「パールの魅力」―日常に真珠を楽しむ―
先月下旬、日本ファッション協会うらら会で「パールの魅力」―日常に真珠を楽しむ―をテーマにしたセミナーが開催されました。講師は利重由紀子氏で、元ミキモト広報部で活躍されていたキャリアウーマンです。現在はオフィスY.T. 代表でジュエリーに関する企画、普及活動などを行っているといいます。
まずはパールの基礎知識から。
真珠は世界最古の宝石で、何と75,000年前の南アフリカのブロンボス遺跡で穴の開いた巻貝のカケラが発見されたのが始まりといわれているとのこと。劣化しないとはいえ、そこまで古かったとは、驚きです。
種類は大きく2つ、天然真珠と養殖真珠があります。天然真珠は食べるために収穫した貝の中に現れる偶然の賜物です。それ故に、大変貴重なものとして長い間珍重されてきたといいます。
日本では「しらたま」と呼ばれていたそうです。きれいな言葉ですね。あのマルコポーロが著した東方見聞録には「日本(ジパング)は真珠と黄金の国」と記されているといいます。
養殖真珠は、1893年に御木本幸吉が初めて半円真珠の養殖に成功し、1905年には真円真珠の養殖にも成功しました。これが世界中に普及し、多くの女性が真珠に親しめるようになったのですね。しかし当初、養殖真珠は偽物と訴えられたことがあったそうです。この訴訟はパリ裁判として伝わる有名なエピソードとか。もちろん勝利しましたが、最初は大変なご苦労があったのですね。
アコヤ貝のアコヤ真珠や白蝶貝の白蝶貝真珠、また黒蝶貝真珠、ゴールデンカラーパール、コンク貝のコンクパール、イケチョウ貝やカラス貝などの淡水パールと様々あって、それぞれ少しずつ違っています。
アコヤ真珠は最大10mmで、日本産の真珠はほとんどがこれ。白蝶貝真珠はアコヤより大きく、黒蝶貝はその名の通り黒っぽい。淡水パールは楕円形だそう。
コンクパールは右のピンク色のパールです。これは巻貝なので養殖が不可能といいます。希少なパールなのですね。
なおパールの良し悪しは、並べて見比べれば見分けられるそうです。
さらにパールの魅力について、きらきらしない、まろやかで顔を明るく見せてくれる働きもあるといいます。昨今は冠婚葬祭に装うだけではなく、ファッションとして楽しむ傾向も強まっていて、カジュアルにも合わせやすいのが人気の理由とか。
基本のパールのネックレスも、一番短いチョーカーからマチネ、オペラ、3連にもなるロープまで多種多様、使い方もいろいろです。
最後にお手入れのポイントとして、パールは傷つきやすいので、メガネ拭きのような柔らかい布でやさしく拭くこと。酸が苦手で、また水で洗っては絶対にいけないといいます。
パールが大好きな私は、普段からよくつけています。でも模造真珠ばかりですが----。お話しを伺って、本物を見にお店に行ってみたくなりました。
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