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2018年1月

2018年1月31日 (水)

ジャパン・ベストニット・セレクション2017 ⑵ 注目企業

 (昨日のブログの続きです)
 先般の「ジャパン・ベストニット・セレクション(略してJBKS)2017」で、注目した企業の製品をいくつかご紹介します。

<ニット企業>
徳島ニットファクトリー
 徳島県三好郡みよし町が本拠のニットメーカーで、 創業より27年、国産にこだわってレディース、Img_49961jpgメンズ、スクールユニフォームまで幅広いニット製品を生産しているといいます。
 今シーズンは島精機のホールガーメント編機を使用した、高級感あふれるニットを多数提案。
 右は、洗練されたモール糸使いのセーターです。

<カットソー企業>

バーンズファクトリー BURNS & FACTORY
 カットソーなのに、テーラードな布帛感覚のメンズスーツImg_50101やコートは、着心地よさそうなリバーシブル仕立てです。素材はウール100のダブルフェイス。
 洗練されたクラシックなエレガント感あふれるコレクションです。

チャージ CHARGE
 大阪・枚方市が本拠で、カットソーをメインにテキスタイルの企画・製造を手掛けるメーカーです。
Img_50241 ブースでは「パウダースノー カシミール」と名付けた綿素材に目が行きました。これはスーピマ綿の極細糸を使用した綿100%で、「カシミアを超える綿100%」と謳っています。フワッフワッと優しい感触で、生地は薄いのですが、三層構造になっていて温かいといいます。

中半産業
Img_49601  東京・墨田区が本拠で秋田に自社工場を持つ、カットソー・メーカーです。高品質なメンズカジュアルを提案していて、縫製仕上げが美しい!
 シャツは布帛そっくりの上質さです。

三恵メリヤス
Img_50041jpg  日本一の繊維産地、大阪を本拠地に高品質なカットソーブランド「EIJI」を発信しています。
 ここでは世界最高峰のオーガニックコットン、アルティメイトピマを100%使用したEIJIのオリジナルTシャツをアピールしていたのが印象的です。

大石メリヤス
Img_49691  「スラウチ&シック」をテーマに、高級感のあるバスローブとルームウェアを展開。
タオル地のアイテムに人気が集まっている様子です。


<生地関連>
吉田染工 
 本拠地は和歌山県紀の川市で、昨年7月に開催されたミラノウニカに出展し、人気を集めていたメーカーです。島精機の横編み機を用いて、ラメ糸を使ったり、カシミアやシルクを採り入れたり、アート感覚なジャカード織のような魅力的なニット生地を提案しています。
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2018年1月30日 (火)

ジャパン・ベストニット・セレクション2017 ⑴ アワード

 「ジャパン・ベストニット・セレクション(略してJBKS)2017」が、12月6日~7日、東京国際フォーラムで開催されました。
 今回は第10回目となる節目の年で、出展社数は過去最多の75社となり、新販路開拓に動くメーカーが目立ったといいます。また来場者も、史上最高の3,878人を数えたと報告されています。
 総じてビジネス環境が良くなっている様子が伺えました。「国産ニット、ここにあり」です。
 Img_49811jpgとくに島精機の無縫製ニット、ホールガーメントの進化が注目され、導入するメーカーが増えています。
 右はホールガーメント機によるコットン製品です。

 全体がレベルアップする中、恒例のアワードが発表されました。
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 グランプリ及び経済産業大臣賞を受賞したのは、山形市を本拠地とするケンランドです。
Img_50481jpg 同社はリネンを中心とした麻製品を企画生産し販売しているメーカーで、リネンはフランスのノルマンディ産だそう。フランスの農業団体からの支援も大きいとか。
 同社のモノづくりのテーマは、「生命の樹」で、これはノルマンディ地方にあるバイユーのタピスリーに見られる模様をヒントにしているといいます。このタピスリーはリネン地に刺繍を施したもので、私もかつて訪れたことがあり、当時が思い出されました。

 準グランプリは二社あります。
Img_50631  一つは東京・墨田区の中橋莫大小で、「メリッパmerippa」を打ち出しています。
 これは5年がかりで開発したという「メリヤスのスリッパ」で、今では日本以上に欧米向けに好評だそう。このブログ2016.12.25付けでもご紹介していますので、ご参照ください。
 同社はもちろんこのメリッパの他、様々なニット製品を展開していることもお忘れなく。

 もう一つがウメダニットです。
Img_50441  新潟県五泉市にあるニットメーカーで、完成度の高い高品質なつくりが自慢です。ホールガーメント機を使用した製品は、ニットとはいえ、しっかりとしていて布帛感覚。素材から一貫生産し、カットソーと横編みが半々、フルアイテムのラインナップを実現させている点も評価されました。

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2018年1月29日 (月)

歌川国貞展 ~錦絵に見る江戸の粋な仲間たち~

 「歌川国貞展 ~錦絵に見る江戸の粋な仲間たち」が今、静嘉堂文庫美術館で開催されています。
O0393055614116026541  実は歌川国貞という浮世絵師について、私はまったく知識がありませんでした。先日、この内覧会に参加し、太田記念美術館の主席学芸員日野原健司氏や静嘉堂文庫の主任秘書成澤麻子氏、ナビゲーターの青い日記帳Tak氏によるトークショーでお話しを伺い、ほんの少しだけ国貞通になった気がしました。

 歌川国貞(1786-1864)は、美人画と役者絵の第一人者で、後年三代歌川豊国と称した人物です。常に第一線で活躍し、活動期間も50年と長く、作品数は1万点以上にも上るとか。錦絵版画をもっとも多くつくった絵師だったといいます。その点数があまりにも多いことから、それがかえって価値を低めたのではないかともいわれているようです。

 本展では、この名手の作品の中から、活き活きとした江戸の女性たちや、迫力のある役者の舞台姿を描いた錦絵を中心に、肉筆画や工芸品を含む91点を展示。またポーラ化粧美術館の所蔵品も参考出品されています。
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 江戸の多色摺り木版画の錦絵は、写真の無い時代のファッション画です。展示品は、岩崎家のお嬢様たちが着物の柄や髪飾りなど当時の流行を知る参考のため、収集したものだそうです。きちんと画帖仕立てにされているので、展示に苦労したとのことでした。でもそれだけに美しい色が保存されていて、着物文化がリアルに伝わってきます。
 花魁たちだけではなく、市井の普通の女性たちの日常のワンシーンを捉えた描写も多く、150年前の江戸の空気感を感じました。

Img_56161  上は「今風化粧鏡」。こういうのを大首絵というのですね。
 左手前の女性は、口の周りを黒くしてしまったところ。鉄漿を付けるのに失敗した場面です。

Img_55821jpg  真ん中の絵は「蚊やき」です。寝間着姿の女性が、蚊帳の中に入ってしまった蚊を、紙燭の火で焼いている図。 よく見ると小さな蚊が描かれている、おもしろいシーンです。

Img_55901_2  右は役者大首絵として有名な五代目松本幸四郎の「仁木弾正左衛門直則」。

 反った大きな鼻が印象的です。

Img_55951jpg  江戸の劇場の様子がわかる「芝居町 新吉原 風俗絵鑑」。絹本着色の肉筆画です。

Img_56061jpg  「双筆五十三次」です。双筆というのは、二人の絵師による合作で、本シリーズは東海道五十三次の宿ごとに、前景の人物を歌川国貞こと三代歌川豊国が、背景の風景画を歌川広重が担当して、刊行されたもの。

 この他、紹介しきれませんので、どうぞ会場まで。URL http://www.seikado.or.jp/
 会期は前期 1/20~2/25、後期 2/27~3/25となっています。
 なお写真撮影は、美術館より特別の許可をいただきました。

 

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2018年1月28日 (日)

軍服の歴史 「紳士服のルーツは軍服だった」

 「紳士服のルーツは軍服だった」と語るのは軍装史の研究家、辻元よしふみ氏です。今のビジネススーツはルイ14世時代の軍服に由来していて、たとえばテーラーカラーは、当時の上着の立ち襟を折り返したもの、ネクタイはクロアチア傭兵のスカーフから来ているなど興味深い蘊蓄もたくさんお持ちです。

