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2016年12月

2016年12月31日 (土)

菅平高原スキー場は見晴らし最高でした!

 今年も年末年始はスキー場で過ごしました。最初に来たのが菅平高原スキー場です。
 初めてのゲレンデで、雪がないと言われていたのですが、スノーマシーンをフル回転させたらしく、どこも良く整備されていて、絶好のコンディションでした。
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 お天気も2日間、ほぼ快晴に恵まれ、見晴らしが最高でした!
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Imgp90811  スノーピークの裏ダボス一帯は広々としていて、意外なほどなだらか。北アルプス連峰を望む360度のパノラマに感動しました。

 浅間山の噴煙も見渡せました。

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2016年12月30日 (金)

エコプロ2016~健康とエネルギーの未来展 ⑸ エコな綿布

(昨日のブログの続きです。)

 「エコプロ2016」の広大な会場の片隅で開催されていたグリーンストアズエリアを訪ねました。エコグッズやオーガニック食品、フェアトレード雑貨など、身近なエコ製品を展示販売する小規模な店が立ち並んでいます。
 こうした中、思いがけなく出会ったのが「ふらのわ会」の「布良(ふら) の布」と、藍染めの「壺草庵」でした。いずれも自然の綿花のよさを生かす布地で、エコをアピールしていました。

○ふらのわ会
 有機栽培綿の「布良(ふら) の布」と呼ばれる綿製品、キッチンクロスやストール、パジャマ、シーツ、ブランケットなどを扱い、本拠地は何と東京のど真ん中、八丁堀です。(写真下の男性が代表の前島雄二氏)
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 綿畑は、千葉県成田市にある自然農法で有名なナチュラルシードの畑を借りてやっているといいます。種まきや収穫のイベントも行っているそうです。
 八丁堀にはサロンがあり、糸繰りから染めまで体験できるといいます。今度見学してみたいと思ったことでした。

○壺草苑
 東京・青梅で藍染めを手がけ、「東京手仕事プロジェクト」にも参画していることから、このブログ2016.12.6付けですでに取り上げたことのある工房です。
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Img_28911  今回はスペースをかなり広くとり、ストールだけではなく、ドレスや作務衣など、幅広いバリエーションでアイテムを紹介。
 江戸時代と変わらない手法で行っているという、こだわりの「天然藍灰汁醗酵建て」もパネルで展示し、藍染めが循環型であることをわかりやすく伝えていました。

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2016年12月29日 (木)

エコプロ2016~健康とエネルギーの未来展⑷UDの店づくり

 (昨日のブログの続きです。)

 今回の「エコプロ2016~健康とエネルギーの未来展」で、UDつまりユニバーサル・デザイン(Universal Design)への取組みにスポットを当てた企業がありました。それが丸井グループです。「すべてのお客さまと共に~Diversity & Inclusion~」をテーマに、年齢・性別・身体的特徴などを超えて、客の誰もが快適に買い物を楽しめる店づくりのアイディアを提案していました。
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 ブースでは、前面に大きくシューズ売場を設置。注目は豊富なサイズです。メンズもので22.5cm~30.0cm、レディスもので、19.5cm~27.0cmと、通常より大きいサイズや小さいサイズのものを揃えています。これならほぼすべての客に合う靴が見つけられそうです。
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Img_29371  LGBT(性的マイノリティ)にも対応していることを示す「レインボーフラッグ」も掲出し、誰もがショッピングしやすいことを訴求していました。
 LGBT応援イベントへの参加など、積極的に支援している様子が伝わっくるようでした。

 この店舗は、丸井グループの「博多マルイ」で実施されているUDの店づくりを形にしたものといいます。その事例を一部ご紹介しましょう。

Img_29161jpg Img_29191  左上 トイレ案内では、距離も分かると安心感が高まります。
 右上 電動車椅子用のコンセント。外出先で充電ができると、いざというとき安心です。 

Img_29441jpg Img_29471  左上 杖置きホルダー。杖を使っている方に、カウンターやトイレなどにこれがあると便利です。
 右上 車椅子対応のカウンター。カウンターの下に空間があることで、安心して利用できます。

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 左上 「音」や「香り」を効果的に使うことで、視覚障がいのある方にも「空間認識」しやすい環境づくりをしています。
 右上 手すりがついていて、立ち上がりやすい椅子。視覚障がいの方もひじかけの向きで、来た方向がわかるようになっているとのことです。

 この他、触知マップや誘導点字ブロック、床面カラーの切り替えなど、UDのアイディアがそこかしこに取り入れられていました。

 丸井グループでは、このようにUDの考え方を基本にした居心地のよい店づくりを目指しているといいます。同社の姿勢にすっかり共感、感銘させられました。他の商業施設においてもUDの店づくりが拡がるよう、期待しています。

 

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2016年12月28日 (水)

エコプロ2016~健康とエネルギーの未来展 ⑶ 防災・減災

 (昨日のブログの続きです。)

 今回の「エコプロ2016~健康とエネルギーの未来」展で話題になったのが、自然災害に対する防災・減災のための製品づくりでした。
 その様々な取組みの中から、興味深い展示を二つご紹介します。

○ダンボール製スーパーカー「ダンボルギーニ」
 フーシャピンク色をしたこの車は何とも強烈なインパクトがあります。材料はダンボールで、500以上ものパーツでつくられているとか。現在も東日本大震災で被災した宮城県女川町で展示されていて、町の観光名物になっているといいます。制作したのは強化ダンボ―ル事業を手掛ける今野梱包で、環境意識を追い風に今、波に乗っている企業です。
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Img_29991  この他、女川町のジオラマや小学校の教室、棚やテーブル、楽しいクラフトキット、ほんものそっくりのカブト虫まで、すべてがダンボール製、その完成度の高さにも驚かされました。ダンボールを見る目が変わりましたね。

○発泡スチロール製ドームハウス
 よくある発泡スチロールの箱ですが、私の家でもよく保冷箱に使っています。この発泡スチロールでできたドームハウスが、町田ひろ子アカデミー企画・監修の「エコ結び~エコ家族が結ぶ健康美と賢い暮らし」コーナーに出現し、びっくり! スチロール樹脂は、断熱性と衝撃吸収性があって、水を通さない、しかもリサイクル可能なエコ素材だったことに改めて気づかされました。
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 上の写真は、ジャパンドームハウス社が世界で初めて開発したドーム型の防災ハウスです。アーチ形状なので地震や積雪、強風にも強く、軽量とあって組み立ても簡単そう。

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 屋内では、有機EL照明を採り入れた化粧台やベッド、インテリアグッズなどを展示。

