« 高級感あふれる「米沢テキスタイルコレクション2018AW」  | トップページ | 「デンマーク・デザイン展」 ヒュゲを愛する暮らしのかたち »

2017年11月28日 (火)

典雅と奇想 明末清初の中国名画展 激動期の画家の傑作

 今、東京の泉屋博古館分館で「典雅と奇想 明清末初の中国名画展」が開催されています。開幕前日の2日に内覧会が催され、中国絵画を鑑賞する絶好の機会と訪問しました。

 まず野地耕一郎館長が挨拶され、概要を説明されました。00089441_2
 これによると本展は、中国が明から清朝へ、つまり漢民族から北方異民族に変遷する激動期に生きた画家の傑作にスポットが当てられています。明に仕えた画家たちは先の見えない時代の中で、時代の先の絵を描こうと、より大きな創造力を発揮するようになっていったといいます。こうした中、正統派の画家が活躍する一方で、典雅な山水表現に背を向ける異端の画家たちも現れるようになります。彼ら奇想派の画風は、雪舟をはじめ若冲や蕭白らにも影響を与えたといいます。まさに江戸絵画の素地をつくっていったのですね。「典雅と奇想」というタイトルの意図がようやくわかった気がしました。
 それにしてもこれら名画の最高作品がこの日本に存在していて、その一つがこの住友コレクションであり同館が所蔵していることを初めて知りました。明治末から大正期、中国の辛亥革命により明清の名品が日本にもたらされて、他国に流れないようにしっかり保管していたのですね。何という先見の明でしょう!

 次いで、板倉聖哲東京大学東洋文化研究所教授によるギャラリートークが行われました。私にはちょっと難しくてとっつきにくいと思っていた山水画でしたが、楽しく鑑賞させていただきました。(なお写真撮影は、美術館より特別な許可をいただいて撮っています。)
20171102_1906491pg
 会場は6章仕立てになっていて、明末正統派の巨匠、菫其昌(とうきしょう)から八大山人、石濤(せきとう)、清初の正統派といわれる惲寿平(うんじゅへい)まで、同館のコレクションを軸に他の美術館・博物館からの名品を集めて、54点が展示されています。

 中でも私がもっとも印象に残ったのが、第2章の「明末奇想派」です。
20171102_1824281jpg 右は、板倉先生が米万鍾(べいばんしょう)の「寒林訪客図」を解説しているところです。
 この絵は仰るように、樹木の大小が、前景の木と主山の頂のそれと、それほど変わりない大きさで描かれていて、それが幻想的な雰囲気を強調しています。
 絹地の水墨画で、赤い彩色も施されています。それにしても水墨画にこんなにも色彩が見られるとは、思っていませんでした。

20171102_1824431jpg  また同様に米万鍾の「石柱図」(右手前)も奇石を表現したシュールな絵です。この画家は当時盛んだった怪石趣味にはまっていたといいます。
 絖本という、特殊な光輝の素材の上に描かれていて、光の具合によって輝くのも不思議です。

 この他見どころ満載です。開催は12月10日まで、中国絵画に興味のある方はどうぞお早めにお出かけください。(URL https://www.sen-oku.or.jp/tokyo/ )

|

« 高級感あふれる「米沢テキスタイルコレクション2018AW」  | トップページ | 「デンマーク・デザイン展」 ヒュゲを愛する暮らしのかたち »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/588192/66092540

この記事へのトラックバック一覧です: 典雅と奇想 明末清初の中国名画展 激動期の画家の傑作:

« 高級感あふれる「米沢テキスタイルコレクション2018AW」  | トップページ | 「デンマーク・デザイン展」 ヒュゲを愛する暮らしのかたち »