 この辻元氏と、夫人で画家・イラストレーターの辻元玲子氏による講演会が、「軍服 その歴史とイラストレーション」をテーマに、昨秋、服飾文化学会研究例会で開催されました。
Img_42851 お二人は「図説 軍服の歴史5000年」の著者でもあります。

 まずはユニフォーモロジー (Uniformology) =軍装史学/制服学についてです。外国には膨大な資料があり研究も盛んに行われているそうです。翻って日本では軍事アレルギーが強すぎるのか、必要以上に研究されていなくて、このままでは70年前の旧陸海軍の軍装はおろか、戦後の自衛隊の服制も忘れ去られる危険があると警告を発します。
 辻元氏は1年前に起こったアイドルグループ「欅坂46」の衣装騒動に触れ、軍服を無自覚に採り入れると物議をかもすことがあるともいいます。この騒動はアイドルたちの帽子の帽章がワシの意匠で、これがナチスそっくりと批判されたことから起こったのです。
 軍服はファッションデザインの有力なネタ元です。多くのデザイナーたちがコレクションの一部にかつての軍服の意匠を盛り込んでいます。しかしどこまでなら真似してもよいか、あるいは危険かといった判断は、日頃から勉強していないと難しいといいます。軍装はそのルーツを知った上で、使うべきものなのですね。

 次に軍服の歴史を解説されました。
 軍服は今から5000年前、古代シュメールで、すでに存在していたといいます。その変遷を辻元玲子氏の写実的な復元画とともに、わかりやすくお話しされました。
 中でも興味深かったのは、やはり近代的な軍服が出現する17世紀前半頃からです。徴兵制が始まり、国家の常備軍が整備されるようになり、軍人の階級制度も整って、軍服が普及していきます。銃器も発達し、重い甲冑が廃れていったといいます。17世紀後半になると三角帽にペルシア風ジュストコルとベストが登場し、華やかになっていきます。それが最も華美になったのは18世紀後半から19世紀初め頃だそう。とくにナポレオン時代には二角帽に騎兵用肋骨服が大流行します。派手な国家色も注目で、イングランドでは赤、プロイセンでは、プロシャンブルーなど、軍服は統一色で彩られるようになります。ところが19世紀後半以降、火器の能力向上で、遠くから狙撃される危険性が増し、目立たないカーキ色が浮上します。カーキ色は第一次世界大戦ではごく普通の色となり、第二次世界大戦で迷彩色が現れ、現在に至っているのです。
 海軍も調べるとおもしろいです。ネイビーは紺色の異称ですが、これは1748年に英国海軍が紺色を導入したからだそう。ブレザーに金ボタン、Pコート、セーラー服も海軍が原点ですし、Tシャツもそうですね。
 この他、塹壕で生まれたトレンチコート、空軍パイロットが着用したフライトジャケットなど、私たちが普段、身に着けている服のスタイルは、驚くほど軍隊から来ていることがわかります。

 戦争という極限状況を背景に生まれたサバイバル服、軍服。服飾史研究の重要な分野であることを強く印象付けられた講演会でした。

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2018年1月27日 (土)

映画ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男

 このほど公開されたドキュメンタリー映画「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」を見てきました。 ライナー・ホルツェマー監督がドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)に1年間密着してつくりあげたという2016年制作の作品です。

Photo_2 ドリス・ヴァン・ノッテンは、パリコレで繊細な美的感覚で知られるベルギー出身のクリエイターです。2014年にパリ装飾美術館で大回顧展(このブログ2014.9.28付け参照)が開催されて、その百花繚乱ぶりに圧倒されたことが思い出されました。

 映画の冒頭、「ファッションは嫌い。半年も持たずに消えてしまうものは好きではない」の言葉が何とも印象的でした。トレンドに左右されない、時代を超えて長く着られるものをつくり続けていく、との姿勢に好感しました。
 ラグジュアリーブランドとしては数少ない独立派で、広告は一切しない、自由にクリエーションするためにスポンサーも要らない。またアクセサリーや小物ではなく服のデザインそのもので勝負している稀有なブランドでもあります。
 それなのに常に第一線で創作活動を続けて25年にもなるのです。大切なのはやはりよきパートナーやたくさんのスタッフたちの存在なのですね。彼らに囲まれて、生き生きと楽しそうに仕事しているシーンが何度も映し出されていました。

 めったにカメラの入らない、ドリスのアントワープの邸宅、それに花々に囲まれた庭園も紹介されて、あまりの美しさにうっとり!です。ガーデニングもお好きのようです。
 ファブリックは自らデザインして世界中に特注し、インドには刺繍工房も持っています。まさにタイトル通り、「ファブリックと花を愛する男」ですね。
 でも普段のドリスは、意外にもストイックと思いました。華やかなショーの舞台裏やアトリエでは、何の変哲もない白いシャツやセーター姿で、まじめそのものといった雰囲気です。あのスティーブ・ジョブズを連想したりしました。

 なかなか目にできない才能あるクリエイターの生き様を伝える力作でした。

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2018年1月26日 (金)

エコプロ2017~環境とエネルギーの未来展 

 環境イベント「エコプロ2017~環境とエネルギーの未来展」が、昨年12月7日~9日に東京ビッグサイトで開催されました。出展企業は616社・団体、来場者は3日間で160,091人と発表され、規模から言っても日本最大級です。環境・エネルギー問題を中心に様々な企画が展開され、持続可能な社会の実現を提案、まさにアジアを代表する環境の総合見本市でした。

 今回も繊維関連で注目したブース展示をご紹介します。

東洋紡
 テーマは「自然×素材=環境 ~素材が変われば環境は変わる~」です。Img_51731jpg 海水淡水化膜の「ホロセップ」やリサイクル素材に加えて、とくに目新しく思えたのが植物生まれのフィルム「バイオプラーナ」(右写真)。石油系フィルムと同等の性能を持っているそうです。
 またトウゴマという植物を原料にしたポリアミド樹脂など、植物に着目した開発が進んでいる様子です。

東レ
Img_51701  「グリーンイノベーション事業」の推進に取り組むなか、部分的に植物由来PTT樹脂を使った繊維製品がエコマークとして認定されたといいます。
 ブースでは、リサイクル繊維や植物由来の合成繊維使いのユニフォームの展示に目が行きました。

丸井グループ
 「あなたにぴったりの一着を」と、パターンオーダースーツ・シャツを提案していたのが新鮮に映りました。体型にフィットするように採寸し、生地を選び、ボタンなど細かなデザインを選んで、自分だけのオリジナルな一着がつくれるのです。
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 オーダー価格が、ジャケットで税込み24,000円から、シャツで5,990円からとリーズナブルなことにも驚きました。

<グリーンストアーズ>
 このエリアはイベント体験コーナーです。小規模なブランドが集まり、ワークショップ形式で、来場者とコミュニケーションしながら商品を販売していました。

創喜
 奈良の老舗靴下メーカーで、3Rに取り組む「リ・ループRe Loop」ブランドが出ていました。

Img_51341  
 ブースでは何と自転車をこいでいる人がいます。これは同社が「チャリックス」と呼んでいるイベントで、「自転車をこいで靴下をつくろう」というもの。糸を選んで自分好みの靴下をつくれます。一足2,000円です。

畠活 和田合同
Img_51381  ライフスタイルとして家庭菜園を取り上げています。
 クワやカマ、移植コテなどの道具類と、これらを持ち運び収納するバッグなどを提案していて、こんなところにもと、印象的でした。

倭文の会(しずのかい)
 国産大麻を使い、昔ながらの方法でつくった糸で織った布や小物を販売しています。Img_51521jpg
 昨夏、訪れた栃木県那須の大麻博物館と関係が深いことを伺い、改めて大麻古布に思いを通わせました。

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2018年1月25日 (木)

