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2017年5月 4日 (木)

「赤を巡る旅展」 日本の暮らしを彩る赤の魅力を紐解く

 日本の暮らしを彩る赤には、古来より、祝事や魔除けの意味があったといいます。この独自の伝統文化を受け継ぐ赤い色の魅力を紐解く展覧会、「赤を巡る旅展」が、5月14日まで、東京・世田谷文化生活情報センター 生活工房で開催されています。ディレクションを手がけたのは、衣服造形家でSANADA studioを主宰する眞田岳彦氏です。Img_70861jpg
 同studioのご案内を受けて、4月16日に行われたトークイベント「日本文化と赤の色」に行ってきました。

Img_70901 まず、進行役の眞田氏が、「日本の赤とは何か」、赤を求めて山形から熊本まで、各地を歩かれた旅の体験談などを語られました。
 とくに興味深く拝聴したのが、三重県丹生(にう)への旅です。この村は「辰砂(しんしゃ)」という鉱物の産地で、赤い川が流れ、赤が湧き出ているのだそうです。地名の「丹」は赤い色のことで、この赤土は「ベンガラ」とも呼ばれます。辰砂は、縄文の昔から身体装飾などに使われてきた顔料で、高級な美しい赤の原料でもあるとともに、水銀の原料でもあったといいます。そこで不老不死の薬や防腐剤として珍重され、不思議な作用を持つものとされてきたのですね。 
 またもう一つ、天然の植物染料の赤となる紅花について、現在、紅花資料館のある山形県河北町を訪れたときの話もされました。この町がある最上地方に紅花の栽培法が伝えられたのは室町時代の末期頃で、朝夕の霧も幸いしたのか、この辺り一帯は江戸時代に全国一の生産地になりました。紅花は酒田の港から北前船で、上方に向けて運ばれていったといいます。私は以前酒田に行ったことがあり、雅な街だったことが懐かしく思い出されました。

 次に、草木染研究家の山崎和樹氏が登壇。草木染の赤い染料と布を紹介されました。お父上は草木染の大家、山崎青樹氏で、種から植物を育てているそうです。Img_70961jpg_2 紅花はキク科で、花の色は黄色です。その花を摘み、発酵させて紅もちをつくり、紅を抽出します。とはいえその量はほんの1%だそう。
 左は、その紅もちです。

 最後に、武将たちを魅了した赤や文様をテーマに語ったのが、古典織物研究家の中島洋一氏です。とくに奥多摩にある武蔵御嶽神社宝物殿の国宝、赤糸威(おどし)大鎧(よろい)を見に行った話を楽しくされ、私もぜひ一度実物を見たくなりました。

Img_70871  ギャラリーには様々な「日本の赤」が展示されています。見どころはベンガラ染めの赤いフエルトのプリミティブな作品でしょう。これは羊毛のフエルトの小片約100枚を表裏が異なるように継いだもので、赤い表皮を象徴しているといいます。

 赤系統のカラーは今春夏ファッションとして浮上しています。 (このブログ2016年2月27日 付け参照)  赤には現状を打開したい、そんな思いも込められているようです。
 私もまた赤を身に着けてみたくなりました。

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