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2017年9月

2017年9月30日 (土)

PVパリ⑽ スマートクリエーション・スクエアに注目

 今期プルミエ―ルヴィジョン(PV)パリで、話題となったのが「スマートクリエーション・スクエア」です。ここにはエシカルで社会的責任に応えていると認められる企業の製品が集められています。
 2015年9月展で初の「スマートクリエーション」のシンポジウム(このブログ2015.10.6付け参照)が行われ、その後スマートクリエーションプログラムが定める客観的な基準がつくられ、これに即して昨年2016年9月展(このブログ2016.9.29付け参照)のPVファブリック内に「スマートクリエーション・スクエア」が新設されました。今年はこれがPVレザー内に移転して行われました。今後は年に一度のアニュアルイベントにしていくとのことです。

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 今回は、とくに循環型経済に焦点が当てられ、連日サーキュラー・エコノミーをテーマにトークイベントが開催されました。PVアワード(このブログ2017.9.22付け参照))ではスマートクリエーション賞もスタートしています。このことだけでもPVパリがスマートクリエーションに力を入れていることがわかります。

Img_24341  スマートクリエーション・スクエアでは、「スマートライブラリー」と呼ぶ展示に加えて「スマートワードローブ」のマネキン展示が目を惹いていました。マリメッコや、ゴミ0(ゼロ)を打ち出すデザイナーのニニ・ネメスら、エコを打ち出しているブランドの作品10点が並び立っています。

 スマートライブラリーでは、リサイクルやリサイクル可能な素材の技術がクローズアップされ、ヤーンやテキスタイル、服飾資材に関しては、リサイクルコットンや再生ウール、再生カシミアなどにスポットが当てられました。またスポーツやアウトドア素材分野ではPFC(有機フッ素化合物)に替えて、環境への影響が少ない化学製品を製造過程で採用した、非常に革新的な製品が紹介され、さらにレザー分野では、クロムフリーが注目を集めていました。

 これら展示に参加したのは約50社で、各々解説付きです。
 日本からは、今年PVアワードのファブリック部門でハンドル賞を獲得したImg_24521_2クラフトエボ(CRAFTEVO V&A)、旭化成のキュプロ、Y.K.K、シンドー(SHINDO)の4社が参加しました。
  右はアウトドアスポーツ素材で、エコフレンドリーをモットーに成長しているCRAFTEVO V&Aの展示です。

Img_24471jpg_3   左はシンドーSHINDOで、テープやリボン、トーションレース、コードを出品しました。

 植物染めを中心にオーガニックコットンやシルク使いのものです。 

Img_24541jpg_2   さらに右はPVアワードでスマートクリエーション賞を受賞したシェラー(スイス)です。
  再生ナイロン糸のECONYLを使用した素材といいます。

 この他様々な有力メーカーが出展しています。

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2017年9月29日 (金)

PVパリ⑻ 2018/19秋冬のフォーカススタイル

 2018/19秋冬のデザインやスタイルに焦点を当てた素材のフォーラムが、PVファブリックのフォーカススタイル・フォーラムです。ファッション情報がアパレル企画に即役立つように、ユーザーに寄り添った形で提供されていますので、私はいつも参考にしています。

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 今シーズン、このフォーラムで打ち出された4つのテーマを、簡単にご紹介しましょう。

☆ ラディカル・ニュージェンダー
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レディスにもメンズにも使えるシルエット。

・機能的なデザイン (右)。

・ゆったりとボリュームアップしたスーツで、ノージェンダーを志向するもの。



☆ スポーツスピリットと洗練が一つになる
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 スポーツとソフィスティケートされた要素のぶつかり合い。

・エッジをきかせた刺激的なイブニングウェア

・ヒップホップのリミックス (左)。




☆ テック&ネイチャー

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 テクニカルと大自然のムードを融合する。

・アーバンカントリー。

・ダンシングデニム。デニムをクチュール風に仕立てる (右)。



☆ 過激で個性的
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 ファンタジーとカラーで大いに盛り上げる。

・温かでエキセントリック。色や柄など様々な組み合わせを楽しむ (左)。

・既存のものをひっくり返す、傍若無人な組み合わせ。

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2017年9月28日 (木)

PVパリ⑺ 18/19秋冬のファブリックのポイント

 2018/19秋冬PVファブリックで提案された素材のポイントを画像で紹介します。見た目のおもしろさと触ったときの意外な触感、艶やかな光りなど----。

☆ SPARKS OF LIGHT  光りの火花
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☆ NON-COMFORMIST HUMOR 非協調主義者のユーモア
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☆ EXCESSIVE SOFTNESS 過度にソフト
4 5







☆ A TASTE FOR THE BIZARRE 風変わりな好み
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☆ NON-PLAIN NUANCES プレーンでないニュアンス
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☆ FIRM FINENESS 高密度で繊細
9 10







☆ SUSTAINABLE PERSPECTIVES 持続可能な視点
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2017年9月27日 (水)

PVパリ⑺ 18/19秋冬のファブリックストーリー

 2018/19秋冬のファッションは、よりラディカルで大胆な方向へ変容すると予想されています。
 ファブリックは、ますます楽しい、創造力あふれるものになってきそうです。

Pv  
 上のヴィジュアルはPVの予測をまとめたものです。
 FARCIAL(茶化す)とか、IRREVERENT ELEGANCE(反逆的なエレガンス)、DIZZY PROFUSION(めまいがするような豊かさ)、IMPERTINENT DIALOGUES(生意気な対話)、 ENIGMATIC ATTRACTIONS(謎めいた魅惑)、ENHANCED CONSISTENCY(一貫性を強化)、 CALM ADDITIONS(静けさを付加)といったキーワードが散りばめられるなか、SUSTAINABLE PERSPECTIVES(持続可能な視点)が入っていることにも注目です。

 提案されたのは、大きく次の二つのストーリーです。

Img_3207_2  一つは夢幻的な空想の世界 (EERIE IMAGINING )

 空想と現実の間を漂う、魅惑的なストーリーです。

 ポエティックとデジタルを足して2で割ったような世界でもあるといいます。


Hsu_tung_han_13812_1225_2 もう一つは反逆的なエレガンス
(IRREVERENT ELEGANCE )

 クラシックを茶化し、スタンダードから逸脱。矛盾した組み合わせで、活き活きと楽しい、既成の枠にとらわれない方向です。

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2017年9月26日 (火)

PVパリ⑹ 「ル・フォーラム」の18/19秋冬カラー

 2018/19秋冬のPVファブリックのトレンドは、「ル・フォーラム」で展示されました。

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 中央にトレンドフィルムを上映するコーナーがあり、カラーエリアはその裏側に設けられてました。

 上を見上げると、たくさんの白い風船が所狭しに泳いでいました。これは今期のスローガンである「クラウド・オブ・ファッション(Cloud of Fashion)」の「雲」を象徴しているのでしょう。雲は、現代のリアルとデジタルのクロスオーバーからフツフツと湧きおこる創造の泉を表しているようです。いずれ雨粒となって滴り落ち、独創的なイノベーションをもたらす、といったイメージです。
 とはいえこの風船、熱のせいか、ひとりでに破裂して爆音を轟かせて落ちてくる、ちょっと危険な代物でした----。

