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2016年12月11日 (日)

イタリアと日本の食材を語り味わう美味しいセミナー

 今や誰もがおなじみのイタリア料理と世界無形文化遺産に登録された和食。この二つの料理には相違点もありますが、共通点も多い。食材を生かす調理法や、「麺」文化があるなど。この異なる食材の長所を融合させたレシピの人気も高まっているようです。

Img_25271pg  このイタリアと日本の食材を語り味わう美味しいセミナーが先般、在日イタリア商工会議所(ICCJ)主催により開催されました。進行は対談実食型で行われ、テーマは「イタリアと日本 ふたつの料理、ふたつの歴史」です。料理評論家の山本益博氏とパオロ・マッソブリオ氏が登壇し、それぞれが食材を持ち寄り、この食材を用いて創作料理を披露したのは、鎌倉の「オルトレヴィーノ」のオーナーシェフ、古澤一記さん。MCにはパンツェッタ・ジローラモ氏という豪華な顔ぶれでした。

 まずパオロさんがイタリア料理について、現在までの変遷を説明されました。イタリア料理発祥の要因の一つは「貧困」だったといいます。残り物をパスタに詰めたラビオリなどもその一つで、貧しさの中から独自の食生活が各地で生まれていったのだそうです。もう一つが「王宮」で、社交上、料理は欠かせない要素だったといいます。
 1950年代から60年代には、中産階級が勢力を増し、現在のイタリア料理の基礎となるトラットリアが多数つくられるようになり、70年代に入ると食の革命が始まります。それが「ヌーベル・キュイジーヌ」で、重めだった料理が軽くなり、見た目も美しいものへ変わっていったといいます。
 現在は経済危機の影響から、閉店を余儀なくされる店が増えているそうです。そこで流行っているのがストリートフード、つまり屋台とか。ワインテイスティングから始まった「ゴロザリア」が受けていて、食品店が店の食材を調理しその場で料理を提供することも多いそう。食のスタイルも、デザートまでのフルコースではなくて2種類くらいを食すのがポピュラーになっているといいます。

 次に山本益博氏が和食について語られました。和食はご飯を美味しくいただくためのもので、魚や野菜、お肉料理などを工夫し、発達してきましたが---。しかし今では「ワショク」とカタカナで書く方がよい状況になってしまったといいます。本来の和食、つまりご飯が主でおかずが従という食のカタチが失われつつあり、今やご飯はなくてもよいという風になってきています。朝食に味噌汁というのもほとんどなくなり、発酵食品が減り、日本人の食生活はここ50年で大きく変化したといいます。今「熟成」という言葉が流行り言葉のように言われるのもおかしな現象で、日本は実は昔からそうだったとも。

 さらに日本発の世界共通語「UMAMI(うま味)」談義や、ビーガン増加による食産業への影響など、興味深い話題は尽きません。

 この後、古澤シェフが日本の食材をイタリア風に、イタリアの食材を日本風に料理して次々にテーブルにのせていきます。日本のものはワサビやゴボウなど、イタリアはパスタのピーチや腸詰めなど。料理は私たちにも出していただきました。シンプルを心掛けてつくったという料理は、どれも皆美味しかった!です。
 日本のキャベツに似たサボイキャベツのサラダとか、ゴボウは出しがよく出るとのことで、そのミートソース風、また鰹節の出しでうどん風に調理したピーチなど---11品。とくにパオロさんのお気に入りは、デザートのワサビのパンナコッタだったようです。
 イタリアと日本の食材のマッチングは意外性にあふれ、美食家のお二人も舌鼓を打たれていましたね。

 パオロさんは、イタリアで日本の食材によるメニューがもっとたくさん出てくると予想されていましたが、きっと当たりそう。私も今度古澤シェフのお店に行ってみたく思いました。

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