思議な微生物?“クリオネ”をイメージさせるドレスたち。このブラントらしい妖精のような大人スウィートの世界が広がります。

 その来春ものは「春のエンゲージメント」がテーマです。
  春一番は、5枚の花びらを見つけたら幸せになれるという、“ライラックの花”をモチーフにした美しい色使いのプリントからスタート。
 レースやプリントのトップスに、ボリュームたっぷりのスカートなどを組み合わせたラインナップです。
Img_42871jpg_2 Img_42881_3


1_4








 デニムやコードストライプのプリント生地の一連も目を惹きます。可憐な白のコットンレースをプラスして、マスキュリン×フェミニンを軽やかに印象付けていました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 5日 (水)

2019春夏ティスリー 「カミシマ チナミ」と「アユミ ミツカネ」

 コレクションブランドでは早くも2019年春夏ものが発表されています。北海道のアパレルメーカー「ティスリー」が手がける「カミシマチナミ」と「アユミ ミツカネ」も、渋谷区にあるショールームにて展示会が行われ、久しぶりに行ってきました。

Img_42911  「カミシマ チナミ」は、「KUBA (クバ)」をテーマに新作を見せています。クバとは、現在のコンゴ共和国に存在していたという王国です。この地の部族たちが遺した文化、精妙な幾何学パターンやラフィアの織物、木の実、ビーズ、貝殻などをあしらった仮面などの工芸品は、現代でも美術品として高い評価を受けているといいます。

 デザイナーのカミシマ チナミさんは、クバという個性的なモチーフをヒントに、色使いを抑えた大胆な幾何学模様のプリントドレスなどをデザイン。シンプルでエレガント、かつどこか実験的なカットの冴えを感じるコレクションが印象的でした。

Img_40641  「アユミ ミツカネ」も北海道出身のデザイナー、光金鮎美さんによるブランドです。
 今シーズンは「さなぎ」がテーマだそう。
 一見普通のパンツも、蛹のように一枚の布でくるまれるような裁断法で仕立ててあるといいます。
 プリーツやタックなどのディテールやカットのテクニックが目新しい、アート感覚なコレクションです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 4日 (火)

PVパリ9月展リリース 注目の新企画「スポーツ&テック」

 プルミエール・ヴィジョン・パリ(PVパリ) 9月展が、いよいよ近づいてきました。これはこのブログで毎回お伝えしている川上産業が結集する世界トップの見本市です。今回は9月19日から21日、パリ・ノールヴィルパント見本市会場で開催されます。
 リリースによると、今期も、業界をサポートするための新たな企画が多数打ち出されています。デジタル化、環境への配慮、クリエイティブなイノベーション、インスピレーション…。
  出展社数は6つの分野を合わせて1,964社です。(内訳はPVファブリック802社、PV ヤーン63社、PV アクセサリー332社、PVレザー294社、PV デザイン242社、PVマニュファクチュアリング231社)  2017年9月展に比べ、+0.5%の微増の予定といいます。

Une2  様々な新企画がみられ今シーズン、とくに注目されるのがスポーツです。スポーツの影響力がファッション業界にかつてないほど拡大しているとして、スポーツを業界の戦略的発展の軸と位置づけ、「スポーツ&テック」のフォーラムが設置されるといいます。ここでは出展社が提案するスポーツウエア向け素材・機能性素材のクオリティーの高さにスポットライトが当てられるとのことです。ファッショナブルで高機能をうたう革新的な素材の提案に期待が集まります。

11  9月展ではPVアワードもメインイベントです。
 記念すべき10年目とあって、授賞式は例年になく華やかなものになりそうです。審査員長はベルギー人デザイナーのオリヴィエ・ティスケンス氏で、元ニナ・リッチのクリエイティブ・デイレクター、この春先までアントワープでキャリア20年の回顧展を開いていました。この方にお会いするのも楽しみです。

 さらにもう一つ、興味深いのが、イエール国際フェスティバルの展示です。
1  これはPV審査員大賞を勝ち取ったデザイナーデュオ、カリブ出身のロシュミー・ボッター氏&リシ・ヘレブロ氏のメンズコレクション展で、浜辺にうち捨てられていた廃品と思われる品々を飾ったワードローブ30点が披露されるといいます。

 この他、エコファッションを推進するスマート・スクエアや、テキスタイルのクリエーションとデザインの重要性を強調するデザインズ・ファクトリーなど、目白押しです。

 今回展もまた、楽しさと驚きに満ちた見本市になりそう。ちょっと気分が上がります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 3日 (月)

