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2017年7月20日 (木)

ホスピタルとデザイン展 丸と三角と四角が生む対話

 ホスピタルアートとはいったい何?と、思いながら初日の昨日、東京・六本木のギャラリー、シンポジアで開催されている「ホスピタルとデザイン展」ギャラリーツアーに行ってきました。
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 病院というと、確かに無機質で冷たい空間です。Img_98791でもそこに人の心を躍らせるアートがあったらどんなにか癒されることでしょう。 これはグラフィックデザイナー、赤羽美和さんのホスピタルアートプロジェクトにより生まれた作品の展覧会です。


 白地に明るい鮮やかな色彩が舞うアートのImg_98881世界は、何と丸と三角と四角だけで構成されています。でも単純明快ですので、誰もが参加できそうです。実際これらの作品は病院のスタッフの方たちがワイワイ対話しながらつくったものといいます。

Img_98891 病院は、スウェーデンのストックホルムにあるセント・ヨーラン病院です。2016年春に改築オープンした緊急病棟に、2013年アートコンペで選出された赤羽さんの提案による作品が展示されています。
 コンペはガラスのパーティションなどに用いるパターンを募る内容だったといいます。赤羽さんは武蔵野美術大学卒業後、スウェーデンに留学していた経験からこのコンペに応募。 テーマは「パターンとストーリーテリング」で、ワークショップ―対話のドローイングという発想が新鮮と評価されたといいます。制作プロセス自体にストーリー性をもたせたアートプロジェクトで、作品名は「JAM」。ジャズの響きにも似た即興的な躍動感にあふれています。
 実際、皆で集まって自由な感じで共同作業している様子を映像で拝見し、楽しそう!と思いました。
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 スウェーデンには1%ルールというのがあるそうです。これは公共建築の新築や改築の際、全体予算の1%をアートにあてるというもので、1937年に法律で定められました。ストックホルムでは1970年代初頭にこれが2%に引き上げられ、近年はアートやデザインをこれまで以上に積極的に生かそうという機運があるといいます。弱い立場の患者を支えることができるのは、まさにデザインやアートの力です。北欧諸国の人権意識の高さは、こんなところにも表れていたのですね。

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 この取り組みは日本の京都ルネス病院でも行われ、ワークショップで誕生したデザインを組み合わせてつくった陶板作品が壁を飾っています。

 なお開催は25日までです。この週末、土日には、トークセッションも予定されています。「医療に対してクリエイティブな発想ができること」と題して、医療関係者やデザイナー、アーティストたちが、医療現場でのデザインやアートの可能性について語り合うとのこと。デザインの新しいカタチを模索されている方におすすめです。

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