« 明治150年記念「明治からの贈り物」展 明治の美と技 | トップページ | 2019春夏モード・イン・フランス展⑴ 好評のラベルゾーン »

2018年8月 1日 (水)

特別展「縄文 1万年の美の鼓動」謎の造形美にはまる

 今、東京国立博物館で特別展「縄文 1万年の美の鼓動」が開催されています。日本の北を中心に南まで全国に広がる縄文遺跡で出土した約200件が集結しているのです。これは混まないうちに見ておこうと、先日行って来ました。

Img_32151jpg
 会場は平成館の2階で、第1会場に土器、第2会場に土偶が主に配置されています。

 第1会場に入ると、まずは前期の土器です。縄文の名前の由来となった縄目模様が付けられています。それも様々な方向に向きを変えて、杉綾の変形のようなものも見られます。黒っぽい煤の跡もあって、煮炊きに使われていたことがわかります。それにしても底が尖っているので、立ちません。どのように使ったのでしょう。不思議です。
 一昨年、青森県三内丸山遺跡を訪れたときに見た「縄文ポシェット」と呼ばれる木の皮を編んだ籠(このブログ2016.8.26付け)も展示されていました。精巧なつくりで驚かされます。当時もう漆塗りの技術もあったのですね。

 次に中期の土器です。
20180704_2678140  火焔型土器(右のチラシに掲載されているのは国宝の火焔型土器)や、王かん型土器が真ん中にずらりと並んでいて壮観です。炎を象ったような、また冠のように立ち上がる土器は彫刻アートのようです。うねる渦巻模様や蛇のようなモチーフが立体的に施されています。これはもう実用というよりも装飾が圧倒的に勝り、この造形美は一体何なのか----と、すっかりこの謎にはまりました。。
 この展示室内にはエジプトやインド、中国など他の文明の器も展示されています。比較すると、それらは皆シンプルで使い勝手のよさそうなものばかりです。
 縄文土器が世界に類をみないものであることを改めて確認しました。

 第2会場は土偶が中心です。まずは国宝の土偶が集められた展示室です。「縄文の女神」の美しいプロポーションや、厚さが何と2ミリという「中空土偶」、敬虔な気持ちにさせられる「合掌土偶」など、但し「縄文のヴィーナス」はまだ展示されていなくて、ちょっと残念!
 すべて妊娠した女性を表現しているそうです。女性が敬われていた証なのかも---と思いながら拝見しました。

 そこを抜けると広いホールに出ます。たくさんの土偶や矢じり、破片などの出土品が展示されるなか、00089773 注目はやはり「遮光器土偶」(右のチラシに掲載されている土偶)です。
 ゴーグルをつけているように見えることから、こう呼ばれているそう。SFに登場する宇宙人を模したのでは、ともいわれているのですね。眺めているとそんな気もしてきます。これもミステリー!

 最後のコーナーでは、縄文土器を評価した人物が紹介されています。
 長い間、縄文土器は考古学研究の対象であって、その芸術性については認知されていなかったのですね。
 この縄文土器の美に誰よりも早く感動し、世の中に訴えたのが芸術家の岡本太郎です。大阪万博では土偶をヒントにあの「太陽の塔」をつくりました。岡本太郎って、ほんとうにスゴイ!です。
Img_32281_2  
 ここには写真撮影可のスペースがあり、岡本太郎美術館蔵の縄文土器が出品されています。

 右は、岡本太郎が撮ったという「顔面把手」(山梨県韮崎市出土)です。

Img_32161 Img_32161_2  深鉢型土器 3点です。

 縄文時代は今から約1万5000年前から約2300年前です。古代というよりもはるかに古い時代に、1万年もの長い間、私たちの先祖は、狩猟採集をしながら土器を用いて、平和に生活していたといいます。それにしても、これほどまでに装飾豊かな土器をつくって楽しんでいたとは! 平和であればからこそ、だったのでしょうか?
 知れば知るほど謎多き縄文に、ちょっと夢中です。

 会期は9月2日まで。この夏は上野で、ニッポンの美の原点をたどってみてはいかがでしょう。

|

« 明治150年記念「明治からの贈り物」展 明治の美と技 | トップページ | 2019春夏モード・イン・フランス展⑴ 好評のラベルゾーン »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/588192/67005580

この記事へのトラックバック一覧です: 特別展「縄文 1万年の美の鼓動」謎の造形美にはまる:

« 明治150年記念「明治からの贈り物」展 明治の美と技 | トップページ | 2019春夏モード・イン・フランス展⑴ 好評のラベルゾーン »