 今シーズンのカラーレンジは一言では言い表せません。タイプの異なるカラー構成で、明確な直線のように交錯し、四角く向かい合う配列で提案されていました。まるで色同士が対話でもしているかのようでした。

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 打ち出されたカラーレンジは、次の5つの方向です。ヴィヴィッド&ブライト、カラフル・ダーク、スモーキーなミネラル、ソフトなペール、オークル・フレスコ。
 総じて従来のスタンダードなコードに従わない、遊び心のあるカラーが展開されています。

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2017年9月25日 (月)

PVパリ⑸ 驚異のイエールフェスティバル グランプリ作品

 プルミエ―ル・ヴィジョン(PV)パリ9月展で、今年4月、イエール国際モード・写真フェスティバルで、PV審査員グランプリを受賞したスイス人デザイナー、バネッサ・シンドラーさんの作品が展示されました。(このブログ2017.9.10付け参照)
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Img_19271  構築的なシルエットのドレスには、これまで見たことがないような驚異的な素材が使われています。
 ウレタン樹脂液のコーティングによるものだそうで、厚みのある風合いは、まるでゴムかスポンジのようです。 

Img_19281jpg  抑えたニュートラルカラーで、光沢とマット、透け感をバランスよく配しています。
 未来的で、どこかノスタルジックなテイストも感じさせられるコレクションでした。
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2017年9月24日 (日)

PVパリ⑷ テックスプリント授賞式プレゼンターに小篠ゆま

 プルミエ―ル・ヴィジョン(PV)パリ9月展のPVデザインで、第15回目を迎えたテックスプリント(Texprint)コンクール(このブログ2017.9.9参照) の授賞式が行われました。
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 プレゼンターを務めたのは、「ユマコシノ」ブランドを手がけるデザイナーの小篠ゆまさんです。24名の候補者の中から選出された受賞者たちに各賞を贈りました。
 小篠さんは、日本のファッションデザイナーのレジェンドとなっている家系であることや、オリジナルな現代テクノロジーと日本の伝統を融合した画期的なコレクションで、すでに高い評価を得ています。テキスタイルデザイナーの卵たちにとって、彼女からの応援のエールは、大いに励みになったことでしょう。

 さて来年こそは日本人も選ばれますよう、次回を楽しみにしています。

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2017年9月23日 (土)

PVパリ⑶ COTTON USA「コットンの新機能」を初公開

 COTTON USA(CCI国際綿花評議会 本部:ワシントンD.C. )が、プルミエール・ヴィジョン(PV)パリ9月展 のPVヤーンに参加し、コットン インコーポレイテッドと米国スーピマ協会と共同のコットンパビリオンを設営しました。
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 全体テーマは「WHAT’S NEW IN COTTON?(コットンの新機能)」です。PVパリという世界最高峰の繊維見本市で、責任を持って生産されたアメリカ綿と世界の綿花市場の発展に関する情報を提供するとともに、コットンの持つ高付加価値性が初めて公開されました。
 高機能というと合繊の独壇場のように思われています。しかしコットンは昔から本来の優れた機能を活かすパフォーマンス性に関する様々な研究を行っており、現在も進化を続けています。ここでは、COTTON USAとそうした革新的なテクノロジーを有する企業とのコラボレーションによる様々なアイディアが改めて披露されました。
 発表されたアメリカ綿製ファブルックの新しい技術とデザインのイノベーション、そのいくつかご紹介します。

Img_19371_2 ○セリアン Celliant
 セリアンは、米国カリフォルニアが本拠地のHologenix, LLCの機能性ファブリックです。

 世界で最も先進的で臨床試験済みのレスポンシブ・テキスタイル技術といわれ、血流に作用し血液循環を促すことから、米食品医薬品局(FDA)により医療機器と認められたといいます。

 Tシャツやレギンスが、右のように展示されていました。

Img_19421 ○ソリュセルエアー SolucellAir
 これは中空糸の技術です。つまり糸の中を空洞にすることで、軽量化やソフトな感触、温かさ、吸湿・速乾効果など、快適なコットンにさらなる心地よさを付加するものです。

 これは中国発ですが、日本ではすでにクラボウがスピンエアーで市場展開していますね。

 左はその展示風景で、ジャケットやシャツ、ジーンズにと、アイテムが広がっていることがわかります。 

Img_19521 ○スマートウィーブ SmartWeave
 スマートウィーブは、コットン100%の吸汗・速乾技術を持つ英国のブランドです。コットンというと水分をよく吸ってくれるのですが、化合繊に比べて乾きにくいのが欠点とされてきました。これはそれを解消する技術です。

 右は、汗が気にならないミラクルなシャツの展示です。
 これなら汗ジミにも悩まされることなく、いつもスタイリッシュに着こなせそうです。

 この他、英国生まれで日本でもおなじみのベンタイルVentileや、フランスのプロニームPRONEEMによる抗菌加工のアクティジェンActigieneや、理想的な衣服内気候を保つクーリンCool’ in加工、中国のニットウォームKnitWarmなども提案されていました。

 これらはCOTTON USAのプレミアム価値のほんの一部です。今後ますますの研究・技術イノベーションが期待されますね。

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2017年9月22日 (金)

PVパリ⑵ アワードのグランプリとハンドル賞に日本企業

  今期PVパリの一大イベントが第9回PVアワード授賞式でした。これまでの6つの賞に加え、「スマート・クリエーション賞」がファブリックとレザーそれぞれに新設されるなか、ファブリック部門でグランプリに輝いたのは、日本のエイガールズ(A GIRLS)でした。またハンドル賞もV&AジャパンのCRAFTEVOが獲得しました。
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 同部門でノミネートされたのは87社、その内日本企業は12社が入り、今年こそ、との思いは強かったのです。4年ぶりの受賞に、関係者の喜びは一入でした。
 審査委員長は、俳優のジョン・マルコヴィッチ氏(このブログ2017.9.8付け参照)で、インタビューによると、過度にゴージャスよりはエコフレンドリーなナチュラル感のあるファブリックに興味を持たれた様子です。Img_20911_4ご自身がデザイナーでもあるということもあるのでしょう。受賞したテキスタイルは、全体に一見シンプルなものが多かったように思いました。
    
 上はル・フォーラムでの受賞作の展示風景です。

 下記、ファブリック部門で受賞したテキスタイルをご紹介します。

○グランプリ(審査員大賞)
 グランプリは、A GIRLSの表と裏でゲージが異なる二重構造の丸編みジャージーに贈られました。 表糸はミサンガなどに使われるシルキーな光沢のあるポリエステル加工糸で、裏は肌触りのよい超長綿使いです。Img_20131表は8ゲージ、裏は32ゲージの編み地で、ポリエステル糸が硬くて、編むのに苦心したとのこと。特殊なクオーター編み機を使って編み立てることで硬さがなくなり、ドレープ性のあるしなやかな風合いを出すことができたといいます。
 開発者の尾崎孝夫ディレクターは、「地位が一段低いと見られてきたジャージーが、世界に認められてこんなにうれしいことはありません。日本のカットソーを世界に発信できて幸せです」と語っていました。 