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 屋外では、風雨に晒されてもほとんど色褪せないファブリック「サンブレラ sunbrella」を使ったクッションやカーテンなどを紹介。
 テラスやベランダを居心地のよい場所にする、ライフスタイルの新しい提案、と思いました。

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2016年12月27日 (火)

エコプロ2016~健康とエネルギーの未来展⑵海水を淡水に

 (昨日のブログの続きです。)

 エコプロ展では毎回、繊維素材メーカーのブースに注目しています。今回印象的だったのが、繊維ではない膜の技術です。
 とくに東洋紡の海水を淡水にする膜の技術、「ホロセップ」がすばらしいと思いました。

Img_28821  これは糸にストローのような細かい穴が開いていて、水は通すけれど塩分は通さないという中空糸型逆浸透膜です。(まさに超ミクロなナノテクノロジーの世界。) 塩の浸透圧によって野菜内部の水分が外に出ていく漬物の原理を応用したものだそうです。

 今、世界で懸念されているのが水不足です。地球は水の星といいますが、しかしその水の97.5%は海水です。でもこの海水を飲めるようにすることができれば、その恩恵は計り知れません。

 東洋紡の膜は、今やサウジなど世界中のプラントで採用されていて、年間約5億7千万トンの淡水をつくれるとのことです。調べてみましたら、同社をはじめ日本勢のこの分野でのシェアは世界市場の約7割に達しています。日本の繊維産業ってすごい!と、またしても感じ入りました。

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2016年12月26日 (月)

エコプロ2016~健康とエネルギー未来展 ⑴ナノセルロース

 第18回目を迎える国内最大級の環境イベント「エコプロダクツ」展が、名称を変更し、「エコプロ2016~健康とエネルギーの未来展」に進化して、この8~10日、東京ビッグサイトで開催されました。「地球温暖化と環境配慮」と「クリーンエネルギーとスマート社会」をテーマに705社・団体が出展、来場者は3日間で167,093人と発表されています。

 今年は、この11月に「パリ協定」が発効した人類の歴史に残る年とあって、脱炭素社会への関心がより一層高まっているようです。本展ではその最新の動向やエネルギー技術など、興味深い取り組みが多数紹介されました。その見どころをほんの一部ですが、レポートします。

○国内初の「ナノセルロース」展 
 これはポスト炭素繊維と呼ばれている新素材、セルロースナノファイバー(CNF)の企画展です。植物繊維の主成分であるセルロースをナノサイズにまで細くした繊維なので、「ナノセルロース」とも呼ばれています。私もこのCNFを取り上げたNHKの番組「サイエンス・ゼロ」を見ていましたから、興味津々でした。軽くて強く(鋼鉄の5分の1の軽さで、5倍強の強さ)、バイオマス(植物由来資源)を原料にしているのでカーボンニュートラルで、持続可能性大なのです。
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Img_29611jpg  出展していたのは35社・団体で、その研究開発から製造、利用法までが紹介されました。中でも注目されたのが日本製紙のブースで、CNFそのものを見せて実験していました。透明性があるので透明シートに、またゴムのように伸びないのでプラスティック代わりに、ガスバリア性があるので食品包装フィルムに、さらに水中で粘性があるので液ダレしない特性を活かし、化粧品やペンキなど塗料の増粘剤に使用が見込まれるといいます。
 同社ではCNFシートを使った紙オムツ製品、また三菱鉛筆ではCNFをインクに入れたボールペンなどを開発、展示していました。とくに製紙業界では、紙の需要減少が予想されることもあり、CNFへの期待度が高い様子です。
 コストが割高になるため、実用化となるともう少し先になるようですが、今後の展開が楽しみです。

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2016年12月25日 (日)

ジャパン・ベストニット・セレクション ⑶ 製品ブランド化

(昨日のブログの続きです。)

<製品ブランド化>
 昨今の見本市で、目立つのがメーカーによる自社製品のブランド化です。今回も様々な企業が、その取り組みを披露していました。
 「メリッパ(merippa)」を展開する「中橋莫大小」(東京)もその一つです。メリッパとはスリッパのようでスリッパではないルームシューズです。
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Img_28561  リバーシブル仕立てになっていて、ひっくり返して裏と表の両方の素材を楽しむことができたり、素材がコットンなので靴下を洗うように、汚れたら簡単に洗えたり。また伸縮性のあるリブニットの使用により、足にフィットして脱げにくい。さらにこのリブの中にクルリと収納もできるなど、利点がいっぱい。

 実はこのメリッパ、以前このブログ(2013.12.13)でご紹介したことがありました。あれから販路を大きく拡げ、今では年間6,000足を売り上げるヒット商品になっているといいます。

 お値段は一律4,600円で、決して安価ではありませんが、クリスマスなどプレゼント用にも最適と伸びているとのことです。

 私も一つ購入しました。柔らかくて温かくて、もう手放せそうにありません。

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2016年12月24日 (土)

ジャパン・ベストニット ・セレクション⑵ ファンシー横編み

(昨日のブログの続きです。)

<横編み>
 ジャパン・ベストニット ・セレクション(JBKS)2016では、横編みニットメーカーの出展が66社中、39社を占めました。
 島精機をはじめ、佐藤繊維など世界的に知られる有力企業が目につく中で、今回、私が注目したのが「片桐」というニットメーカーです。山形県の月山山麓が本拠地といいます。
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Img_2825jpg  今季人気の装飾的な太糸使いを得意としているようで、シャネル風のエレガントなジャケットやコートなどのウェアやファンシーな編地サンプルを展示。
 モヘア糸やラメなどの光沢糸、モール糸、リボン糸など、様々な飾り糸を駆使し、変化に富んだ斬新な表情を演出していました。

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 工夫を凝らした意匠糸使いによる横編み、今後も増えてきそうですね。

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2016年12月23日 (金)

ジャパン・ベストニット ・セレクション2016 ⑴ カットソー

 第9回「ジャパン・ベストニット・セレクション(略してJBKS)2016」が、この6~7日、東京国際フォーラムで開催されました。
 国内ニットの製造業を取り巻く環境は、安価な輸入品に席巻され、大変厳しい状況になっているといいます。ニット製品の輸入浸透率は数量ベースで昨年度97%超(セーター外衣では99%超)という数字が出ているのです。
 今回出展した企業は66社・団体で、独自の製品や生地を提案、いずれも存続をかけて本展に臨んでいるといいます。来場者も3,707人と発表され、国産回帰に向けて、バイヤーもその技術力や感性に着目、随所で活発な商談風景が見られました。

<カットソー>
○ピーコンポ Pee-Compo
 東京都墨田区が本拠のミセス向けカットソー・ニットの婦人服メーカーで、このブログ(2016.1.9参照)でも何度も取り上げています。
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Img_28481jpg  今回は果物などから抽出した天然染料による草木染を大きく打ち出し、味わい深いピンクなど、全体が優しいパステルカラーに包まれていたのが印象的です。

