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2018年5月12日 (土)

コットンの日⑵ サステナビリティと革新の取り組み

 (昨日のブログの続きです)
 5月10日の「コットンの日」のイベントでは、アメリカ綿のサステナビリティ(持続可能性)とイノベーション(革新)への取り組みが改めて紹介されたことが印象的でした。

 本イベントのため来日されたのは国際綿花評議会(CCI) 会長のテッド・シュナイダー(Ted Schneider)氏と、CCIワシントンDCディレクターのヴォーン・ジョーダン(Vaughn Jordan)氏、中国・北東アジア担当理事のカリン・マルムストロム(Karin Malmstrom)氏の3氏です。それぞれの立場からプレゼンテーションされました。

 アメリカ綿は全体に生産量が増加しています。その理由は、綿花価格が一時に比べて上昇し、栽培農家の生産意欲が高まっていることと、品種改良による単位面積当たりの収穫が向上したことがあるようです。

 とくに興味深かったのが、テッド・シュナイダー会長のお話です。アメリカ綿のサステナブルな栽培や経営について次のように語られています。
 アメリカ綿を生産している農家は18,000軒を超え、97%強が家族経営であるそう。ご自身もルイジアナ州からアーカンソー州に広がる3,600エーカーの農場所有者で畑仕事にも精を出されているといいます。何世代にもわたり、家族で耕作してきた綿畑は、息子や娘、孫たちに代々受け継がれるべき唯一最大の資産であるといい、1_3いち早くサステナビリティにも取組んでこられたそうです。

   その成果は、右の画像の通り、過去35年間の環境負荷削減データから明らかです。(COTTON USAのHPもご参照ください)

 昨年8月には、2025年に向けてサステナビリティに関する計測可能な数値目標も設定されました。このことも重要なポイントで、このような数値目標を示した国はアメリカだけと強調します。
 COTTON USAはこうした厳格な規制システムの下、生産されているのです。

 これら規定を遵守するために、不可欠なのが精密農業であるといいます。精密農業とは、コンピューターによるハイテク測定システムを使った画期的なテクノロジーで、水と化学薬品の使用を減らしながら、農作物の収量及び品質の向上を図る農業管理手法です。2015年の調査では全米綿作農家の70%が何らかの形で導入していると答えたそうで、現在はもっと増えているといいます。
 同氏の畑も、無人飛行機技術により畑をマッピングし、水の散布が必要な場所を特定したり、植物保護製品(農薬)の使用を無駄のない適切な量で調整したりして、土壌を守っているとのことでした。

 ヴォーン・ジョーダン氏は、アメリカの綿花輸出について解説しました。アメリカはいうまでもなく生産の9割を輸出している世界最大の綿花輸出国です。その5大輸出先はベトナム、中国、トルコ、インドネシア、パキスタンで、世界中の国々とパートナーシップを維持しているといいます。
 アメリカ綿はサステナブルであることはもちろんのこと、繊維長が長く強力があり、あらゆるグレードで高品質、品質が一貫して安定しています。ですから最近話題の中国との通商問題について、それほど深刻とはとらえていないようです。とはいえアメリカ政府に対して中国の重要性への理解を促しているそうで、早い解決を願っていると述べました。

 カリン・マルムストロム氏は、CCIが昨年立ち上げた「WHAT’S NEW IN COTTON」(コットンの新機能)をファッションショーとともに紹介しました。
Img_03521  上はこのショーのフィナーレです。

 イノベーションというと、とかく化学繊維に偏りがちです。これは天然繊維のコットンも革新的な高機能素材であることを訴求するプロジェクトです。スポーツやアウターなど、様々な分野でコットンを活用していただく、そのためのインスピレーション源になればと、提案しているといいます。
 なおこのプロジェクトについては、このブログのプルミエールヴィジョン・パリに関する記事の中で、2017.9.23付け2018.2.26付けに掲載しています。出展各社の機能素材も一部取材していますので、併せてご覧ください。

 綿俵のすべてに追跡タグが付けられ、DNAレベルでのトレーサビリティ(追跡可能)が可能となるなど、今やコットンも進化しています。来期のPVパリでは、新たに6社が出展するとか。日本のメーカーの参加が期待されます。

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