○ハンドル賞
 ハンドル賞を授与されたのは、日本の服地コンバーターのCRAFTEVO V&Aによる玉虫のように美しい光沢を放つ高密度織物でした。Img_20111 軽いしなやかなドレープ性たっぷりのファブリックで、ナイロン100%、20デニール使いだそう。
 同社は、北陸を拠点にアウトドア素材を展開している設立8年目の企業です。アワードに向けて、ストレッチ性や撥水性といった高機能はそのままに、見た目と風合いにこだわり、上品で洗練されたイメージを狙って開発したといいます。最後に「北陸の福井と石川の職人さんたちのご協力があっていただいた賞です。日本のモノづくりを世界に届けることができました!」の喜びの声が印象的でした。

○イマジネーション賞
 イマジネーション賞は、もっとも大胆かつオリジナリティのあるファブリックに与えられる賞で、Img_20041jpgイタリアのレザーテックスLEATHERTEXに贈られました。
 表はプラスティックのような素材で、裏はラムスキンのエコファーです。表と裏をパンチングで接合させたものだそうです。革新的なテクノロジーで驚きの素材開発をしている同社ならでの楽しいアイディアと思いました。

○スマート・クリエーション賞
 もっともクリエイティブで持続可能性があると認められたのは、Img_20781スイスのシェラーSCHOELLERが開発したアップサイクル素材でした。すべて廃棄物から再生したものといいます。カラーコントラストを効かせた高機能ダブルフェイスで、超軽量で弾力性に富んでいます。

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2017年9月21日 (木)

PV パリ⑴ 開幕 来年「マーケットプレイス」立ち上げ発表

 プルミエ―ル・ヴィジョン(PV)パリが、19日、パリ・ノールヴィルパント見本市会場で開幕しました。
Img_17241  初日恒例の記者会見に臨んだPVゼネラルマネージャーのジル・ラスボルド氏による概要解説は次のようです。

 まずは今期のスローガンは、このブログ(2017.9.7)でお伝えした通り、「クラウド・オブ・ファッション(Cloud of Fashion)」です。
Jairo_alvarezcopie クラウドとはすなわち「雲」です。その意味するところは、雲が雨を降らすように、創造のアイディアが雨粒のように滴り落ちてくる、そんなイメージ(右の写真)です。

 出展者数は、既報よりほんの少し少なく、6つの見本市全体で1954社、前年同期比3%増で、国別ではイタリアが657社とトップです。主軸のPVファブリックは801社で、初めて800社を超えました。
 開催ホールは今回から「ザ・ソーシング・コネクション」が加わって、5ホール構成となったことも新しい変化でした。これはPVマニュファクチュアリングと横編みニットのニットウェアソリューションズを補完する専門エリアという位置付けです。また「バッグ&シュー・マニュファクチュアリング」の新設もあり、PVパリが縫製・製造のソーシング提案を強化していることがわかりました。

 最後にいつも重要なことが語られることが多いのですが、今シーズンも同様でした。来年WEBサイト「マーケットプレイス」を立ち上げるとの発表です。これは出展者とバイヤーを、いつでもどこでもつなぐデジタルプラットフォームで、中長期的な目標として出展社1,500社、商品数70,000点、バイヤー25万人を目指すといいます。
 このため新会社PVデジタルを設立するとのことで、メンバーも紹介されました。
 なお、発信されるのは来年後半になるとのことです。

 このプラットフォームでネット取引が進んだとしても、業界のプレーヤーが一堂に会する見本市の重要性に変わりはないものと思われます。今すぐというわけではありませんが、この動き、注視していきましょう。

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2017年9月20日 (水)

18/19秋冬パリ・テックスワールド 「マテリオ」に注目!

 パリで18日開幕した18/19秋冬テックスワールド(TEXWORLD)に行ってきました。
 注目は最先端素材のファッションテックのプレゼンテーション、アヴァンテックス(AVANTEX)です。
 今シーズン、興味深かったのは「マテリオ MateriO」のフォーラムでした。
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 ちなみにマテリオは、様々なテクノロジーを駆使したサンプルを集積したショールームです。パリやブリュッセル、プラハ、上海にあり、クリエーションのヒントとなる材料を提供しているといいます。デザイナーのための「真のアラジンの洞窟!」であるそう。

 とくに自然素材と結びついた新技術に目が行きました。その一部をご紹介します。

Img_16251 ○木のテキスタイル  
WOODEN TEXTILE by ELYSA STROZYK (ドイツ)

  三角形の木の形をテキスタイルにボンディングした素材です。

Img_15981jpg ○樹皮を材料にしたスエード風の素材 

BARKTEX/BARK CLOTH by BARK CLOTH EU(ドイツ)



Img_16051○蛙(カエル)革
FROGSKIN by NOVAKAERU (ブラジル) 

現地では大量発生して困っているというカエルを使用した一風変わったレザーです。

Img_16381jpg○ロープとラテックスのテキスタイル 
REGEN by WENDY ANREU (フランス) 

撥水性がありバッグに、雨合羽によさそう。

Img_16121○エンボス加工のレザー 
SQUASH by FUTURA LEATHER (イギリス)

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2017年9月19日 (火)

特別展「ダイアナ:彼女のファッションストーリー」

 ロンドンに来て、ケンジントン宮殿で開催されている特別展「ダイアナ:彼女のファッションストーリー」を見に行ってきました。
Img_11701jpg  今年は、あの美貌のプリンセスが不慮の事故で亡くなって早くも20周年を迎えるのですね。8月31日は命日であったとか。この特別展は、これを記念して開催されています。

 会場には、ダイアナ元妃が実際に身に着けた衣装25点が年代順に展示されていました。衣装の足元には、ドレスを着用した元妃の写真と解説を記したパネルが置かれていて、ドレスの背景がわかっていいなと思いました。

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 上の写真で手前のペパーミントグリーンのドレスは、デビュッタントドレスです。婚約する前の1979年、社交界へのデビューで着用したものだそう。レースのベールとベルベットのリボンが付いています。

 左下は、1981年、ハネムーンで着用したツィードのスーツです。英国伝統のカントリースタイルです。飾らないダイアナ妃らしい普段着です。
 右下は、1985年のイタリア公式訪問の際の装いです。80年代の流行を採り入れたボックスシルエットのコートとスカートのスーツで、グリーンに黒のタータンチェック使い。

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 スタイル画も多数展示されています。

Img_11551  1992年、インド訪問のときのイブニングドレスです。キャサリン・ウォーカーのデザイン。
 ボディスには、インド伝統のモチーフをあしらった刺繍が施されています。

 1986年、日本に来たときに贈られたキモノを羽織った姿の写真もありました。 

  90年代の優美なドレスたちです。
 本展のポスターに用いられたベルサーチェのデザインのものも展示されていました。

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Img_11601  1997年、子どもたちへのチャリティイベントで着用されたピンクのスーツです。
 子どもたちを元気づけようと、明るい色を選んだといいます。 


