コーシェ×ファセッタズム デザイナートーク・セッション
先月のカラート71プロジェクトで、「コーシェ×ファセッタズム デザイナートーク・セッション」が開催されました。
ファセッタズム(FACETASM)」の落合宏理デザイナーと、「コーシェ(KOCHE)」のクリステル・コーシェ デザイナーによる対談で、二人とも2016年度LVMHプライズでファイナリストに選ばれた、実力派若手デザイナーです。「ナビゲーターを務めたのはファッションディレクターの萩原輝美さんです。
このお二人が東京とパリでのクリエーションを語り合いました。
まず「コーシェ」ですが、先月のAFWT東京コレクションに初参加し、原宿で路上ショーを行って話題を集めました。
ブランドを手がけるクリステル・コーシェさんは、クロエなどビッグメゾンで経験を積み、2014年に自身のブランドを創設。現在もシャネル傘下のオートクチュール工房「ルマリエ」でアーティスティックディレクターを務めているそうです。
量産には程遠い、手技のラグジュアリーブランドですが、コレクション発表の場がアーケード街などストリートというのがユニークです。
その理由を問われて、「ファッションはリアルで皆のものだから。チケットなしで一般の人に見てもらえること、そこに自分が伝えたいメッセージがある」といいます。モデルも様々な職業や年齢の人をミックスしてやっているとのこと。そこにはTシャツのような普段着もあり、それらをバランスよく組み合わせてコレクションを構成しているといいます。コンセプトを「COUTURE TO WEAR」としていることも印象的です。
次に「ファセッタズム」です。デザイナーの落合宏理さんとこのクリステル・コーシェさんは同年齢。ちょっとしたライバルですね。但し「ファセッタズム」は3分の2がメンズで、今シーズン、ブランドとして初めてパリコレクションに参加しました。落合さんは「日本のストリート感を伝えることができ、よい結果を出せた」といいます。
東京からパリへ発表の場を移した落合さんに対し、クリステルさんが「日本のファッションは好きだし、東京には何かを変えるパワーがあると思っている。この東京の可能性をどう捉えているか」と質問すると、落合さんは「独特の進化を遂げているが、ビジネスに繋げることが見えてこない。不明な部分が大きい」と答えていました。「パリには多くの出会いがあって、刺激的。パリの方が自分のブランドが光ることがわかった。今後、東京でやることはもうないと思う」とも。
最後に、この場に出席していた大勢のデザイナー志望の学生に向けて、次の言葉が贈られました。「自分を信じ、個性を大切にして、クリエーションへの強い意志を持つこと」。新しいものを創ることをミッションと考えているお二人らしい発言でした。
| 固定リンク
「ファッション・アクセサリ」カテゴリの記事
- ピエール・カルダン氏逝去 ファッションの未来創った先駆者(2021.01.11)
- JAFICビジネスマッチング 企業とクリエーター商談会開催(2020.12.29)
- ファッションワールド東京 昔懐かしい「ガラ紡」に出会う(2020.12.17)
- 篠原ともえ サステナビリティが広げるクリエイションの可能性(2020.12.15)
- プラグイン10月展 バーチャルリアリティシステム初導入(2020.12.02)
コメント