「介護はすみだ生まれ いま・むかし」展 フットマーク社で

 昨年11月中旬、水泳用品・介護用品メーカーのフットマーク社をSUDIの有志と訪問し、東京・墨田区政70周年記念事業の一環として開催されていた「介護はすみだ生まれ いま・むかし」展を、三瓶 芳 社長直々のご案内で、見せていただきました。
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 同社マーク館では、昭和30年代頃からの写真資料などを展示、地域の移り変わりを懐かしみました。

 中でも驚かされたのは、「介護」という言葉の名付け親が、当時のフットマーク社長で現会長の磯部成文氏であるということでした。
 展示されていた新聞記事(Fuji Sankei Business 2012.3.21)によると、1970年代初め頃、近所の奥さんが訪ねて来て、「お漏らしに悩むおじいさんのために、大きなおむつカバーをつくって欲しい」と依頼され、大人用の大きいおむつカバーをつくったそうです。
Cimg07111  「大人用おむつカバー」の商品名で商品化したのが、左写真の額に飾られていたおむつカバーです。ほんとうにあまりにも大きくてびっくり!
 しかしこれはあまりパッとしなくて、紆余曲折を経て10年後、商品名「介護おむつカバー」で売り出したところ、軌道にのるようになったといいます。「介護」の「護」は看護師から、「介」には「助ける」の意味があることからこう命名したとか。1984年に商標登録。2000年に介護保険制度が施行され、この言葉は一気に全国に浸透したといいます。

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 上は、ヒット商品の「うきうきシャツエプロン」です。

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 またフットマーク社はリオ・オリンピック水泳で金メダリストの金藤理絵さんをサポートしていて、同社ショールームでは金藤さん着用の水着が展示されていました。(上の写真)
 これはイタリアの競泳水着ブランド「Jaked(ジャケッド)」製で、2010年に独占輸入販売契約を結んでいるそうです。

  (ショールームで三瓶社長と記念撮影)
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 「健康は水の中にある」をテーマに、水中運動やリハビリ、介護のための用品・用具を今後も開発していくという同社。ますます期待しています。

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2018年1月24日 (水)

講演会「自由を生き抜くためのダイバーシティ」

 法政大学総長 田中優子氏が基調講演するシンポジウムが、昨年11月28日、六本木の国際文化会館で開催されました。主催は一般財団法人日本ファッション協会の「Urara:kai(うらら会)」です。
Img_47702  テーマは「自由を生き抜くためのダイバーシティ」で、ダイバーシティ(多様性)の視点から、自由を生き抜くことの意味と社会の変貌に対応できる知性の在り方を、明快な語り口で語られました。

 前半は法政大学総長としての講義から、同大学の「ダイバーシティ宣言」や、長期ビジョン「HOSEI2030」の策定、初の「大学憲章」の制定を主体に、LGBTや障がいのある学生への対応、働き方改革などを、様々な事例で紹介しました。
 後半は「自由を生き抜く実践知」を中心に、省庁に広がる危機感をレポートした「不安な個人 立ちすくむ国家」や、学長会議における「変化する時代に必要な能力」などを取り上げて、思考力、判断力、主体性の重要性を強調。自分で判断できる能力を鍛えよ、自由を生き抜くことがダイバーシティにつながると、熱弁されたのが印象的です。

 最後にご自身の生い立ちを振り返り、平塚らいてうの「青鞜」に影響を受けていたという祖母が口にしていた言葉、「原始、女性は太陽だった」で締めくくりました。
 TVなどで見るのとは違うライブで、心に響くお話しが多く、さすがのすばらしいご講演でした。

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2018年1月23日 (火)

車いす女子のためのバッグ「アドム」がローンチ!

 車いすを使われている方に朗報です。車いすでの使い勝手を一番に考えたバッグがローンチしたのです。それが「アドム ADOM (A Diversity Of Methods)」のバッグで、鈴木工芸所がココライフ女子部とコラボレーションし完成させました。
 鈴木工芸所は浜松にある生地のプリントと2次加工を得意とする加工場で、ココライフは障害のある女子たちに向けた雑誌(フリーペーパー)です。
 実は私はこの鈴木工芸所でアドムブランドを手がけている方と、一昨年知り合いました。以来このバッグづくりの過程をお聞きしていたのです。
 車いす用のバッグは種類が少なく、とくに洗練された上質の女子向けのものは、ほとんどといっていいくらい、ないそうです。あっても特注で高額になってしまうといいます。
 そこで使いやすさとエレガンスを兼ね備えたバッグをつくろうと開発を続け、ココライフ女子部のアドバイスもあって、ようやく昨夏サンプルが誕生しました。
 発売はまだかと思っていたのですが、昨年11月、ココライフのイベントがあり、いよいよスタートしたことを知りました。

Cimg06761jpg  右がそのバッグです。
 二つ折りで取り出し口が大きいので出し入れしやすく、その見た目からハンバーガーと名付けられています。
 ショルダーバッグ型で、専用ベルトがあり、これを使用して車いすの前後左右、好きな位置に取り付けることができます。ポケットは4つ付いていて、外ポケットにはファスナーもあり安心です。
 色は、黒とネイビーにソフトなピンクの3色展開。水を通さないフェイクレザー製です。

 これなら車いすユーザーでなくても、誰もが使いやすそうです。私たちもいつ何時、車いすを使うことになるかもしれませんし---。得がたい一品と思いました。

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2018年1月22日 (月)

コシノヒロコデザイナー歴60周年記念出版披露展覧会

 今、KHギャラリー銀座で、展覧会「コシノヒロコデザイナー歴60周年記念出版完成披露展覧会 HIROKO KOSHINO | it is as it isあるがまま なすがまま」が開催されています。12月19日に行われたレセプションパーティに行って来ました。

 傘寿を迎えられて、なお美しく若々しいコシノさんのエネルギーに圧倒されます。
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 上の写真はコシノさんと書籍を装丁したグラフィックデザイナーの三木健さんです。三木さんは本展のギャラリー空間もデザインされています。

 書籍は、「空・然・素・組・耕・遊・色」の7章構成になっていて、1978年から2017年秋冬までのコレクションルックと書き溜めてこられた絵画が、順を追って掲載されています。ファッションとアートを重ね合わせてクリエイション活動をされてきたコシノさんの思いが詰まった、すばらしい本です。
 8メートルもの長さのオブジェに納められて、立体的に展示されていたことも印象的でした。
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Img_52571  階上には芦屋のアトリエを思わせるミニセットも設けられていて、コシノさんの美がひらめく秘密の空間を垣間見ることができます。

 開催は2月24日まで。

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2018年1月21日 (日)

野生を見つめ直す「野生展:飼いならされない感覚と思考」

 21_21 DESIGN SIGHTで開催中の「野生展:飼いならされない感覚と思考」に行ってきました。とはいえ見に行ったのは始まって間もない頃でしたので、思い出しています。
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20171028_1703211jpg  何しろディレクションが思想家で人類学者の中沢新一氏ですので、「野生」といっても哲学的で奥が深かったです。
 自然に存在する諸々が、ときに自然崇拝のかたちで、またときに民族色豊かに、モダンアートの大作から縄文土器や土偶まで、様々な事象で展示されています。

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 上は「丸石神」。山梨県の山村で縄文以来ずっと祀られている道祖神です。
20171028_1644201jpg  中沢氏によると、これこそ野生的なもののエレガンスの象徴だそう。

 コーワのカエルのマスコット、ケロちゃんとコロちゃんもあって「何、これ!」。
 ビックリするようなものも出ていました。

 明治時代の日本が生んだ大博物学者、南方熊楠の粘菌資料も出品されています。これは熊楠研究の第一人者、中沢氏一押しの展示で、熊楠のような「野生」の能力こそ、創造力に大きな刺激を与えるきっかけになるといいます。
 撮影はこのコーナーのみ禁止、あとはすべてフリーです。
 