Img_11621 1997年、ボンドストリートへプライベートなショッピングに出かけた時のものだそうです。気品あふれる淡いブルーのサテンジャカードのドレスです。
 この年、事故に遭い、帰らぬ人となってしまったのですね。

 ドレスはいずれもシンプルそのものといったデザインです。プロポーションの美しい、ダイアナ妃でなくては着こなせないエレガントなドレスばかりでした。

 改めてダイアナ元妃の美しさに感動した展覧会でした。開催は来年2月28日まで。

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2017年9月18日 (月)

ロンドンV&A プライウッド(合板)の展覧会

  ロンドンのヴィクトリア&アルバート(V&A)ミュージアムでは、昨日のこのブログに書いたバレンシアガ展と同じフロアーで、プライウッド(合板)展が開かれていました。
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 軽くて強い、デザイン性のある曲面をつくり出せる合板は、現代に欠かせない実用的な材料といいます。ベニヤ板も合板で、普通によく使われていますね。

Img_12391  その歴史は古く、何と古代エジプトにまで遡るそうです。

 右は、誕生した頃の自動車です。合板でつくられていたことがわかりました。
 昔の飛行機も合板製だったといいます。

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 お馴染みのチェアです。
 木なので、よくしなり、様々な形をつくり出しています。初のスタッキングチェアも合板でつくられたといいます。
 自然な和み感が心地よいですね。

 約120もの合板のオブジェを展示している、なかなか見応えのある展覧会でした。会期は11月12日までです。

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2017年9月17日 (日)

ロンドンV&A バレンシアガ展 現代性あふれる造形美

  パリへ向かう途中、ロンドンに立ち寄りました。 Scan0551 いつものようにショップリサーチをするかたわら、ヴィクトリア&アルバート(V&A)ミュージアムに行き、開催中のバレンシアガ回顧展「Balenciag: Shaping Fashion シェイピング・ファッション」を見てきました。

 伝記によると、クリストバル・バレンシアガは1895年スペインのバスク地方ゲタリアで裁縫士の息子に生まれ、サン・セバスチャンにブティックを開店、スペイン王室と王侯貴族を顧客にマドリッドやバルセロナに支店を開いたのですが、スペイン内乱の影響でパリに移住し、1937年にオートクチュールのメゾンをオープンしました。
 本展は、バレンシアガのアトリエ開設100周年、初のオートクチュールから80周年を記念する回顧展であるとのことです。
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 バレンシアガといえば、戦後のパリのオートクチュール黄金時代をクリスチャン・ディオールとともに築いた巨匠で、 「クチュリエ界の建築家」とか「はさみの魔術師」、「クチュールのピカソ」などと称されています。
  Img_11741jpg現代服のどこかには必ずバレンシアガのアイディアが表現されていると言われていますが、改めてその現代性あふれる造形美に感動しました。

 最初に目にしたのが、右の黄緑色シルクのドレスです。
 身体に対する抽象的な造形美にハッとさせられます。
 これこそ現代のデザイナーたちに、大きな影響を与えたデザインでしょう。
 前衛性が実に刺激的です。

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 上は「パーフェクト・ルーズフィット」のドレスたち。
 ケープのデザインを取り入れたイブニングドレスで、1963年の作品です。
 このシンプルな構築性、まさに先進的ですね。

Img_11861jpg  左はハーパース・バザーの伝説的編集者、ダイアナ・ヴリーランドが、ニューヨークのMETでの展覧会の折、バレンシアガの「ワンシーム・コート one-seam coat」を手に持って、紹介している写真です。

 ダイアナ・ヴリーランドは、バレンシアガを「シルエットの預言者」とも呼んでい.たといいますが、ほんとうにその通りと思います。

  この「ワンシーム・コート」はキモノのような平面構成のコートになっているのです。コーナーには、この型紙のミニチュアの紙の束が置かれています。この紙に描かれた折り線通りに折って、切ると、オリガミコートがつくれるようになっていました。
Img_11881_2  みんな一生懸命、指先を動かして、紙を折っていました。私も体験してみたのですが、それほど難しくはなかったです。  バレンシアガのパターンの先見性が、これでまた一つ、わかった気がしました。

 「キモノ・クチュール」も興味深かったです。
Img_11911jpg 日本のキモノを、バレンシアガに紹介したのはマドレーヌ・ヴィオネだそうです。当時ヨーロッパでは、日本の浮世絵が人気を集めていたのですね。
 バレンシアガは、1939年に初めてキモノ・スリーブを採り入れたドレスを発表したといいます。
 右のドレスは、1958年に発表したカクテルドレスです。
 袖はキモノ袖で、オビのようなベルトを締めて、ウエストをほっそりと見せています。
 キモノのディテールを使っていますが、キモノらしさを感じない、モダンな感覚に仕上がっていて、さすがクチュールの技! 美しいです。

 二階に上ると、そこにはバレンシアガの影響を受けたデザイナーたちの作品がズラリと勢揃いしていました。ジバンシーやクレージュ、イッセイミヤケ、リック・オーエンスなど、錚々たる顔ぶれです。

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 上は、コム・デ・ギャルソンの川久保玲デザインのドレスで、1983年の作品です。

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 上は、現在バレンシアガのアーティスティック・ディレクターをつとめるデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)による2016年コレクションのスーツ作品で、バレンシアガのアーカイブにヒントを得たといいます。

 なお展覧会は来年2月18日までの開催です。会期は長いので、訪れてみてはいかがでしょう。

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2017年9月16日 (土)

「コダワリノヌノ2017」展 多重素材を共通テーマに

 今シーズンも「コダワリノヌノ2017」展示商談会が、この9月7-8日、東京・南青山で開催されました。出展したのは10府県11社で、各社独自のこだわりの技を披露しました。
 共通テーマは「多重素材」で、とくに多重織ガーゼは人気が高い様子です。
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Img_09621  ここでの注目は、やはり高橋織物(滋賀県高島市)の綿100%の多重織ガーゼです。
 2重織から12重織までつくっていて、さすがの匠の技!
 ふっくらと軽くて、気持ちのいい風合いに驚かされます。
 空気の層があるっていいですね。

Img_09661 Img_09671  また写真上のシャーリングクレープも一押し素材で、実際引き合いが多いようです。綿99.35/ポリウレタン0.65で、左は生機で、プリント加工すると右のような凹凸感が出てくるのだそうです。

Img_09591jpg  また島田製織(兵庫県西脇市)の播州織先染めチェックやジャカードの提案も注目されます。
 100番手糸使いなど、得意の超極細番手使いで、繊細で滑らかな表現が美しい綿織物です。
 右は同社のファクトリーブランド hatsutokiから、フワッした感じのカットジャカードです。 

Img_09461jpg  デニムでは、ワン・エニー(岡山県岡山市)のキレイ目のデニムが好評のようです。
 右は、光るフィルム入りデニムで、綿97/ポリエステル3。

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2017年9月15日 (金)

エマニュエル・ソーニエ展「セロニアス・モンクに捧ぐ」

 銀座のメゾンエルメス フォーラムで開催中のエマニュエル・ソーニエ展、そのギャラリーツアーに参加しました。

1x_3  エマニュエル・ソーニエといっても、確かになじみがありません。日本での個展は初めてだそうです。
 ガラスを用いた作品で知られる彫刻家で、1952年パリ生まれ、トルコのイスタンブールへも行き来し、パリ国立高等美術学校で教鞭もとっているといいます。