 また毎回おなじみのスイスコットンや伸縮性の高いビヨン・コットン、ベビーアルパカなどのウェアも展示、着心地のよい素材へのこだわりにも驚かされます。

○吉田染工
 本拠は、ニットの総合産地、和歌山産地の貴志川町です。多種多彩なワインダーを揃え、全自動でチーズ染色を行っているといいます。
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Img_28141  今季はザクロと媒染剤を活用した草木染とメランジ染を発表。メランジ染というと、トップ染色が多いのですが、これはチーズ染色で行うというものです。ウールでの量産体制が確立したところだそうで、現在、麻を試験中といいます。
 ブースでは和紙やラメ糸使いなど、ファンシーなニットを多数見せていました。

○カネマサ莫大小
 和歌山市のニット生地メーカーで、パリのプルミエールヴィジョンにも出展している有力企業です。
 多様な素材が出品される中、とくに目に付いたのが下記の2点です。
 左下は、裏毛ボーダーニット。裏毛の中糸を交互に出し入れすることにより微妙なムラのあるボーダーに仕上げたもの。
 右下は、花柄先染めジャカードで、65番手スイスコットンプラチナ梨地。
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2016年12月22日 (木)

デザイナー山縣良和の初絵画展 人への優しい眼差し

24882502eec3448e82c375878e372f81_2  デザイナーの山縣良和さんが、初めての絵画展を25日まで、東京・表参道ROCKETで開催しています。

 「リトゥンアフターワーズ(WRITTENAFTERWARDS)」を手がける一方、「ここのがっこう」を主宰するなど、ファッションデザインの枠を超えた幅広い活動をされている山縣さん。ファッションを教育や文化、環境など社会のコミュニケーションツールと捉え、コレクションも社会に問題提起を促すような物語性に満ちたクリエイティブな作品を発表して、絶賛されています。
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Img_31531  今回初の絵画展では、学生時代から現在までに描いたイラストレーションやデザイン画、テキスタイルデザインの原画などを展示。陰影に満ちた繊細な筆致のものから、なぐり描きのような画風のものまで拝見し、改めて作者の人への優しい眼差しや思いを感じました。

 山縣さんはファッションデザイナーというよりアーティスト、という印象を強くした展覧会でした。

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2016年12月21日 (水)

「モン・イヴ・サンローラン」展 時空を超えたヴィンテージ

 イヴ・サンローランのアーカイブを集めた「モン・イヴ・サンローラン」展が今、東京・銀座のポーラミュージアムアネックスで開催されています。
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 時空を超えたヴィンテージの格調高い美しさに、私もしばし浸ってきました。

 展示されているのは、ユナイテッドアローズ(UA)名誉会長の重松理氏が、2014年4月に創設した日本服飾文化振興財団が所有するイヴ・サンローランのコレクションです。このコレクションは同財団評議員でモデル、女優の小林麻美さんにより寄贈されたものだそう。
 小林さんは、18歳のとき初めて絵画館前のイヴ・サンローラン・リヴゴーシュでシャツを購入して以来の大ファンで、その180点を贈られたといいます。すてきなお話ですね。

Img_31281 イヴ・サンローランを象徴するボウタイブラウスからサファリジャケット、タキシードルックなどの実物と、壁には写真がズラリ。
 写真は、背景が黄色のものは全身がイヴ・サンローラン、赤のものは現UAブランドとのミックスコーデイネイトだそう。さすがに今見ても新鮮です。

Img_31301jpg  また小林麻美さんがイヴ・サンローランを着用した写真(雑誌「ku:nel」の2016.9月号に掲載)も展示されています。

 これは永遠のエレガンスという、ファッションの本質に触れることのできる展覧会です。若い人たちにはぜひ見てもらいたい、と思いました。
 開催は25日までです。

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2016年12月20日 (火)

17/18秋冬JFWテキスタイルフェア⑹ タオル生地の名品

(昨日のブログの続きです。)

 世界一の品質を誇る日本のタオル。これを証明する企業の一つが渡辺パイル織物です。今回もJFWテキスタイルフェアPTJに出展し、タオル織機で織られたパイル生地、服地・インテリア向けにワッフル、平地、ガーゼなど反物を出品。高級タオルのような服も展示し、来場者の注目を集めていました。
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 ふくらみのあるソフトな素材は、いずれも選ばれたものばかりです。Img_26891 オーガニックコットンやリネン、カシミア、ヤクといった高級獣毛などの自然素材を、環境や人、素材にとって最も優しい加工法でつくっているといいます。
 シャーリングの包み込まれるような風合いは、ベルベットに勝る、まさにタオル生地の名品でしょう。

1  シャネルのクルーズラインで、現在販売されているエスパドリーユ(左)には、同社のラメ入りパイル生地が用いられているとのことです。

 有力ラグジュアリーブランドに日本のテキスタイルが使われていることを目の当たりにして、またしてもうれしい気持ちになりました。

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2016年12月19日 (月)

2017/18秋冬JFWテキスタイルフェア ⑸ 古着風デニム

(昨日のブログの続きです。)

<古着風デニム>

 デニムは今季もトレンドの基調をつくるキーアイテムです。様々なクオリティのデニムが登場する中で、かつて流行ったような古着風ヴィンテージが復活しているようです。

○カイハラ
 程よい濃さのインディゴデニムで、ワッシャー加工の綿100%のものが人気といいます。
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〇ダックテキスタイル
 とくに柄織りのデニムが好評。ヘリンボンや千鳥格子、刺し子など、立体感を少し加えた表現に注目です。
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2016年12月18日 (日)

2017/18秋冬JFWテキスタイルフェア ⑷ プリントも立体感

(昨日のブログの続きです。)

<プリント>
  プリントがますます進化しているようです。3Dプリントなどデジタル化の進展もあり、従来の加工の枠を超えたプリントが次々に開発されています。立体感をもたせたものや、先染めジャカードや刺繍、レースのような感覚、フロッキーや箔加工なども目立ちます。

○デザインハウス風
 いつもファッション性豊かなプリントが目を惹く京都のプリントメーカーです。
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 今年はミラノウニカ9月展に初出展(このブログ2016.9.15参照)し、日本的な柄が好評だったといいます。
今季もこのときのような大胆なインクジェットプリントを多数披露しました。とくに新しいポイントは、立体的に見えるように工夫していること。
左下は幾何柄ジャカードのようですが、プリントによる表現です。右下はベルベットに顔料プリントを施したものだそう。
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○久山染工
 バイヤーがひっきりなしに訪れるブースといったらここです。そのオリジナリティあふれるプリント加工に圧倒されます。和紙使いなど、立体的なことはもういうまでもありません。
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 ここではデニムに箔プリントをカモフラージュ風に施したものと、カットジャカード風に凹凸感を出したものをご紹介します。
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○横正機業場
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Img_27481g 洗練された高感度なプリントデザインをドレスに仕立てて見せていたのが、同社のブースです。このブログ2015.12.26でも紹介しているように、着物や僧侶の袈裟の白生地を織り続けて100年になるといいます。

