2018/19秋冬「ネクスト ビュー」デザイナーブランド3人展
英国や日本企業で経験を積んだファッションデザイナー3人による合同展、「ネクスト ビュー next view」が、去る3月28(水)~31(土)、渋谷のギャラリーで行われました。いずれも有力若手で個性派揃いです。彼らが目指すネクスト ビューをご紹介します。
ツカサ ミカミ TSUKASA MIKAMI
デザイナーの三上 司さんは、アシスタントデザイナーや広告会社での勤務を経て2014年にご自身の名前でユニセックスファッションブランド「ツカサミカミ」(TSUKASA MIKAMI)」を立ち上げたといいます。東京コレクションでは2016年春夏もの(このブログ2015.10.26参照)と2016/17秋冬もの(このブログ2016.3.18参照)でショーをされ、私も取材させていただきました。
社会問題を提起される想像力のあるブランドで、他にないユニークなデザインが印象的でした。
今シーズンもテーマは「LIP SERVICE (リップ サービス=口先だけで調子のいいことを言うこと)」です。現代社会はSNSが勢いづき、カビのようにはびこっています。こうした口先だけの好意やうわべだけの賞賛に皮肉を込めて、口にまつわるモチーフをコレクションに採り入れたといいます。
テキスタイルデザインは、アニメーション作家の冠木佐和子さんとのコラボレーションにより制作したグラフィックだそう。それにしても何と大きな口や唇でしょう。その奇抜で大胆なアイディアにまたしても驚かされました。
コール koll
ブランドを手がけるのは、楠原 麻由さんです。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションで学び、文化ファッション大学院大学を卒業して、2017年秋冬ものから自身のブランドをスタート。「媚びないフェミニティ」をコンセプトに、二次加工を組み合わせた素材追求が特徴といいます。
2018/19秋冬は「インコンパティブル(incompatible)」をテーマに、相いれないもの同士、たとえば自然物と人工物の共存をモチーフにコレクションを展開。
カラーはグレイッシュをベースに、蛍光色やPVCなど少し違和感のある色や素材を用いて、他にないオリジナリティを感じさせていました。
タクター tactor
ロンドンのセントマーチン出身のデザイナー、山本奈由子さんが手がけるブランドです。ブランド名のように、タクタイルtactile=服の視覚的な肌触りを大切に、五感にひびく特別な1枚を提案することを心掛けているとのこと。
2018/19秋冬のテーマは「MOIETY=とても深く根付いた半分、切り離せない一部」で、ブランドを象徴するドットやボタニカルプリントを軸に、異なる要素をコラージュ。プリントやユニークな素材を組み合わせて、日常の一歩先へと足が伸びるような力強くも軽やかなアイテムを揃えたといいます。
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