 テーマは「ATM tempo I/II/IIIセロニアス・モンクに捧ぐ」です。セロニアス・モンクはアメリカの有名なジャズ・ピアニストですね。なぜモンクに捧ぐなのかというと、あるとき聞いた彼の即興演奏に感動したからだそうです。彼へのオマージュを作品として表現したかったのだといいます。
 「ATM」の頭文字は「ア・セロニアス・モンク(A Thelonious Monk)」のことだったのですね。

 展覧会は大きくtempo I/II/III の3部構成になっています。

 tempo Iは、森の木の枝を燃やして形作ったインスタレーションで、一つひとつが不思議な形をしています。1_2 あるものはトカゲのような爬虫類のようにも見えます。
 壁には大きく「ATM」の文字が描かれていて、文字をよく見ると、吹きガラスの細いチューブでできていました。ガラス細工が得意なソーニエらしいです。(写真はエルメス公式サイトより)

 tempo IIは、個人コレクションで、家族や親交のある作家たちの作品が展示されています。

 tempo IIIには、3つの大きな彫刻が置かれています。手前は、台座の上に太いガラス管をいくつも並べたインスタレーションで、ガラス管には水が満たされているそうです。タイトルは「キー(Keys)」で、言われてみればピアノの鍵盤のように見えます。
 真ん中は、「トランス(Trans)」で、円盤に尖った串を直立させたもの。突き刺す側と受け入れる側を暗示させるといいます。
 その奥にあるのが、「ブル(Boule)」と名付けられた作品です。「玉」や「泡」を「ブル」といいますが、これは魚を獲る魚籠のようでもあります。不安定な人の世を映し出しているのかもしれません。

 セロニアス・モンクが1963年に来日したときの映像も流れています。
 開催は10月31日まで。ジャズに興味のある方、必見でしょう。

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2017年9月14日 (木)

「浅井忠の京都遺産」展 洋画家で教育者の足跡を辿る

 東京・六本木の泉屋博古館分館で9日から始まった「浅井忠の京都遺産」展の内覧会があり、行ってきました。副題は京都工芸繊維大学美術工芸コレクションです。
 浅井忠は、明治時代、黒田清輝らと並ぶ日本洋画壇を率いた画家だったといいます。1900年にパリ万博を訪れ、全盛期のアールヌーヴォーに触発されて、デザインに興味を持つようになります。パリ滞在中に京都工芸繊維大学の前身であった京都高等工芸学校の中澤岩太校長に誘われ、帰国後同校の図案科教授として教育者の道を歩むことになったのだそうです。

 本展は、この浅井忠の足跡を辿る特別展で、3章構成になっています。
 とくに晩年の5年間の作品や、京都工芸繊維大学で教鞭をとったときに用いたという、欧米の工芸品などの教材が多数紹介されていて興味深かったです。

 第1章は、「はじまりはパリ、万国博覧会と浅井忠」です。
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Img_09721jpg  アルフォンス・ミュシャの「椿姫」のポスターや、ティファニーの花形ガラス瓶や海藻モチーフの花瓶などが展示されています。


Img_10281_2  エミール・ミュラーのマットな釉薬の作品もあります。
 それにしても釉薬によってこれほどに色彩や光沢が変化するとは!
 釉薬が醸し出す美しさ、すばらしいです。


 第2章は、「画家 浅井忠と京都洋画の流れ」です。
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 パリに行き、水彩画を描くようになったときの作品や、武士山狩図の油彩画の大作にも圧倒されます。
 弟子の鹿子木孟郎らの洋画も展示されています。

 第3章は、「図案家浅井忠と京都工芸の流れ」です。
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Img_10041  植物の図案が多いですが、動物のイノシシや七福神、古代エジプト、オリエント風のモチーフ、また鬼ヶ島の桃太郎伝説に因んだものなど、多彩なことに驚かされます。

 写真は美術館より特別許可を得て撮影しています。
 開催は10月13日までで、ゲストトークやロビーコンサートなどイベントも盛りだくさん。関心のある方はどうぞお早めにお出かけください。

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2017年9月13日 (水)

ヨコハマトリエンナーレ2017 ⑶ 社会へのメッセージ

 ヨコハマトリエンナーレ2017で感じたのは、作品に込められたアーティストの社会への思いです。社会へのメッセージが伝わってくる、ストーリー性のある作品が多く見られました。
 とくに横浜開港記念会館の地下スペースで行われている柳幸典のインスタレーション、「プロジェクト・ゴジラ(Project Godzilla)」は、強烈な文脈で迫ってきます。会場は少し離れていましたけれど、行ってみる価値ある展示と思いました。

20170826170116imgp27111jpg  暗い闇の中を進んでいくと、ギロッと光るゴジラの目が現れます。
 ビキニ環礁での水爆実験で突然変異したというあの空想上の怪獣、ゴジラががれきの中に隠れているようです。
 それにしても大きな目です。瞳の中にはキノコ雲が映し出されていました。

 次に赤い光に照らされたコーナーに出ます。
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 日本国憲法第9条の条文が、バラバラにされて、傾いていたり、ときに逆さまになったりして設置されています。
 第9条の墓場 ということなのかもしれません。

20170826170452imgp27151  最後に出会うのが、ギラギラと輝くオレンジ色の球体です。マグマが噴き出しているかのようです。これは核戦争後の地球の姿なのでしょうか。
 核の恐怖を静かに発信している力作です。 

 横浜開港記念会館近くで併催されているヴァンクアート・スタジオNYKにも行ってみました。ここは日本郵船の倉庫だったところだそうで、建物自体おもしろいつくりです。
 注目は3階の「花と海と光」の設置型アートでしょう。
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  レジ袋でつくったという無数の花は「無音花畑」という丸山純子の作品です。それに高橋啓祐による青い渚のプロジェクションマッピングが組み合わさって、コンクリートの無機質な空間をドリーミーに演出しています。
 ここも一見の価値ありと思いました。

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2017年9月12日 (火)

ヨコハマトリエンナーレ2017 ⑵ 赤レンガ倉庫も楽しい!