「大日本市」工芸の未来を背負う気鋭のブランドが集結

 この8月末の3日間、天王洲アイルの寺田倉庫ホールにて開催されていた「大日本市」に行って来ました。「夏のご縁市」の垂れ幕がお祭り気分を誘います。これは「日本の工芸を元気にする」というビジョンのもと、全国に51店舗の直営店を展開している中川政七商店が主催する合同展です。
Img_41591
 この展示会が立ち上がったのは2011年で、私も何度か取材してきました。(このブログ2013.7.6付け2014.6.20付け参照)  それが今年の2月に初めて規模を拡大して行われたのですが、このとき私は行けませんでした。
 2回目となる今回は、工芸の未来を背負う気鋭のブランド46社が集結。以前はなかった「食」のブランドも加わり、つくり手による実演も多くみられ、「衣・食・住」の暮らしのすべてにまつわる日本各地の工芸メーカーによる体験型イベントになっていました。
 来場者は前回同様、約2,000人といい、盛況の様子で、私も楽しませていただきました。 

 様々なブランドが出展するなか、とくに繊維製品で注目したブランドをいくつかご紹介します。

◇Hirali (ヒラリ) 大阪府/堺市
 大きな幾何学模様がモダンで目を惹きつけられました。これは竹野染工が手がけるブランドの一つ、Hiraliの手ぬぐいです。裏と表の色が異なる両面染色であることが他にない特徴で、同社が開発した独自のロール捺染技術によるものだそう。
Img_41561jpg
   一般に和晒の染色方法として注染という手法があります。しかし注染ですと表裏は必ず同色になります。Img_41531この両面染色はロール捺染で、裏と表の色を変えて染めることができるのです。このような染め職人は同社でも希少な存在とか。実に貴重な技術なのですね。
 手ぬぐいの他、ガーゼ生地を蚊帳生地で挟んで縫い合わせた薄手のふきん、肌触りの良いガーゼのストールなどを提案し、人気を集めていました。

◇THE (ザ) 
 THEとは、定冠詞そのもの、変わった名称ですね。これは「グッドデザインカンパニー」の水野 学氏、「中川政七商店」の中川 淳氏、「プロダクトデザインセンター」の鈴木啓太氏がタッグを組んで、「これこそは」と呼べる、これからの世の中のスタンダードをつくろうと、2012年に設立されたブランドです。
Img_41441
 東京駅前の「キッテ」に直営店があって、私も行ったことがあります。どれも“普通”の顔をしていて、それが「いいな」と思いました。昨今は差別化され過ぎて、「これは」というものがなかなか見つかりません。そういう意味でまたとないブランドといえるでしょう。

Img_41481jpg  上は、同ブランドで一番人気という醤油差しです。あの有名な醤油メーカーの醤油差しを基に改良を加えたものといいます。決して液だれしないのがご自慢とか。
 少し小さめでクリスタルの透明感が美しいです。

◇大槌刺し子 岩手県/上閉伊郡
 東日本大震災から生まれた刺し子ブランドです。
Img_41361
 大槌町はあの震災で大きな被害があった町です。この地方には「南部菱刺し」という刺し子の伝統があるのですね。刺し子というと「津軽こぎん刺し」が有名で、「菱刺し」はあまり認知されていないようです。Img_41381 とはいえ地元では、女性たちが継承活動に取り組まれていて、かつては400種類もの菱刺し模様があったとか。
 絣や藍染の布地に草木染の糸で、大槌町の女性たちが心を込めて刺した“大槌刺し子”は、世界に一つだけの一点もの。一針一針に女性たちの思いが込められているようでした。

◇会津木綿 青製織所 福島県/会津坂下町
 会津木綿は、現在の福島県西部に伝わる伝統工芸品です。紺地に白い縞模様の他、赤や緑など様々な色の縞があり、汗をよく吸って丈夫で、縮みにくいのが特徴とか。
Img_41331jpg
 その特徴を活かしたブランド「IIE Lab(イ―ラボ)」で、ストールやエプロンなどの製品をアピールしていました。

◇白田のカシミヤ 宮城県/加美郡
 熟練の職人が手動の編み機を使って、丁寧に編んでいたのが印象的です。カシミヤを手で編むと、とても柔らかく優しい肌触りが出せるそうです。
Img_41281
 ブランド設立から早くも7年目。希少な手編み職人の技、受け継いでいって欲しいですね。

◇orit. (オリット) 兵庫県/加東市
 歴史ある播州織の阿江ハンカチーフが2012年に立ち上げたブランドです。orit.(オリット)とは「織人」の意味だそう。織物の中でも高度な技術を必要とするハンカチーフ製造で培った技術力を活かし、コットンストールやミニチーフ、コットンマフラーなどを提案していました。
Img_41401
 旧式の力織機で織られた布地は、ほんとうにしなやかで繊細、その洗練された美しい風合いに感動させられました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 2日 (日)

カマキリがセミを捕食! 

