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2018年6月 2日 (土)

「うるしの彩り―漆黒と金銀が織りなす美の世界―」展

 今、東京・六本木の泉屋博古館分館にて開催中の企画展「うるしの彩り―漆黒と金銀が織りなす美の世界―」、その内覧会に行ってきました。
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 漆は器などで身近に使われていますけれど、工芸美術品として触れる機会はあまりありません。本展では近代から現代までの金銀蒔絵や螺鈿、彫刻----など、変化に富んだ華麗な漆工芸の住友コレクションが紹介されています。
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Img_09841_2  その見どころをご案内していただいたのが、同館学芸員の森下愛子氏です。
Img_09871jpg  まずはコレクターだった住友春翠が好んだという能の楽器、鼓や笛に見られるものを見せていただきました。
 右は、小鼓に吉祥柄、たとえば鯉の滝登りや鳳凰といったモチーフの蒔絵を施したものです。
 楽器と漆は繋がりが深いのですね。

 次に香道の香合や茶道の棗などといったお道具に見られる漆工芸のコーナーです。
Img_09951jpg  右は足利義政ゆかりの香合で、明時代の中国から伝わったものだそう。
 日本では漆に金銀などの金属粉を蒔く蒔絵の技法が独自に発展したといいます。
 ちなみにこの朱の台皿は日本製とのことです。

Img_09981  上は桃山から江戸時代にかけての典型的な香箱です。
 これは特別参加された目白漆芸文化財研究所 代表取締役の室瀬智弥氏がとくに気に入っているという逸品です。黒漆をバックにした平蒔絵で、あわびの螺鈿細工が入っている華やかなものです。漆の接着効果を駆使して鉛など様々な素材を組み合わせ、光らせたり、鈍く見せたり---、技術的にも注目されるといいます。

 次に泉屋博古館の京都本館の学芸員 外山 潔氏から、中国や琉球の作品を解説していただきました。
 中国の漆工芸は彫漆といい、漆を塗り重ねた層に彫刻刀で文様を彫り込んでいく技法で、見た目からして日本とは異なっているのが興味深かったです。

Img_10131_2  上は中国の皇帝のシンボルだった龍を彫ったお盆です。龍は本来5本指でなくてはならないのですが、これは指が4本しかありません。民間に流出した際、1本削り取られたのではないかとみられているそうです。
 中国ではこのような漆器がたくさんつくられたのですが、今では日本にしかないといいます。理由は中国では漆器が消耗品としてぞんざいに扱われたのに対し、日本では舶来品として珍重され、大切にされてきたからだそう。

Img_10241  18~19世紀の琉球漆器で、朱漆に金箔を貼った箔絵の技法のもの。琉球ではこのような日本人好みの中国風の作品がつくられ、日本への献上品として用いられたそうです。

 この他、明治政府が力を入れたという超絶技法の漆芸作品など、すばらしい作品揃いです。
 なお写真は美術館より特別に撮影の許可をいただき掲載しています。
 本展は7月16日まで。詳細はWEBサイトhttps://www.sen-oku.or.jp/tokyo/program/をご覧ください。

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