 最後に映画も上映されています。20171028_1702141
 「野生の現出」と題した作品で、制作は漫画家のしりあがり寿氏です。撮影場所は多摩川の河川敷で、生い茂る草の間から時折、白い服を着た人がヌッと現れます。その人物は何と中沢新一氏!(上の写真はそのヒトコマ) 演出がいかにも「野生」といった感じで興味深かったです。
 なお開催は2月4日まで。

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2018年1月20日 (土)

「歌と物語のディナーコンサート」NYの空気感感じて

 NY(ニューヨーク)在住の作家、伊藤 操さんの電子短編集「NY失恋MAP」発売記念イベントが、この11日、中華薬膳アイニンファンファンで行われました。
Img_54721   伊藤 操さんはファッションの視点で多くの記事を執筆されている著名な方です。このたび何と恋愛小説、それも失恋という心に残る傷跡をテーマにした小説を出版されたとのことで、すばらしいと思うと同時にびっくりしました。先月偶然お目にかかる機会があって、お声がけいただき、参加しました。

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  タイトルは「歌と物語のディナーコンサート」です。NYを舞台にしたビジュアルが流れるなか、美味しいお食事を楽しんだ後、コンサートとなりました。作曲家の北村ゆいさんのCD発売もあり、コンサートでは北村ゆいさん作詞作曲の日本歌曲や、伊藤さん作詞で北村さん作曲のミュージックが、ソプラノの西口彰子さんの美しい歌声で披露されました。ピアノ演奏は清水せりなさんで、ご出演の皆様はいずれもNYつながりのお友達のよう。すてきな関係ですね。
 久々にNYの空気感を感じたひとときでした。

 あとで小説を読ませていただき、NYの街の風景を思い出していました。ああNY! また行ってみたくなりました。

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2018年1月19日 (金)

ジャパンシルバーEXPO 高齢社会に不可欠な防炎製品

 平成27年版消防白書によると、火災による死者は、65歳以上の高齢者が68.5%を占め、とくに81歳以上では31.5%にも上ります。冬は、建物(住宅)火災が多い季節で、暖房器具の使用や、火を長時間使う料理が増えることなどが原因のようです。
 高齢者にとって燃えにくい製品は必要不可欠ではないでしょうか。

 そう思っていたところ、昨年11月20日~22日、東京ビッグサイトで開催された第1回ジャパンシルバーEXPO展で、防炎・難燃製品に特化したブランドがあることに気づきました。
Cimg07941pg  
 難燃の衣料用素材というと、以前からダイワボウが手がける綿のプロバン加工が有名です。私もこの素材のエプロンを使っているのですが---、でもこれはそれではなくて、難燃性に優れたアクリル繊維プロテックスと綿を混紡した素材でした。
Cimg07961 取り扱っているのはT・Sトレーディングです。様々なメーカーと協力して燃えにくい製品を生産しているといいます。ブースでは難燃紡績糸を使用した製品ブランド「moenain(モエナイン・アパレル)」と「moenca(モエンカ・寝装雑貨)」を大きく紹介していました。
 エプロン、パジャマ、ガウン、Tシャツやスエットなどから、シーツなどのベッド用品、布団や枕、毛布、リビング用品の座布団やクッション、炬燵布団、防災ポンチョ、帽子など、多様なアイテムを展開しています。

 防炎加工は消防士などのユニフォームになくてはならないものですが、普段の暮らしの中にも「もしも」の危険は潜んでいます。同社では、これらの製品が老人保健施設や高齢者住宅などで、一般的に使用される状態を目指しているといいます。裏を返せば、そうした施設であっても、普及はまだほんの一部で、これからだということなのですね。

 いざというときの安心・安全のために、我が家も防炎製品を揃えておかねば、と思ったことでした。

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2018年1月18日 (木)

インテリアライフスタイルリビング⑶ クロスオーバーとは

 先般のIFFTインテリアライフスタイルリビングの特別企画で、「新たなデザインの潮流/ 国際ホテルコンペSLEEPとクロスオーバーデザイン」と題したセミナーが行われました。クロスオーバーとは異質なものを融合することです。ファッションデザインでは以前からこのトレンドが続いています。インテリアデザインではどういうものを指していうのでしょう。興味を惹かれました。
Cimg09021_2  登壇したのは三井デザインテックのデザインマネジメント部部長 見月 伸一 氏です。ホテルデザインと新たな価値を生む空間デザインの潮流「クロスオーバーデザイン」について次のように語られました。

 まずホテルデザインの話題からです。三井デザインテックは、2016年11月にロンドンで開催されたホテルデザインのイベント「SLEEP」展のコンペに参加したそうです。講演は、このコンペで審査員特別賞を受賞したことからスタートしました。
 「SLEEP」展は日本ではあまり知られていません。しかし欧州ではかなり有名なイベントで、錚々たるラグジュアリーなホテルチェーンの経営者やデザイナーたちが集まるといいます。  
 ここではホテルの客室デザインに関するコンペが毎年開かれていて、多数の応募作品の中から5組を選出。同社はこの年初めて、その内の一つに選ばれたそうです。審査の結果、2位となり、同時に審査員特別賞も受賞したといいます。

1  写真左は、その客室です。
 伝統的価値観を重んじる人々、とくに欧州貴族のようなエスタブリッシュメントな地位にある人は、旅に何を求めているのか。それを大前提に、静寂でスピリチュアルな空間を追求したものだそう。無駄を徹底的に省き、静けさの漂う別世界をイメージし、「和」の精神を採り入れた作品に仕上げたといいます。

 ちなみに優勝したのは、ゲンスラー社のデジタル・アヴァンギャルドな客室でした。

 見月氏はこのコンペで、「和」への共感を強く感じ、ラグジュアリー空間への考え方が変化していることに気づいたといいます。いわゆる西洋的ラグジュアリーに懐疑が生まれているのではないか、というのです。いかにも金のかかったリッチな感覚は終焉を迎え、ラグジュアリーは精神的なものへ向かっている、と感想を述べられていたのが印象的でした。

 次に「クロスオーバーデザイン」です。昨今のインターネットの普及で空間を取り巻く環境が激変するなか、新たな価値を生む空間デザインの潮流は、コトとコトのクロスオーバーだといいます。それは既に始まっていて、たとえば一つには、あらゆる空間がオフィスになること。カフェや車内も仕事場になりつつあります。二つ目はシェアリングサービスの進展で、エアビーアンドビーのように個人の住宅もホテルになってくる。三つ目はEコマースの台頭で、店舗は物販から体験のための空間になる、というように。これまでの空間の役割は変容し、シームレスになるといいます。「ホテル×キャンプ場」のグランピングや、「カフェ×献血室」で若者に心地よく社会貢献してもらえる場づくり、「移動時間×アート」では新幹線で移動しながら現代アートを楽しむ「現美新幹線」の登場など。
 また時代を超越したコトとコトの結びつきも「クロスオーバーデザイン」の重要要素といいます。これは一昔前にあった生活体験が今の感性やニーズに適応する形で蘇っている現象で、たとえばアナログ盤が再評価されたり、ポラロイドカメラが戻ってきたり。そしてこうした動きをけん引しているのは、ミレニアル世代の存在と指摘します。彼らはアナログ的情緒のある体験を求めているといいます。
 階段というと、つい避けてしまいがちですが、新しいオフィス空間では、たとえば“イケア”の階段会議場のように、階段は交流の場になっているそうです。階段は移動手段であると同時に、健康志向のためのものであり、またコミュニュケ―ションの場でもあるのです。さらにかつてのアナログ要素のポテンシャルが再注目されている例として、古き良き最高級旅館のおもてなしが関心の的となっている“星のや東京”、散髪にカルチャーを持ち込んだ床屋さん、職人の靴磨き店----なども。
 モノよりもコトの時代といわれる今、人々の共感を得るのはアナログ的プロセスのヒューマンな体験価値であるようです。コトや時代を思い、要素をクロスオーバーさせる新潮流、これまでのヒューマンな体験が新しい価値を生み出す空間体験の時代が来ていると語って締めくくられました。なるほど、と思うセミナーでした。