 巡回バスで、赤レンガ倉庫1号館へ行きました。大型展示や体験のできるスペースもあって楽しいです。

 中でもびっくりしたのが、宇治野宗輝の「プライウッド新地」です。
Img_06861jpg  
 暗闇の中で、突然灯りがつき、ミュージックが鳴り始めます。でも楽器を演奏しているのは人ではなく、ヘンテコな機械です。まるで意志があるかのように動き出すので、ポルターガイスト現象?と錯覚させられます。
 機械といっても古い電気製品やミキサーなどの調理器具、自転車、ギター----を集めたもので、人間の手のように見えるのは、車のワイパーでした。ダンスでもしているように見えます。
 かつて日本にもたらされたアメリカ文化をユーモラスに表現した作品とか。それにしてもホント、愉快なパフォーマンスを見せてもらいました。

Img_07171  アイスランドのラグナル・キャルタンソンによるミュージック映像によるインスタレーションもおもしろかったです。
 いくつもの巨大スクリーンが設置されて、それぞれがミュージックを奏でて、一つの音楽をつくっています。ミュージックを立体的に体感するとはこういうことをいうのでしょう。
 でも映像に映っているのは演奏している人ばかりではありません。寝転んでいたり、浴槽に浸かっていたりする人もいます。お風呂に入っているのは、作家自身だそうで、これも驚きです。

Img_07121jpg  ドン・ユアンの「おばあちゃんの家」も印象的です。
 部屋の中にあるのはすべて絵です。家財道具からテーブルの料理まで、細かく描かれています。作家は中国人で、この祖母の家は、取り壊されることになっているのだそうです。祖母との楽しい思い出を描くことで、失われていくものを残そうという試みに拍手を送ります。

 この他、ほんとうにたくさんの作品が続々で、とてもご紹介しきれません。

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2017年9月11日 (月)

ヨコハマトリエンナーレ2017 ⑴ 「島と星座とガラパゴス」

 3年に一度の現代アートの祭典、「ヨコハマトリエンナーレ2017」が今、横浜美術館や赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館ほかの会場で、11月5日まで開催されています。

 テーマは「島と星座とガラパゴス」で、メインテーマは接続と孤立です。接続は世界のグローバル化を、孤立は紛争や難民、ポピュリズムの台頭を指しているといい、「世界の今を考える」という深い意味がこめられているといいます。
 タイトルの「ガラパゴス」は、ご存知の通り赤道直下にあって島の中でも独自の進化を遂げた島です。これはアーティストを暗喩するキーワードでしょう。でもこれらの島々は、決して孤島ではありません。海でつながっているのです。かれらアーティストたちは今、横浜で星座のように結び合い、作品を通してメッセージを発信しています。それが大変興味深く、刺激的でした。

 会場別に印象に残った作品をご紹介しましょう。

 まず横浜美術館です。ここは本展の中心会場です。
20170826100608imgp25891  
Img_05511  正面外壁には、窓枠のように救命ボートが張り付き、メインゲートの柱には、天高く無数の救命胴衣が飾り付けられています。

 胴衣は実際に難民がギリシアのレスボス島にたどり着いたときに着用していたものだそうです。

 これはアイ・ウェイウェイの「安全な通行」という作品で、来場者は皆このタイトルのように安全に:ゲートを通り抜けます。 

 入場すると待ち受けているのが、この巨大な竹製のゆがんだオブジェです。
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 インドネシアのジョコ・アヴィアントが、注連縄(しめなわ)から発想し、2000本ものインドネシアの竹を独自の手法で編み上げたものだそうです。失われつつある伝統文化を表現しているとのことで、しばし考えさせられます。

 今回は一人の作家が個展のように複数の作品を出品しています。
Img_06211jpg  中でも心に残ったのが風間サチコの白黒の木版画です。
 右は「人間富嶽」と名付けられた作品。
 現代の不穏な空気感や、若者たちが抱いている不安感を映し出していて、ドキッとさせられました。

 思わずハッとしたのが、木下 晋の部屋です。
Img_06341 絵のタイトルは 「光の孤独」、「祈りの塔」----。
 緻密な鉛筆画は、ハンセン病回復者で詩人の桜井哲夫さんを描いたものだそう。以前にも平塚美術館で見たことがあり、衝撃を受けたことが思い出されました。 

 ザオ・ザオの「プロジェクト・タクラマカン」(写真下)です。
20170826111910imgp26481jpg
 タクラマカン砂漠の真ん中に、高圧電線や冷蔵庫を配して、冷えたビールを飲もうというインスタレーションです。
 タクラマカン砂漠があるのはウイグル地区で、この地区は作家の出身地といいます。ここは民族紛争の舞台でもあり、アートを通してそのことを茶化しているようにも思えます。

20170826111818imgp26471  フィリピンのマーク・フイティニアーニの作品、「トンネル」。
 無限のブラックホールに吸い込まれるような感覚に襲われます。

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2017年9月10日 (日)

プルミエ―ル・ヴィジョン・パリ9月展リリースから ⑷

1 来たるプルミエ―ル・ヴィジョン(PV)パリ9月展で、もう一つ興味深い展示が行われます。
 
 それはこの4月に開催された南仏の第32回イエール国際モード・写真フェスティバルで、PV審査員グランプリを受賞したスイス人デザイナー、バネッサ・シンドラーさん(右写真)のコレクション展示です。

 作品は、建築やインテリアデザインにインスパイアされたという構築的なシルエットです。

 この構築性は素材表現によるもののようです。何とウレタン液を使用しているといいます。
 植物素材のチュールやネットといった透けるテキスチャーで、その新しい表現とか。

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2017年9月 9日 (土)

プルミエ―ル・ヴィジョン・パリ9月展リリースから ⑶

 今回のプルミエ―ル・ヴィジョン(PV)パリ9月展では、テキスタイル・デザインのクリエイションを支援するイベントも開催されます。
 それがテックスプリント(Texprint)のコンクールです。PVはこのコンクールに協賛しているのですね。
 テックスプリントは、イギリスのファッション系大学250校で学ぶ各国の若きデザイナーを対象に、下記の賞を設けてコンクールを実施、例年PVデザインの会場で受賞式が行われています。
 ファイナリストは24名で、PVデザイン会場での展示にも参加します。

 その賞とは、テックスプリント・ファッション賞、テックスプリント・インテリア賞、テックスプリント・カラー賞、テックスプリント・パターン賞、ザ・ウールマーク・カンパニー・テックスプリント賞、それについ最近のリリースで、マークス&スペンサー・テックスプリント賞も加わったとのことです。
 
 なおプレゼンターは日本人デザイナーの、あの「ユマ コシノ」を手がける小篠ゆま氏が務めるといいます。

Untitled_73_of_106440x195_2  右はファイナリストたちです。彼らの中に、日本人の姿がなくて----、今年もかと、大変残念です。がんばって!と言いたいですね。

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2017年9月 8日 (金)

プルミエ―ル・ヴィジョン・パリ9月展リリースから ⑵

 プルミエ―ル・ヴィジョン(PV)パリ9月展でのメインイベントは、第9回PV アワードです。
 会期初日の夕刻、PV アワードの授賞式が行われます。

4  話題は何といっても、新しい審査委員長でしょう。スペシャルな人物、俳優であり、ファッションデザイナーでもあるジョン・マルコビッチ氏が審査員のトップとして迎えられているのです。
 ジョン・マルコビッチ氏といえば、俳優および映画プロデューサーとして誰もが知る存在です。でもデザイナーとしての実績についてはあまり知られていませんでした。私も知らなかった! 同氏は6年前に自身のファッションブランドを立ち上げ、メンズコレクションを発表しているそうです。

 また今回は、これまでの6つの賞に加え、「ファッション・スマート・クリエーション賞」が、ファブリックとレザーそれぞれに新設されるといいます。責任あるクリエイティブなファッションを讃える動き、ますます加速しそうです。
  授賞式ではフランスのエレクトロ・ポップ・デュオSYNAPSONがセレモニーを盛り上げるとか。さてどんなことになるのか、楽しみです。

