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2017年9月17日 (日)

ロンドンV&A バレンシアガ展 現代性あふれる造形美

  パリへ向かう途中、ロンドンに立ち寄りました。 Scan0551 いつものようにショップリサーチをするかたわら、ヴィクトリア&アルバート(V&A)ミュージアムに行き、開催中のバレンシアガ回顧展「Balenciag: Shaping Fashion シェイピング・ファッション」を見てきました。

 伝記によると、クリストバル・バレンシアガは1895年スペインのバスク地方ゲタリアで裁縫士の息子に生まれ、サン・セバスチャンにブティックを開店、スペイン王室と王侯貴族を顧客にマドリッドやバルセロナに支店を開いたのですが、スペイン内乱の影響でパリに移住し、1937年にオートクチュールのメゾンをオープンしました。
 本展は、バレンシアガのアトリエ開設100周年、初のオートクチュールから80周年を記念する回顧展であるとのことです。
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 バレンシアガといえば、戦後のパリのオートクチュール黄金時代をクリスチャン・ディオールとともに築いた巨匠で、 「クチュリエ界の建築家」とか「はさみの魔術師」、「クチュールのピカソ」などと称されています。
  Img_11741jpg現代服のどこかには必ずバレンシアガのアイディアが表現されていると言われていますが、改めてその現代性あふれる造形美に感動しました。

 最初に目にしたのが、右の黄緑色シルクのドレスです。
 身体に対する抽象的な造形美にハッとさせられます。
 これこそ現代のデザイナーたちに、大きな影響を与えたデザインでしょう。
 前衛性が実に刺激的です。

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 上は「パーフェクト・ルーズフィット」のドレスたち。
 ケープのデザインを取り入れたイブニングドレスで、1963年の作品です。
 このシンプルな構築性、まさに先進的ですね。

Img_11861jpg  左はハーパース・バザーの伝説的編集者、ダイアナ・ヴリーランドが、ニューヨークのMETでの展覧会の折、バレンシアガの「ワンシーム・コート one-seam coat」を手に持って、紹介している写真です。

 ダイアナ・ヴリーランドは、バレンシアガを「シルエットの預言者」とも呼んでい.たといいますが、ほんとうにその通りと思います。

  この「ワンシーム・コート」はキモノのような平面構成のコートになっているのです。コーナーには、この型紙のミニチュアの紙の束が置かれています。この紙に描かれた折り線通りに折って、切ると、オリガミコートがつくれるようになっていました。
Img_11881_2  みんな一生懸命、指先を動かして、紙を折っていました。私も体験してみたのですが、それほど難しくはなかったです。  バレンシアガのパターンの先見性が、これでまた一つ、わかった気がしました。

 「キモノ・クチュール」も興味深かったです。
Img_11911jpg 日本のキモノを、バレンシアガに紹介したのはマドレーヌ・ヴィオネだそうです。当時ヨーロッパでは、日本の浮世絵が人気を集めていたのですね。
 バレンシアガは、1939年に初めてキモノ・スリーブを採り入れたドレスを発表したといいます。
 右のドレスは、1958年に発表したカクテルドレスです。
 袖はキモノ袖で、オビのようなベルトを締めて、ウエストをほっそりと見せています。
 キモノのディテールを使っていますが、キモノらしさを感じない、モダンな感覚に仕上がっていて、さすがクチュールの技! 美しいです。

 二階に上ると、そこにはバレンシアガの影響を受けたデザイナーたちの作品がズラリと勢揃いしていました。ジバンシーやクレージュ、イッセイミヤケ、リック・オーエンスなど、錚々たる顔ぶれです。

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 上は、コム・デ・ギャルソンの川久保玲デザインのドレスで、1983年の作品です。

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 上は、現在バレンシアガのアーティスティック・ディレクターをつとめるデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)による2016年コレクションのスーツ作品で、バレンシアガのアーカイブにヒントを得たといいます。

 なお展覧会は来年2月18日までの開催です。会期は長いので、訪れてみてはいかがでしょう。

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