ラグジュアリー感あふれるシルク生地に注目です。

○イマダ
Img_27121jpg_3  今シーズンもやや大きめの花柄を中心に、ジオメトリック柄など、オンリーワンのプリントを多数提案していました。

 右はオーガンジーに咲くピンクの花柄です。やさしく癒される感じがします。

○コッカ
Img_27551jpg_2  インデイゴのスクリーンプリントを前面に展示。ぼかしたドット柄が人気だそう。

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2016年12月17日 (土)

2017/18秋冬JFWテキスタイルフェア ⑶ 意匠糸使い

(昨日のブログの続きです。)

<意匠糸使い>
 今シーズンは意匠糸など糸効果のある先染めやジャカードによる目新しい感覚が目立ちます。

○浅記
 新潟産地ならでのスペックムラ染使いの先染めや、スパン/フィラメント複合が人気。
 左下はシャギー起毛チェック、C100
 右下はツイルシャーリング C44/テンセル55/Pu1

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○栃尾織物工業組合
 同組合メンバー会社11社が合同で出展。
 独自の表情豊かなテキスタイルに目を奪われます。
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 左上はハセックのエレガントで洗練されたスラブチェック C71/Si29
 右上は木豊工場の刺し子チェック C100

○クロスジャパン
Img_26931  テキスタイル企画会社らしいトレンディなファンシー素材の提案が楽しい。
 今季はとくに黒地のジャカードを提案したといいます。 右は、モチーフが浮き上がり立体的に見えるジャカードです。

Img_26951  またビックリしたのが、極太糸使いの織物。
 セーターニットのようでもあり、まさに大胆な逸脱ぶりでビックリ!

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2016年12月16日 (金)

2017/18秋冬JFWテキスタイルフェア ⑵ ファインな先染め

 先般開催の2017/18秋冬向けJFWテキスタイルフェアPTJ/JFW-JCに出展した企業のブースから、人気素材をご紹介します。

 先染め綿織物では糸からこだわったものが多くなっています。

<ファインな先染め>
 西脇産地の播州織では、高級感のある洗練されたシャツ地が目に付きました。

○オザワ繊維
 とくにインド超長繊維綿「マハラニ」を訴求。
 目の詰んだ美しい先染めシャツ地、トラディショナルなリージェントストライプや千鳥格子などが目を引きます。 
 しなやかな風合いと光沢が魅力の綿100%です。
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○桑村繊維テキスタイル5部1課
 エジプトの超長繊維綿、ギザ88使いで120双や100双のキュプラ混、ギンガムチェックやストライプが人気といいます。
 さすがに抜群のしなやかさです。
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○内外織物
 同社が展開する“日本のnuno” ブランド「NUNONO(ヌノノ)」の綿コート地をディスプレー。
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  その中で新しい提案が「フェザーコットン」です。
Img_27161jpg これはインド・デカン高原産の超長繊維綿を原料にした繊維で、ルーメン(内腔)と呼ばれる中空構造の部分をつぶさないように紡績しているので、軽く、夏は涼しく、冬は温かく感じられるといいます。
 羽のような柔らかい肌触りをアピールしていました。

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2016年12月15日 (木)

2017秋冬JFWテキスタイルフェア⑴ 過去最高規模で盛況

 2017秋冬向けJFWテキスタイルフェアが、11月29~30日、東京国際フォーラムで開催されました。これはPTJ(プレミアム・テキスタイル・ジャパン)とJFW-JC(ジャパン・クリエーション)の合同展です。PTJには85件、JFW-JCには98件(304社)が出展し、過去最高の規模になったといいます。来場者は約17,000人で、その内約1割が海外からの来場だそう。とくにアジア系が目立っていました。
 国内回帰への流れやバイヤーの差別化を求める傾向にも支えられて、フェアは盛会裏に終了した模様です。

 入場すると、まず迎え入れられるのが、トレンド&インデックスコーナーです。ZEN(禅)の空気感が漂う、格子と墨グラフィックで、モダンに演出されています。
 インデックスコーナーには各社一押しの素材がPTJとJFW-JC合わせて 494点、トレンドコーナーには計831点が展示され、共通コンセプトは「ひらめきと努力と共感」です。これを基に次の4つのテーマが提案されました。

Img_27781 ○夢想の禅問答
 内面を静かにみつめ、身心のメンテナンスをはかる動きが強まっていることから、禅的な世界観を象徴するテーマ。
 クールでモダンなニュートラルな色調。

Img_27791 ○グラフィカル=クラシカル
 幸せ感を誘う色と柄のグラフィカル。現代性とクラシックのエッセンスを加え、新鮮なバランス感で展開されるテーマ。
 カラー要素の大胆な組み合わせ。

Img_27771 ○無限のキャンバス
 モダンアートにみる心の赴くままに描いた作品など、豊かな感情とパワーいっぱいのテーマ。
 刺激的なパワフルなカラーにゴールドの品格を添えて。

Img_27801 ○思い出、つれづれに
 自由に、ときにやさしい気持ちになって思い出に浸る。自然との調和やリラックス感を表現するテーマ。
 よりやわらかい軽やかさを見せるエレガントな色調。

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2016年12月14日 (水)

リラ・ヴォーグ展示会 既製服ではないセミ・オーダー

 今月2日、リラ・ヴォーグの展示会が錦糸町で行われました。リラ・ヴォーグはデザイナーの渡邊總子さんが手がけるシニアのためのファッションブランドで、このブログ(2013.3.12など)でも何度かご紹介しています。
 昨年、本拠地を山梨県笛吹市に移転され、私もしばらく展示会を訪問していませんでした。今回久しぶりに会場を訪れましたら、顔見知りのリピーターが続々。人気ぶりを目の当たりにしてきました。
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Img_27981  定番のデザインに新しい色柄の素材を揃えた新作コレクションを展示。とはいえ同ブランドは既製服ではないセミ・オーダーも特長です。スタッフが客の注文に合わせて、動き回る姿が印象的でした。

 ファッションに関心はあるけれど、サイズがないなど、洋服に不満を感じている高齢女性の相談にも丁寧に乗ってくれます。リフォームにも力を入れているようです。そんな優しさあふれる渡邊さん、ますます期待しています。

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2016年12月13日 (火)