 

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2018年1月17日 (水)

インテリアライフスタイルリビング⑵ 注目の繊維製品

 IFFTインテリアライフスタイルリビングでは、いつも繊維製品を中心に見ています。今回、注目したブランドをいくつかご紹介します。

大東寝具工業
 「京ねむり くらり」を合言葉に、京和晒綿紗を使った寝具・寝装品やインテリアを展示し、京都らしい「和」の空間を演出していました。
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 京和晒綿紗は、綿素材そのもののよさを活かし、不要なものはいっさい加えていないといいます。上質な眠りを誘うピュアな肌触り、心地よいガーゼのパジャマ、タオルなどを提案。

Cimg08161jpg  右は「tetra」ブランドで展開している同社のソファです。
  座ると自然に背もたれが立ち上がり、深く腰掛けてゆったり身を任せられようにつくられています。中に入っているビーズ素材が姿勢を変えるたびに、体にフィットします。
  素材は8号帆布やデニムなど。

orit. オリット
 兵庫県西脇産地で播州織の老舗企業、阿江ハンカチーフが発信する新服飾雑貨ブランドです。
 「なんか、すごい!」と驚く布を展示していました。
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 旧式の力織機を使用し、通常の何倍もの手間と時間をかけて風合いや肌触りにこだわって織ったそう。
 斜めに引っ張ると立体的に見えてきます。ハサミで自由にカットしてストールにしたり、ハンカチにしたり、ひとマス、ふたマス、みマスと好みの長さまで糸を抜いてフリンジにしたり----と、使い勝手自由、ちょっとおもしろい綿織物でした。

ロイヤル・フェニックス ROYAL-PHOENIX of the seas
 今治タオルの老舗、楠橋紋織による新ブランドです。
Cimg08071jpg  
 今治は造船が重要な産業であったとか。そこで豪華客船をイメージし、極上の高級感のあるタオルをつくったといいます。ベーシックな「キャビンタオル」のヘムにはアンカーロープ、「スパタオル」のヘムにはフラワーエッセンスに使われる花の色が採り入れられています。

ユカシナ Yukashina
 天然素材による手仕事の香りが漂うブランドです。
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 手紡ぎ糸・手織り・手染めの草木染めによるストールを中心に、かわいい壁掛けなども展示。作り手は主に福祉施設に通う障がいのある人たちといいます。

 

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2018年1月16日 (火)

インテリアライフスタイルリビング⑴ 「ハイム」のトレンド

 昨年11月20日~22日、東京ビッグサイトで開催されたIFFTインテリアライフスタイルリビングでの話題を遅ればせながらお伝えします。
 
 リリースによると、今回は14カ国・地域から過去最大の450社(国内:370社 海外:80社)が出展し、同じく過去最高の20,217名の来場者があったといいます。
 確かに会場は盛り上がり、大盛況の様子でした。
Cimg08991  上の写真はアトリウムです。「ローカルの再発見」をテーマに11のゾーンで構成されていました。

 初日の記者発表会では、全体像とともにドイツのインテリアテキスタイルの国際見本市「ハイムテキスタイル Heimtextil」(実はもう今月8日~11日に開催されているのです。) と、国際消費財見本市「アンビエンテ Ambiente」の2018/2019トレンドも発表されました。この二つの見本市はIFFTインテリアライフスタイルリビングの母体となっているのです。
 ここでは「ハイム」の方をご紹介します。プレゼンターは同見本市のトレンドセッターを務めるDAN PROJECT主宰 南村 弾氏です。その気になるポイントを下記に簡単にまとめてみました。 
 
 基調となるテーマは、「The future is urban (未来は都市化)」でした。
 リーマンショックから10年、都市化が進み、今や世界人口の半数が都市で生活しています。この現状を受けて、今後どのような空間にどのようなプロダクツが求められるか、4つのストーリーで提案しています。

①フレキシブル・スペース The Flexible Space

1_2  フレキシブルなスタジオのアパートや、変形可能な家具、ボタンを押すだけで変化する適応可能な空間構成を備えた作業空間を利用し、スペースを最適化していこうというストーリーです。
 背景には、人口増加とともに都市のシングル所帯が台頭し、生活空間の縮小現象が起こっていることが挙げられるといいます。米国では2016年にアパート建設は10年ぶりの高水準を記録しました。しかしその一方で平均住居面積は2009年以来7%減になったといいます。
 
②ヘルシー・スペースThe Healthy Space
2  都市に住む私たちは、大気汚染にさらされています。
 汚染は、人口密度の高い都市の大きなネガティブ要因の1つです。
 世界保健機関(WHO)の推定によると、地球上の10人のうち9人が汚染された空気を呼吸しているといいます。
 屋内空間には、グリーンを採り入れるなど、出来得る限りの健康への配慮が求められます。
 
③リメイド・スペース The Re-Made Space
3   都市化の速度よりも早いスピードで、都市廃棄物が増えているといいます。
 巨大なゴミの山に対処するために、将来の都市は廃棄物と資源の違いを忘れる必要があるのではないでしょうか。ゴミが新しいものの出発点になると考えてみることも大切です。これは都市環境をより持続可能なものにするために、再利用する方法を発見していこうというストーリーです。
 
④メーカー・スペース The Maker Space
4  インターネットの進展で、製造革命が起こっています。誰もがどこでも自分のアイテムを作成できるデジタル製作技術の民主化によって、生産の本質が根本的に変わろうとしているのです。
 市民は最先端の技術と実践的なスキルにより、自らの力を養うことができるようになってきます。未来都市は自給自足の場というヴィジョンを描き始めているようです。

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2018年1月15日 (月)

西印度諸島海島綿協会 賀詞交歓会 見通し明るく

 先週末、恒例の西印度諸島海島綿協会 賀詞交歓会がロイヤルパークホテルで行われました。

Img_54781jpg_3  冒頭、理事長の田中大三氏が、「今年は景気回復で、見通しは明るい。“繊維の宝石”と呼ばれる海島綿(シーアイランドコットン) に期待している」などと挨拶しました。

 現在海島綿を生産しているのは、カリブ海に浮かぶジャマイカとベリーズの二か国といいます。とくにベリーズ産のV135という希少品種は好評のよう。また同協会が蘇らせた米国産アメリカン・シーアイランドコットンも人気を集めています。

Img_54821 ところがジャマイカでは昨年、異常気象の影響で綿花栽培に困難を強いられたといいます。

 来賓のジャマイカのアリコック大使が、「今年は輸出を伸ばす」と決意を新たにしていたのが印象的でした。

 地球環境の変化は、こんなところにも及んでいると改めて思ったことでした。

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2018年1月14日 (日)

日本アパレル・ファッション産業協会新年会 明るい年明け

 謹賀新年。今年もJAFIC日本アパレル・ファッション産業協会の新年会が11日、ホテルニューオータニで行われました。
 全体に明るい年明けです。廣内武会長は、「昨夏以降、流れが変わり、市場拡大へ向けてよい方向が見えてきた」と挨拶。今年の協会活動のポイントは大きく次の3つといいます。
 一つは、新人クリエイターと企業のマッチングを図るJAFICプラットフォーム。今年はとくに素材産地との連携をより強めていくとのこと。
 二つ目は、今年で4年目を迎え、認証企業数が860社を超えたJ-クオリティ。日本商品の市場開拓の一つになりうるもので、世界への道がいよいよ見えてきたといいます。
 三つ目は、コト起こし。モノからコトへの時代に対応し、たとえばプレミアムフライデーなどのコトに力を入れていくとのこと。 

Img_54711jpg  来賓として登壇した小池百合子東京都知事は、「日本は糸へんの国で、世界に誇るものがある。2020年東京オリンピックの観光ボランティアのユニフォームは、ファッション業界の協力を得て、J-クオリティにもこだわる。そして首都東京からファッションを世界一にする」などと祝辞を述べました。

