パリで「シェイラ・ヒックス」展 力強い生命の異空間
2月初旬に訪れたパリで、「シェイラ・ヒックス(Sheila Hicks) ライフライン」の個展が、ボンピドゥセンターで開催されていました。シェイラ・ヒックスは、繊維で造形するテキスタイルアート作家です。
一歩足を踏み入れると、そこはまさに力強い生命の異空間。サブテーマの「ライフライン=生命線、命綱」を表象するインスタレーションに目を奪われます。
目に入ってきたのは、太い毛糸が天井から何本も垂れ下がる作品です。巨大な樹木の森の中にでも入ったかのよう。
大きな石を模したボールもゴロゴロしています。 絵画のようなパッチワーク作品も見られます。それは活き活きとカラフルに彩られた命の森です。
生命の本質に迫る様々な糸の造形が印象的でした。
実は私はこの作家をまったく知りませんでした。友人を介して知り合った方に教えていただき本展に興味を持ったのです。 シェイラ・ヒックスはアメリカのネブラスカ州生まれで、1950年代後半からメキシコやインド、モロッコなど探訪し、先住民の織物のイメージを取り入れた作品を発表しています。現在も糸による彫刻のようなインスタレーションを制作し続けていて、パリ6区に在住とのこと。
私の親友がシェイラ・ヒックスの作品をカメラに収めていて、後で送ってくれました。
右がその写真です。
2015年10月下旬、ルイ・ヴィトンのサンジェルマン・デプレ店のショーウインドーで、偶然撮影したものだそう。
私たちも知らず知らずのうちに、あちらこちらでシェイラ・ヒックスの作品を目にしているのかもしれません。
今年で84歳になられ、今なお精力的に活動されている様子です。またどこかで作品に巡り合えるかも、と思うとうれしくなります。
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