ファッション~社会潮流からディレクション、品揃えまで~

 先般開催された「第7回ファッション ワールド 東京 秋」で、栗野 宏文 氏による特別講演会が行われました。栗野氏といえば「ユナイテッドアローズ(UA)」を日本最大のセレクトショップに成長させ、現在も顧問として活躍されている業界を代表するクリエイティブディレクターです。「ファッションが必要とされるとき~社会潮流からディレクション、そして品揃えまで~」と題して、社会潮流から浮上する問題点とその展望が語られました。
 いくつものキーワードやキーフレーズが挙げられ、それらをどのようにディレクションに落とし込むか、ここではその一端をご紹介します。

 前半は服が売れにくい現状を、様々な角度から分析。
 ・服を多く持たない時代になったこと。生活者は買い物に熟考し、コスパを意識。中古売買やレンタルシェアも当たり前になってきた。
 ・最大公約数的価値から脱却し、少数派志向の時代に入ったこと。「個」の面白さや楽しさが求められている。だから真の意味で「独自性」のあるブランドしか生き残れない。カスタムメイドが伸びているのも、人と違うものへの欲求から。
 ・ファッションは~レス化。ジェンダーレス、シーズンレス、エイジレス、ジェンダーレス、タイムレスなど、新しい価値への転換が必要。
 ・ファッション≠洋服。ファッションは服よりも「食と美(美容)」へ向かっていることなど。

 Img_31311jpg後半はUAの方向性やあり方について言及。そのポイントは次のようです。
 ・客の気持ちに寄り添うこと。
 ・少数派思考であり続ける。
 ・個の創造性と革新性の追求。
 ・ファッション=カルチャーなど。

 様々な具体的事例を挙げての解説はさすが重鎮です。私もすっかり引き込まれました。「ユナイテッドアローズ」の今後に目が離せません。

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2016年12月12日 (月)

「sacai」を世界的ブランドへ押し上げたディレクションとは

 デザイナーの阿部千登勢さんが手がける「sacai (サカイ)」は、日本を代表するファッションブランドという以上に、世界のトレンドを引っぱる存在になっています。今や売上げも100億円を超えるビッグ・ブランドです。その成長の原動力になったのが、10年程前に「sacai」のクリエイティブディレクターに就任し、ブランドPRからデザインまで幅広くブランディングに携わってこられた源馬大輔氏です。

Img_24081pg_2  先般開催された「第7回ファッション ワールド 東京 秋」で、同氏による特別講演会が開かれました。テーマは「『源馬大輔』的ディレクションの極意」です。WWD 向千鶴編集長が、同氏にそのディレクションの極意をインタビューするという形式で進行しました。
 会場には、「sacai」のような世界的ブランドを目指そうという業界関係者が数多く集まり、満席の盛況でした。その概要は次のようです。

 まずは阿部さんとの出会いから。
 源馬氏は当初、阿部さんから「私を一流にしてください」と言われたといいます。「sacai」は前後左右、自由自在の組み合わせで新しいクラシックを創造するブランドです。そこで「何よりも伝えることがすべて」と考えた同氏は、メッセージを持っていただこうと「ハイブリッド」をキーワードに据えたそうです。
 当時、展示会のみだった「sacai」に、世界を目指すにはパリコレで認められることが一つのステージになる、パリへ行くならランウェーショーで見せることを提案したのも源馬氏でした。「見せ方で見え方は異なる」の言葉も説得力があります。「良いものだから見てください」というだけでは足りない。そのブランドの背景や雰囲気まで見えてこないと、良さは伝わらないといいます。
 向氏が「sacai」のムードのある広告ヴィジュアルを見て、「ここまで大胆に制作するのは珍しい」と評すると、源馬氏は、「ショ―のルックブックは事実だが、それだけではデザイナーのコンセプトは伝わりにくい」。さらに「事実は脳裏に焼き付きにくい。しかしムードは脳裏に焼き付いて離れない」と、これも名言と感心しました。
 また「sacai」が世界に大きく飛躍する契機となった、英国のスタイリスト、カール・テンプラー氏のことも話題になりました。2010年に彼と契約したときに、「ヨーロッパの王道をいくのか? それともアウトサイダーでいくのか?」と問われたそうです。何よりも「ラグジュアリーブランドに勝ちたい」という気持ちもあって、「王道のプラットフォーム」を選択。テンプラー氏のスタイリストの領域を超える仕事ぶりも功を奏して、今があるといいます。
 昨年からは靴のデザイナー、ピエール・ハーディをパートナーにシューズブランドを立ち上げ、そして今年はケイティ・ヒリアーとバッグのブランドもスタートさせました。これもラグジュアリーブランドでは売上げの6~7割がバッグなど雑貨だからだそう。
 ナイキやアップルウオッチなど様々なブランドとのコラボレーションの成功も見事です。その秘訣はと訊かれて、「自分たちが心から楽しめるかどうかが、判断の基準」。「阿部さんも自分が着たいと思う服をつくっている」、それをデザイナーのパーソナリティを含めて、どう伝えていくかが重要といいます。

 「sacai」を堂々の世界的ブランドへと押し上げたその裏には、このような人物の活躍があり、様々な才能で支えられていることを強く印象付けられた講演会でした。

 

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2016年12月11日 (日)

イタリアと日本の食材を語り味わう美味しいセミナー

 今や誰もがおなじみのイタリア料理と世界無形文化遺産に登録された和食。この二つの料理には相違点もありますが、共通点も多い。食材を生かす調理法や、「麺」文化があるなど。この異なる食材の長所を融合させたレシピの人気も高まっているようです。

Img_25271pg  このイタリアと日本の食材を語り味わう美味しいセミナーが先般、在日イタリア商工会議所(ICCJ)主催により開催されました。進行は対談実食型で行われ、テーマは「イタリアと日本 ふたつの料理、ふたつの歴史」です。料理評論家の山本益博氏とパオロ・マッソブリオ氏が登壇し、それぞれが食材を持ち寄り、この食材を用いて創作料理を披露したのは、鎌倉の「オルトレヴィーノ」のオーナーシェフ、古澤一記さん。MCにはパンツェッタ・ジローラモ氏という豪華な顔ぶれでした。

