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2018年6月 4日 (月)

IFF MAGIC 福田 稔 氏講演「アパレル産業の未来」

 先般のIFF MAGIC見本市のセミナーで、ローランド・ベルガー プリンシパルの福田 稔 氏が登壇しました。福田氏は、この ブログ2018.5.19付けで掲載した「シタテル」の戦略アドバイザーでもあります。
Img_99201jpg  「アパレル産業の未来~テクノロジーはアパレル産業をどう変えるか~」と題して、今後アパレル産業はどのように変わるのか、変わるためには何が必要となるのかについて、事例を交えながら語られました。

 まず10年後の未来を予測するにあたり、大きく二つの要素、テクノロジーの進化と消費者の変化があると指摘します。
 消費者の変化では、①価値観の多様化、②主役はデジタル世代といわれるミレニアル世代、③ニューエコノミーといわれるシェアサービスの拡大やメルカリに代表されるリユース市場の拡がり、④高齢社会となることから消費が縮小。ファッション消費は50歳代でピークを迎え、70歳代にはその半分ぐらいになると推測されています。
 次にテクノロジーの進化です。国内ファッション市場のEC化率は現在、14%となっています。これはますます増加を続け、2030年には3割を超えると予想しているそうです。これにより、①アパレルの消費形態が多様化し、中古やレンタル、スタイリングサービスなどが進出し、リアル店舗は購入場所から体験する場へ変貌していく。②消費者との情報格差が解消し、インスタグラムなど個人のトレンド発信力が強まる。③在庫リスクは、在庫を極限まで減らすマス・カスタマイゼーションなどの進展で低減される。④服作りが変わる。スマートファクトリーが導入され、ロボットミシンなどによる省人化が進行する。⑤布の革新が起こり、グーグル×リーバイスのプロジェクトジャカードのように、服がIoT化するといいます。
 多岐にわたる考察のなか、とくに興味深く思ったのがバリュー・プロポジションについてのお話でした。消費者への価値提案は次の7つの類型に収斂されていく、といいます。①利便性の追求、②プライスリーダー、③カテゴリーキラー、④ロングテール対応、⑤ライフスタイル提案、⑥エンターテイナー、⑦ローカル対応です。考えるべきポイントとして参考になります。
 さらにファッション産業の未来について、気になるところを解説されました。国内アパレル市場は中間層の落ち込みや少子化で厳しい状況が続きます。しかしグローバルで見ると、アパレルは大いに伸びる余地があるといいます。それには川上・川中の連携が大切であるとも。イタリアに見るようにメイド・イン・ジャパンのブランド力を育てていくことが業界の使命であると強調しました。ブランド力のあるメーカーはプラットフォームを活用して成長可能であるし、日・EUのEPA(経済連携協定)発効への期待、越境ECの拡大など、未来は決して暗くなく、明るいといいます。
 最後に同質化とは真逆の独自性の追求こそ21世紀アパレルのテーマと提言、印象に残るセミナーでした。

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