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2017年9月 7日 (木)

プルミエ―ル・ヴィジョン・パリ9月展リリースから ⑴

 プルミエ―ル・ヴィジョン(PV)パリ9月展が、9月19日から21日、パリ・ノールヴィルパント見本市会場で開催されます。
3_2  プレスリリースによると、今期は「クラウド・オブ・ファッション(Cloud of Fashion)」のスローガンの下、新しいキャンペーンを展開するといいます。
 プロモーションビジュアル(右)は、見本市が新しい局面、つまりインスピレーションやノウハウ、新たな開発、未来の素材を包括する、リアルとデジタル双方の場へと進んでいくことを象徴するものだそう。業界の全てのプレーヤーがイノベーションという屋根の下に結集する、そんなイメージが伝わってきます。

 複雑な世界情勢の中で揺れ動くファッションマーケットにも関わらず、PVパリの出展企業は全体で1,961社と2016年9月展比3.3%増。国別トップ5は、イタリア657社、フランス256社、トルコ166社、イギリス144社、スペイン90社。また見本市別では、PVヤーン59社、PVファブリック804社、PV レザー 274社、PVデザイン274社、PVアクセサリー 321社、PVマニファクチャリング 256社と発表されています。
 なお日本からは、6つの見本市合わせて59社、うちPVヤーンに3社、PVファブリック44社(うちニットソリューション1社)、PVレザー 4社、PVアクセサリー 8社が出展するとのことです。

 出展に関する注目の動きは、次のようです。
 一つは、主軸のPVファブリックの出展企業数が初めて800社を超えて804社になったこと。昨年同期は789社でしたから15社増加しました。これは、プルミエール・ヴィジョン・グループの歴史において大きな意味を持つものと評価されています。
 二つ目は、新規出展企業の躍進です。選考委員会による厳しい審査を経て、今期は161社が初出展します。
 三つ目は、インターナショナルな提案です。世界57か国の企業が出展し、とくにテキスタイル提案の増加が、プルミエール・ヴィジョン・パリの強固さを証明していると強調します。

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2017年9月 6日 (水)

「ソレイユトーキョー」担当者不在の新システム合同展

  「ソレイユトーキョー(SOLEIL TOKYO)」は新進ファッションブランドを集めた合同展です。東京・代官山で8月29日から9月1日、第5回目となる展示会が開催されていました。
 出展したのは32ブランドで、ブランドごとにハンガーラックでウェアを展示、バッグやシューズ、アクセサリーもあります。ユニークなのは出展ブランドの担当者が常駐しなくてもよいシステムになっていることです。出展者にはアドバイザーがバイヤーのコメントを伝え、マーケット進出をサポートします。
 このような仕組みなら、遠く離れていても、また忙しくて出られないデザイナーやアーティストも気軽に参加でき、好評のようです。
Img_08851jpg  
 気になったブランドをほんの一部ですが、ご紹介します。

○ a.saught ア・ソート
Img_08771  デザインは凝っていますが、それをすっきりと控えめに表現しているところが、パンフレットにも記載されているように、「心にくい」感じです。
 30代のセンスのよい女性を意識したタウンウェアです。

○ ARMANDO TAKEDA アルマンド・タケダ
Img_08721jpg メキシコの伝統工芸を組み合わせたエシカルウェア。
 メキシコの多様な民族と一緒に仕事し、彼らの仕事を守る新しい場所を提案しているといいます。アイディアに共感します。

○ halico ハリコ
 Img_08791jpg心地よさそうインナーウェア・ブランドです。
 コットンなど天然素材が中心で、レース使いもエレガント、丁寧なつくりも人気のようです。

 他にも、白いシャツシリーズで注目のshingo kurokawa シンゴクロカワなど、次回展も期待しています。

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2017年9月 5日 (火)

2018春夏「ディウカ」と「インプロセス」二つのブランド展

 東京・恵比寿のデペシュモードで、「ディウカ」と「インプロセス」の二つの人気ファッションブランドが、先月末、早くも2018春夏コレクションを発表する展示会を開きました。

 「ディウカ」はデザイナーの田中崇順氏とパターンナーの松本志行氏のデュオによるブランドです。ドレープやカットテクニックでつくるフォルムのバランス感が、大人の女性のエレガントを演出してくれます。
Img_08911jpg  
Img_08921  今シーズンは「パレット」をテーマに、いつもよりもカラフルな色使いや素材にこだわったそうです。

 ちょっとした遊び心のある、小粋なコレクションに仕上がっています。

 「インプロセス」は、スティーブン ホール氏と大原 由梨佳氏のお二人が手がけるブランドです。
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Img_08891jpg  “モダン・ノスタルジック” なイメージのテキスタイル・デザインが特徴で、今シーズンもトライバルなムードやアフリカ、トロピカルムードの融合をテーマにプリントやジャカードを開発、洗練されたエレガントなコレクションを発表しています。

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2017年9月 4日 (月)

ギフトショー ライフ×デザイン展「暮らし デザイン 新時代」

 ギフトショー ライフ×デザイン(LIFE×DESIGN)展が、8月30日から9月2日、東京ビッグサイトで「暮らし デザイン 新時代」をテーマに開催されました。

Img_08161  インテリアや雑貨、家電、伝統工芸、素材にアート&クラフトからアウトドアのグランピング(右写真)まで、住まいに関する商材が一堂に集まるなか、私が興味を持ったのは、アクティブデザイン&クラフトフェアのエリアと日本ブランドフェアのエリアです。
 両エリアから、とくにファッション関連で注目したブースをご紹介しましょう。

<アクティブデザイン&クラフトフェア>
○ワールド・プロダクション・パートナーズ
 ワールドグループの商社機能として素材開発から製品開発までを担う事業会社で、今回自社工場がつくる品質をもっと多くの人に伝えたいと出展したといいます。
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Img_08351jpg  日本各地にあるワールドの自社工場10社、例えば繊維産業の盛んな岡山県の縫製工場や世界最高峰の編み機が稼働する長野県松本のニット工場、北アルプスの清らかな水の恵みを受ける富山県の染色工場など、すべてがJクオリティを取得しているそう。これだけ揃うとなかなか壮観です。

「日々」 by森下縫製
 「50代女性を2サイズ細く見せる “エイジングサイズ” 」のコピーに惹かれて、ブースを訪ねました。
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 同社を経営するデザイナーの小森真寿美さんによれば、ご自身が子育てを終えた頃から、それまで好きだったブランドの服を着ることができなくなり、体型の変化を実感するようになったそう。そんな大人の女性の悩みを解決しようと“エイジングサイズ”を誕生させたといいます。
 “エイジングサイズ”とは、例えば二の腕はゆったり、変化が少ない部分は細いままに設計する新しいサイズバランスのことだそう。現在の生産体制は、標準体型をモデルに制作した服をサイズアップする生産方法ですので、加齢とともにシルエットが身体に合わなくなってくるのです。自然な変化を受け入れるやさしいシルエットの“エイジングサイズ”の服なら、スリムに見えるといいます。
 加齢によって太ったというよりは体型が変化した方に、「日々」の服を着て日常を楽しんでいただきたいと強調されていたのが印象的でした。

