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2017年10月21日 (土)

JFW-IFF MAGICセミナー サステイナブルへの変革目指す

 先月9月26日から28日まで東京ビッグサイトで開催されたファッションイベント「IFF MAGIC Japan」では、今回も業界をけん引する企業やオピニオンリーダーらによるセミナーが多数行われました。
Img_27781jpg_2  その一つが、ファーストリテイリングのサステイナビリティ活動に関するお話でした。ファーストリテイリングは、言わずと知れたユニクロやジーユーを持つグローバル企業です。登壇したのは、ファーストリテイリングのサステイナビリティ担当グループ執行役員新田 幸弘氏で、「サステイナブルなビジネスへの変革を目指して」をテーマに、同社の方針や活動の軌跡を語られました。

 同社サステイナブル活動の始まりは2001年に設置した「社会貢献室」です。最初に瀬戸内の自然を守る活動「瀬戸内オリーブ基金」を立ち上げ、次いで売れ筋フリースのリサイクルを開始します。2005年には社会貢献室を「CSR部」に改称し、2006年から全商品リサイクルへ拡大させていきます。難民キャンプへ古着を寄贈することになったのもこの頃からで、2011年初頭に、UNCHR(国連難民支援高等弁務官事務所)とパートナーシップを締結。この後起きた東日本大震災では、115万点の衣料品と14億円を寄付したそうです。
 しかし寄付だけではなく、別の形で支援はできないかと考えたのが、2010年にスタートしたバングラデシュでのソーシャルビジネスだったといいます。ノーベル平和賞受賞の経済学者ムハマド・ユヌス氏によるグラミン銀行と組んで、「グラミン・ユニクロ」を設立し、貧困層への融資や職業訓練などに取り組むようになります。
 こうした中、2013年にバングラデシュのダッカでラナ・プラザ崩壊という悲惨な事故が発生しました。大手同様、ファーストリテイリングも批判の対象となり、再発事故防止に向けて、動き出します。しかし2015年、国際人権NGOの調査報告書で下請け工場での過酷な工場労働問題が糾弾され、デモ騒動へ発展してしまいます。改善に向けた取り組みを本格的に進めるため、2016年にCSR部を「サステイナビリティ部」に改編。世界第3位の小売業にふさわしい持続可能性の強化に乗り出すことになったのです。
 本セミナーで新田氏は、人権や労働環境を守ることは当たり前のこと、このことなくしてユニクロの未来はないとも断言されました。サプライチェーンのトレーサビリティ(追跡可能性)を高めるため、この春からほぼ全ての取引先縫製工場の情報を開示し、ジーユーの工場も今年中に開示するとのことです。
 最後にサステイナビリティは、全社を上げての事業目標であると述べられ、2020年までに達成できるよう、ロードマップをつくっているといいます。サプライチェーン、商品、店舗とコミュニティ、従業員の4つの領域で推進していく方向で、たとえばサプライチェーンでは、人権・労働問題や環境配慮、廃棄物の利用、商品ではサステイナブルな素材の選択、動物愛護、安全性や耐久性、店舗とコミュニティでは、個店の地域社会への貢献や難民支援、従業員では倫理的行動や多様性、ワークライフバランス、キャリア開発促進などというように、世界をより良い方向へ変えていくと強調しました。
 グローバル企業として、社会的責任の大きさを痛感しているファーストリテイリング。今後の活動が注目されます。

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