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2017年11月29日 (水)

「デンマーク・デザイン展」 ヒュゲを愛する暮らしのかたち

  今年は日本・デンマーク国交樹立150周年記念の年とあって、様々なイベントが開催されています。20171123_poster 今月23日から東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で始まった「デンマーク・デザイン展」もその一つです。先週25日のTBSテレビ人気番組「世界ふしぎ発見」もデンマークがテーマでしたね。
 先日この内覧会があり、デンマークの「快適でモダン。伝統と機能美。ヒュゲ(デンマーク語で<温かな居心地のよい雰囲気>の意)を愛する、暮らしのかたち」とはどのようなものか、見聞してきました。

 冒頭、デンマーク大使館公使参事官マーティン・ミケルセン氏が 「デンマーク・デザインの第一義は、温かさと居心地のよさ」と語られ、「民家の茅葺屋根や木工家具など、自然素材や職人技にこだわり、シンプルで機能的なものを生み出しているところは、日本との共通項」と挨拶しました。
Img_45261 デンマークは世界で一番幸せな国といいます。国連の幸福度ランキングではいつもトップクラスを誇っています。ちなみに日本は先進国で最下位です。いろいろな面でやはりデンマークと日本は違っている、と思いながら、ギャラリーを巡りました。
 (写真は美術館より特別に許可をいただきました。)

 展示構成は、次のようです。

第一章 国際的評価を得た最初のデンマーク・デザイン
Img_45351 18世紀、マイセンを通じて広まった「ロイヤルコペンハーゲン」の磁器が出品されています。
 美しいコバルトブルーのブルーフリューテッドというたて縞入りの絵付けのものと、ブルーフラワーのものが展示されていて、フラワーが余白を活かし左右非対称に配されているのは、ジャポニスムの影響といいます。こんなところにもジャポニズムとは!驚きました。

第二章 古典主義から機能主義へ
 コーオ・クリントの「レッドチェア」(1927年)が展示されています。
Img_44961
 コーオ・クリントは古代ギリシャに着想した直線的な形態の家具の中で、人間の体に合った機能的なデザインを生み出し、近代デザインのパイオニアと呼ばれているデザイナーといいます。何と日本の提灯をヒントにしたランプシェードも制作していたのですね。

第三章 オーガニック・モダニズム ― デンマーク・デザインの国際化
 本展のメインとなっているのがこの章です。第二次大戦後の「ミッド・センチュリー(20世紀中頃)」と呼ばれるデザイン史上の黄金期で、このとき創り出された多くの優品が、現代のデンマーク・デザインの大きな特徴をなしているといいます。

 ハンス・ウェグナーの「ラウンドチェア/ザ・チェア」。
Img_45421 アメリカで1960年、アメリカ大統領選挙でジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンがこの椅子に座ったことで有名になり、「ザ・チェア」という愛称がつけられたといいます。この時代、デンマーク・デザインを国際的に知らしめた重要な作例になった椅子です。

Img_45371  アーネ・ヤコブスンの「アントチェア」です。
 デンマークで初めて大成功した大量生産のスタッキングチェアで、座と背が一体化した最初の椅子といいます。

 

Img_45461  ポール・ヘニングスンのペンダント・ランプで、「アーティチョーク(西洋野菜で和名チョウセンアザミ)」の形がユニークです。
 革新的なモダニストと言われたこの人は、独創的な照明器具を次々に生み出していったといいます。

Img_45101jpg  
 デンマークの典型的な民家のリビング・ダイニングルーム。

Img_45201  ヴェアナ・パントンの「パントンチェア」。
 1960年代のポップカルチャーにインパイアされたという、強烈な色彩と挑発的なフォルムで、デンマークというとよく見るハート型の椅子もみられます。

 

Img_45241jpg  お馴染みのレゴ社の「レゴ」です。
 レゴは、デンマーク語で「よく遊べ」を意味する言葉から来ているとか。
 今や、子どもの創造性を広げる教育玩具として世界的に評価されていますね。

第四章 ポストモダニズムと現代のデンマーク・デザイン
Img_45541jpg ここでは何と自転車の最新モデルが出ていました。
 デンマークは「デザイン大国」であると同時に「自転車大国」でもあったのですね。

Img_45561jpg  
 写真のように、荷台付き三輪車も街の中を普通に走っていると聞いてびっくりしました。

 デンマーク・デザインの魅力に迫る大変興味深い展覧会でした。会期は12月27日までです。(URL http://www.sjnk-museum.org/program/current/5062.html) 

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