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2018年5月17日 (木)

「グレイヘアという選択」が生み出す新シニアファッション

 「グレイヘア」とは白髪のこと。英語で呼ぶとおしゃれっぽく感じます。この白髪が今、静かなブームになっています。 51kvzirlu3l_sx350_bo1204203200__6 これを仕掛けたのが、主婦の友社新規コンテンツ開発編集者の依田 邦代さん。シニア向け雑誌「ゆうゆう」の副編集長などを経て、現職に就任し、2017年、「パリマダム グレイヘアスタイル」を刊行、パリのマダムのグレイヘアを紹介し、今年4月、日本女性にスポットを当てた「グレイヘアという選択」(表紙は結城アンナさん)を出版しています。
 この4月4日~6日開催されたファッションワールド東京・春展のセミナーに登壇し、今後トレンドになるとみられているグレイヘアとさらなる拡大が見込まれるシニアファッションの需要創出について語られました。題して、「グレイヘアという選択」が生み出す新しいシニアファッションとは?――です。
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 まず「グレイヘアという選択」の背景について。グレイヘアを選ぶ世代は、青春時代にファッションの洗礼を受けた団塊世代が中心で、家庭優先だった女性が多い。子育てが一段落した現在、もう一度好きなおしゃれを楽しみたい、と思うようになっているといいます。2016年にシニアファッションのスナップ誌「Over60 Street Snap Project~  L’ideal(リディアル) 」を発売して、出版不況といわれながら15万部を売り上げるヒットとなったのも、こうしたバックに支えられてのことと推察されました。(このブログ2016.7.14付けでも記事を掲載していますのでご参照ください。)
 次に、主婦の友社がこの3月に行なった意識調査から「おしゃれ感度の高い女性のグレイヘア率は高い」ことを数字で示しました。
 「グレイヘアについてどう感じますか?」では、「美しいと思う」と答えた人が40.8%、「染める必要はない」と思うが16.8%で、それぞれ1年半前の前回調査よりも増えていたのです。しかも約80%が「素敵なグレイヘアならいつか自分もなりたい」。また白髪を染めているほとんどの人は「いつか白髪染めをやめたい」と思っていることもわかりました。しかしそれには超えるべきハードル、つまり移行期をどう過ごすか、老け見えしないための方法は? といった問題があるといいます。
 依田さんは、ここに新たなシニアファッションマーケットが存在すると、事例を挙げて紹介しました。 
 移行期には帽子やヘアバンドなどのヘアアクセサリー、ウィッグが、また完成後はきれいな色や輝くものが若見えするアイテムとして求められるようになってくる、またメガネなどのアイウェアや和装も似合うようになるといいます。
 依田さんご自身も昨年白髪染めをやめたそうです。計算すると、ヘアサロンで白髪染めをすると1回1万円、3週間に1回としたら1年にかかるお金は約17万円、1年に費やす時間は、1回2時間として約34時間にもなります。このお金と時間を別のことに使ってみたら、もしかしたらこれまでとは違う新しい人生が開かれるかもしれません。
 実はグレイヘアにすると、ヘアサロンへ行く回数は逆に増える人が多くなるそうです。メイクやスキンケアなどの化粧に掛ける費用も同様のようです。白髪を隠すという行為が白髪を活かすというポジティブな行為に変わるとき、白髪染めに費やされていた費用は、もっと積極的に消費へと転換される可能性が高くなるのですね。

 グレイヘアは新しい美の価値観をつくり出し、シニア世代の購買意欲を増大させることにつながる――。大変興味深いセミナーでした。 シニアのファッション消費、今後大いに期待されます。

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