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2018年8月16日 (木)

「建築の日本展 その遺伝子のもたらすもの」和を再発見

 先日、六本木ヒルズ森美術館15周年記念展「建築の日本展 その遺伝子のもたらすもの」に行ってきました。
6f7a620  タイトルが「日本の建築」ではなく「建築の日本」となっているように、連綿と伝わる日本の遺伝子に焦点を当てられています。
 建築を通して、和の美を再発見させられた興味深い展覧会でした。

 展示されたのは100のプロジェクトにまつわる約400もの模型・資料です。それらが9つのカテゴリーで分類されていました。とくに注目した作品をご紹介しましょう。

 最初が「可能性としての木造」です。日本は国土の7割が森林で、木の文化を培ってきたのですね。

Img_34921  目の前のエントランスに高くそびえるのが、「木組みのインフィニティ」(北川原温)です。“立体木格子” という木組みで、ミラノ国際博覧会2015日本館に出品されたものだそう。紀州檜の香りが漂ってきます。

 ここには奇想の建築といわれる「会津さざえ堂」の模型も展示されています。“二重らせん” のスロープがある建物で、実在するのは世界でここだけといいます。あのダビンチもスケッチで残したものの、実現できなかったとか。一度ぜひ訪ねてみたい場所です。

 次に「建築としての空間」にあった、茶室建築です。
Img_34571
 千利休の作と伝えられている日本最古のお茶室、国宝「待庵」をImg_34561jpg原寸大で忠実に再現したものとか。
 躙り口は人がくぐって入れる最小限の大きさです。
 内部には薄暗く、幽玄な空間が広がっていました。

 「連なる空間」のコーナーでは、まず目に入るのが“家具のモダニズム”と名付けられたブックラウンジです。
Img_34981  これは香川県庁舎などで実際に使われている近代の名作家具で、丹下健三らが手掛けたといいます。書棚の書籍も自由に閲覧できます。

 次に向かうのが「丹下健三自邸」の模型です。今はもう現存しない住居を、宮大工が1/3スケールで再現したものとか。
Img_34831  写真で見たル・コルビュジエのサヴォア邸風な要素を感じる建物です。

 圧巻だったのが、「Power of Scale ライゾマティクス・アーキテクチャー」の体験型インスタレーションです。
Img_34671  ステージに上がって尺貫法など、日本の空間概念を3Dで体感しました。

 最後の「共生する自然」というカテゴリーでは、“建築は自然の一部”であり、光と素材と意匠が、自然と混然一体化している日本建築の美を提示。安藤忠雄さんによる「水の教会」など、“日本人は風景をも建築化する”ことの意味がわかった気がしました。

 建築展のはずが、その中に潜む日本らしさに改めて感動した展覧会でした。

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