« デザインの視点や発想がますます重要 | トップページ | FB学会特別講演 「ファッションビジネスにAIがもたらすもの »

2017年6月19日 (月)

かおりを飾る~珠玉の香合・香炉展 小さなもの愛でる文化

 東京・世田谷の静嘉堂文庫美術館で開催されている「~かおりを飾る~珠玉の香合・香炉展」のトークショー・内覧会に行ってきました。 
 香合とは香を入れる合子(蓋つきの容器)のこと。本展では、同美術館の香合コレクションの優品と香炉の名品,香道具など約100点が公開されています。

 トークショーでは、長谷川祥子学芸員と陶磁研究家の森由美さんが青い日記帳Takさんをナビゲーターに、本展の見どころを語りました。Img_81342写真は左からTakさん、河野元昭館長、森由美さんです。(特別な許可をいただき撮影しています) 
 私も以前、お香の会に参加したことがあり、何種類かの香木の香りを聞き当てる香道を体験しました。そのときは「いやー! 難しかった」ですね。でもこの座談会でお話しを伺い、親しみを感じました。
 日本には小さなものを愛でる文化があります。香合・香炉は、そうした「香りのうつわ」なのですね。
 長谷川学芸員に導かれて、実物を拝見し、日本の精神文化の塊のようなものと得心しました。季節の変化に合わせて、色やかたちは様々、実に繊細で、細部にまで神経が行き届いています。何しろ小さくって可愛いのです。見ているだけで楽しくなります。

Img_82251jpg  最初に目に飛び込んでくるのが、野々村仁清作の「白鷺香炉」です。伸びやかな首から嘴の美しさに目を見張ります!
 煙を出す穴は背中にあり、何と目元にも小さな穴が開いているのがわかりました
Img_81431pg  
 上の写真で前景、手前に置かれているのが、やはり仁清の「色絵法螺貝香炉」です。虹色に輝く造形美はさすがにすばらしい!

Img_81461  続いて右は、地味な感じですが、最古の香炉という、平安時代の銅製の香炉です。
 これは手で提げられるようにもなっているとのことです。これを持ち運んだ女官の姿が想像されます。

Img_81391  江戸時代にお香は女性の教養として重要な地位を占めるようになり、香箱という香道具は嫁入り道具として整えられたといいます。
 金銀蒔絵の贅沢な一式も展示されています。

 香合は、本来香炉と組み合わせて用いられてきたそうですが、茶の湯の炭点前の成立によって、香炉から離れ、趣向豊かなものが登場してくるのですね。茶席で「かおりを飾る」茶道具として好まれるようになっていったといいます。お茶にも疎い私は知らなかったのですが、今日でも茶道で人気の高いお道具だそうです。

 香合には大きく二つの種類があり、それが「風炉」と「炉」です。
Img_81551jpg
 解説によると、「風炉」は夏季の季節で、漆芸の香合に白檀などの香木片を用い、「炉」は冬季で陶磁香合に練香が用いられたそうです。

Img_81781  右は古染付陶磁の香合です。
 陶磁香合は型物と呼ばれ、中国や東南アジアからも盛んに輸入されて珍重されたといいます。ベトナム船で運ばれて来たという交跡(こうち)とか、呉州(ごす)や祥瑞(しゅんずい)など、狸や猿、鹿など動物の形をしたものも多く、Img_81601江戸後期には相撲番付にあやかって「型物相撲番付」がつくられたりしているのも、興味深かったです。

 塗物香合は色が美しくてカワイイものが多いですね。

 国宝の曜変天目茶碗も展示されています。低い位置に置かれていますので、模様をしっかり見ることができます。偶然に表われたという青が神秘的な光沢を放っていました。
Img_82181jpg
 曜変天目は最近中国で破片が見つかったそうですが、世界中で現存しているのは日本にある3点のみだそう。その一つがこれで、まさに国のお宝です。

Img_82111   ロビーには中国南宋時代の香炉も出品されていて、青磁香炉のひび割れた様子などをじっくり見せていただきました。

 久しぶりに雅な世界を堪能した一日でした。

 展覧会開催は8月13日までです。
 なお匂い香づくりを体験するワークショップが7月1日に行われるそうです。ご関心のある方は、チェックしてみてください。

|

« デザインの視点や発想がますます重要 | トップページ | FB学会特別講演 「ファッションビジネスにAIがもたらすもの »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: かおりを飾る~珠玉の香合・香炉展 小さなもの愛でる文化:

« デザインの視点や発想がますます重要 | トップページ | FB学会特別講演 「ファッションビジネスにAIがもたらすもの »