 まずパオロさんがイタリア料理について、現在までの変遷を説明されました。イタリア料理発祥の要因の一つは「貧困」だったといいます。残り物をパスタに詰めたラビオリなどもその一つで、貧しさの中から独自の食生活が各地で生まれていったのだそうです。もう一つが「王宮」で、社交上、料理は欠かせない要素だったといいます。
 1950年代から60年代には、中産階級が勢力を増し、現在のイタリア料理の基礎となるトラットリアが多数つくられるようになり、70年代に入ると食の革命が始まります。それが「ヌーベル・キュイジーヌ」で、重めだった料理が軽くなり、見た目も美しいものへ変わっていったといいます。
 現在は経済危機の影響から、閉店を余儀なくされる店が増えているそうです。そこで流行っているのがストリートフード、つまり屋台とか。ワインテイスティングから始まった「ゴロザリア」が受けていて、食品店が店の食材を調理しその場で料理を提供することも多いそう。食のスタイルも、デザートまでのフルコースではなくて2種類くらいを食すのがポピュラーになっているといいます。

 次に山本益博氏が和食について語られました。和食はご飯を美味しくいただくためのもので、魚や野菜、お肉料理などを工夫し、発達してきましたが---。しかし今では「ワショク」とカタカナで書く方がよい状況になってしまったといいます。本来の和食、つまりご飯が主でおかずが従という食のカタチが失われつつあり、今やご飯はなくてもよいという風になってきています。朝食に味噌汁というのもほとんどなくなり、発酵食品が減り、日本人の食生活はここ50年で大きく変化したといいます。今「熟成」という言葉が流行り言葉のように言われるのもおかしな現象で、日本は実は昔からそうだったとも。

 さらに日本発の世界共通語「UMAMI(うま味)」談義や、ビーガン増加による食産業への影響など、興味深い話題は尽きません。

 この後、古澤シェフが日本の食材をイタリア風に、イタリアの食材を日本風に料理して次々にテーブルにのせていきます。日本のものはワサビやゴボウなど、イタリアはパスタのピーチや腸詰めなど。料理は私たちにも出していただきました。シンプルを心掛けてつくったという料理は、どれも皆美味しかった!です。
 日本のキャベツに似たサボイキャベツのサラダとか、ゴボウは出しがよく出るとのことで、そのミートソース風、また鰹節の出しでうどん風に調理したピーチなど---11品。とくにパオロさんのお気に入りは、デザートのワサビのパンナコッタだったようです。
 イタリアと日本の食材のマッチングは意外性にあふれ、美食家のお二人も舌鼓を打たれていましたね。

 パオロさんは、イタリアで日本の食材によるメニューがもっとたくさん出てくると予想されていましたが、きっと当たりそう。私も今度古澤シェフのお店に行ってみたく思いました。

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2016年12月10日 (土)

「世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画」展

 今、東京・サントリー美術館で「世界に挑んだ7年 小田野直武と秋田蘭画」展が開催されています。この8月に行われたプレミアムトーク(ブログ2016.8.27付け参照)に参加したこともあり、先月半ばのレセプション・内覧会に招待され、行ってきました。
 法政大学総長で江戸文化の研究者、田中優子先生もいらっしゃり、ご挨拶されるなど、楽しいひとときでした。
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 秋田蘭画は、江戸時代の中頃、秋田藩の武士たちにより描かれたオランダ風の絵画です。その中心の描き手が小田野直武で、江戸に招かれ画才を発揮します。

Img_25521  小田野直武は平賀源内の紹介で「解体新書」の挿絵を描いているのですね。その実物も展示されています。細部の表現に驚かされます。
 平賀源内は日本初の発電機「エレキテル」の発明で有名ですが、何故か事件を起こし獄死します。直武もこの後、32歳で急逝してしまいます。田中先生から、二人の死は謎のままに残されていると伺い、興味深く拝見しました。

Img_25312jpg  たったの7年間という短い制作期間で、直武は東西の美意識を結びつける新しい画風を生み出します。
 その珠玉の名作がちらしにも使われている「不忍池図」です。植木鉢の芍薬の花に遠景の絶妙なバランスに、東西の美の融合を見ます。描写の緻密さにも驚嘆します。何と蟻も描かれています。
 この画風を受け継いだのが、秋田藩主佐竹曙山やその一族の佐竹義躬らで、秋田蘭画と呼ばれる所以なのですが、しかしその後この画派は絶えてしまいます。
 これを復活させたのが画家の司馬江漢で、現代の洋画へつながっていくのですね。

 本展でこの秋田蘭画の全貌を鑑賞し、江戸文化への関心が拡がりました。
 展覧会は1月9日までです。

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2016年12月 9日 (金)

17/18秋冬京都スコープ 装飾感と表情豊かなクオリティ

 第80回2017-2018AW京都スコープ展が、先月21-22日、前回同様東京・南青山スパイラルホールにおいて開催されました。出展したのは京都の有力テキスタイルコンバーター、5社です。
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 今季は、2017春夏のオプティカルムードの継続もあり、全体に装飾感溢れる温かみのある表情豊かなクオリティが多く、ゴブラン織風のジャカードやカットベルベット、フロッキーやオパール加工などが目立っていました。

Img_26261  また京都プリント染色協同組合による「京プリント」も展示されていました。
 リリースによりますと、最近のメイド・イン・ジャパンへの回帰もあり、同協会が発行する商標タグの枚数は今年80万枚を突破。生地卸業界の東アジア市場販売に「京プリント」を活用する動きが出始め、それに対応すべく中国や韓国でも商標権を獲得しているとのこと。

吉忠京都ロマン
 ゴールドをテーマに、ゴールドのラメやブークレツィードのフリンジジャカード、フロッキー、突っ切りなど。温かみのある表情豊かなファブリックが中心。
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伊吹
 ヴィンテージ感と装飾感を表現するジャカードやプリント、刺繍、レース、プリーツ、オパールなどが多数。
 とくにデニムにデジタルプリントや刺繍、ゴブラン柄のカットベルベットなど。
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外村
 女性らしいブリティッシュ調の「ジェントル」、洗練されたイメージのクラフト感「エターナル」、エッジを効かせたクールな「コンシャス」の3つのテーマで提案。
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 ニットオパール・アールヌーボー  ゴブラン風ジャカード

大松
 対極の要素をオーバーラップさせ、従来の常識を打ち破る「ハイパーミックス」がテーマ。
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 ゴブランジャカード           フロッキー加工

協友
Img_26531  華やかな個性的意匠のリバーシブルニットジャカードのバリエーションを中心に、ベロアやフリンジ付きジャカードニット、またレトロな柄を現代風に描いた手捺染プリントなど。

Img_26551_2  大胆なパネルプリントに注目。
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2016年12月 8日 (木)

2017/18秋冬T・N JAPAN東京展「麻で冬を織る」テーマに

 先月17~18日、2017/18秋冬のテキスタイルを発表するT・N JAPAN(テキスタイルネットワーク ジャパン)東京展が、渋谷の文化ファッションインキュベーションで開催されました。出展したのは、全国の産地から集まった14の企業・団体です。
 テーマは「麻で冬を織る」で、麻を使用して開発した新しい触感の冬物が目を惹いていました。来場者の入りはよく、前回の1割増しとのことで、活気のある商談風景でした。

