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2018年5月18日 (金)

講演会「ファクトリエが描く 日本のものづくりの今と未来」

 今や日本のアパレルの国内生産比率は3%を切りました。こうした中、メイドインジャパン専門のファッションブランドが「ファクトリエ (Factelier)」で、昨今メディアで話題となっています。 

Img_94601  このファクトリエ代表でライフスタイルアクセント(株)代表取締役の山田 敏夫氏が、先般のファッションワールド東京・春展で基調講演されました。題して「メイドインジャパンを世界へ ~ファクトリエが描く 日本のものづくりの今と未来~」です。

 熊本県出身で学生時代にフランスへ留学して、グッチのパリ店で働き、職人のものづくりの上にデザインやブランドがあることを知ったという同氏。このことをきっかけに、2012年メイドインジャパンの工場直結ファッションブランド、「ファクトリエ」を立ち上げます。
 そのスキームは泣く人をつくらないことで、作り手と使い手、そして伝い手も全員が幸せになれるシステムづくりからスタートしたそう。
 世界が認める技術力がある日本です。ところが国内のアパレル工場や職人は減少し続けています。いわゆる負のサイクルに陥っているのです。これを正のサイクルに変えていくために、中間業者を介さずアパレル工場と提携してものづくりを行い、商品を適正価格で直接消費者に提供していく仕組みをつくろうと考えたといいます。
 そこで全国600以上もの工場を訪問し、現在55工場と契約、商品を生産し販売しているそうです。
 そのポイントは3つあります。
⑴ 工場名のついた地域ブランドであること。すべての商品に名前が付くことで、生産者は誇りをもってつくれます。
⑵ 販売価格を工場が決定する形をとっていること。従来の希望小売価格を全廃し、捨てないことを前提に工場の言い値で購入しているといいます。
⑶ メンテナンスすること。これは最大の強みで、機械が古くなっても、いつでも使えるように、工場側の課題を解決したのです。最高の商品をつくりたいと、若手が入社するようになったといいます。

 これにより、工場は適正な利益を確保しながら、職人の技術やこだわりのある本物をつくり、消費者に納得のいく価格(従来の30~50%オフ)で販売できるようになったのです。
 工場見学ツアーも毎月開催し、今では熱狂的なファンも多いそう。銀座と名古屋、熊本にあるショールームでは、毎週イベントを行っているとも。「メイドインジャパン」と「ファッション」でネット検索すると、トップに「ファクトリエ」が出るほどに成長し、海外約100ヵ国からアクセスがあるといいます。
 最後に、「ファクトリエ」の使命はビジネスを通して社会をよくしていくことであり、日本製の最上の服でお客様を夢中にし、愛着をもって長く使っていただくことを目指すと明言。
 ファッション業界は、現状の消費の在り方を見直し、サステナブルへ舵を切らないと、地球がもたないと発言されたことも印象的でした。

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