「KIRE・KIRE・TEN ―現代の民族衣装―」展
既に終盤となった「KIRE・KIRE・TEN ―現代の民族衣装―」展に行って来ました。キレ=布に焦点を当て、若手デザイナーブランドのデザイナーたちが「現代の民族衣装」をテーマに制作したファッション展で、この23日まで池袋・パルコミュージアムで開催されています。
展示は2つに分かれています。一つは、既に東京コレクションなどで活躍している気鋭のブランドの作品です。
正面手前はPERMINUITE(半澤慶樹) × ワタノブテックス(トーションレース)。
右はS0SHIOTSUKI(大月壮士) × Tex.Box(ニードルパンチ) TAKUMA FUKUMORI(横振り刺繍)。
この他、HATRA(長見佳祐)、KOTONA(山下琴菜)、RYOTAMURAKAMI(村上亮太)、mikio sakabe(坂部三樹郎、シュエ・ジェンファン)らも出品しています。
もう一つの展示は、本展でデビューしたばかりという新進ブランドが中心です。「ここのがっこう」出身のデザイナーたちが多く出展していました。
ここはまさに日本の夜祭り! 赤い光が照らす中、提灯がぶら下がり、輪投げ遊びコーナーもあって、ゲームでもしたくなるような雰囲気です。楽しくも不可思議な幻想的空間が演出されていました。
右はRe:quaL≡(土居賢哲)× 遠藤繊維工業(横編み)。
たまたま居合わせたデザイナーの土居さんによると、これはビジネスバッグを持って通勤する日本のサラリーマンの典型的な姿をイメージしたものだそう。
既存のスタイルを打破して新しい価値観を生み出そうと、必死にもがいている精神状態を感じる作品です。
他に、ANNA KOJIMA(小嶋杏奈)、ayatsunemi(常見彩耶)、BIRDMAN(シュエ・ジリン)、CHIHARU EGAMI(江上千晴)、Fumiku(林史佳)、HIROKO HASEGAWA(長谷川博子)、LIMTWEA(イム・トゥエ)、maimori(森麻衣)、medetasy(石田萌)、natsucoendo(遠藤夏子)、PITECAN THROPUS(大橋佳奈)、Seiran Tsuno(津野青嵐)、渡辺未来(渡辺未来)が参加しています。
また協力生地メーカーは、吉田染工/遠藤繊維工業/奥田染工場/笠盛/久野染工場/妙中パイル織物/Tex.Box/トシテックス/ファイブワン/村田刺繍所/ワダノブテックスで、企画コーディネートは糸編(セコリ荘)。
各デザイナーたちは生地メーカーとコラボし、メーカーの工場に足を運んでプリントしたり、刺繍したり、様々な加工を施して生地を開発したといいます。ファッションは素材、つまりキレ=布から始まります。本展では全作品に、普段は表に出てこない生地メーカーの名前が記されていました。こうすることでファッションにいかにキレ=布づくりが重要か、がわかります。
これまでにない画期的な展覧会でした。今後の拡がりを期待しています。
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