インテリアライフスタイルリビング⑴ 「ハイム」のトレンド
昨年11月20日~22日、東京ビッグサイトで開催されたIFFTインテリアライフスタイルリビングでの話題を遅ればせながらお伝えします。
リリースによると、今回は14カ国・地域から過去最大の450社(国内:370社 海外:80社)が出展し、同じく過去最高の20,217名の来場者があったといいます。
確かに会場は盛り上がり、大盛況の様子でした。
上の写真はアトリウムです。「ローカルの再発見」をテーマに11のゾーンで構成されていました。
初日の記者発表会では、全体像とともにドイツのインテリアテキスタイルの国際見本市「ハイムテキスタイル Heimtextil」(実はもう今月8日~11日に開催されているのです。) と、国際消費財見本市「アンビエンテ Ambiente」の2018/2019トレンドも発表されました。この二つの見本市はIFFTインテリアライフスタイルリビングの母体となっているのです。
ここでは「ハイム」の方をご紹介します。プレゼンターは同見本市のトレンドセッターを務めるDAN PROJECT主宰 南村 弾氏です。その気になるポイントを下記に簡単にまとめてみました。
基調となるテーマは、「The future is urban (未来は都市化)」でした。
リーマンショックから10年、都市化が進み、今や世界人口の半数が都市で生活しています。この現状を受けて、今後どのような空間にどのようなプロダクツが求められるか、4つのストーリーで提案しています。
①フレキシブル・スペース The Flexible Space
フレキシブルなスタジオのアパートや、変形可能な家具、ボタンを押すだけで変化する適応可能な空間構成を備えた作業空間を利用し、スペースを最適化していこうというストーリーです。
背景には、人口増加とともに都市のシングル所帯が台頭し、生活空間の縮小現象が起こっていることが挙げられるといいます。米国では2016年にアパート建設は10年ぶりの高水準を記録しました。しかしその一方で平均住居面積は2009年以来7%減になったといいます。
②ヘルシー・スペースThe Healthy Space
都市に住む私たちは、大気汚染にさらされています。
汚染は、人口密度の高い都市の大きなネガティブ要因の1つです。
世界保健機関(WHO)の推定によると、地球上の10人のうち9人が汚染された空気を呼吸しているといいます。
屋内空間には、グリーンを採り入れるなど、出来得る限りの健康への配慮が求められます。
③リメイド・スペース The Re-Made Space
都市化の速度よりも早いスピードで、都市廃棄物が増えているといいます。
巨大なゴミの山に対処するために、将来の都市は廃棄物と資源の違いを忘れる必要があるのではないでしょうか。ゴミが新しいものの出発点になると考えてみることも大切です。これは都市環境をより持続可能なものにするために、再利用する方法を発見していこうというストーリーです。
④メーカー・スペース The Maker Space
インターネットの進展で、製造革命が起こっています。誰もがどこでも自分のアイテムを作成できるデジタル製作技術の民主化によって、生産の本質が根本的に変わろうとしているのです。
市民は最先端の技術と実践的なスキルにより、自らの力を養うことができるようになってきます。未来都市は自給自足の場というヴィジョンを描き始めているようです。
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