 アパレル業界は、総じて明るい雰囲気でスタートした模様です。実感の持てる景気回復が期待されます。

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2018年1月13日 (土)

JAPANTEX 2017 ⑵ 「和」の伝統工芸品の可能性

 先般のJAPANTEX 2017のテーマは、「日本のおもてなし、ひとを想うデザイン美学」でした。 これを受けて具現化されたのが“「和」の素材、「和」のインテリアたち”のコーナーで、今回の見どころの一つになっていました。Cimg07431展示されたのは伝統的な色・柄・デザインをモチーフにしたカーテンや壁紙、カーペット、畳や襖、経師や建具などです。時代を経て磨かれてきた「和」の商材に再び注目が集っているようです。
Cimg07421jpg  
 関連イベントとして、「和」の伝統工芸をテーマにしたセミナーも行われました。 講師は、英国でインテリアデザイナーとして活躍されているNSDA澤山塾代表の澤山乃莉子さんです。Cimg07391jpg
 澤山さんは英国インテリアデザイン協会 (BIID) メンバーで、日本の伝統工芸品を欧州マーケットに普及するための「Buy J Crafts Campaign」活動を継続的に行っているといいます。
 講演では「世界的視野から見た、優れた伝統工芸品のインテリア商材としての可能性」と題して、最近起こっている「和」のグローバル化について例を上げてわかりやすく語られました。
 まずはヨーロッパの装飾芸術史からです。とくに19世紀半ば、ジャポニズムがヨーロッパを席巻しました。英国においては1868年のロンドン万博日本館でレベルの高い工芸品が展示されたことをきっかけにブームとなります。その頃日本趣味を先導する存在だったのは、ロンドンのリバティ社で、同社が開発したリバティプリントは日本の小紋柄に因んでいるとか。スコットランドのチャールズ・レニー・マッキントッシュもジャポニズムの一大ムーブメントに加担した建築家で、その影響はウィーンにまで及んだといいます。フランクロイドライトの建築にも桂離宮そっくりの作品が見られたりします。またティファニーが当時トップメーカーの座に躍進することができたのは、日本の高度な工芸技術を得たからだったのですね。
 次に話は現代に移ります。日本の美意識は今や、様々な場面で再発見されているといいます。
 澤山さんは日本美に大きく二つの世界があると分析します。一つは「雅(みやび)」な世界、もう一つは「侘び寂び」の世界です。「雅」は絢爛豪華な着物や、ケンゾーのファッションに見られるような華やかなデザイン、「侘び寂び」は逆に禅の世界を連想させるミニマリズムであるといいます。装飾性を排した独自の建築的アプローチで知られる建築家ジョン・ポーソンは、まさに侘び寂びを表現しているといいます。2017年のパリのメゾン・エ・オブジェでも、「サイレンス」をテーマに侘び寂びの幽玄な世界が打ち出されたことは記憶に新しいところですね。
 昨今、デザイナーたちは、この二つの世界を結びつけて、新境地を開拓しているともいいます。たとえば有田焼の美、また2016年ミラノサローネで提案されたモロソ(MOROSO)のスシコレクション(SUSHI COLLECTION)などもそうといいます。

 歴史の長い日本文化は「雅(みやび)」から「侘び寂び」まで、奥が深い。ロンドンでは今、様々なイースト・ミーツ・ウエストの催しが好評といいます。澤山さんはツァーを組むなど、「和」のグローバル化に積極的に取り組まれている様子です。これはライフワークであるとも。日本のインテリアデザイン業界をもっと元気にしたい、と意気込まれていたのが印象的でした。

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2018年1月12日 (金)

JAPANTEX 2017 ⑴ デジタルプリント展で若手を支援 

 テキスタイルプリントデザインに今、革命的な変化が起こっています。それは製版の必要がないデジタルプリントの導入です。
 中でも画期的な大変革の只中にあるのがインテリア業界です。世界ではデジタルプリント壁紙が大きくシェアを伸ばしています。日本もこの流れに逆らうことはできません。

 昨年11月15日~17日、東京ビッグサイトで開かれた日本最大級の国際インテリア見本市 JAPANTEXでは、デジタルプリントエリアにおいて「デジタルプリント展」が開催されました。これは日本テキスタイルデザイン協会(TDA)とのコラボ企画によるもので、テーマは「時代のフィーリングを求めて・・・」です。

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 デジタル新時代に向けて、テキスタイルデザイン界も若返りを図っている様子です。TDAによると本展の趣旨はまさにそこにあるそうで、若手デザイナーに発表の場を設けることで、活動を支援し、育成していくといいます。

Cimg06951jpg  出展したのは、TDA選出による次世代フリーランステキスタイルデザイナー22名。平均年齢は32歳だそう。 コットン生地とシアー生地各2枚ずつ(150幅×4メートル)、全44枚のテキスタイル作品が展示され、いずれも迫力のあるデザインで、なかなか壮観でした。
 なおコットン生地をプリントしたのは、ミマキエンジニアリング、シアー生地はエプソンと極東産機+HPで、このような有力インクジェットプリントメーカーとの連携も話題を集めました。

 世界に向けて日本の優れたプリントデザインを発信、発展させていく、このような取り組みが、少しずつ成果を上げつつあるように思います。こうしたプロジェクト、次回も期待しています。

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2018年1月11日 (木)

パリで「アーヴィング・ペン回顧展」 奥深さに感動

 パリのグラン・パレで今月27日まで、「アーヴィング・ペン回顧展」が開催されています。昨年ニューヨークのメトロポリタン美術館で、その生誕100年記念展として行われた展覧会で、昨秋パリにやって来ました。私はそのときに見たのですが、現在はかなり長い行列ができているようです。
Img_26411 アーヴィング・ペンといえば20世紀最大の写真家の一人です。三宅一生のモード写真でも有名ですね。ファッション関係者なら、誰もがペンの写真を見たことがあると思うのではないでしょうか。

 会場入口のペンのプロフィールを見て、中に入ると、そこにはモノトーン写真がずらり。
 まずはその静謐な奥深さに感動させられます。色がない方が形を浮かび上がらせる効果があるようです。

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Img_26591jpg  ヴォーグ誌のカバー写真は、まさに珠玉といってもいい存在感を放っていました。
 クリスチャン・ディオールを始めとする、見慣れたファッション写真を次々に目にし、どこか郷愁のようなものを感じながら鑑賞しました。

 右は、ロシャスのマーメイドドレスを装うリサ・フォンサグリーヴス・ペン。
 何度も登場する美人で、スウェーデン出身の元祖スーパーモデル、ペンの妻となった女性です。

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 Img_26731jpg次に業界を代表するセレブたちのポートレート写真コーナーがあります。
 オードリー・ヘップバーンやイヴ・サンローラン、ピカソなど、おなじみの顔ぶれがそろっています。

Img_26651  また名も知れない労働者たちを写したものも多く、不思議な親近感を覚えたりしました。

 二階は、ペンの幅広い活動がわかる展示構成になっていました。
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 奇妙な花(右はケシの花)やヌードから、アフリカやニューギニアあたりの未開部族を題材にしたものなど様々です。

Img_26971  中でも面白いと思ったのが、タバコの吸い殻の写真です。
 このようなものも、ペンの手にかかれば立派なアートになるのですね。

Img_26831pg  上は、奥に見えるのが、道端でタバコの吸い殻を探すペンの姿を写した写真。その手前に愛用の一眼レフが展示されていました。

 この他、たくさんあり過ぎて語り尽くせません。

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 モードに限らず世相を幅広い視点でとらえたアーヴィング・ペン、その人物像を改めて見つめ直した展覧会でした。

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2018年1月10日 (水)

パリで「あの服」展 神田恵介と森永邦彦の新プロジェクト

 昨年9月半ば、パリにいた私は、パリの日本文化会館で開催されていた「ANOFUKU(あの服)」展にも行ってきました。

 これはファッションデザイナーの神田恵介と森永邦彦による新プロジェクトで、昨年9月から10月にかけて行われていたものです。
 二人は大学生時代、ファッションの活動仲間だったのですね。
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 両サイドには、二人のクリエーションの軌跡を物語る作品、神田恵介が手がける「ケイスケカンダ」と森永邦彦の「アンリアレイジ」のコレクションがディスプレーされていました。

