2019春夏モード・イン・フランス展⑴ 好評のラベルゾーン
2019春夏コレクションをパリに先駆けて発表する第45回「モード・イン・フランス展」が、7月25日~27日、東京・ベルサール渋谷ファーストにて開催されました。
ファイナルレポートによると、出展社数は43社49ブランド(うち初出展は5社5ブランド)で、来場者数は昨年7月展と比べて10%の減少となったそうです。
とはいえ右のプロジェクトディレクターのエルヴェ・ユシェ(Herve Huchet)氏は、「商談は概ね順調で出展者の大半は結果に満足している」といいます。今年1月展で新設された「ラベルゾーン」(このブログ2018.2.3付け参照)も好評で、「今後はこれを一層充実させるとともに、メンズや雑貨ブランドも増やしていく」とのこと。
フランスから日本への衣料品輸出にも触れ、「2017年には前年比で7.7%増。国別で全体の9位につけている。日本とEU間で経済連携協定(EPA)が発効されれば、EUから日本への輸出は全体で16~24%増加するとの予測もあり、現在最高12%の関税がかけられている衣料品の輸出拡大に大いに期待している」と述べています。
2回目となった「ラベルゾーン」」(このブログ2018.2.3付け参照)。出展には、メイド・イン・フランスであること、しかも創造性や伝統の知識と技術があることが求められます。今回、この厳しい基準をクリアして出展した6社の中から、下記の3社のブランドをご紹介します。
◇タンセル(TINSELS)
初出展したリヨン本拠地のブランドで、個性的なプリントがトレードマークといいます。ブランドを手掛けるのは、エスモード出身でテキスタイルに詳しいジュリアン・ドリグエンさん(写真下)と、クリエイターのレミさんです。
2019年春夏は太陽と旅をイメージし、シチリアの乾燥、マドリードの暑さ、リスボンのエキゾチックな庭園などにヒントを得たコレクションを提案しています。
日本では既にいくつかのセレクトショップで展開されているそうです。直にコンタクトしたいと出展したといいます。
◇ヴァレンヌ(VARENNES)
本展には連続5回参加していて、「ラベルゾーン」への出展は2回目です。 ソーミュールにある今年で40年の歴史ある工房は、無形文化財企業(ETV)の認定を受けているといいます。なめし皮や素材にこだわったレザーバッグは、すべて裏張りされていて、シリアルナンバーと保証書付きです。
2019年春夏は、とくにポシェットが人気だそうです。肩にかけたり、ウエストポーチにしたり。
テーマはスポーツで、バドミントンやテニス、ゴルフを喚起するデザインを展開しています。イエローやグリーンのパイピング、レザーとメッシュや布帛とのミックスなど、元気いっぱいなコレクションです。
◇フェット・アンペリアル(FETE IMPERIAL)
2015年にクリエイターのローラ・ゴーティエ=プチがパリのマレー地区に創設したブランドで、今回初参加です。
フランスの伝統技術とスローファッションの精神を基に、華やかなベルエポックとパンク調のワイルドカルチャーの要素を融合。
オートクチュールの技術を取り入れたメイド・イン・フランスの高品質なコレクションを制作しているといいます。 2019年春夏は「滝」をメインテーマに、ギリシア神話の世界を思わせる自然と水の美を表現。「アポロ二―」や「天空の庭園」などと名付けたプリントのドレスやゴブラン織りのブルゾンなど、コットンやシルクのナチュラル素材を中心としたコレクションを見せています。
一つ、特別に取り出されたのが、アンゴラうさぎ(フランス南西部産)の抜け落ちた毛を集めた糸を使って、職人たちが棒編みしたニットウェア。ふんわりとやわらかい、まさにエシカルの逸品です。
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