PVパリ⑸ 「ウエアラブル・ラブ」重要な戦略テーマに
今回のPVパリで大きく取り上げられたのが、「ウエアラブル・ラブ(Wearable Lab)」です。これはこのブログ2017.2.24付けの記事にもあるように、昨年2月展でローンチされたものです。PVパリでは技術革新やファッション・テックをファッション業界の将来にとって重要な戦略テーマととらえ、規模を800㎡に拡大、22社が出展しました。
日本からも一社、帝人フロンティアの技術開発部が初出展、あでやかな婚礼衣装の着物を展示して注目を集めていました。
この着物には帯締めに圧電組紐(このブログの2017.1.26付け参照)や圧電刺繍(このブログの2018.2.5付け参照)、西陣織の電極布「テクノセンサー」といった最先端技術が使われています。
まさに日本の伝統工芸との融合です。
テーブルには、京都の伝統工芸士で京組紐作家の谷川住春氏によるウエアラブル小物を並べ、道行く人の目を惹きつけていました。
このエリアでもう一つ、驚嘆させられたのが、クララ・ダガン(Clara Daguin)氏によるインスピレーションをもたらす特別展示、「インサイド・ザ・クリエーション」です。
実演コーナーには、オーラを視覚化する衣服が設置されていて、それを誰もが体験できるようになっていました。中に入って、円形のパネルに身体を合わせて腕を動かすと、オーラが発生し、パネルの上に放射状の光が発せられるのです。光が揺れ動く様子が何ともミステリアス!
ダガン氏は、職人の仕事と科学技術の融合をテーマに、ファッションデザインを表現するクリエイターです。PVが支援しているイエール国際モード&写真フェスティバルでは、2016年のファイナリストでもあるそうです。
さらにもう一つ興味を引かれたのが、リーバイスのコミュータージャケットで、その実物が展示されていたことです。 これはスマホと連動するウェアラブル・ジャケットで、袖のカフス部分にセンサー機能を持つ電導性のある繊維を織り込んだジャカードデニムが使用されています。この布にチップ内蔵のタグを接続することで、デバイス操作ができる仕組みです。
今、話題のジャケットを目の当たりにして、改めて時代の変化を実感しました。
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