155532anofuku_asics_x_keisuke_kanda そしてその先で紹介されていたのが、注目の新プロジェクトです。

 一つはアシックスとのコラボレーションによる、サラリーマンのための機能的なジャージーのスーツの提案です。

 右はこのリリースの写真です。

 そしてもう一つが、スタジオジブリとのコラボです。人気アニメ「となりのトトロ」を題材に製作した、たくさんの(200着あるとか)セーターを展示。
 セーターには「トトロ」と「猫バス」のモチーフが刺繍されていて、よく見るとモチーフが一枚ずつ、コマのように少しずつずれています。その映像も流れていました。
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 服づくりへの新しい側面を拓く、チャレンジングな二人展でした。

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2018年1月 9日 (火)

パリで開催された「スペイン民俗衣装展」 職人技に驚嘆

 昨年9月のパリでは、「スペインの民俗衣装展」がヴォージュ広場にあるヴィクトル・ユゴーの館で開催されていました。
 これはガリエラ宮パリ市立モード美術館による「スペイン」をテーマにした展覧会で、ヴィクトル・ユゴーが大のスペイン好きであったことから、この会場が選ばれたのだそうです。
Img_15641jpg  
 展示されたのは、マドリードにある服飾博物館(Museo del Traje)所蔵の18世紀末から20世紀初めのスペインの伝統的な衣装や装身具およそ40点で、パリでは初披露だったといいます。
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 スペインのカナリア諸島からアンダルシア、カタルーニャ、マヨルカ、アラゴン、Img_15681jpg_2 カスティーリャ、サラマンカなど、各地域に伝わる生活を反映した衣装が中心で、ブライダルやお祝いのドレスも数多く見られました。
 とくに刺繍やブレード、プリーツなど、バラエティに富んだ繊細な職人技がすばらしく、驚嘆しました。

Img_15771_5  あのオートクチュールの巨匠、バレンシアガも大いに影響を受けたといいます。

 今日ではもうないオリジナリティあふれる希少なドレスの数々です。現代ファッションにきっと新しい息吹を吹き込まれて迎えられる、と思ったことでした。

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2018年1月 8日 (月)

デイヴィッド・ホックニー回顧展 フォトコラージュに注目

0817_paae_davidhockney_1_3 昨年9月に訪れたパリで、ポップアートの巨匠、デイヴィッド・ホックニー回顧展を見にポンピドゥー・センターへ行ってきました。   
 ホックニーといえば、ファッションに多大な影響を与えてきたアーティストです。
  このところ、ファッションアイテムで人気のパッチワークやコラージュ、またテキスタイル1_4のニードルパンチの隆盛は、ホックニー作品の影響では、と思っています。

 そこでフォトコラージュに注目しながら、巡りました。
 とくに終盤にあった「四季」の風景をテーマにしたコラージュビデオはすばらしかったです。

  色使いも明るくて美しい。とくにブルーは目が覚める美しさです。カリフォルニアの海や空を思わせ、気分が高揚しました。
 
 最後、出口の壁にあった「Love Life」のサイン入りメッセージを見つけ、さすがの余裕と思ったことでした。80歳でご健在というホックニー氏、人生を大いに楽しんでいるようです。

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  写真は撮影禁止で、残念!

 なお本展は現在、ニューヨークのメトロポリタン美術館に巡回中です。開催は2月25日までとなっています。

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2018年1月 7日 (日)

パリ「メデューサ展」でティナ・チャウの作品もあった!

 私は昨9月にも訪パリしています。その頃、このブログで書き切れなかった事柄をここに書き記しておきたいと思います。

 昨年9月半ば、突然の風雨に襲われ、これを避難するように訪れたのがパリ市立現代美術館でした。Medusajewelleryexhibitionparismus_2 ここでは「メデューサ、ジュエリーとタブー(Medusa. Bijoux et tabous)
展」が開催されていました。

 「メデューサ」はギリシア神話に登場する蛇の髪を持つ女の怪物です。タイトルのように蛇を題材にしたジュエリーは、やはりたくさん出品されていました。

 高級宝飾品ブランドでブルガリといえば、蛇がシンボルです。それは蛇がメデューサの知性と生命力、官能の象徴といわれているからなのですね。
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 副題に「ジュエリーとタブー」とあるように、本展はジュエリーにまつわるタブーを解明しようという意図のもとに企画された展覧会でした。 400点あまりのジュエリーは、小さな彫刻のようです。Img_14361jpg身体を飾る装飾という以上のものが、たくさん出ていました。

 右は、ポスターの表紙にもなっていたダリのリップモチーフのジュエリーです。唇にルビー、歯にパールをあしらったデザインが、ダリらしい!

Img_14351  シュールなのはダリだけではありません。マン・レーやデ・キリコら、多くのアーティストのクリエーションも見られました。

 日本で60年代から70年代にかけてファッションモデルとして活躍したティナ・ラッツこと、ティナ・チャウの作品も展示されていました。
Cid_4af2b3f006174073a8111ce8d5070e9  それは右写真の竹製ブレスレットです。
 半透明のローズクォーツ(紅水晶)がはめ込まれています。
 (なお、この写真はパリ在住の友人、たかえさんが送ってくれたものです。)

 ティナは大富豪のマイケル・チャウと結婚し、ティナ・チャウと名乗ります。でもエイズに侵され41歳の若さで亡くなりました。
 美しくてセンスがいいというばかりではなく、このようなアートの才能もあったのですね。改めてティナを偲び、当時のファッションシーンを思い出していました。

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2018年1月 6日 (土)

パリ オルセー美術館で「ドガ ダンス デッサン展」も

 今回パリへ来て、オルセー美術館へ行ってきました。朝一番ではなかったのですが、それでも午前の早い時間に着きました。それでもものすごい行列でびっくり! 40分ほど並んで入場しました。
20171229_1156051  
20171229_122800  展示場は、元駅舎だったことがわかる吹き抜けの広々とした空間を利用しています。

 右は、名物の大時計です。

 久しぶりでしたのでゴッホやモネ、マネ、ルノワールなど、印象派や新印象派の名画からロダンやブールデルらの彫刻、アールヌーボーのインテリアなどを鑑賞しました。
20171229_1231011jpg  
 写真撮影が自由なこともうれしかったです。日本では展覧会は一部を除き撮影禁止です。

 とくに企画展として開催されていたのが「ドガ ダンス デッサン (Degas Danse Dessin)展」です。Img_53831
 ドガはバレエの踊り子の絵で有名な印象派の画家のエドガー・ドガで、フランスの詩人、批評家、思想家のポール・ヴァレリーと親交があったのですね。本展はこのポール・ヴァレリーがドガの逝去後に出版したImg_53791jpg_3 「ドガ・ダンス・デッサン」という書籍へのオマージュでした。

 左写真の手前は「青い衣裳の踊り子たち」1893年頃

 

Img_53771_2  「14歳の小さな踊り子」1932年
 これはドガによる唯一の彫刻作品とか。本物のチュチュを着けています。

 この他、様々なポーズをとるバレリーナや、馬を題材にしたものなど、ドガの集大成のような展覧会でした。

 オルセー美術館には、このようなおなじみの作品が揃っています。世界中から人が集まってくるのは当たり前ですね。

 外に出てみましたら雨でした。冷たい雨のなか、行列はさらにさらに長く伸びていました。

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2018年1月 5日 (金)

パリ穴場スポット 古代ローマ浴場跡に建つ中世美術館

 パリへは何度も訪れているのに、このクリューニー国立中世美術館には数十年前に行ったきりで、前を通り過ぎるだけでした。
 今回改めて中世美術を見てみようと、クリューニーへ行って来ました。