古橋織布
Img_25631_5  人気は、綿100%オックスフォードで、不規則な縦目のシワ加工を施した上で、起毛仕上げしたしっかりした風合いのもの。
 起毛はカシミアタッチの仕上げで気持ちのいい風合いです。
 裏表、両面使える利点もあります。

福田織物
 定番の畝ストライプとは異なる幾何学的なデザインのコーデュロイ、「BECCO(ベコ)」が好評だそう。(左下)
 また凹凸感のある繊細な多重織(右下)も人気とのこと。
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○播州の機屋(播州織工業組合)

Img_25661_4    意匠糸や織組織により表面変化を加えたオリジナル先染め生地が楽しい!
・遠孫織布
 アレンジワインダー使いで開発した多色のパッチワーク(右)。
 綿/ナイロンのラメ入りカットジャカード(左下)。
 表リネンで裏は綿になるように織られたキルティング風ジャカード。中綿はポリエステル生地をサンドイッチ(右下)。
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○匠の夢

Img_25961_3 いつもデザイン性の高い織物に注目しています。
 アパレル同様、インテリアにも向くジャカード織物(右)が出ていました。
 また今シーズンの新作として、綿/レーヨンの解し織コレクション(下)も。かすり織のような雰囲気です。

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2016年12月 7日 (水)

2017春夏「ボッコ Bodco」リラクシングウェア新作は絞染め 

 先月中旬、デザイナーの川田 剛さんが手がけるリラクシングウェア「ボッコ Bodco」の2017春夏展示会が、東京・青山で開催されました。

Img_26211  今シーズンは絞染めの新作がラインナップしています。手絞りのやわらかい色調が、心地よいムードをさらに盛り上げているようです。
 素材はナチュラルなコットン裏毛やパイル、リブニット、ダブルガーゼなど、肌に気持ち良いものばかり。ソフトシームにもこだわっています。
 男女を問わず、ジェンダーレスで着用でき、最近流行のアスレジャーウェアとしても好評の様子で、来シーズンの展開が楽しみです。
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2016年12月 6日 (火)

IFFT/インテリア ライフスタイル リビング エコな生活雑貨

 IFFT/インテリア ライフスタイル リビングが11月7~9日、東京ビッグサイトで開催されました。本展については、このブログ2016.5.5付けで予告記事を掲載しています。

 会場は中央にスマイルズのディレクションによる特別企画「THE HOTEL~ほてるホテル~」がImg_24141 展示され、家具や雑貨がハート型に集積。香川県豊島に開業したという民泊の檸檬ホテルを象徴する自転車も置かれていました。
 またこうした見本市には珍しい8の字型の通路も、自由で温かい雰囲気があって回遊しやすいつくりと思いました。

 繊維関連は、全体に少なかったのですが、環境に配慮したエコな生活雑貨が増えている印象です。
 その一つが「クラキン(KURAKIN)」(艶金化学繊維)で、「のこり染め」の製品を発表していました。
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 これは食品の残りで、捨てられてしまう部分から抽出した染料で染めたものです。取り出した色はワインやあずき、柿など11種類で、オリジナル服地やタオル、帆布にし、バッグやポーチ、スリッパ、キッチングッズなどを展示。愛知学院大生によるポンチョがアイキャッチャーになっていました。
 どこか懐かしい、優しい味わいが、来場者の目を惹き、立ち止まる人が多く見受けられました。

 もう一つは、「東京手仕事」プロジェクトです。東京の伝統工芸品を集めたコーナーで、代々受け継がれてきた江戸職人の匠の技に焦点が当てられています。江戸切子や木目込み細工、組み紐、日傘など、様々あり見ていて楽しい。
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Img_24231  とくにテキスタイルで、東京のはずれ青梅にある「壺草苑」に注目しました。
 ここは天然藍の藍染工房です。パリの「メゾン・エ・オブジェ」に出展し、ストールなどを出品していたことが思い出されました。
 「The Wonder 500」に認定され、世界進出へ向けて積極的に活動されている様子です。一度工房を訪ねてみたいと思ったことでした。

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2016年12月 5日 (月)

アクセサリーミュージアム 「すみ絵と金継ぎがあそぶ」展

Pic_201611_2  今、東京・祐天寺にあるアクセサリーミュージアムの特別展示スペースで、「ESPRIT ART DECO~すみ絵と金継ぎがあそぶ~」展が開催されています。
 これはファッションイラストレーターの坂巻かほるさんとクリエイティブコーディネーターで金継ぎ作家の大林万里子さんによる、アールデコスタイルの企画展です。

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 坂巻かほるさんは、昨年もこのミュージアムでアクセサリーとのコラボ展を開催されました(このブログ2015.5.10参照)ので、ご存知の方も多いでしょう。今回は「アールデコのエスプリ」をテーマに、1920年代のパリモードをイメージさせるファッション画を、すみ絵で創作され発表しています。金継ぎの作品に合わせて配したという金色が、黒の持つ高級感やエレガント感をいっそう引き立てているようでした。

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Img_26131  大林万里子さんは、お仕事の傍ら金継ぎを習得され、本展が初デビューだそうです。私も金継ぎ作家にお目にかかったのは初めてで、いろいろ教えていただきました。

 金継ぎとは食器の割れた部分に漆を塗り、継ぎ目を金粉で飾って、新たな命を吹き込む日本ならではの伝統工芸です。修復して隠すのではなく、割れたものをより美しく見せる芸術なのですね。「わび・さび」や「もったいない」という日本の美意識を見直す動きも手伝って、ちょっとしたブームになっているというのもうなずけます。

 捨てられてしまうものをアートとして蘇らせた様々な作品の中には、完璧なものを敢えて割ってつくったというものも展示されていました。
 また「呼び継ぎ」と呼ばれる別の器の破片や、海水に洗われて丸くなったガラスのかけらで継いだものもあり、その大胆な金の線がつくる見事な美に驚嘆させられること頻りでした。

 現在、まだ修行中という大林さん、今後のご活躍を期待しています。

 この企画展は来年の2月12日まで。アクセサリーミュージアムに足を運んで、館内特別展示スペースで、静かな鑑賞のひとときを過ごしてみてはいかがでしょう。

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2016年12月 4日 (日)

エシカルファッションという新潮流

 このブログでも何度か取り上げているエシカルファッションについて、(一財)日本綿業振興会発行の機関紙「COTTON PROMOTION コットンプロモーション」(2016秋号のコラム、マーケティング・アイ)に、執筆した記事が掲載されました。
 下記、クリックしてご覧ください。

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2016年12月 3日 (土)

