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2018年2月 7日 (水)

「パリジェンヌ展」アートとオートクチュールの緊密な関係

 今、世田谷美術館で「パリジェンヌ展 時代を映す女性たち」が開催されています。パリジェンヌとはパリに生きる女性です。ここではとくに18世紀から20世紀のパリを体現する女性たちにスポットがあてられていて、展示されているのは、ボストン美術館所蔵の作品、約120点です。
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 先日、関連イベントのレクチャーがあり、まだ雪が残る砧公園内に立置する世田谷美術館に行ってきました。
 講師は京都服飾文化研究財団理事、名誉キュレーターの深井晃子氏です。「アートとオートクチュールの緊密な関係-アメリカ女性とパリジェンヌ」をテーマに、絵画から見たパリモードとアメリカ女性との関わりなどについて語られました。

 深井氏によれば、「パリジェンヌ」とは何かというと、定義はない。けれどこの言葉が重要な意味を持つようになってくるのは、19世紀の半ば頃からで、オスマン男爵によるパリの都市改造計画でモダン・パリが出現して以降といいます。
 オートクチュールが創始され、また大西洋横断航路の定期サービスも開始されるようになり、米国人実業家たちが夫人を伴いパリに来て、美術品を収集するようになったのもこの時代でした。ボストン美術館の収蔵品も彼らコレクターのコレクションを集めたものといいます。ボストン美術館に印象派の作品が多い理由がわかります。
 印象派の画家たちは、パリジェンヌの肖像画をたくさん描いています。つまり当時のアート作品からその頃の流行が類推できるわけです。

 講演では、パリジェンヌとパリモードを読み解く鍵となる絵画が多数紹介されました。
9f3307674f1327e35e0a579d21e66940   たとえば本展のポスターにも掲載されているマネの大作「街の歌い手」(1862年頃)です。ギターを抱えたこの歌手は、流行のカシミアショールを身に着けていません。カシミアショールは庶民にはあまりにも高価で贅沢なものだったのですね。もちろんオートクチュールのモードでもありません。でも彼女は最新流行の衣装を装っています。この絵は、既製服が登場して、服の民主化が進行し、誰もがその気になれば流行のファッションを着用できるようになったことを表わしているといいます。

Im_parisienne201706_03_2  またもう一つ、ポスターに取り上げられているのが「チャールズ・E・インチズ夫人」(1887年)という、ジョン・シンガー・サージェントの作品です。この実業家夫人はボストン社交界の美女といわれた女性だそうです。もうパリジェンヌになりきったといった姿で描かれています。
 アメリカ女性にとって、パリモードはまさに憧れの的だったことを示すような作品ですね。
 他にもルノワールやドガらが描いたモデルやミューズのお話があり、改めてパリジェンヌとはどのような女性を指していうのか、知り得た気がしました。

 展覧会では18世紀のエレガンスから19世紀、20世紀のモダンシーンまで、美しいパリジェンヌたちを描いた作品が数多く展示されています。 
 これらの作品に見るパリジェンヌひとり一人の生き方を、探ってみるのも楽しいですね。今を生きるヒントが見つかるかも、と思います。
 なお開催は4月1日までです。

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