 ところで最近のパリは美術館など公的な建物への入場はチェックが非常に厳しくて、どこへ行っても検査のために大行列させられます。テロ防止のためで致し方ありません。
 でもここは行列もなく、すんなり入ることができました。内部もとても静かでした。日本語の音声ガイドの無料貸し出しもあり、久しぶりにじっくりと見て回りました。 

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 この美術館は古代ローマの浴場跡を利用して建てられているのです。パリには古代ローマの遺跡がいくつか残存していますが、ここもその一つといいます。現代の都、パリに今なお古代遺跡が残存していることに驚かされます。

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Img_54141 1階は、古代遺跡の中に中世が溶け込んでいるような空間です。まさに悠久の歴史を感じさせられます。

 右はアダムの像です。


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 館内では、特別展「中世のガラス展」が開催されていました。

  ガラスの歴史って古いのですね。古代エジプトにまで遡るとか。
 右は英国の書物の挿絵です。吹きガラスが盛んにつくられていたことがわかります。

 ベネツィアングラスやガラスのオブジェ、それにステンドグラスなど、中世を彩る様々なガラス製品が展示されていました。
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 1階から工事現場にでもありそうなちょっと怖い鉄格子の階段で、2階へ上ります。

 チャペル奥の展示室で、ようやくお目当てだったタピスリーに出会いました。古びた織物なのに違和感なく迫ってきます。時代を感じさせる多色の色合いが美しい!Img_54211  騎士物語の連作タピスリーがずらりと並べられています。日本の絵巻物を織物で表現した、といった感じです。

Img_54171  あの有名な一角獣もありました。この一角獣の周りには、ライオンや猿、雉、鹿などの動物が付き従っています。

The_lady_and_the_unicorn_desire  右は解説パンフレットにあった「貴婦人と一角獣」です。

 日本にも2013年に初来日しましたね。国立新美術館での熱狂ぶりを思い出します。

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2018年1月 4日 (木)

フランス第二の都市リヨンを訪ねて 

 シャモニーモンブランからパリへの途中、下車して、フランス第二の都市、リヨンを訪れました。
 リヨンといえば絹の街です。まずは世界最大規模といわれるテキスタイルのミュージアム、リヨン織物装飾芸術博物館に行ってきました。ここは以前、来たことがあって、実は昨年まで閉館の危機にさらされていたのです。存続が決まってホントによかったです。

Img_53621  重厚な18世紀の建物内には、古今東西の織物や衣装が一堂に展示されています。

Img_53581jpg_2  日本の着物もありました。
 右は、日本の着物に見られる意匠、ツバメや菊の花模様などを採り入れたジャカード織の生地です。

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 第一帝政時代のハイウエストの古代風ドレスは、おしゃれで有名だった皇后ジョゼフィーヌのものといいます。

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 ベネツィアを本拠に活躍した20世紀初頭のクチュリエ、マリアーノ・フォルチュニーのストーンとしたプリーツドレスも見ることができました。

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 ザクロ模様のマントです。ルネサンス期のものと思われます。

Img_53561  織物装飾芸術博物館には、ジャカード織機の古いものも出品されていました。
 この自動織機は、1801年にフランスの発明家ジョゼフ・マリー・ジャカールにより発明されたといいます。


 世界文化遺産に正式登録されたリヨンの旧市街に足を延ばし、丘の上に建つフルヴィエール教会に行ってみました。ここからはリヨンの夜景が美しかったです。
Imgp98541
 天井画はImgp07151_3 モザイク画でしょうか、その華麗な装飾が印象的でした。

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2018年1月 3日 (水)

シャモニーモンブランは水晶の町

 シャモニー谷は雪、雪、雪。仕方ないので、ピッケルなど登山用具を展示するアルペンミュージアムなど、博物館巡りをしました。

 中でも一番印象に残ったのはクリスタル(水晶)博物館でした。
Imgp06661jpg_2 ここはモンブランの水晶取りで発展してきた町だったのです。山岳リゾートとスキーだけの町ではなかったのですね。
 水晶を売っている店がなぜ多いのか、その理由がわかりました。

Imgp06671_3  クリスタル博物館ではモンブラン山塊やアルプス地方で産出されたクリスタルクォーツやアメジスト、ガーネットなどを一堂に展示。
 中でもモンブランの名峰で採掘されたという巨大な水晶は圧巻でした。

Img_53431jpg  
Img_53461  手前はスモーキークォーツ(黒水晶)。グランド・ジョラスで採れたものだそうです。

Imgp06131  モンブラン登頂に初めて成功したのは、水晶取りを職業にしていたパルマとソシュールという二人の人物で、彼らの銅像(写真右)が街の広場に立っていました。手を上げているのがパルマで、モンブランの方向を指しているといいます。
Imgp06581 街で、アルプスの山岳高地らしい馬車も見かけました。

Imgp06151jpg  夜の街はイルミネーションやライトアップで華やか、クリスマス気分を盛り上げていました。

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2018年1月 2日 (火)

メール・ド・グラース氷河の洞窟に氷のラウンジがあった!

 シャモニーで観光名所の一つとなっているメール・ド・グラース氷河の洞窟を訪れました。

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Imgp04911jpg   麓の可愛らしいモンタンヴェール鉄道駅から登山電車に乗って、20分ほどで終点の展望台駅に到着します。

 ここからフランス最大の氷河といわれるメール・ド・グラース氷河の絶景が見られるはずでしたけれど、あいにくの小雪模様でほとんど見えません。でも洞窟観光に支障はなくてよかったです。
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 テレキャビンで途中まで降り、その後300段の階段を下ると洞窟です。
Imgp05261jpg 入口は氷河の厚い氷壁をくり抜いたような、ぽっかり開いた穴でした。

Imgp97831  美しい青いトンネルに吸い込まれるように内部へ進みます。

Img_53051  最奥部には幻想的なイリュミネーションに彩られた光の空間が広がっていました。もう神秘の別世界! よく見ると、氷のソファやバーカウンター、暖炉もあって、もうまるでホテルのラウンジのようでした。

 今、地球温暖化で氷河が後退しているといいます。
 写真を見ると、かつてこの鉄道が開通した頃の氷河は明らかに鉄道線路の近くまで来ていたのに、現在は深い谷底です。資料によると、氷河は約半世紀で1000メートルも下に下りてきてしまったとか。愕然とさせられました。
 この洞窟を守るためにも、これ以上の温暖化は防がないといけない、と改めて思ったことでした。

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2018年1月 1日 (月)

シャモニーモンブランへ行ってきました!

 昨年末のクリスマスから年始にかけて、フランスのシャモニーモンブランからパリへ行ってきました。

Imgp96051jpg  シャモニーでは、お天気がよかったのは初日だけで、あとは雪の日ばかりで残念でした。
 でもロープウェイや登山電車に乗って、険しい岩が連なる峰々や大氷河、眼下に広がる街の雪景色を楽しみました。

 壮大なスケールで迫って来る大自然の美しさは、映像で見るのとはケタ違いでした。

Imgp97292_2  上の写真は、エギーユ・ドュ・ミディ(針峰 3,842m)で、ロープウェイから撮ったもの。

Imgp03401 エギーユ・ドゥ・ミディの一番高い展望塔から下の展望台を見下ろしたものです。

Img_52671  上の写真で、正面左奥の岩峰がアルプス3大北壁の一つ、グランド・ジョラス(4,208m)です。

Imgp02791_2  一番遠くにちょこっと見える山がヨーロッパアルプス最高峰のモンブラン(4,810m)です。写真が逆光になってしまいました。
Imgp03241jpg モンブランは、お椀をひっくりかえしたような、なだらかな丸い形をしています。そういえば栗の実の形に似ているようです。

Imgp96981 手前がグランド・コンバン(4317m)で、その右後ろにそびえているのが、もう一つのアルプス3大北壁であるマッターホルン(4,478m)です。11年前、このマッターホルンを望む街、スイスのツェルマットに行ったことが懐かしく思い出されました。

Imgp96451  大氷河も間近く見えました。

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