NESTとGAS AS I/F合同展 ⑵ 個性派ブランドが集結

 昨日のブログの続きです。代官山のもう一つの会場、THE ROOM DAIKANYAMAでは、個性派ブランドが集結していました。

メグ ミウラ(MEG MIURA)
 以前和紙を使った造形的コレクションで、その才能をこのブログ(2013.11.8)で紹介したことのある三浦 恵さん。彼女が手がけるブランド「メグ ミウラ」に、いつも注目しています。
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 今季の新作は、うねる曲線を人体にまとわせた彫刻的な作品です。素材は毛芯で、生成りの張りのあるリネン100%使いだそう。その裁断の技やステッチワークは、まさにクチュール・エレガンスそのもので、またしても驚嘆させられました。 

ナイフ(NAIFE)
 梶永真治さんによる「ナイフ」は、「ストレートに、大胆に」がコンセプト。
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 今シーズンは、カットジャカードに葉の柄をプリントし、ビニールのような質感を出した生地と、メッシュとを組み合わせた美しいコレクションです。葉の意匠は、真空パックのローリエの葉からイメージしたものだそう。

ソイル&レイン(SOIL & RAIN)
Img_23111  パノコトレーディングのオーガニックコットンによるブランドです。
 今シーズンのテーマは「布をまとう」。
 「美しく心地よい」をモットーに、リラックスカジュアルを提案していました。

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2016年12月 2日 (金)

NESTとGAS AS I/F合同展 ⑴ 今を行くブランドが集結

 2017春夏コレクションを発表するファッションブランド合同展、「NESTとGAS AS I/F」が、10月25~27日、東京・代官山の二つの会場で開催されました。参加したのは約30ブランドで、いずれも今を行くクリエイティブなブランドばかりです。
 最初に代官山のSPEAK FOR SPACE会場から注目ブランドをご紹介します。

バイユー(by U)
 ブランドのコンセプトは、「大人のための可愛い服」です。
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Img_22781jpg_2  今シーズンのテーマは「バイユー・プロヴァンス」で、フランス南部のプロヴァンス地方への旅に着想したコレクションが発表されました。プロヴァンスキルトのプリントやスカラクローバープリントなど、ふんわりと優美なプリントと様々なツイードアイテムとの組み合わせで、大人の可愛さや格好良さを表現しています。

アカネ ウツノミヤ(AKANE UTSUNOMIYA)
 ブランドを手がけるのはファッションデザイナーの蓮井 茜さん。
 今シーズンは「アフリカ」をテーマに、トライバルな感覚のコレクションを発表しています。
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Img_22841  大胆なプリントはアフリカのエスニック文化にインスパイアされたといいます。とはいえデザインはシンプル化され、色使いやモダンなグラフィックでアップデートされています。
 また動物モチーフの手編み風ニットが、アフリカという灼熱の大地に暮らす人々のクラフトワークを彷彿させます。

タロウ ホリウチ(TARO HORIUCHI)
 ファッションデザイナーの堀内太郎さんによる「タロウ ホリウチ」の今シーズンのコレクションは、ピカソの妻、ジャクリーヌ・ピカソが着想源。ジャクリーヌは、ピカソが80歳の頃に結婚し、91歳で死去するまでの11年間付き添った女性で、ピカソに常にインスピレーションを与える存在だったといいます。
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Img_22971  リネンやマルチストライプ、チェック、ペイズリーは、彼女のワードローブを想わせるものだそう。それらに現代的なテキスタイル、たとえばアルミ蒸着に特殊なシワを施した生地や、転写を加えたプリーツ、パンチング加工のジャージーなどを組み合わせ、このブランドならではの未来的な側面を持つラインナップに仕上げていました。
 とくにチェック柄はオーガンジーにプリントしたもので、女性らしい優しさとともに生命力を感じさせます。

ステア(STAIR) 
 デザイナーは武笠綾子さん。ほどよい遊びと頑張りすぎない女性らしさをイメージしているといいます。意外なテキスチャーの融合を楽しむなど、「今の気分を遊ぶ」リアルクローズを展開しています。
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 今シーズンは、現代女性の強さと、ふとどこかに滲み出る繊細さ、表と裏の二面性を表現しているとのこと。

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2016年12月 1日 (木)

プラグイン10月展 勢いのある元気なファッションブランド

 ファッション・雑貨・ライフスタイルの展示会「プラグインPLUG IN」が、10月26~28日、渋谷ヒカリエホールで開催されました。
 結果報告によると、来場者総数は4,803人で前回3月展の11%増となり、とくにバイヤーの出足が好調だったといいます。市況が悪いだけに、少しでも付加価値の高い商品を見つけようと、このような合同展に期待するバイヤーが増えているようです。
 出展社では、アパレル関連企業が靴やバッグなどの雑貨に比べ少なくなっている様子でした。とはいえ商談は活発で、勢いのようなものを感じました。そんな元気なファッションブランドをいくつかご紹介します。

TEEE (ティー)
 ファッション須賀のHAKKA-GROUPによる新ブランドです。
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 名前のように、ハンガーにはTシャツのような感覚のブラウスがずらりと並んでいました。これならTシャツを着るように、さらりと着こなせそうです。今のエフォートレスな空気感にぴったり。パリのヴィンテージショップに並ぶコットンのブラウスをイメージしたといいます。

vent blanc/a mon gout
Img_22531   ナチュラルなコットン素材のよさを生かしたコレクションで、さわやかな風を感じました。
 洗練された大人のカジュアルというにふさわしい、スティルフラン社のブランドです。

 

パンツのソムリエ
Img_22501  女性のパンツをつくり続けて45年という老舗、大盛センイのブランドです。「体型カバー」や「はき着心地」、「扱いやすさ」にこだわり、ウエストはすべてゴム仕様。シルエットも美しい。
 素材は綿を中心にテンセルや麻混、デニムなど。

hue(ヒュー)
 ミニマリズムをコンセプトにしたドレスブランドです。シンプルで洗練されたデザインなので、昼から夜のシーンまで様々な表情を楽しめる重宝な一着になりそう。
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 ブランド名のhueは、色彩が変化していく様子を表す言葉ですが、ここでは着方次第で変化できるドレスという意味のようです。

Washoi(ワッショイ)
  昨年11月に立ち上げたという、天然素材のコットンを中心にしたメンズカジュアルブランドです。コンセプトは「ネオ・ヒッピー」、ちょっと楽しい個性派ブランドです。
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Img_22711  それにしてもワンカップ麺の展示にびっくり! 
 中には草木染のシャツが入っていて、水に浸けると30秒で模様が浮き出てくるといいます。
 デザインはMOMO (桂川桃子) さん。今、ライブペイントで注目アーティストです。

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