 夏も終わりの朝、突然、異様な羽ばたきが鳴り響きました。窓を開けてみると、梅の木の枝に何かが引っかかってバタバタ叫んでいるようです。
 それは茶色いアブラゼミでした。葉っぱにからまってしまったのかなと思い、もう一度覗いてみましたら、それは木の葉ではなくて緑色をしたカマキリでした。
Img_41851jpg_3  カマキリが大きなセミを捕食していたのです。なんて獰猛! カマキリはよく見ますが、このような光景は初めて----。セミがかわいそうですけれど、これも自然の摂理です。カマキリも秋に向けて産卵に備えているのですね。

 新しい季節に向けて生き物たちが動き出しました。私も秋支度しましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 1日 (土)

セミナー「独自性のある店づくりがお客の支持を集める!」

 消費の価値観は今や、「プレミアム消費」、「ディスカウント消費」、「シェアリング」など様々に多様化しています。こうした中、ジャパンジュエリーフェア2018セミナーで、消費動向と今後の展望を語るパネルディスカッションが行われました。
 パネラーは、三越伊勢丹の特選・宝飾時計統括部バイヤー 志村 英明 氏、髙島屋横浜店ジュエリー&ウオッチサロン シニアマネージャー青木 繁 氏、ジュエリーカミネ代表取締役 上根 学 氏、ジュエリーサロン ポンデュプレジール代表 橋本 佳代 氏で、司会はPR現代代表取締役社長 下島 仁 氏です。テーマは「独自性のある店づくりがお客の支持を集める!」で、お客さまの支持を集める取り組みについて議論が交わされました。ファッション業界にそのまま当てはまるようなお話しが多く、大変興味深かったです。

 まず最近のお客の動向について、百貨店の立場から志村氏は「賢い消費をするようになり二極化している、本物志向で、ストレスフリーの快適性を求める動きが強い」。青木氏は「直近6ヶ月の実績をみるとジュエリーの売上げがダウン、逆にウオッチはアップしていて、プレミアム消費が時計に移行している」などと述べていたのが印象的です。
 次にお客に喜ばれる自社の取り組みを、志村氏は「中間層に向けて広く浅くはもう通用しない。上客に焦点を当て、品質価値や独自性を伝え、快適空間へのアプローチで顧客の心をつかむようにしている」。青木氏は「イベントの開催や、オリジナル商品の提案、販売時の体験談をHPで共有する試みなどを行い、お客様にジュエリーの魅力を伝える努力をしている」と語られました。
Img_41081jpg  神戸で宝飾店を営む上根氏は「スリランカに鉱山を所有し、原石から宝飾品まで一貫して取り扱っていることを強みに、世代を超えた代々の宝物となるように、不朽の名作づくりに取り組んでいる。アニメ好きなので、手塚治虫の“アストロボーイ”のジュエリーや“ベルサイユのばら”、“リボンの騎士” のサファイアの王冠などをつくったところ、大きな反響がありTV局などメディアが押し寄せ、今まで宝石を知らなかった人たちにも認知されるようになった」そう。WEBを接点にオーダーメイドのジュエリーを手がける橋本氏は「買い物がストレスになる時代なので、まずは安心できるサービスを提供することが基本。ラインでの問い合わせなど客がアクションを起こしやすい工夫を心掛けている」など。
 さらにジュエリー業界の課題と今後の可能性に触れ、志村氏は、「一つは品質の低下で、そうならないようにしっかりと本物のクオリティを扱っていく。もう一つは百貨店が入り込めていない地方で、地域の富裕層の満足度が高い企画を打ち出す」。青木氏も「価格訴求の限界が来ている。ラグジュアリーも値上げしている」などと述べ、「ジュエリーの魅力発信の一つとして“ハロウィーン” などのオケージョンも考えている」。上根氏は「ヨーロッパの名家に伝わるような宝飾をつくり続ける」。橋本氏は「WEBが今後ますます有効な手段になってくる」、「SNSなどを通じてWEB世代に魅力を伝えていくことが大切と思う」といいます。

 話し合われた内容は、ジュエリー業界に限らない重要なポイントばかりでした。私も大いに参考になりました。これを機に業界のさらなる発展を期待しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2018年8月 | トップページ | 2018年10月 »