« 「グレイヘアが静かなブーム」寄稿 | トップページ | 明治150年記念「明治からの贈り物」展 明治の美と技 »

2018年7月30日 (月)

「モネ それからの100年展」 モネは今も生きている

 今年は、印象派を代表する画家、クロード・モネが、最晩年にImg_30411_2 画業の集大成として制作した「睡蓮」(パリ オランジュリー美術館の壁画)に着手してから約100年になるそうです。そこでこれを記念する展覧会「モネ それからの100年展」が今、横浜美術館で開催されています。
 先日、この夜間特別鑑賞会が行われ、参加しました。何度も見ているモネの絵ですが、今回改めてその魅力を再発見した感じです。「モネは今も生きている」のフレーズが心に沁みました。

Img_31101jpg_2  入場するとすぐに目の前に架かっているのが「睡蓮」(1914-17年頃)の絵です。学芸員の坂本恭子氏によると、これを冒頭にもってきたのは、抽象画に近い作品だからだそう。後世の作家たちに大きな影響を与えたものだったといいます。

 本展は全4章構成です。モネの作品約25点が時系列ごとに、現代作家約30人の作品と見比べられるように、同じ空間で展示されています。
 たくさんの作品の中から、私が気になった作品をご紹介します。

 第1章は、「色彩と筆触」がポイントです。1870年代のモネの初期作品と、そこに見られる躍動感のある筆触に触発された現代アートを見ることができます。

Img_30541_2  上はモネの「ヴァランジュヴィルの風景」(1882年)です。
 実はその隣にあるのが「ヴィレの風景」(1883年)で、日本初公開の作品です。色を混ぜない「筆触分割」の手法で、光あふれる明るいタッチで描かれています。モネは色彩の喜びを最初に表現した画家だったのですね。
Img_31141_2
  右はジョアン・ミッチェルの「湖」(1954年)です。

 ここにはそんな筆触の効果を楽しめる作品がたくさんありました。

Img_30501_2
 右のルイ・カーヌの「彩られた空気」(2008年)もそうです。これは金網に樹脂絵の具で描かれています。カーヌは筆触分割を継承する画家といわれているそうです。


 第2章は、「形のないものへの眼差し― 光り、大気、水」に着目しています。モネの中期の作品が中心です。

Img_30641_2  上はモネの「セーヌ河の日没」(1880年)。
 水に光りが乱反射して煌めいている風景です。
Img_31091_2  
 右は「テムズ河のチャリング・クロス橋」(1903年)です。
 大気そのものが色に染められていて、何とも美しい!

Img_30821jpg_2
 右はモーリス・ルイスの「ワイン」(1958年)です。
 幾層にも絵具が重ねられています。絵のてっぺんを見るとたくさんの色が使われていることがわかります。

 ここには他にロスコらの作品もあり、興味深かったです。

 第3章は、現代作家のみのコーナーで、「モネへのオマージュ」的作品が集まっています。
 
Img_30901jpg_3  上の左は、ロイ・リキテンスタインの「日本の橋のある睡蓮」(1992年)です。 

Img_31321jpg_2   福田美蘭の「睡蓮の池」(2018年)の連作です。右は「朝」で急遽制作されたとか。テーブルが睡蓮を思わせます。

 第4章は、モネの「睡蓮」が拡がる空間です。題して「フレームを超えて― 拡張するイメージと空間」。
 Img_31061_2
Img_31001_3 Img_31001_4  上は、モネの「睡蓮、水草の反映」(1914-1917)です。

Img_31211_2  鈴木理策の「水鏡」(2017年)。
 最後を締め括るのは、鈴木理策が2014年から取り組んでいる写真と映像作品です。モネが執着した水面のヴィジョンを主題としたシリーズです。

 なお、写真撮影は美術館から特別許可がおりています。
 会期は9月24日まで。詳細はWEBサイトhttps://monet2018yokohama.jp/をご覧ください。

|

« 「グレイヘアが静かなブーム」寄稿 | トップページ | 明治150年記念「明治からの贈り物」展 明治の美と技 »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

[url=https://remontbosch.com]сервис центр [/url]

投稿: NormaKetSteaftAmalvanny | 2018年7月31日 (火) 01時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/588192/66999059

この記事へのトラックバック一覧です: 「モネ それからの100年展」 モネは今も生きている:

« 「グレイヘアが静かなブーム」寄稿 | トップページ | 明治150年記念「明治からの贈り物」展 明治の美と技 »