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2018年6月21日 (木)

FB学会特別講演「繊維産業の課題と経済産業省の取組」

 ファッションビジネス(FB)学会総会後、特別講演会が去る5月19日、文化学園大学にて開催されました。講師は経済産業省製造産業局生活製品課長 杉山 真氏です。
Img_06601jpg_2   「繊維産業の課題と経済産業省の取組」と題して、繊維産業の現状と問題点、今後の方向などを講演され、同省の考え方を知ることができました。WEBサイトには同じ内容の文書も掲載されています。そのポイントを下記にまとめました。

 まず国内繊維産業の概況です。国内生産の減少により、繊維事業所数、製造品出荷額とも、1991年比で約1/4 に減少し、アパレル市場における輸入浸透率は2017年には97.6%まで増加しました。衣料品の輸出は先進国のなかでも極めて少ないのですが、一方で生地については競争力があるとみられているようです。織物輸出額を見ると世界的に見て高い水準にあるといい、高機能・高性能繊維や高品質・高感性の素材で世界をリードしているといいます。 
 次にファッションテックついてです。第4次産業革命到来による大きなテーマとして、強調されました。アパレル業界ではE コマースの台頭で、2017年にEC化率は11%を超え、リユース、レンタル、クラウドファンディングを含め拡大が見込まれています。
 こうした中、焦点となってくるのが「コネクテッド・インダスリー」と断言。これからは様々な業種、企業、人、機械、データなどがつながり、AI等によって、新たな付加価値や製品・サービスを創出、生産性を向上し、高齢化、人手不足、環境・エネルギー制約などの社会課題を解決していくことが重要と語られました。
 その多々ある重点取組分野のなかで、とくに①スマートテキスタイルと②マスカスタマイゼーションを取り上げ、解説されました。
 ①では、生体データを取得し、高齢者、建設作業員やドライバー等の見守りや、アスリートの体調管理や運動負荷量のモニタリングを行うといった試みが見られ、「hamon」(ミツフジ)、「e-skin」(Xenoma/東大発ベンチャー)、「Smartfit」(クラボウ)、「美姿勢チェック」/「筋電WEAR」など(グンゼ)、太陽電池/太陽光発電テキスタイルの事例を紹介。
 ②では、デジタルツールを活用することで、従来の大量生産と同様の効率性で、オーダーメイドの一点物を生産・販売する試みが始まり、事例としてViscotecs(セーレン)、フクル、ZOZOSUIT(スタートトゥデイ)、島精機製作所、COUTURE(クチュールデジタル)。
 この他、マッチングプラットフォームの「シタテル」や、サプライチェーン間のデータ連携を構築する「タビオ」なども挙げられています。

 これらファッションテックは衣服というモノの概念を根本的に変革し、これまで不可能だった様々なサービスやソリューションを提供できる無限の可能性を秘めているといいます。
 今後の繊維産業構造の劇的な変化を予言する、刺激的な講演会でした。

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