<日本ブランドフェア> 
○いまり imari
 裂き織とバティック生地によるこだわりのファッションを提案している、熊本市が本拠地のメーカーです。「いまり」という社名は、佐賀県の伊万里焼から来ているのかと思いましたら、それとはまったく関係ないそうです。
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Img_08011jpg  裂き織は、絹の着物からつくられ、熟練の職人が日本古来の技法を用いて、約80cm幅に織り上げるといいます。またバティックは本場インドネシアからの輸入綿布だそうです。すべて手作りのオリジナル。これはまさに特別な一着になりそうですね。

○宮田織物
 久留米絣の里である福岡県筑後市が本拠の創業100年の老舗です。
Img_08381  生地織りからデザイン、縫製まですべて自社で行なっていて、和木綿で袢纏や作務衣、甚平などをつくっているといいます。
 敬老の日のギフト需要もあり、伸びている様子です。

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2017年9月 3日 (日)

イッセイミヤケの銀座新店舗のオープンに行ってきました!

 イッセイミヤケが、9月1日、銀座に「イッセイミヤケ ギンザ(ISSEY MIYAKE GINZA)」をオープンしました。これは銀座4丁目のガス灯通りにある「エルトブ テップ イッセイ ミヤケ」を生まれ変わらせた新店舗です。実は2か月前の7月に、同名の店舗を一本裏のレンガ通りにオープンしています。そこでガス灯通りの方は「イッセイミヤケ ギンザ オモテ」、レンガ通りの方は「イッセイミヤケ ギンザ ウラ」と呼んで区別しています。この「オモテ」と「ウラ」を合わせて「イッセイミヤケ ギンザ」というわけです。
 先日、そのオープニングに行ってきました!
Img_08411  
 まずは「オモテ」(上の写真)です。
 スペースデザインを担当したのは、プロダクトデザイナーの佐藤卓氏。ニュートラルな白を基調に黒を配した控えめな表現が、品格のある大人のイメージを強調し、銀座らしいです。

Img_08451  「ウラ」も初めて行ってみました。

 話題の「231.5」ウール混ドレス(写真右)が並んでいました。
 シンプルな美しさとは、こういうのを指していうのでしょうね。
 一目でいいなと思うデザインです。

 プロダクトデザイナーの深澤直人が手掛けた空間デザインは、メゾネットスタイルで、中央にソファーが置かれています。
 深みのあるブルーを基調にした、落ち着いた感覚です。
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Img_08471_2  この二つのショップからこれまでにない真新しいクリエーションが発信されていきます。これから何が飛び出すのか、目が離せません。

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2017年9月 2日 (土)

銀座松屋「う。ふ。ふ展」作り手に仏人アーティストも参加

 今、東京銀座の松屋で、9月4日まで、「う。ふ。ふ展」が開かれています。大人の女性たちへ向けた作品展で、出品しているアーティスト6人の内の一人がフランス人のイザベル・ドゥ・メゾヌーヴ(Ysabel de Maisonneuve)さんです。イザベルさんからのメールで、本展を知り、先日行ってきました。
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Img_08571_2   お得意の絞り染めストールが展示販売されています。
  透ける表情のあるシルク地で、布と布の間に、糸が嵌め込まれていたり、箔プリント地をサンドイッチしていたり---。
 その透け重ねのテクニックが見せる繊細な美しさに思わず引き込まれます。

Img_08631  ふんわりと揺れる蝉の羽のような羽織りものも宙に浮いています。天女の衣のようで、感動します。

 お値段はストールで、32,000円くらいから。

 パリの見本市では、蜘蛛の巣のようなテキスタイルアートを出されていたのが印象に残っています。次回機会があればまたお会いしたいです。

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2017年9月 1日 (金)

「アメリカのファッション産業とライフスタイル」を紐解く

 先般、開催されたジャパンジュエリーフェアでは、異業種やファッション関連イベントも用意されていました。その一つが、アメリカのファッション業界に関する最新情報セミナーです。
Img_07521_2 講師はファッション業界の情報発信地であるニューヨークに精通するファッションジャーナリストで、杉野学園ドレスメーカー学院 院長の布矢 千春さん。「アメリカのファッション産業とライフスタイル」をテーマに、業界の仕組みやメディア戦略、美術館とマスコミの関係性など様々な角度からアメリカのファッション業界を紐解かれました。

 冒頭、アメリカではファッションをアートというよりビジネスと捉えていると指摘。ヨーロッパ、とくにフランスを見ている私としては、ちょっとびっくりしました。でも確かにアメリカで起こったビジネスの潮流は、スモール・ビジネスが日本に入ってきたように、早晩日本にも来ています。しかもそのスピードは年々早まる一方です。アメリカの動向を注視していかなければ、とまずは気が引き締まります。

 最初は布矢さんが毎回取材されているニューヨーク(NY)コレクションから。主催団体は現在、インターナショナル・マネジメント・グループ、略してIMG(International Management Group)」で、それまで運営してきたアメリカファッションデザイナーズ協議会CFDA (Council of Fashion Designers of America)を買収したといいます。2015年に冠スポンサーだったメルセデス・ベンツが降板、その後は冠なしで、様々な企業がスポンサーになっているとのこと。ファッションに関わることで自社の広告宣伝に利用し、ファッションを通してビジネスを成立させようとしている実態が語られました。
 デジタル化も進行し、コレクション会場への入場は招待状ではなくスマホで、GPS機能とも連動しているといいます。日本もいずれそうなっていくのでしょうね。
 コレクション会場では、NYで再開発中の主な3つの施設を紹介。ハドソンヤード地区、グランドゼロの近辺、ウエストフィールドワールドセンターだそうです。今度行ってみたいですね。
 次に美術館について、ファッション業界との驚きの繋がりが明かされました。例えばNYを代表する美術館のメトロポリタンミュージアム、通称MET(メット)は私立美術館で、その集金システムを支えているのはラグジュアリーブランドといいます。館内にはヴォーグのカリスマ編集長であるアナ・ウィンター氏の名前を冠したファッション専用の展示スペース、「アナ・ウィンター・コスチューム・センター」があり、各界のセレブの装いに世界のメディアが注目するメットガラは、同美術館の巨大な資金調達源になっているとのことです。このパーティ券は一枚25,000ドルと高額ですが、それにも関わらず殺到するというのですから驚かされます。とはいえ購入しているのはブランド企業自体なのだそうですが---。
 さらに寄付社会アメリカのチャリティイベントについても触れ、以前は成功したから慈善事業に寄付するというものだったのが、今はビジネスの動機が慈善事業になっているという現状や、ウエルネス志向で人気上昇中のアスレジャーも話題にしました。そして最後に取り上げたのがヒップスターが集うブルックリン地区のお話です。そのボーイズカルチャーが今、日本の若者たちにブームを呼んでいるだけに印象に残りました。これは時間切れで少し残念!

 それにしても揺れ動くアメリカの生情報は私にとって大変新鮮で、刺激的でした。すばらしいご講演に感謝します。

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